第三十四話:(人間死すべし)
貴「まずは自己紹介でもしておこうか?俺の名はカイ。遙か昔、神と共に戦った者だ」(作者EVの声 次から“カ”です
E「!!あの昔話の・・・」
カ「その通り」
ペ「何故歩美達まで!!お前はこの町の人を呪い殺すだけじゃなかったのか!!」
カ「?歩美・・・?」
歩「ゼェゼェ・・・」
カ「ほう、コイツらはバイルと同じな訳か」
サ「バイル?」
カ「だが所詮、人間は人間だ。コイツらにも死んでもらう」
サ「何ですって!?」
ペ「歩美もご主人も関係ないだろう!!」
カ「関係ない?いいや、大ありだ。コイツらは人間、自分の邪魔になるものならなんでも斬り捨てる最悪な生き物だ」
サ「そんな事無い!」
カ「俺は知っている。人間を救おうと、俺が人間に害を加えていたポケモンを倒していた時、人間達は、俺を凶悪なポケモンと見なして殺そうとしていた」
E「それは貴方が他の人達を殺してしまったからでしょう?」
カ「ああ、“殺してしまった”んだ。俺は元々殺す気なんぞ無かった。だが一度、やりすぎて殺してしまった時、人間はその俺を見ていた。その時だけだ。俺が誰かを殺したのは」
ミ「え?じゃあ人間が勘違いしてたの?」
カ「勘違い?違う、あいつ等は俺の戦う姿を見た時から俺を殺そうと密かに考えていた。俺が調子に乗って、この町の人間を攻撃し出すかもしれないと案じてな」
ペ「だがお前にそんな気はなかったんだろう?」
カ「無論、その時は俺はまだ人間の事を信じていた。だから今、その信じていた人間から裏切りにあった復讐をしているんだ」
サ「・・・・」
カ「さあ、人間共、苦しみ苦しみ、苦しみ抜いた末に、醜い死を遂げろ・・・」
歩「ハァハァ・・・」
進「うっ・・・ゼェゼェ・・・」
未「ハァ・・・ハァ・・・」
一「ハァハァハァ・・・」
花「ゼェゼェ・・・」
E「やめて下さい!!」
カ「何故?」
E「関係のない歩美さん達を殺してしまおうとするなんて間違ってます!!」
カ「間違いがどうした・・・。俺は間違いに気付かず生きてきた・・・。だから死んだ今、その間違いを正そうとしているんだ!」
ペ「これを止めるには、お前を倒すしか方法はないんだろう?なら、やってやるさ!!」
カ「おお、怖い怖い。この若造が、誰に向かってものを言ってる」
ペ「【ツルの鞭】!」(ヒュルル!)
パシン!!
ペ「な!?」
カイは僕のツルを手でつかんでいた。
カ「いくら慣れない身体だからといっても・・・、この位は出来る」
ペ「くっ!放せ!!」
カ「良いだろう」(ヒュン!)
ペ「うぉぉぉぉ!!」(ヒュッ!)
カイはその老人の筋肉ではとうてい考えられないほどの力で僕をそのまま振り回した。
カ「そら!」(パッ!)
ペ「うわ!あ!サラ退け!!」(ヒュ~)
サ「うわわ!」
バシン!!
サ「がはっ!」
結局サラは避けきれず、思い切り僕と一緒に吹っ飛ばされた。
サ「ど、退いて・・・」
ペ「ああ、悪い」(スッ)
止まった時点では僕はサラの上に乗ったような状態だった。
サラを起こすのを手伝ってカイと向き合う。
カ「貴様等・・・、人間の味方をするようなら、お前達も殺すぞ」
ミ「わ、わたし達は人間じゃないのに~・・・」
カ「黙れ、人間に与する(くみする)ポケモンもまた人間に値する!お前等も人間と同じだ!」
E「そんなの間違ってますよ!」
カ「なんとでも言うがいい。さて・・・、この身体はいささか動きづらい。コイツらの中で一番強い身体は・・・」
カイは歩美達を見回した。
カ「・・・!ほう、以外だな。この一番小さい小娘が一番強いとは・・・」
一番小さいといえば未歩だが、未歩はそんなに強いはず無いと思うんだが・・・。
カ「それに一番弱っているから使いやすそうだ」
結局は扱いやすさで選んだな!?
カ「このクソ忌々しいガタガタの身体などもう要らん。コイツの身体を使わせてもらう。女というのは少し抵抗があるがかまわん」
そう言うと、カイは貴紀さんの遺体から抜け出した。
貴紀さんの体は妙に滑稽な体勢で倒れた。
カイは恐ろしくイーブイからかけ離れていた。
体は黒がかった緑だし、宙に浮いているし、足の先はどれも丸くなっている。
そして尻尾もフサフサではなく、ヒョロッとした長いものだし、
尻尾の先には鈎が付いている。その鈎にはカンテラがぶら下がっていた。
ス「あれがカイの本当の姿!?」
サ「どこがイーブイなのよ!」
カ「明るい・・・、明るすぎる・・・」
ミ「薄暗いよ・・・」
カ「明かりはこれだけで十分だ・・・」(スッ!)
カイがカンテラのついた尻尾を振ると、周りの明かりが全てカンテラに吸い込まれた。
ペ「くそ!暗すぎるぞ!」
ス「でもあいつの場所はあのカンテラの位置でわかるよ。ずっと光ってるから」
カ「さて・・・、早速その身体・・・、使わせてもらうぞ・・・」
E「未歩さんになにを!?」
カ「退け、小娘・・・。お前には用はない・・・」
E「未歩さんには触らせませんよ!」
カ「・・・【サイコキネシス】」(ズォォォ・・・)
E「うわ!!」
カ「我が力の器となれ・・・」(スゥゥゥ・・・)
サ「!未歩ちゃんから離れなさい!!」
ペ「くそ!止められない!!」
部屋の明るさが元に戻った。
「・・・さすがに元の姿と同じ形なだけあって、動きやすい」
ミ「ミホ姉・・・?」
「しかし小さいな・・・。くそ、あのイブよりちょっと大きいだけか・・・」
ス「カイが乗り移ってる・・・」
サ「え!?憑依されたっていうの!?」
カ「そうだ、随分と気付くのが遅かったな」
サ「でも、まだ未歩ちゃんは生きてたんじゃ・・・」
カ「ああ、まだコイツは生きてる。だがそろそろ死ぬだろうな。俺が乗り移るという事は、呪いの大元を受け入れるという事なんだから」
ペ「カイ!!早く未歩の身体から出るんだ!!!」
カ「若造、お前のような雑魚に命令されて聞いてやると思うか?この身体は俺の元々の身体よりも強い。そこに俺の持つ力を加えたんだ、お前等が束になってかかってきた所でお前等に勝つ見込みはない」
ス「未歩ちゃんの身体に負けるぐらいの強さって、元々の体はどんなに弱かったんだろうねぇ?」
ペ「まったくだ」
カ「そうか、やはりお前等は雑魚だ。この身体の強さに気が付いていない」
ペ「ならどの位強いか試してみろよ」
カ「良いだろう」
ペ「!!!」
一瞬で僕の背後に・・・。
カ「終わりだ、若造!」(ヒュン!)
バキャッ!!!
ペ「がはぁ!!!」(ヒュ~)
バン!!
僕は吹っ飛ばされたあと、壁に思い切りぶつかった。
ペ「ゴホッ!ゴホッ!ゴホッ!な、なんて強さだ・・・」
ス「あれが未歩ちゃんの身体の強さ?」
カ「どうした?これでもまだ三分の一しか力を出してないんだぞ?俺の力にいたっては全く使っていない」
サ「未歩ちゃんの身体にあんな強さなんてあり得ない・・・」
E「あんな力、女の子が持ってる訳・・・」
カ「コイツは、まだ自分の力の使い方をわかってないんだろうな。だがもうその心配もあるまい。ここで死ぬんだから。はっはっは!!」
未歩の精神世界・・・
未「・・・ここ・・・、どこ・・・?」
どこを見渡しても真っ赤な世界。
草一本岩一つなにもない。
ただ赤い大地が広がっているだけ。
「憎い・・・、人間が憎い・・・」
未「!!だ、誰!?」
「憎い・・・」
未「あんたがカイっていうあのイーブイなの!?」
カ「その通りだ・・・。さて未歩とやら・・・、今お前の身体を使わせてもらっている・・・」
未「わたしの身体を!?」
カ「しかしまだお前は生きている・・・。生きているものに取り憑いた場合、動きが多少阻害されるんでな・・・」
未「わたしを殺そうっていうの!?」
カ「察しが良いな。その通りだ。早くお前が死ねば、他の人間も、あのポケモン達も全て殺してやる」
未「させないよ!!わたしは絶対死なない!!」
カ「精神の死は自ずと身体の死になる・・・。精神の死とは激しい苦痛だ・・・。その苦痛を味わうようならば、死んだ方がマシという・・・」
未「だから?あんたを追い払ってやれば苦痛もなにも感じなくてすむよ!」
カ「俺を追い払う自身があるのか?」
未「もちろん」
カ「でほ・・・、試してみろ。俺もお前を殺すために全力を尽くさせてもらう」
未「とりゃ!!」(バッ!!)
カ「(スゥ・・・)ほらどうした?」
未「え!?当たったはず・・・」
カ「では行くぞ・・・」(オォォォォ・・・)
!?カイがたくさん!?
ざっと数えて三百人ぐらい、こんなのアリ?
未「こんなのって無いでしょ!」
カ「さあ死ね」(ヒュッ!)
未「うわっ!」
カ「油断するな」(ヒュッ!)
未「(ガッ!)ぐはっ!ぜ、全部本物なの!?」
カ「さあ死んでもらう・・・」
カイの大群がわたしに迫ってきた。
貴紀の家・・・
カ「どうした?戦わないのか?」
サ「戦うなんて、そんな事・・・」
カ「力に怖じ気づいたか?」
ス「違う!あんたが未歩ちゃんの身体を使ってるから!」
カ「くだらないな。戦わなければ自分たちも死ぬんだぞ?」
ミ「だからって、ミホ姉には攻撃出来ないよ!」
カ「そうか、なら逃げるが良い、逃げるのであれば俺はお前達に危害を加えない。すぐに人間達を殺してやる」
E「逃げません!!絶対皆さんを救って見せます!!」
カ「勝手にするがいい!だがお前達はこの身体に攻撃出来ないんだろう?俺を倒さないとコイツらは助からない。さあ、どうする?」
サ「卑怯ね・・・」
みんなを助けてあげないと・・・、でも、未歩ちゃんには攻撃出来ない・・・。
最終更新:2008年12月14日 16:16