「レビューDK1」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

レビューDK1」(2010/01/06 (水) 23:38:00) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*ここには、購入者のレビューを乗せています。 +カレーパスタさんのレビュー +livemagicさんのレビュー +oteさんのレビュー ---- **カレーパスタさんのレビュー ・はじめに 筆者は2008年の冬にイヤホンのスパイラルにはまり2009年の春にPHPAの世界にはまりました。 それほど知識も経験もないためとても恥ずかしいレビューとなっておりますが、最後まで読んでいただければ幸いです。 ◎単体レビュー ・起「めずらしいポータブルアンプを発見!」  ヤフオクにヘッドフォンアンプのカテゴリが出来てから、何か面白いものはないかとチェックをしておりましたところ、「【電流帰還型】【ディスクリート】DKAmp 【自作】」というものを発見しました。 電流帰還型といえば、Audio-gd C-2CやSATORI回路が採用している方式だったとうろ覚えの中、オペアンプ使用が定番のPHPAの中でディスクリートという言葉にすっかり惚れてしまい入手を試みました。 ・承「ずっしりと重い本格派」  出品者から送られてきたものは、wikiにも記載がある通りタカチのKCS 20-60-100-N SSを使用したほぼiPodぐらいの大きさのもの。 ケース自体は秋月のAE-HPPMLと同種で大きさだけが違います。 自分が入手したものはレタリングがされていませんでしたので、ちょっとさびしく感じました。 レタリングがされているともっと豪華に見えると思います。 そしてこの大きさでディスクリートアンプなの?しかも充電回路搭載というのにびっくりしました。 そしてずっしりと重いその重量はリチウム電池から起因するものと思われますが、ポータブル上欠点ではあるものの、「オーディオは重いものほど良い音がする」という持論から安心感も持てました。 #ref(kare1.JPG)  早速いつも使用しているNW-A829→オーグラインPtWM-PORTケーブルとUltimate Ears Tripe Fi.10Pro(オーグラインPtリケーブル)で試聴。まずは「DENON AUDIO CHECK HQCD」のTrack9周波数スイープ。 これでざっとこのアンプの周波数特性をチェックしてみました。 耳チェックなので自分が聞こえている周波数帯を数値にすることは出来ませんが、かなり低域から音が聞こえてきてビックリ。 高域もきっちり再生されており、ワイドレンジを実感できました。 この辺はきっちりと抑えていると言ったところでしょうか。 #ref(kare2.JPG)  次に、低域再生チェックで利用している、「FablicLive.41」のTrack19~21を試聴。 Track20に収録されているSpastik/Plastikmanという曲がオールドテクノの名曲なのですが、このTR-909のKick音の再生ができるかできないかがヘッドホン、IEM、PHPA等のチェックになることに最近気づき、現在のリファレンスとしています。 本来ならばオリジナル盤が良いのですが、うちのカオスに紛れ込んで見つからないため、こちらで代用しました。 Track19から気持ちよく流れていく感じが結構溜まりません。 音の感じはあえて言えばiQubeと似ていると思いました。 一音一音の分解能の良さはディスクリートならではの味でしょうか。 オペアンプPHPAだとどうしても石の癖が出てしまい、ここまで素直な音になるのは難しいです。 このアンプの一番の売りだと思います。 そしてTrack20へとつながりTR-909のkick音が鳴りだすところへ。おお!しっかりと超低音がきっちり鳴らされている。 SM4では潰れてしまっていたといういわくつきの音がきちんと鳴っておりました。 そのまま気持ちよくTrack21のFlash/Green Velvetへつながります。 この辺で一つ気になってきたのが、分解能がすごく良いのに対して、音場感があまり広くないなこと。 音場の表現力が10Proでもそれほど出ないのも、このアンプの特徴だと思います。 ・転「この音はちょっと違わないか?」  続いて中国abc recordの「スプリーム・ステレオ・サウンドNo.3~European Night(Jazz by Piano)~ / Numerous artists 」 を試聴してみました。 HDマスタリングCD、ドイツプレス盤と通常版よりも豪華な仕様ですが、リッピングだとあんまり関係ないかな?ピアノトリオでクラッシックの名曲をジャズで奏でるというよくあるものですが、季刊オーディオアクセサリー134号の付属CDで紹介され、輸入元で一時在庫がなくなるという人気盤のようです。  一通り聞いてみましたが、ピアノトリオの雰囲気がより鮮明に伝わってきて心地よいです。が、若干低音が気になってきました。 少し低音をあげているような気がします。 シンプルな構成の音源なのでそれほど目立ちませんが、ちょっと気になります。  気になりまして、季刊オーディオアクセサリー134号特別付録CD「This is HD MASTERING Sound」を聴いてみました。 これはサンプラーだけありまして、いろいろな音源が入っております。 一通り聴いてみて、やっぱり同じことを感じました。 明らかに解像度が高いけれど低音が若干強調されており、10Proの旧ロットであったような、低音過多での高音マスキングによる音質低下を感じました。 現在使用しているのは10Pro新ロットで中高音の音質の改善がかなりありましたが、このような状況になるのはちょっとびっくりです。  そこで音源を低音重視のものに変えて確認してみました。 マキシマム・ザ・ホルモン/「爪爪爪/「F」」これなら低音バキバキでも問題がありません。 早速聞いてみましたが迫力満点です。 いわゆるこっち向けのチューニングなのかな?と思いましたが、それにしてはちょっと引っかかる・・・。  そこで、一つひらめきました。 この音質は意図的にチューニングしているとしか思えない。 すなわちこの音質はリファレンスに使用したイヤホンもしくはヘッドホンに起因しているのではないか? しかし、中高音の解像度が高くて低音が少ないイヤホン、ヘッドホンは何だろう?・・・・あのどちらが該当するのでは?!Etymotic Research ER-4SかAKG K701/K702だろう。 幸いうちには両方あるけれど、PHPAで使うとしたらER-4Sだろう。 そんなことを思いつき、早速イヤホンをER-4Sにして今まで試聴した音源をすべて聞き直してみました。 #ref(kare3.JPG)  結果、自分の感じた印象は自分の推測を裏付けるだけの結果を得ることができました。 この解像度をしっかりと確認できるのはER-4Sの性能がであり、ER-4Sだからこそあの低音の膨らみでよりフラットな音になる事を実感したのです。  早速出品者にメールでリファレンスに何を使用していたかメールで尋ねてみました。 ・結「納得のチューニング、納得の性能」  出品者からの返事は私の期待を裏切るものではありませんでした。 リファレンスにはER-4Sを使用しているため、そのチューニングもその方向になっているとのこと。 逆にいえばER-4Sがあったからこそこのアンプが作成できたと言ってもいいでしょう。 ER-4Sと相性の良いPHPAといえばSM4、MiniBox-E+、XM5があるようです。 自分はSM4しか聴いたことがありませんが、SM4も汎用性の高いアンプだと思いますので、ER-4Sに特化したと考えるとDKampは大変面白い存在だと思います。 他にチェックしたイヤホンでは、ER-4Sと同系統のER-6iも相性が良かったです。 また、今まで音の嗜好が合わずしまっていた、Apple In-Ear Headphones with Remote and Mic、Creative Aurvana In-Earを引っ張り出して聴いてみましたが、解像度の高さが良い方向に働いて、今までの悪印象を払しょくする心地よい音を出してくれました。 その点でも大変ポテンシャルの高いPHPAだと思います。 #ref(kare4.JPG)  総評として、チューニングに偏りがあるため、若干イヤホンを選ぶものの、大変性能の高いPHPAと感じました。 市場価格としてはかなり安くすると聞いておりますので、これからの評判が楽しみな製品だと思います。 ・おまけ  再生時間が約30時間、充電時間が約2.5時間となっておりますが、これはかなり正確な数字のようです。 充電時間も早く、急いで充電したいときにも安心です。 バッテリー運用の手軽さも使い勝手の良さに貢献していると思います。 ◎PHPA比較レビュー 試聴DAP:NW-A829(ATRACplus256kbps) 試聴音源:季刊オーディオアクセサリー134号特別付録CD「This is HD MASTERING Sound」 試聴イヤホン:Etymotic Research ER-4S ・Fiio E5(AD8656改) C/Pはピカ一。AD8656乗せ換えでワイドレンジ、高解像度を実現。 パフォーマンスはすごいがそれも対値段比であり、他機種と比べるとその表現の大雑把なところに限界を感じる。 標準の状態ではAE-HPPMLと実力差を感じざるを得ないが、オペアンプ交換によりかなり差が縮まるのも特筆すべきところ。 ・秋月 AE-HPPML オペアンプOPA2353を(増幅+バッファ)×2個2chとして利用しているA47式の格安PHPA。 サイズこそE5に負けるが、自作の難易度も低くE5はちょっと~という人向け。 オペアンプ一発なのでオペアンプの癖がでる素直な音、解像度、レンジともコストから考えると直出しよりは効果を感じるがそこそこ。 基本的にバーブラウンの音ですが、比較的味付けの少ない素直な音。 ・AUDIOTRAK imAmp(AD8620) 「デカイ」、「電池の持ちが悪い」、「標準の状態の音が悪い」、「出力増強バッファ用に3つを搭載しているNJM4580がすべての足を引っ張っておりオペアンプの効果が薄い」、とされており人気のないimAmpですが、「国内で買える」、「実質価格が安い」、「オクだとさらに安く手に入る」、「変更できるオペアンプが一つなので、ローリングの効果が分かりやすい」、と言った利点もあり、個人的にはもう少し評価されるべきと思うPHPA。 AD8620を載せると、アナログデバイス系の音がしっかりと表現され中高音のキャラクターのあるメリハリの付いたサウンドが聞けます。 OPA627BPの音が嫌いな人はぜひ試してほしいです。 ・AUDIOTRAK imAmp(OPA627BP) オペアンプをバーブラウンのOPA627BPに変更したもの。 ローリングの終着点の定番なのですが、値段相応にきっちりとしたパフォーマンスを出してくれます。 AD8620に比べて高音の自己主張は若干少なめ。 中低音にキャラクターを持ち少しコッテリとしたサウンドを聞かせてくれます。 重心が低くなるので安定感のあるサウンドに聞こえると思います。 他のPHPAと比較しなければこれでもある程度満足出来る音だと個人的には思います。 ・RSA SR-71A iQube、SM4ともに人気を博し、一時はプレミアがついてしまったRSAの意欲作。 PHPA初心者の自分にはとても高額な出費でしたが、それに見合うだけの新しい世界と出会えました。 特筆すべきはレンジの広さと音場感。 上記アンプでは見えない世界を見せてくれます。 どんなイヤホンもしっかりと鳴らしてくれ、しかも安心感のある音を提供してくれます。 RSAの努力により量産体制がある程度確保されたため、プレミア的価値はないものの、ここまで良質のアンプが市場に出回ることでPHPAが普及することはとても良いことだと思います。 ・DKamp I 上記PHPAはすべてオペアンプ使用のため、どうしても石の癖が出てしまいますが、それに対してディスクリートの良さが出ており、比較出来ない違いをすぐ実感できます。 またワイドレンジで下から上まできっちり鳴らしてくれる辺りはさすがです。 一音一音の分解能の良さが特筆すべきところだと思います。 これは上記のオペアンプ搭載PHPAでは真似のできない音だと思います。 音場感こそSR-71Aに負けるものの、ER-4S用に最適化されたその音色は低音のボリュームが少ないというER-4Sの弱点を見事に克服し、再現できる限界まで低音を出してくれるため、フラットな特性のアンプでは味わえない低音の迫力を感じます。 ここまでER-4Sを鳴らしこめるのはP3C(プロトタイプ)ぐらいではないでしょうか。 PHPAでピュアオーディオなソースを鳴らすとどうしても限界を感じることがありましたが、その先入観を払しょくする鳴らしっぷりで、ER-4Sをメインに使用されている方はぜひともお勧めです。 #ref(kare5.JPG) #ref(kare6.JPG) ・まとめ (長所) 1、ディスクリートアンプらしい解像度の高さが一番の売りです 2、ER-4Sに最適化されているため、ER-4Sでのパフォーマンスは圧巻です。ER-6iとも相性がいいと思います 3、比較的解像度の低いイヤホンでもより鮮明に聞かせてくれます。このことからドライブ能力の高いアンプと推測され、汎用性の高さも確認できます 4、低音が若干強めに出ますので低音重視の人にも向いていると思います 5、価格設定が低めと聞いておりますのでC/Pはずば抜けていると思います (短所) 1、個人製作の為入手性が困難です 2、ER-4S用に最適化されているため、一部のイヤホン(ex.10Pro,SE530,Westone3,UM3X)で低音が出すぎてしまい音がマスクされてしまい若干バランスを崩してしまう事を確認しました ・一行でまとめると ER-4S(ER-6i)ユーザーは買い、比較的低音に弱いイヤホン向けPHPAだと思います **livemagicさんのレビュー ・レビュー環境 ヘッドホン、イヤホンはMDR-7506、MDR-Z900HD、IE-8、TRIPLE.Fi 10Pro。 #ref(livemagic4.jpg) DAPはiMod 4G、iPod nano、Walkman NW-808。 SONYのポータブルCDプレイヤーも繋いでみました。 #ref(livemagic5.jpg) ・比較対象 比較したアンプはiBasso P3 heron(改造版)、CORDA MOVE、RSA SR-71Aです。 P3はコンデンサをニチコンのオーディオグレードに喚装、WIMAのフィルムコン装備、 アルプスのボリュームに交換、OPA211、BUF634(2スタック抵抗付き)×2、OPA827という仕様です。 CORDA MOVEはHigh Current(電圧が倍になる)モード仕様です。 #ref(livemagic1.jpg) ・外見について DKAmp1の大きさは他のアンプに比べて高さは一番低く、全長は一番長いです。 iPod nanoとDockで繋いでみるとそれほど長さは気になりませんし、 カバンに入れて使ってもとくに問題は無いと感じました。 なにより電池込みの重量が一番軽いので上着のポケットにnanoと一緒に入れて歩いても全然苦になりません。 全長がもう1センチから1.5センチ短くなれば完璧だと思いますが、 iPodクラシックと同じくらいの長さですので現状のままでも問題ないと思います。 #ref(livemagic2.jpg) #ref(livemagic3.jpg) ・音質比較 DKAmp1の音の傾向は上記3機種の中ではCORDA MOVEに近いと感じました。 CORDA MOVEは明るく元気な音で低音から高音まで過不足なく聴かせてくれます。 SR-71Aの繊細で艶っぽい高音もいいですが、ポップスやロックを聴く場合はMOVEの方が 音圧を強く感じられるので気に入っています。 DKAmp1はこのMOVEの音にさらに立体感を加えた音で、ギター、ヴァイオリン、 チェロ等は他の楽器より一歩前で鳴ります。 変な言い方ですがシンセサイザー等の電子音もとても生っぽく聴こえます。 このアンプはポップスやロックもいいですが、クラシックもOKです。 小編成のモーツァルトなんかはずっと聴いていたくなります。 音場の広さはSR-71Aに譲りますが、中音から高音にかけての立体感は 他のアンプでは聴けない独特な3D空間を感じさせてくれます。 欠点としては、エージング前だと高音が強めの楽曲や女性ヴーカルものの中には 耳に刺さる音を出している曲がありました。 ですが、数日聴き込んでいくとカドが取れ、低音がより低いところまで聴こえるようになり、 若干ですが左右への音の広がりも増してきました。 10Proとの相性はとてもいいのですが音量が取れ過ぎてしまいます。 (9時で大音量) できればゲインの切り替えが出来るか、ローゲイン仕様を作っていただきたいところです。 (このアンプはキットもあるようなので、自作できる方は 使用するイヤホンやヘッドホンに合わせたゲイン設定が可能だと思います) ・総括 比較視聴してみましたが、今ではDKAmp1はいちばんお気に入りのアンプになりました。 特に2時間程度充電すれば、24時間以上使える点もiPodの感覚に近くて好感持てます。 ---- **oteさんのレビュー □まず本体。 市販ケースそのものの質感だが安っぽい訳ではなく、スイッチやつまみはカッチリしている。 電源LEDは赤だが個人的には青系がいいなと思う。 (※上記パーツ類が注文時点で選択可能であればかなり楽しいかも) #ref(ote3.jpg) ステレオミニジャックの差し込みにも不安感は特にない。 電源ON状態でハムやノイズの類は特段感じない。(0ではないが気になるレベルではない) とりあえず手持ちの「Go-Vibe Martini」と比較しながらいくつかのジャンルを聴いてのインプレ。 なおイヤホンはDAPとの組み合わせでポピュラーなUE 10Pro、DAP本体はKENWOODのHD60GD9ECを使用。 ソースは全てCD>WAV>Lossless変換。 #ref(ote1.jpg) #ref(ote2.jpg) ##1 ピアノ中心のジャズ(小曽根真の「Dear Oscar」) 音数は多くないものの情報量の多いアルバム。 ★Martini アンプ無しと比較し聞いてすぐに音の一つひとつがくっきりするのを感じる。 それぞれのパートが明瞭になり前に出て来る印象。 ☆DKAMP1 Martiniより一回り音に厚みが増しかつ篭りがない印象。ピアノのタッチが特に鮮明となりベースは引き 締まる。 比較的硬質だが音場は狭くない。 傾向はMartiniと似ているが、特に中低域の質感はDKAMP1がはっきり上回る。 (但し、Martiniもそうだが低域の量感は特に増えない) ##2 女性ヴォーカル(Norah Jonesの「Come away with me」) 少しハスキーでいながら滑らかにたゆたうヴォーカルとふくよかなストリングスにパーカッション。 ★Martini ナローなジャズと異なり中域を中心に音場を押し広げてくれる印象が先に立つが、音の一つひとつに明 瞭感を与えようとする仕事ぶりが裏目に出る部分も感じる。 軒下から外に出たような晴れやかさがある一方、ヴォーカルの発声の入り口や弦などの音の出の角々に 多少遊離したように感じる場面がある。 ☆DKAMP1 立体感が増すという表現がしっくりくる。Martiniよりも音の粒立ちを引き出してくれる印象。 ヴォーカルは前に出てきてインストの肌理も感じられるが、Martiniで感じた遊離感とも多少異なる、剥 離したとでも表現すれば良いようなひっかかりを感じる面があった。 (曲ごとに録音の質が異なるため、当方駄耳と語彙欠如による「立体感」という印象表現と陰陽を成す 部分かと思う) ##3 国内バンド(LOVE PSYCHEDELICOの「Early Times」) 音数というより質の面で賑やかなアルバムだが、録音に癖があり比較的サ行が刺さり易いソース。 アンプ無しではサ行に若干刺激があるものの気になる水準ではない。 先述でのひっかかりを意識し、特に聴きやすさを主眼に選択。 ★Martini 音がはっきりとして元気は出るが、聴きやすさの点ではあまり芳しくない。 質的には低音が引き締まる一方、高音にキンキンした感じとサ行に多少刺激が乗る。 細やかさや分解能といった面で普及価格帯の小型HPAの限界を感じる。 ☆DKAMP1 音全体がMartiniより更にくっきりし厚みも増す。 高音の質自体は明瞭となり解像度等に不満を感じることもないのだが、サ行の刺激が気になる水準へと 増す。 基本的に高音が伸びればサ行の刺さりも強くなるため、特性・相性といった側面から好みや録音を選ぶ かと覚える。 (DAPがもともと高音寄りという点を考慮する必要もある) ##4 マーラー「交響曲第9番ニ単調 第4楽章」 クラシックの定番。評価評論はさて置き優美~雄大までオーケストラの王道的エッセンスが詰まってい ると思う。 ★Martini 苦手なジャンルかと思ったが意外とそうでもない。 アンプ無しと比べて力強さや定位感ははっきり良いと感じ、各パートの立体感も良好。ただ相対的な印 象として低域に痩せた感じを受ける。 ☆DKAMP1 Martiniと比較し定位の向上などは意外と感じられないものの厚く力強くなり、特に管楽器の鳴りの広さ と弦楽器の芯の太さが増し、音数も増える。 #1でも述べたように低音が量的に増える印象はないが、密度が高いという印象を受ける。 個人的には非常に実力を発揮する相性の良いジャンルと感じる。 ◎総論 DKAMP1の全般的な評価としてはMartiniと同傾向でクラス上位と言えます。音をくっきりさせて張りと元 気を付加するMartiniの延長線上で更に厚みを与え再生品質を底上げした感じです。 気になる点としては、ドンシャリでもスカキンでもないのですが相対的に高音成分への働きかけが強い ため、環境により刺激を感じる場面があるものと考えます。
*ここには、購入者のレビューを乗せています。 +Quinさんのレビュー +おつかいターボさんのレビュー +カレーパスタさんのレビュー +livemagicさんのレビュー +oteさんのレビュー ---- **Quinさんのレビュー iPod Classic 120GBを購入してはや1年。ヘッドフォンはER-4S(ETYMOTIC RESEARCH)→AH-NC-732(DENON)→MDR-NC500D(SONY)→再びER-4S(ETYMOTIC RESEARCH)という変遷をたどってきました。 基本的には電車の中で聞くので、周りの音を小さくしてくれて、なおかつ音の良いものを選んできたつもりです。 ER-4Sでもほぼ満足していたのだが、やはりもっと良い音で聴きたいという欲求が高まり、それならアンプをつなぐしかないだろうということで、ポータブルヘッドフォンアンプ(PHPA)について調べ始めました。 世の中にはたくさんPHPAがありましたが、どれもイマイチの印象(というか値段が高いか、手に入りにくい)。 安くて良い音を手に入れるのは虫が良すぎるなと一度は断念しました。 でもあきらめきれずに情報収集だけは続けていました。 どこをどう辿ったのかは覚えていませんが、偶然このDKampを見つけ、他の方のレビューを読み、俄然興味が湧いてきました。 さっそく管理人にメールをしてみると、安価の先行配布(ただしレビューの義務あり)は最後の一台とのこと。 これは急がねばと購入を決意しました。 管理人さんと何度かメールのやり取りをして、数日して届きました。 付属品はインスタントレタリング(これについては後述)、ACアダプタ、回路図(これにアンプ本体が包まれていた)と、必要最低限の物のみです。 届いたときの第一印象は「小さい」「軽い」ということです。 持ち歩くのが前提のポータブルだから当たり前といえば当たり前ですが、やっぱり小さく軽いのは非常に助かります。 大きさは僕の持っている iPod Classic とほぼ同じ大きさです(DKampのほうがやや小さい)。 #ref(Quin1.JPG) 届いた時はボリュームのツマミが付いていなくてどうやって固定するのか分かりませんでした(汗) (※固定ミスです。今後このようなことがないようにします。DR.KSK) こういうことはネットで調べたらすぐに分かりますけど、最初は戸惑いますね。 僕が何も知らないことが原因なのですが。 調べたらボリュームの部分はM3のねじなので、1.5mmの六角レンチが必要ということが分かりました。 僕は自転車が趣味のおかげで持っていたが、そうでもなかったら1.5mmの六角レンチなんて持っていなかっただろう。 自転車では1.5mmはほとんど使わないけど、10本セットで六角レンチを購入していたのでその中にあったのです。 思わぬところで役に立つもんだなぁ。 #ref(Quin2.JPG) レタリングがないので、外観は非常にシンプルです。 ちなみにレタリングはインスタントレタリングが付属しています。レビューをした人には無料配布するとのことで、タイミング的に僕が第1号となったようです(嬉) いよいよ接続してみましょう。 まずは、iPod の Dock からコードをひきます。これはポータブルアンプを購入したら導入しようと思っていて、あらかじめ用意していました。 これは必須でしょう。 イヤフォンはもちろん ER-4S。 #ref(Quin3.JPG) さっそく聞いてみました。 僕が聞くのはほとんどクラシック(それも管弦楽作品ばかり)です。 アンプに求めていたのは、解像度と距離感(奥行きと幅)。特に距離感についてはアンプなしでは非常に弱かったので、そこを求めていました。 もともとER-4Sは解像度の高いイヤフォンですが、DKampにつないでとても驚きました。 まずは解像度が格段に向上しました。 音の立ち上がりやつながり、楽器の本数など、今まで聞こえていなかった音までがくっきりと聞こえてきました。 また、求めていた距離感についてもどの楽器がどの位置にいるか、どれくらいの距離にいるかがはっきりと分かるようになりました。 指揮者の位置に自分がいるような感覚があり、注意深く聴けばホールの大きさまで分かるのは感激しました。 普段はあまり聞きませんが、オペラだと舞台上のどの位置に歌手がいるか、どの方向から歩いてくるかも分かるようになり、これは聞いていても楽しいですね。 家で普段使っていてとても気に入っているSTAXのイヤースピーカーに似た音がしますね。 まさかこの小さいアンプでこれだけの音がするとは驚愕です。 ER-4Sの能力にも今更ながら驚きました。 これまではその能力をまったく発揮させていなかったのだと認識しました。 音についてはこれぐらいにしておきましょう。 先述した付属のインスタントレタリングは貼りやすかったです。 とはいえ、これも初めての経験だったのでうまくいくか不安でした。 悪い不安は的中するもので、お世辞にも上手に貼れたとは言い難い出来になってしまいました。 レビュワーとしては失格ですが、こういうのもアリだと自分を慰める。 これは僕の技術不足のせいで決してインスタントレタリングの出来の問題ではないです。 繰り返しますが、インスタントレタリングの出来は良いです。 大きさもちょうど良いですが、どこに貼るかでちょっとだけ悩みました。 特に「DKampⅠ」という文字。アンプの名前なのでしっかり目立つ場所に貼りたいが、意外と場所がないんですよね、これが。 input,outputのレタリングをもう少しジャックに近づければ良かったのかもしれませんが、そうするとコードを接続した時に見えなくなってしまう。 なかなか悩ましい問題ではありましたが、誰に売るわけでもないので、「えいやっ!」と真ん中に貼ることにしました。 #ref(Quin4.JPG) #ref(Quin5.JPG) 「DKampⅠ」の「Ⅰ」が消えてしまってショックです。 さてここまで褒めてばかりだが、短所はないのか。 「ない」と断言しても良いと思います。 この値段でこれだけの音を鳴らしてくれれば、コストパフォーマンスは絶大です。 ただ、ER-4Sもセットでお買い上げいただくことを薦めるので、そうなると少しだけ高い買い物になるかもしれないです。 そうそう、これだけは言っておかないといけない。 録音の悪い演奏を聴くと、録音の悪さがはっきりと出たとんでもない音で再生されるのでそこは注意が必要です。 どんな録音、どんな演奏でもそれなりに聴かせてくれるというものではなくなります。 忠実に再生されてしまいますからね。 これが唯一の難点といえば難点でしょうか。 でもこれは良い音を聴きたい人にとっては当たり前のことなので、僕が言うほどのことでもないですね。 というわけで、一言でまとめると「ぜひたくさんの人にこの音を聴いてほしい」ということです。 ---- **おつかいターボさんのレビュー 当方、今年の秋前ごろからこの世界にはまり始めましてiPod classicにTripleFi 10PROを直押しで使用しておりました。 次にアンプを購入したいなと思っておりましたのですが、アンプの効果が鮮明に分るようなiBassoやRSAなどの二万円を超えるようなアンプをいきなり購入するのは抵抗があり色々迷っていた所、このDKAmp1をお譲り頂くことが出来ました。 (※お正月お年玉イベントです。DR.KSK) まず聞いてびっくりしたのが音の解像度が格段に上がりました。 オーケストラなどを聞きますと、今までは楽器が幾重にも重なり音が埋もれがちに聞こえてくる所があったのですが、この楽器は一番手前、あの楽器は中間、その楽器は奥で鳴っているという風に個々の楽器を鮮明にしっかり鳴らしてくれるようになりました。おそらくこれが音に立体感が出るということなんだと驚きました。 低音はより存在感が増し超低音までしっかり鳴らしてくれます。中音は直押しのTRIPLE.Fi 10Proでは埋もれがちになって聞きずらい時があったのですが、アンプを通すことによって声がしっかり前に出てきてベールが一枚取れたような感じがしました。高音は音源によって少し耳に刺さる時がありますが、とてもクリアな感じになり綺麗になります。 音の傾向は明るく元気な感じで、POPS、ROCKなどは最適に感じました。 今回初めてアンプを使用したのですが、思っていた以上にDAP直押しからの変化に驚きました。これだけの高解像度をほこるアンプは同価格帯のアンプの中では群を抜いているのではないかと思います。 アンプの初購入を考えている方や FiiO E5、Icon Mobile などをお使いでランクアップでiBassoやRSA、iQubeなどのアンプの購入に躊躇している方には大変コストパフォーマンスの良いアンプになるのではと思います。 ---- **カレーパスタさんのレビュー ・はじめに 筆者は2008年の冬にイヤホンのスパイラルにはまり2009年の春にPHPAの世界にはまりました。 それほど知識も経験もないためとても恥ずかしいレビューとなっておりますが、最後まで読んでいただければ幸いです。 ◎単体レビュー ・起「めずらしいポータブルアンプを発見!」  ヤフオクにヘッドフォンアンプのカテゴリが出来てから、何か面白いものはないかとチェックをしておりましたところ、「【電流帰還型】【ディスクリート】DKAmp 【自作】」というものを発見しました。 電流帰還型といえば、Audio-gd C-2CやSATORI回路が採用している方式だったとうろ覚えの中、オペアンプ使用が定番のPHPAの中でディスクリートという言葉にすっかり惚れてしまい入手を試みました。 ・承「ずっしりと重い本格派」  出品者から送られてきたものは、wikiにも記載がある通りタカチのKCS 20-60-100-N SSを使用したほぼiPodぐらいの大きさのもの。 ケース自体は秋月のAE-HPPMLと同種で大きさだけが違います。 自分が入手したものはレタリングがされていませんでしたので、ちょっとさびしく感じました。 レタリングがされているともっと豪華に見えると思います。 そしてこの大きさでディスクリートアンプなの?しかも充電回路搭載というのにびっくりしました。 そしてずっしりと重いその重量はリチウム電池から起因するものと思われますが、ポータブル上欠点ではあるものの、「オーディオは重いものほど良い音がする」という持論から安心感も持てました。 #ref(kare1.JPG)  早速いつも使用しているNW-A829→オーグラインPtWM-PORTケーブルとUltimate Ears Tripe Fi.10Pro(オーグラインPtリケーブル)で試聴。まずは「DENON AUDIO CHECK HQCD」のTrack9周波数スイープ。 これでざっとこのアンプの周波数特性をチェックしてみました。 耳チェックなので自分が聞こえている周波数帯を数値にすることは出来ませんが、かなり低域から音が聞こえてきてビックリ。 高域もきっちり再生されており、ワイドレンジを実感できました。 この辺はきっちりと抑えていると言ったところでしょうか。 #ref(kare2.JPG)  次に、低域再生チェックで利用している、「FablicLive.41」のTrack19~21を試聴。 Track20に収録されているSpastik/Plastikmanという曲がオールドテクノの名曲なのですが、このTR-909のKick音の再生ができるかできないかがヘッドホン、IEM、PHPA等のチェックになることに最近気づき、現在のリファレンスとしています。 本来ならばオリジナル盤が良いのですが、うちのカオスに紛れ込んで見つからないため、こちらで代用しました。 Track19から気持ちよく流れていく感じが結構溜まりません。 音の感じはあえて言えばiQubeと似ていると思いました。 一音一音の分解能の良さはディスクリートならではの味でしょうか。 オペアンプPHPAだとどうしても石の癖が出てしまい、ここまで素直な音になるのは難しいです。 このアンプの一番の売りだと思います。 そしてTrack20へとつながりTR-909のkick音が鳴りだすところへ。おお!しっかりと超低音がきっちり鳴らされている。 SM4では潰れてしまっていたといういわくつきの音がきちんと鳴っておりました。 そのまま気持ちよくTrack21のFlash/Green Velvetへつながります。 この辺で一つ気になってきたのが、分解能がすごく良いのに対して、音場感があまり広くないなこと。 音場の表現力が10Proでもそれほど出ないのも、このアンプの特徴だと思います。 ・転「この音はちょっと違わないか?」  続いて中国abc recordの「スプリーム・ステレオ・サウンドNo.3~European Night(Jazz by Piano)~ / Numerous artists 」 を試聴してみました。 HDマスタリングCD、ドイツプレス盤と通常版よりも豪華な仕様ですが、リッピングだとあんまり関係ないかな?ピアノトリオでクラッシックの名曲をジャズで奏でるというよくあるものですが、季刊オーディオアクセサリー134号の付属CDで紹介され、輸入元で一時在庫がなくなるという人気盤のようです。  一通り聞いてみましたが、ピアノトリオの雰囲気がより鮮明に伝わってきて心地よいです。が、若干低音が気になってきました。 少し低音をあげているような気がします。 シンプルな構成の音源なのでそれほど目立ちませんが、ちょっと気になります。  気になりまして、季刊オーディオアクセサリー134号特別付録CD「This is HD MASTERING Sound」を聴いてみました。 これはサンプラーだけありまして、いろいろな音源が入っております。 一通り聴いてみて、やっぱり同じことを感じました。 明らかに解像度が高いけれど低音が若干強調されており、10Proの旧ロットであったような、低音過多での高音マスキングによる音質低下を感じました。 現在使用しているのは10Pro新ロットで中高音の音質の改善がかなりありましたが、このような状況になるのはちょっとびっくりです。  そこで音源を低音重視のものに変えて確認してみました。 マキシマム・ザ・ホルモン/「爪爪爪/「F」」これなら低音バキバキでも問題がありません。 早速聞いてみましたが迫力満点です。 いわゆるこっち向けのチューニングなのかな?と思いましたが、それにしてはちょっと引っかかる・・・。  そこで、一つひらめきました。 この音質は意図的にチューニングしているとしか思えない。 すなわちこの音質はリファレンスに使用したイヤホンもしくはヘッドホンに起因しているのではないか? しかし、中高音の解像度が高くて低音が少ないイヤホン、ヘッドホンは何だろう?・・・・あのどちらが該当するのでは?!Etymotic Research ER-4SかAKG K701/K702だろう。 幸いうちには両方あるけれど、PHPAで使うとしたらER-4Sだろう。 そんなことを思いつき、早速イヤホンをER-4Sにして今まで試聴した音源をすべて聞き直してみました。 #ref(kare3.JPG)  結果、自分の感じた印象は自分の推測を裏付けるだけの結果を得ることができました。 この解像度をしっかりと確認できるのはER-4Sの性能がであり、ER-4Sだからこそあの低音の膨らみでよりフラットな音になる事を実感したのです。  早速出品者にメールでリファレンスに何を使用していたかメールで尋ねてみました。 ・結「納得のチューニング、納得の性能」  出品者からの返事は私の期待を裏切るものではありませんでした。 リファレンスにはER-4Sを使用しているため、そのチューニングもその方向になっているとのこと。 逆にいえばER-4Sがあったからこそこのアンプが作成できたと言ってもいいでしょう。 ER-4Sと相性の良いPHPAといえばSM4、MiniBox-E+、XM5があるようです。 自分はSM4しか聴いたことがありませんが、SM4も汎用性の高いアンプだと思いますので、ER-4Sに特化したと考えるとDKampは大変面白い存在だと思います。 他にチェックしたイヤホンでは、ER-4Sと同系統のER-6iも相性が良かったです。 また、今まで音の嗜好が合わずしまっていた、Apple In-Ear Headphones with Remote and Mic、Creative Aurvana In-Earを引っ張り出して聴いてみましたが、解像度の高さが良い方向に働いて、今までの悪印象を払しょくする心地よい音を出してくれました。 その点でも大変ポテンシャルの高いPHPAだと思います。 #ref(kare4.JPG)  総評として、チューニングに偏りがあるため、若干イヤホンを選ぶものの、大変性能の高いPHPAと感じました。 市場価格としてはかなり安くすると聞いておりますので、これからの評判が楽しみな製品だと思います。 ・おまけ  再生時間が約30時間、充電時間が約2.5時間となっておりますが、これはかなり正確な数字のようです。 充電時間も早く、急いで充電したいときにも安心です。 バッテリー運用の手軽さも使い勝手の良さに貢献していると思います。 ◎PHPA比較レビュー 試聴DAP:NW-A829(ATRACplus256kbps) 試聴音源:季刊オーディオアクセサリー134号特別付録CD「This is HD MASTERING Sound」 試聴イヤホン:Etymotic Research ER-4S ・Fiio E5(AD8656改) C/Pはピカ一。AD8656乗せ換えでワイドレンジ、高解像度を実現。 パフォーマンスはすごいがそれも対値段比であり、他機種と比べるとその表現の大雑把なところに限界を感じる。 標準の状態ではAE-HPPMLと実力差を感じざるを得ないが、オペアンプ交換によりかなり差が縮まるのも特筆すべきところ。 ・秋月 AE-HPPML オペアンプOPA2353を(増幅+バッファ)×2個2chとして利用しているA47式の格安PHPA。 サイズこそE5に負けるが、自作の難易度も低くE5はちょっと~という人向け。 オペアンプ一発なのでオペアンプの癖がでる素直な音、解像度、レンジともコストから考えると直出しよりは効果を感じるがそこそこ。 基本的にバーブラウンの音ですが、比較的味付けの少ない素直な音。 ・AUDIOTRAK imAmp(AD8620) 「デカイ」、「電池の持ちが悪い」、「標準の状態の音が悪い」、「出力増強バッファ用に3つを搭載しているNJM4580がすべての足を引っ張っておりオペアンプの効果が薄い」、とされており人気のないimAmpですが、「国内で買える」、「実質価格が安い」、「オクだとさらに安く手に入る」、「変更できるオペアンプが一つなので、ローリングの効果が分かりやすい」、と言った利点もあり、個人的にはもう少し評価されるべきと思うPHPA。 AD8620を載せると、アナログデバイス系の音がしっかりと表現され中高音のキャラクターのあるメリハリの付いたサウンドが聞けます。 OPA627BPの音が嫌いな人はぜひ試してほしいです。 ・AUDIOTRAK imAmp(OPA627BP) オペアンプをバーブラウンのOPA627BPに変更したもの。 ローリングの終着点の定番なのですが、値段相応にきっちりとしたパフォーマンスを出してくれます。 AD8620に比べて高音の自己主張は若干少なめ。 中低音にキャラクターを持ち少しコッテリとしたサウンドを聞かせてくれます。 重心が低くなるので安定感のあるサウンドに聞こえると思います。 他のPHPAと比較しなければこれでもある程度満足出来る音だと個人的には思います。 ・RSA SR-71A iQube、SM4ともに人気を博し、一時はプレミアがついてしまったRSAの意欲作。 PHPA初心者の自分にはとても高額な出費でしたが、それに見合うだけの新しい世界と出会えました。 特筆すべきはレンジの広さと音場感。 上記アンプでは見えない世界を見せてくれます。 どんなイヤホンもしっかりと鳴らしてくれ、しかも安心感のある音を提供してくれます。 RSAの努力により量産体制がある程度確保されたため、プレミア的価値はないものの、ここまで良質のアンプが市場に出回ることでPHPAが普及することはとても良いことだと思います。 ・DKamp I 上記PHPAはすべてオペアンプ使用のため、どうしても石の癖が出てしまいますが、それに対してディスクリートの良さが出ており、比較出来ない違いをすぐ実感できます。 またワイドレンジで下から上まできっちり鳴らしてくれる辺りはさすがです。 一音一音の分解能の良さが特筆すべきところだと思います。 これは上記のオペアンプ搭載PHPAでは真似のできない音だと思います。 音場感こそSR-71Aに負けるものの、ER-4S用に最適化されたその音色は低音のボリュームが少ないというER-4Sの弱点を見事に克服し、再現できる限界まで低音を出してくれるため、フラットな特性のアンプでは味わえない低音の迫力を感じます。 ここまでER-4Sを鳴らしこめるのはP3C(プロトタイプ)ぐらいではないでしょうか。 PHPAでピュアオーディオなソースを鳴らすとどうしても限界を感じることがありましたが、その先入観を払しょくする鳴らしっぷりで、ER-4Sをメインに使用されている方はぜひともお勧めです。 #ref(kare5.JPG) #ref(kare6.JPG) ・まとめ (長所) 1、ディスクリートアンプらしい解像度の高さが一番の売りです 2、ER-4Sに最適化されているため、ER-4Sでのパフォーマンスは圧巻です。ER-6iとも相性がいいと思います 3、比較的解像度の低いイヤホンでもより鮮明に聞かせてくれます。このことからドライブ能力の高いアンプと推測され、汎用性の高さも確認できます 4、低音が若干強めに出ますので低音重視の人にも向いていると思います 5、価格設定が低めと聞いておりますのでC/Pはずば抜けていると思います (短所) 1、個人製作の為入手性が困難です 2、ER-4S用に最適化されているため、一部のイヤホン(ex.10Pro,SE530,Westone3,UM3X)で低音が出すぎてしまい音がマスクされてしまい若干バランスを崩してしまう事を確認しました ・一行でまとめると ER-4S(ER-6i)ユーザーは買い、比較的低音に弱いイヤホン向けPHPAだと思います ---- **livemagicさんのレビュー ・レビュー環境 ヘッドホン、イヤホンはMDR-7506、MDR-Z900HD、IE-8、TRIPLE.Fi 10Pro。 #ref(livemagic4.jpg) DAPはiMod 4G、iPod nano、Walkman NW-808。 SONYのポータブルCDプレイヤーも繋いでみました。 #ref(livemagic5.jpg) ・比較対象 比較したアンプはiBasso P3 heron(改造版)、CORDA MOVE、RSA SR-71Aです。 P3はコンデンサをニチコンのオーディオグレードに喚装、WIMAのフィルムコン装備、 アルプスのボリュームに交換、OPA211、BUF634(2スタック抵抗付き)×2、OPA827という仕様です。 CORDA MOVEはHigh Current(電圧が倍になる)モード仕様です。 #ref(livemagic1.jpg) ・外見について DKAmp1の大きさは他のアンプに比べて高さは一番低く、全長は一番長いです。 iPod nanoとDockで繋いでみるとそれほど長さは気になりませんし、 カバンに入れて使ってもとくに問題は無いと感じました。 なにより電池込みの重量が一番軽いので上着のポケットにnanoと一緒に入れて歩いても全然苦になりません。 全長がもう1センチから1.5センチ短くなれば完璧だと思いますが、 iPodクラシックと同じくらいの長さですので現状のままでも問題ないと思います。 #ref(livemagic2.jpg) #ref(livemagic3.jpg) ・音質比較 DKAmp1の音の傾向は上記3機種の中ではCORDA MOVEに近いと感じました。 CORDA MOVEは明るく元気な音で低音から高音まで過不足なく聴かせてくれます。 SR-71Aの繊細で艶っぽい高音もいいですが、ポップスやロックを聴く場合はMOVEの方が 音圧を強く感じられるので気に入っています。 DKAmp1はこのMOVEの音にさらに立体感を加えた音で、ギター、ヴァイオリン、 チェロ等は他の楽器より一歩前で鳴ります。 変な言い方ですがシンセサイザー等の電子音もとても生っぽく聴こえます。 このアンプはポップスやロックもいいですが、クラシックもOKです。 小編成のモーツァルトなんかはずっと聴いていたくなります。 音場の広さはSR-71Aに譲りますが、中音から高音にかけての立体感は 他のアンプでは聴けない独特な3D空間を感じさせてくれます。 欠点としては、エージング前だと高音が強めの楽曲や女性ヴーカルものの中には 耳に刺さる音を出している曲がありました。 ですが、数日聴き込んでいくとカドが取れ、低音がより低いところまで聴こえるようになり、 若干ですが左右への音の広がりも増してきました。 10Proとの相性はとてもいいのですが音量が取れ過ぎてしまいます。 (9時で大音量) できればゲインの切り替えが出来るか、ローゲイン仕様を作っていただきたいところです。 (このアンプはキットもあるようなので、自作できる方は 使用するイヤホンやヘッドホンに合わせたゲイン設定が可能だと思います) ・総括 比較視聴してみましたが、今ではDKAmp1はいちばんお気に入りのアンプになりました。 特に2時間程度充電すれば、24時間以上使える点もiPodの感覚に近くて好感持てます。 ---- **oteさんのレビュー □まず本体。 市販ケースそのものの質感だが安っぽい訳ではなく、スイッチやつまみはカッチリしている。 電源LEDは赤だが個人的には青系がいいなと思う。 (※上記パーツ類が注文時点で選択可能であればかなり楽しいかも) #ref(ote3.jpg) ステレオミニジャックの差し込みにも不安感は特にない。 電源ON状態でハムやノイズの類は特段感じない。(0ではないが気になるレベルではない) とりあえず手持ちの「Go-Vibe Martini」と比較しながらいくつかのジャンルを聴いてのインプレ。 なおイヤホンはDAPとの組み合わせでポピュラーなUE 10Pro、DAP本体はKENWOODのHD60GD9ECを使用。 ソースは全てCD>WAV>Lossless変換。 #ref(ote1.jpg) #ref(ote2.jpg) ##1 ピアノ中心のジャズ(小曽根真の「Dear Oscar」) 音数は多くないものの情報量の多いアルバム。 ★Martini アンプ無しと比較し聞いてすぐに音の一つひとつがくっきりするのを感じる。 それぞれのパートが明瞭になり前に出て来る印象。 ☆DKAMP1 Martiniより一回り音に厚みが増しかつ篭りがない印象。ピアノのタッチが特に鮮明となりベースは引き 締まる。 比較的硬質だが音場は狭くない。 傾向はMartiniと似ているが、特に中低域の質感はDKAMP1がはっきり上回る。 (但し、Martiniもそうだが低域の量感は特に増えない) ##2 女性ヴォーカル(Norah Jonesの「Come away with me」) 少しハスキーでいながら滑らかにたゆたうヴォーカルとふくよかなストリングスにパーカッション。 ★Martini ナローなジャズと異なり中域を中心に音場を押し広げてくれる印象が先に立つが、音の一つひとつに明 瞭感を与えようとする仕事ぶりが裏目に出る部分も感じる。 軒下から外に出たような晴れやかさがある一方、ヴォーカルの発声の入り口や弦などの音の出の角々に 多少遊離したように感じる場面がある。 ☆DKAMP1 立体感が増すという表現がしっくりくる。Martiniよりも音の粒立ちを引き出してくれる印象。 ヴォーカルは前に出てきてインストの肌理も感じられるが、Martiniで感じた遊離感とも多少異なる、剥 離したとでも表現すれば良いようなひっかかりを感じる面があった。 (曲ごとに録音の質が異なるため、当方駄耳と語彙欠如による「立体感」という印象表現と陰陽を成す 部分かと思う) ##3 国内バンド(LOVE PSYCHEDELICOの「Early Times」) 音数というより質の面で賑やかなアルバムだが、録音に癖があり比較的サ行が刺さり易いソース。 アンプ無しではサ行に若干刺激があるものの気になる水準ではない。 先述でのひっかかりを意識し、特に聴きやすさを主眼に選択。 ★Martini 音がはっきりとして元気は出るが、聴きやすさの点ではあまり芳しくない。 質的には低音が引き締まる一方、高音にキンキンした感じとサ行に多少刺激が乗る。 細やかさや分解能といった面で普及価格帯の小型HPAの限界を感じる。 ☆DKAMP1 音全体がMartiniより更にくっきりし厚みも増す。 高音の質自体は明瞭となり解像度等に不満を感じることもないのだが、サ行の刺激が気になる水準へと 増す。 基本的に高音が伸びればサ行の刺さりも強くなるため、特性・相性といった側面から好みや録音を選ぶ かと覚える。 (DAPがもともと高音寄りという点を考慮する必要もある) ##4 マーラー「交響曲第9番ニ単調 第4楽章」 クラシックの定番。評価評論はさて置き優美~雄大までオーケストラの王道的エッセンスが詰まってい ると思う。 ★Martini 苦手なジャンルかと思ったが意外とそうでもない。 アンプ無しと比べて力強さや定位感ははっきり良いと感じ、各パートの立体感も良好。ただ相対的な印 象として低域に痩せた感じを受ける。 ☆DKAMP1 Martiniと比較し定位の向上などは意外と感じられないものの厚く力強くなり、特に管楽器の鳴りの広さ と弦楽器の芯の太さが増し、音数も増える。 #1でも述べたように低音が量的に増える印象はないが、密度が高いという印象を受ける。 個人的には非常に実力を発揮する相性の良いジャンルと感じる。 ◎総論 DKAMP1の全般的な評価としてはMartiniと同傾向でクラス上位と言えます。音をくっきりさせて張りと元 気を付加するMartiniの延長線上で更に厚みを与え再生品質を底上げした感じです。 気になる点としては、ドンシャリでもスカキンでもないのですが相対的に高音成分への働きかけが強い ため、環境により刺激を感じる場面があるものと考えます。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
記事メニュー
人気記事ランキング
目安箱バナー