第2章:種族

 D&D世界における大都市-ウォーターディープ、グレイホーク自由市、不可思議なる”扉の街”シジルなど-を訪れれば、多くの事物に圧倒される。無数の異なる言語でぺちゃくちゃとしゃべる声。数十の異なる調理法で作られた料理の香りが群衆でいっぱいの不潔な街路の悪臭と入り混じる。数え切れぬほどの建築様式で建てられた建物が、住民たちの出身地の多様さを思い出させる。
 そして、そこに住む人々-さまざまな大きさ、姿、肌の色の人々が、まばゆい色相の服に身を包んでいる-はさまざまな種族で構成されている。これらには、無数の民族性が入り混じった人間以外にも、小さきハーフリングや屈強なるドワーフ、この世のものとは思えない美しさを持つエルフがいる。
 こうした一般的な種族に紛れて、エキゾチックな種族が散在している。群衆を押し分けて進む筋骨隆々としたドラゴンボーンや、陰に住まい、目に厄災の種を宿した狡猾そうなティーフリング。巧妙な木のおもちゃが動くのを見て笑うノームの一団。ハーフエルフやハーフオークたちは彼らの両親のいずれかの種族に属することもなく、人間とともに働いている。さらには、陽の光を避けた一匹狼のドラウ-広大なアンダーダークからの逃亡者は、彼の種族を恐れ、この世界に彼の生きる道を探している。プレイヤーズハンドブック(PHB)にはこうした普通ではない種族に関する情報が示されている。

種族を選ぼう Choosing a Race

 人間はD&D世界において最も一般的な種族で、ドワーフ、エルフ、ハーフリング、そして数え切れないほどのファンタスティックな種族と共に生きている。君のキャラクターはこうした種族のうちの一つに属している。
 多元宇宙のすべての知的な種族がプレイできる冒険者に向いているというわけではない。ドワーフ、エルフ、ハーフリング、人間は冒険者パーティを構成する冒険者として、最も一般的である。他の種族や副種族は冒険者として一般的とはいえない。
 種族の選択は君のキャラクターに様々な面で影響する。それは冒険者としての生き様の根本的な特徴を決定する。種族を決める際には、どんなキャラクターをプレイしたいかを考えながらにしよう。たとえば、ハーフリングはひっそりと動き回るローグにぴったりだし、ドワーフならタフな戦士、エルフなら秘術魔法の使い手としてふさわしい。
 種族は能力値や特徴などだけでなく、キャラクターの物語を作る際のきっかけともなる。この章にある各種族の解説には、その種族のロールプレイを助ける情報として、その種族の人となり、肉体的特徴、社会の特徴、種族としての属性の傾向などが示される。これらの解説は君のキャラクターを考える上で、大いに助けとなるだろう。とはいえ、冒険者は種族の一般的なところから外れていてもよい。なぜそのキャラクターは普通とは異なっているのかを考えることは、君のキャラクターの背景や個性を考える上で大きな助けとなるだろう。

種族特徴 Racial Traits

 各種族の解説には、その種族のものが一般的に有している種族特徴racial traitsが含まれる。以下の項には多くの種族に共通した特徴を挙げている。

能力値の上昇 Ability Score Increase

すべての種族は1つ以上の能力値が向上する。

年齢 Age

 年齢の項に書かれているのは、その種族で成年と見なされる年齢と、推定寿命が記載されている。これらの情報は、君のキャラクターが何歳でゲームをスタートするかを決めるヒントになるだろう。君はキャラクターを何歳にしてもよく、それはいくつかの能力値の説明となるかもしれない。たとえば、君のキャラクターが幼いか、非常に高齢であれば、【筋】や【耐】が低い説明になるかもしれない。年をとっていれば【知】や【判】が高くなっていることもあるだろう。

属性 Alignment

 多くの種族には、特定の属性となる傾向があり、それぞれの項で解説されている。これはPCを縛るためのものではないが、たとえば君のドワーフの属性が混沌であったとするなら、秩序属性のドワーフの社会は君のキャラクターを立てる助けとなるだろう。

大きさ Size

 多くのキャラクター種族は中型サイズであり、大まかに4~8ftぐらいの身長となる。一部の種族は小型(身長2~4ft)で、中型のものとは異なるルールを使用する。重厚属性を持つ武器を使用した際の問題など、小型のキャラクターに関する重要なルールは第5章に説明がある。

移動速度 Speed

 君の移動速度は旅traveling(第8章)のとき、あるいは戦闘時(第9章)にどれくらい移動できるかを示す。

言語 Languages

 種族によって、話し、読み、書くことのできる言語が決まる。第4章にはD&Dの多元宇宙における一般的な言語が示されている。

副種族 Subraces

 一部の種族には副種族が存在する。副種族のものは元となる種族に加え、副種族に固有の特徴を得る。副種族の関わりは種族と種族、世界と世界の間で大きく異なる。たとえば、ドラゴンランスのキャンペーンセッティングでは、マウンテンドワーフとヒルドワーフは異なる氏族の同じ民族として共に生きているが、フォーゴットンレルムでは彼らは国で分かたれており、それぞれがシールドドワーフとゴールドドワーフと名乗っている。

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最終更新:2014年07月29日 02:23