第4章:個性と背景
キャラクターを特徴づけるのは種族とクラスだけではない。キャラクターは各々が自分自身の物語、関心事、関係、能力を持った個人であり、それらはクラスと種族では定義しきれないものである。本章では、キャラクターの特徴を他と区別して際立たせる名前と身体的特徴の基本情報、背景と言語に関するルール、および個性と属性の仔細といった内容を詳しく説明する。
キャラクターの詳細
君のキャラクターの名前と身体的特徴は、卓を囲む他のプレイヤーが君について最初に覚えることかもしれない。君の心に描いたキャラクターがこの二つの特徴要素にどのように反映されるかについては一考の価値があるというものだ。
名前
君の種族の説明にはその種族に属する者の名前の実例がリストアップされている。リストからどれか一つを選ぶ場合でも、名前にはそれなりの考慮を払うこと。
性別
君はキャラクターが男性あれ女性であれ、特別な恩恵や障害を被ることなくプレイすることができる。広い範囲でセックス(生物学的な性別)、ジェンダー(社会的、文化的に形成される性差)および性的行動に文化上期待されていることに対して、君のキャラクターはどのように順応し、あるいは順応せずにいるのかを考えてみよう。例えば、ドラウ男性の神官(
クレリック)であれば、君のキャラクターはドラウ社会における従来のジェンダーでの役割区分に逆らうがゆえ、地底のドラウ社会を離れ、地表にやってくるのかもしれない。
セックスとジェンダーの二元論的な概念に縛られる必要はない。例えば、
エルフの神コアロン・ラレシアンは往々にして中性的あるいは両性具有の存在だと考えられており、多元宇宙(マルチバース)に存するエルフの一部はコアロンの似姿として創造されている。男性を装った女性キャラクターをプレイすることもできるし、女性の体に入れ替わってしまったと感じている男性や、顎髭を生やしているが男性と間違えられるのが嫌いな女性
ドワーフだっていい。同じように、キャラクターの性的指向についても君が決定する。
ティカとアルテミス:対照的な二人のキャラクター
本章で取扱う詳細内容は、君のキャラクターに他のどのキャラクターとも異なる大きな違いをもたらす。次の二人の人間戦士(ヒューマンの
ファイター)で見てみよう。
ドラゴンランスの世界に登場するティカ・ウェイランは、小生意気な10代女子で、子供時代の環境は恵まれていなかった。盗賊(シーフ)の娘であった彼女は家出をして、ソレースの路頭で父親と同じ稼業に手を染めるようになった。〈憩いのわが家〉亭の亭主に盗みを働こうとしたが、逆に亭主に捕まってしまい、保護される。亭主は彼女にウェイトレスの仕事を与えた。だが、ソレースの町がドラゴン軍に襲われて荒廃すると、必要に駆られたティカはやむなく幼馴染みらと連れ立って冒険へと踏み出す。戦士としての彼女の技能(お気に入りの武器の一つはいつもフライパン)は、かつての路頭で得た経験とあいまって、彼女が冒険を道を歩んでゆく上で貴重な技能となった。
アルテミス・エントレリは、"忘れられた領域"フォーゴトン・レルムはカリムポートの路上で育った。そして持ち前の機転と腕力と機敏さでカリムポートに何百とある貧民街の一つに自分の縄張りを築き上げてゆく。数年後、彼はカリムポートで最大の勢力を誇る盗賊ギルドの一つから注目されるようになり、その若さにかかわらずギルド内の序列を急速に駆け上ってゆく。アルテミスはカリムポートの太守の一人に暗殺者として目を掛けられ、とある盗まれた宝石を取り戻してくるよう遥か遠方の"氷風の谷"アイスウィンド・デイルへと送られる。彼はプロの殺し屋であり、絶えず自らに試練を課して己れの技能を研鑽している。
ティカとアルテミスはどちらもヒューマンで、かつ(
ローグの経験をある程度積んだ)ファイターであり、同様に高い【筋力】値と【敏捷力】値を持つが、二人の類似性はそこで終わっている。
身長と体重
君は、種族の説明に記載された情報または身長・体重ランダム決定表によりキャラクターの身長と体重を決定することができる。キャラクターの能力値を見て、そそこからキャラクターの身長と体重を想像してみよう。ひ弱だが機敏なキャラクターであれば細身かもしれない。腕力が強くてタフなキャラクターであれば、背が高いかもしれないし、あるいは体重が重いだけかもしれない。
もし望むなら、身長・体重ランダム決定表でダイスを振ってキャラクターの身長と体重をランダムに決定することができる。身長修正値の列に表示されたダイスロールの結果が、基本身長をそのキャラクターの追加身長(インチ単位)となる。その値を、体重修正値の列に表示されたダイスロールの結果ないし重量で乗じた結果が、基本体重を上回るそのキャラクターの追加体重(ポンド単位)となる。
身長・体重ランダム決定表
種族 |
基本 身長 |
身長 修正 |
基本 体重 |
体重 修正 |
ヒューマン(人間) |
4'8" |
+2d10 |
110 lb. |
× (2d4) lb. |
ヒル・ドワーフ(丘ドワーフ) |
3'8" |
+2d4 |
115 lb. |
× (2d6) lb. |
マウンテン・ドワーフ(山ドワーフ) |
4' |
+2d4 |
130 lb. |
× (2d6) lb. |
ハイ・エルフ(上エルフ) |
4'6" |
+2d10 |
90 lb. |
× (1d4) lb. |
ウッド・エルフ(森エルフ) |
4'6" |
+2d10 |
100 lb. |
× (1d4) lb. |
ハーフリング |
2'7" |
+2d4 |
35 lb. |
× 1 lb. |
例えば、ティカはヒューマンなので、身長4フィート8インチ+2d10インチである。ティカのプレイヤーが2d10を振ったところ出目は合計12だったので、ティカの身長は5フィート8インチとなる〔訳注:1フィート=12インチ〕。次にプレイヤーはこの出目に対し2d4ポンドを乗じる。2d4を振ったところ結果は3だったので、ティカの追加体重は36ポンド(12 × 3)となり、これを基本体重110ポンドに足して、合計で体重は146ポンドとなる。
その他の身体的特徴
キャラクターの年齢や、髪、眼、肌の色を決める。特徴を際立たせるために身体的特徴として一風変わったもの、あるいは記憶に残るもの、例えば傷痕、跛行(びっこ)、刺青(タトゥー)などを加えてもよいかもしれない。
属性
ダンジョンズ&ドラゴンズの世界における典型的クリーチャーには属性が備わっており、これは、そのクリーチャーの倫理と性向とを大枠で表したものである。属性は、倫理性(善、悪、中立)と、社会秩序に対する姿勢(秩序、混沌、中立)という二つの要素からなる。したがって、そこにありうる組合せは九つの属性で定義される。
以下に、九つの属性を端的にまとめ、その属性のクリーチャーが典型的に有する行動パターンを説明する。個体によって典型的な行動パターンと大きく異なる可能性があり、属性の行動指針に対し完全にかつ常に忠実な者は少ない。
秩序にして善(LG)社会の期待に従い信頼性をもって正しいことを行う。ゴールド・ドラゴン、パラディン、大抵のドワーフが秩序にして善である。
中立にして善(NG)必要に応じて他者を助けるために最善を尽くす。多くのセレスチャル(天界生物)、一部のクラウド・ジャイアント、大抵のノームが中立にして善である。
混沌にして善(CG)他者が何を期待しているかに拘泥せず、良心の赴くままに行動する。コッパー・ドラゴン、多くのエルフ、ユニコーンが混沌にして善である。
秩序にして中立(LN)法、伝統、あるいは個人の規範に則って行動する。多くのモンク、一部のウィザードが秩序にして中立である。
真なる中立(N)倫理的な問題はできれば回避し、いずれの陣営にも与せず、その時に最良と思われる行動を取る。リザードフォーク、大抵のドルイド、多くの人間が真なる中立である。
混沌にして中立(CN)気の赴くままに行動し、個人の自由を何よりも重視する。多くのバーバリアンや、ローグ、一部のバードが混沌にして中立である。
秩序にして悪(LE)伝統、忠誠、あるいは秩序という規範の範囲内で、理路整然とした綿密な方法により自己の欲するものを獲得する。デヴィル、ブルー・ドラゴン、ホブゴブリンが秩序にして悪である。
中立にして悪(NE) 同情や後ろめたさを感じず、やり逃げできることなら何でもやる。多くのドラウ、一部のクラウド・ジャイアントや、ユーゴロスが中立にして悪である。
混沌にして悪(CE) 勝手気ままな暴力をふるい、貪り、憎悪、殺戮欲に駆られて行動する。デーモン、レッド・ドラゴン、オークが混沌にして悪である。
多元宇宙における属性 Alignment in the Multiverse
ものを考えるクリーチャーの多くにとって、属性は倫理上の選択肢となる。ヒューマン、ドワーフ、エルフ、そしてその他の人型生物の種族は善か悪か、そして秩序か混沌のいずれかのやり方に従うことを選択できる。神話によれば、こうした種族を創造した善なる神々は自由意志なき善は奴隷と変わらないということを知っていたので、彼らに自由意志を与え、こうした倫理上のやり方を選ぶことができるようにしたのだという。
しかし、その他の種族を創造した悪の諸神格は、自分たちに仕えさせるべくそうした種族を創造した。そうした種族は、自分たち神々の性質と一致するような傾向を抱くように生まれついている。オークたちのほとんどはオークの神たるグルームシュの暴力的かつ残忍な性質を共有しており、従って悪の方に向かう傾向がある。たとえあるオークが善の属性を選択したとしても、その者は自分の生涯の間中ずっと、自分の生来の傾向と戦うことになる(ハーフオークでさえもオークの神の影響力が残っていて自らを引いているのを感じる)。
セレスチャルやフィーンドにとって、属性はその性質に欠くことのできない部分である。デヴィルは秩序にして悪であることを選んだわけでもなく、秩序にして悪に向かう傾向を持っているわけでもないが、その本質は相当程度秩序にして悪である。あるデヴィルがどうにかして秩序にして悪でなくなった場合、その者はデヴィルでなくなってしまうだろう。
合理的な思考能力に欠けるクリーチャーはほとんどの場合属性を有さない――彼らは無属性(unaligned)である。こうしたクリーチャーには倫理的ないし道徳的な選択をする能力が欠けており、その獣のような性質に従った行動を取る。例えば、サメは残忍な捕食者であるが悪ではない。彼らは属性を持たないだけなのだ。
ティカとアルテミス:属性(Tika and Artemis: Alignment)
ティカ・ウェイランは中立にして善で、基本的に善を愛し、可能な限り他者に手を貸そうと努力する。アルテミスは秩序にして悪で、知性を有する生物の価値に無関心ではあるが、殺人に対しては少なくとも職業的なアプローチを取っている。
悪のキャラクターであることから、アルテミスは冒険者として理想的ではない。彼は悪党として活動しており、そうしなくてはならない時にだけ――そしてそれが自分に最大の利益をもたらすときにだけ――英雄たちに協力するだけである。たいていのゲームにおいて、悪の冒険者はグループ内で自分の興味や目的を共有しない他者との間に問題を引き起こす。一般に、悪の属性は悪党や
モンスターのためのものである。
言語
君のキャラクターが元々話すことができる言語は種族によって示される。また、背景によっては1つ以上の言語を選択し、それが追加で使用可能になる可能性がある。キャラクター・シートにこうした言語を書き留めること。
『表:標準的な言語』から君の言語を選択すること。あるいは、自分のキャンペーンにおいて一般的なものを1つ選択すること。DMの許可があれば、その代わりに『表:珍しい言語』からの言語を選ぶことができるほか、盗賊の符丁(thieves' cant)やドルイド語といった秘密の言語を選ぶこともできる。
これらの言語の中には、実際にはいくつかの方言の集合体であるものがある。例えば始原語(Primordial)にはAuran、Aquan、IgnanとTerranという方言があり、それぞれ4つの元素の次元界(elemental planes)で利用されている。同じ言語の異なった方言を話すクリーチャー同士は互いに意思疎通を行うことができる。
表:標準的な言語
言語 |
一般的な話者 |
文字 |
共通語 |
ヒューマン |
共通語 |
ドワーフ語 |
ドワーフ |
ドワーフ語 |
エルフ語 |
エルフ |
エルフ語 |
巨人語 |
オーガー、ジャイアント |
ドワーフ語 |
ノーム語 |
ノーム |
ドワーフ語 |
ゴブリン語 |
ゴブリン類 |
ドワーフ語 |
ハーフリング語 |
ハーフリング |
共通語 |
オーク語 |
オーク |
ドワーフ語 |
表:珍しい言語
言語 |
一般的な話者 |
文字 |
奈落語(Abyssal) |
デーモン(Demons) |
地獄語 |
神界語(Celestial) |
セレスチャル(Celestials) |
神界語 |
竜語 |
ドラゴン、ドラゴンボーン |
竜語 |
深淵語(Deep Speech) |
マインドフレイヤー、ビホルダー |
― |
地獄語(Infernal) |
デヴィル(Devils) |
地獄語 |
始原語(Primordial) |
エレメンタル(Elementals) |
ドワーフ語 |
森語(Sylvan) |
フェイ・クリーチャー |
エルフ語 |
地下共通語(Undercommon) |
アンダーダークの交易商人 |
エルフ語 |
個人的な特徴 Personal Characteristics
キャラクターの個性――一連の特徴や癖、性癖、信念、弱点といった、個人に個性的なアイデンティティを与えるもの――を肉付けすることは、君がゲームをする際に自分のキャラクターを生き生きとさせる助けになるだろう。ここでは4種類の特徴が提供されている:性格的特徴、理想、絆、弱点である。この4種類以外にも、好きな言葉や文句、表情や動作の癖、悪癖やお決まり不平など、想像できるものなら何でもいいのでキャラクターのために考えること。
この章の後の方で紹介されている背景のそれぞれには、想像力を誘ってくれるようなおすすめの特徴(Suggested Characteristics)が含まれている。君はそうした選択肢に縛られる必要はないが、よい出発点とはなるだろう。
性格的特徴 Personality Traits
君のキャラクターに性格的特徴(personality traits)を2つ与えること。性格的特徴は小さく単純なやり方ではあるが、君が自分のキャラクターを他人のキャラクターと区別する助けになってくれる。性格的特徴は、君のキャラクターについて興味深いことや楽しいことを何かしら語りかけてくれるようなものであるべきだ。君のキャラクターを際立ったものにしているのは何かということについて、明確な自己描写であるべきなのだ。「私は賢い」はいい特徴ではない。なぜならそれは多くのキャラクターを描写するものだからだ。一方「私はキャンドルキープのすべての本を読み尽くした」というのは、キャラクターの関心や好みについて君に特定の何かを語りかけてくれるものだ。
性格的特徴は、君のキャラクターが好むもの、過去の業績、キャラクターが嫌っているか恐れているもの、キャラクターの自己態度や性癖、ないしは能力値の影響について描写したものでもいい。
性格的特徴について考えるための出発点としては、君の能力値のうち最も高いものと最も低いものに注目し、それぞれに関連する特徴を1つずつ定義するというものがある。いずれの場合も長所にも短所にもなり得る:例えば君は低い値を克服するために一生懸命だったかもしれないし、高い値にうぬぼれているかもしれない。
理想 Ideals
君のキャラクターを突き動かす理想を1つ描写すること。理想とは君が最も強く信じているものごとであり、君が何かをする際に君に行動させずにはおかないような、根本に関わる道徳観や倫理上の信条である。理想は、人生の目的から中核となる思考体系までのあらゆるものを網羅する。
理想は以下の疑問のすべてに答えを導いてくれる:君が決して裏切らない原則とは何か? 君に犠牲を払うよう促すものとは何であろうか? 君を行動へと駆り立て、君の目的と野心とを方向付けるものは何であろうか? 君が得たいと奮闘するものの中から最も重要とするものを1つだけあげるとしたら、それはなんであろうか?
君は好ましいと思うどの理想を選択してもよい。ただ、それを決める際にはキャラクターの属性がよい足がかりとなる。この章の背景にはそれぞれおすすめの理想が6つずつ含まれている。そのうち5つは属性の一側面に関連づけられている:秩序、混沌、善、悪、そして中立だ。最後の1つは、道徳観や倫理上の見地といったものよりも、特定の背景に関連した何かを有している。
絆 Bonds
君のキャラクターのために絆を1つ作成すること。絆は人々や場所、あるいは世界における出来事とキャラクターとの関係性を表している。絆は、背景からの事物と君とを関連づけるものだ。絆は君に高貴な英雄的行為をするように促したり、君が自身の最大の利益に反するような行動を行うように仕向けたりする可能性がある。絆はキャラクターの動機や目的に力を与え、多くの部分で理想と同じように機能しうる。
絆は以下の疑問のすべてに答えを導いてくれる:君が最も気にかけているのはどういった人物なのだろうか? 君がつながりを感じ取るのはどのような場所なのか? 君の所有物のうち、最も大事にしているものは何であろうか? 君の絆は、君のクラス、背景、種族、あるいはその他キャラクターの歴史や個性に関する何らかの面に関連しているかもしれない。君はまた、冒険の途中に新しい絆を得ても構わない。
弱点 Flaws
最後に、キャラクターのために弱点を1つ選ぶこと。キャラクターの弱点は、なんらかの悪癖、衝動、恐怖、あるいは性格上の弱点を表したものだ――特に、他の者が君に破滅をもたらしたり、あるいは君に最大の利益に反する行動をさせるために利用できるようなものである。弱点はネガティヴな性格的特徴よりもはるかに重大なものであり、以下の疑問のすべてに答えを導いてくれる:君を激怒させるものとは何か? 君が恐怖ですくみ上がってしまうような人物、概念、出来事とはどんなものか? 君の悪癖とはどんなものか?
インスピレーション
インスピレーションは、ダンジョン・マスターが用いることができる道具であり、君が自分のキャラクターをその性格的特徴(Personality Traits)、理想(Ideals)、絆(Bonds)、弱点(Flaws)通りにプレイした場合に報酬として与えられる。インスピレーションを使うことで、君は圧政に対する同情という性格的特徴を利用して乞食王子(Beggar Prince)との交渉を有利に進めることができる。あるいは、インスピレーションによって、君は自分の故郷の村を守るという絆を思いだし、自分にかかっている呪文の効果を過去のものとすることができる。
インスピレーションを得る
DMはさまざまな理由で君にインスピレーションを与えることができる。通常、性格的特徴を演じたり、弱点や絆がもたらす問題点に屈したり、説得力あふれるようなキャラクターの演じ方を君がした際に、DMはインスピレーションを与えてくれる。DMは、君がどのようにしたらゲーム中にインスピレーションを得られるのかを教えてくれるだろう。インスピレーションは「ある」か「ない」かのどちらかだ――後ほど使うためにとインスピレーションを複数貯めておくことはできないのだ。
インスピレーションを使う
インスピレーションを有している場合、君はそれを攻撃ロール、セーヴィング・スロー、能力値判定の際に消費できる。インスピレーションを消費することで、君はそのロールに優位(advantage)を得る。
加えて、君がインスピレーションを有している場合、他のプレイヤーがいいロールプレイをしたり、いい考えを出したり、ゲームを楽しくするような何かをした時に、自分が持っているインスピレーションを与えることができる。他のプレイヤー・キャラクターがストーリーを楽しく興味深いものにするような形で貢献した場合、君は自分が持っているインスピレーションを消す代わりにそのキャラクターにインスピレーションを与えることができるのだ。
ティカとアルテミス:キャラクターの詳細 Tika and Artemis: Character Details
ティカ・ウェイランとアルテミス・エントレリという名前によって、この2人のキャラクターが互いに対してどんなふうに違うように設定されるのか、そして彼らの個性がどんなふうに反映されるのかに注目すること。ティカは自分がもう子供ではないことを証明しようと決心した若い女性であり、彼女の名は若いがごく普通の人物であるように聞こえる。アルテミス・エントレリは異国の土地の出身で、より神秘的な名前を持っている。
ティカは冒険の道を歩み始めた時に19歳で、赤褐色の髪と緑の目、そばかすの浮いた白い肌、そして右のお尻に痣を持っている。アルテミスは小男で、やせ形でよく引き締まった強靱な筋肉を持っている。彼は骨張った造作で高いほお骨を持ち、常に髭を剃る必要があるように見える。彼の漆黒の髪は濃くてたっぷりしているが、目は灰色で生気に乏しい――彼の人生と魂の空虚さを表しているかのように。
ティカとアルテミス:個人的な特徴 Tika and Artemis: Personal Characteristics
ティカとアルテミスは違った性格的特徴(personality traits)を持っている。ティカ・ウェイランは自慢好きの人物が嫌いであり、盗賊として生きていた頃にまずい落下を経験したことにより高所恐怖症を持つに至っている。アルテミス・エントレリは常に最悪の事態に備えており、素早く的確に確信を持って行動する。
理想(ideals)について注目してみよう。ティカ・ウェイランは、ほとんど子供のような無邪気さを持っており、人生の価値というものを信じ、またすべての人が正当に評価されるということが重要だと信じている。彼女は属性としては中立にして善であり、人生と尊重の理想に忠実である。アルテミス・エントレリは、自分の感情に支配されることを決して許さず、自分の技術を向上させようと絶えず努力している。秩序にして悪の属性は、彼に公平さと権力への欲望という理想を与えている。
ティカ・ウェイランの絆(bond)は『憩いのわが家亭』に対するものだ。宿の主人は彼女の人生に新しい機会を与えてくれたし、彼女の冒険仲間との友情はそこで働いている時に生まれたからだ。ドラゴン軍の略奪による宿の破壊によって、ティカは煮えたぎるような怒りと共に彼らを憎む非常的に個人的な理由を抱くに至った。彼女の絆は、「私は『憩いのわが家亭』を破壊したドラゴン軍を罰するために必要なら何でもするだろう」といった感じで描写することができる。
アルテミス・エントレリの絆は、彼に匹敵するほどの剣の腕前と断固たる決意を持つドリッズト・ドゥアーデンとの奇妙な、ほとんど逆説的な関係である。ドリッズトとの最初の戦いにおいて、アルテミスは自身に関するいくばくかの真実をこの敵の中に見いだした。もし彼の人生が違った道筋をたどっていたなら、彼もまたドラウの英雄の人生により近いような人生を送ったかもしれないというちょっとした暗示をだ。その瞬間から、アルテミスは罪ある暗殺者以上のものとなった――彼はドリッズトとのライバル関係に突き動かされるアンチヒーローとなったのだ。彼の絆は、「自分の実力がドリッズト・ドゥアーデンよりも上回っていると証し立てるまでは私はくつろげない」といった感じで描写することができる。
いずれのキャラクターも、それぞれ重要な弱点(flaw)を有している。ティカ・ウェイランは世間知らずで、そして情緒的な面でもろさを抱えている。そして彼女は仲間たちよりもかなり若いため、仲間たちが何年か前に知っていた子供の頃のように自分のことを考えることがあるのにいらだちを覚えている。あることを成し遂げたなら自分が大人であることを示せると思い込んだ場合、彼女は自分の信条に反する行動をする気にすらなるかもしれない。アルテミス・エントレリはあらゆる個人的な関係から完全に遮られた状態でただそっとしておかれることを望んでいる。
背景
あらゆるストーリーには始まりがある。背景によって、君のキャラクターがどこから来たのか、どのように冒険者になったのか、そして世界にどんなふうにその位置を占めているのかといったことが明らかになる。君のファイターは勇敢なる騎士かもしれないし、白髪交じりの兵士かもしれない。君の
ウィザードは賢者や職人だったのかもしれない。君のローグはギルドの盗賊として行動していたかもしれないし、道化師として群衆を扇動していたのかもしれない。
背景を選択することで、キャラクターのアイデンティティに関して、物語における重要な手がかりが手に入る。君の背景について尋ねるべき最も重要な問題として、いったい何が変わってしまったのか? 君はなぜ背景に説明されているものをやめ、冒険を始めたのだろうか? 君は開始時装備品を買うための資金をどこから手に入れたのだろうか? あるいは裕福な背景の出身である場合、なぜ君はもっとお金を持っていないのだろうか? 君は自分のクラスの技術をどうやって学んだのだろうか? 背景を共有している一般人たちから君を引き離したのはいったい何だったのだろうか?
この章に例示されている背景により、具体的な利益(特徴、習熟、言語)とロールプレイングに関する示唆とが手に入る。
ティカとアルテミス:背景 Tika and Artemis: Backgrounds
ティカ・ウェイランとアルテミス・エントレリはいずれも、若い頃は路地の浮浪児として生きていた。ウェイトレスとしてのティカの生き方は彼女を真に変えることはなく、それゆえ彼女は『浮浪児』(urchin)の背景を選び、〈手先の早業〉と〈隠密〉技能に習熟を得、盗賊としてのやり口を学んだ。アルテミスは、『犯罪者』(criminal)の背景によりさらに明確化されており、盗みと毒の道具で技能と同様、〈欺瞞〉と〈隠密〉の技能を得、盗みと毒物に関する道具への習熟を得ている。
習熟 Proficiencies
背景はそれぞれ2つの技能に対する習熟を与えてくれる。技能については第7章を参照のこと。
加えて、背景のうちほとんどのものが1つ以上の道具(tools)に対する習熟を与えてくれる。道具と道具の習熟については第5章を参照のこと。
キャラクターが2つの別の源から同じ習熟を得るような場合、代わりに同種(技能か道具)の別の習熟を1つ得ることができる。
言語 Languages
背景の中には、キャラクターが種族で得た以上の追加言語を習得できるようにしてくれるものもある。この章の前のほうの『言語』を参照すること。
装備 Equipment
背景はそれぞれ開始時装備品のパッケージを与えてくれる。ただし、第5章にある装備品に貨幣を費やす選択ルールを用いている場合は、君は背景から開始時装備品を得ることはできない。
おすすめの特徴 Suggested Characteristics
背景の項には、その背景に基づいたおすすめの個人的な特徴が示されている。君はそこから特徴を選ぶか、ダイス・ロールをしてランダムに決めるか、それを参考にして自分で決めるかすることができる。
背景のカスタマイズ Customizing a Background
君は背景の特徴の一部を自分のキャラクターやキャンペーン世界によりぴったり合うような形に微調整することもできる。背景をカスタマイズしたい場合、特徴1つを別のものに置き換え、2つの技能を選び、サンプルの背景の中から習熟と言語を合計で2つになるように選ぶこと。君は背景からの装備パッケージを使うか、あるいは第5章にあるように装備品に貨幣を費やすことができる(貨幣を費やした場合には同時にクラスに示された装備パッケージももらうことができなくなる)。最終的に、性格的特徴2つ、理想1つ、絆1つ、弱点1つを選択すること。望みの背景に合う特徴を見つけられない場合、望みにあったものを作るためにDMに相談すること。
侍祭 Acolyte
キャラクターは自身の生活を特定の神や神々の神殿での奉仕に費やしている。キャラクターは神聖な領域と聖者の世界との狭間で活動し、神聖な存在の崇拝者達に行うために神聖な儀式を執り行ったり供物をささげたりしている。キャラクターはクレリックである必要はない。神格と同調する力と同じことを神聖な儀式で執り行うわけではないのだ。
1柱の神か1つの神々の神殿か他の疑似的な神格存在1柱を選び、術者の宗教的奉仕のありのまま詳細をDMに伝えること。キャラクターは寺院における下級の職員だったのか、幼少期から入信して司祭の聖なる儀式を手助けしていたのか? あるいはキャラクターはそれまでと違った手段で自身の神格に奉仕するための呼びかけを突如身に付けた高位の司祭だったのか? ひょっとしたら、キャラクターはあらゆる既存の寺院構造の外にある小さな教団や、キャラクターはいまだ否定しているが悪魔の主人に奉仕する教団グループの指導者だったのかもしれない。
技能習熟:<看破><宗教学>
言語:任意のふたつ
装備:聖印(キャラクターが入信した際の賜り物)、聖書か聖輪、5本の香の棒、法衣、普通の服一揃い、15gpの入ったベルトポーチ
特徴:信心深い住居
侍祭として、キャラクターは自身と同じ信仰を共有する者を敬えと命じ、自身の神格の宗教的式典を執り行える。キャラクターやキャラクターの旅の仲間は、寺院やほこらや他のキャラクターの信仰の施設で無料の治癒と手当が期待できるが、キャラクターは呪文の必要とする物質要素をなんであれ提供しなければならない。キャラクターの信仰を共有している皆はキャラクター(キャラクターのみ)を中流のライフスタイルで援助する。
キャラクターはうち込んでいる自身の選択した神格や神々の特定の寺院と結びついていてもよく、キャラクターはそこを住居としても良い。これはその寺院をキャラクターが奉仕に使っていてまだその寺院と良好な状態であるか、寺院がキャラクターの見つけた新たな家であるからかもしれない。キャラクターの寺院の近くでは、キャラクターは司祭たちを手伝いに呼べるが、キャラクターが危険ではないことに呼びかけた場合に、かつキャラクターが未だ自身の寺院に良好な立場であるならその手伝いはもたらされる。
示唆される個性
侍祭は彼らの寺院やその他の宗教的共同体における体験によって具体化されるものである。彼らは歴史や彼らの信仰の教えを学び、彼らの寺院やほこらや彼らの理想や特徴に影響する階層制度を学ぶ。彼らの欠点はいくつかの秘密の哲学や異端の考え、あるいは理想そのものや過激派との結びつきにある。
d8 |
性格的特徴 |
1 |
私は自身の信仰上の特定の英雄を崇拝し、折につけその人物の行為や模範を手本とする。 |
2 |
私は最も激しき敵達にも共通点を見つけられ、彼らに共感し、常に平和に向かって努める。 |
3 |
私は行事や行動の度に予兆をみる。神々は私たちに話しかけようとしておられ、私たちはまさに耳を傾けなければならないのだ。 |
4 |
楽天的な態度には心動かされるものがない。 |
5 |
私はたいていの状況で神聖なる文書や格言から引用(あるいは誤引用)する。 |
6 |
私は他の神格を容認でき(あるいは容認できず)、他の神々の崇拝を尊敬する(あるいは非難する)。 |
7 |
私は良い食事や飲み物や我が寺院の中枢の方々との間の高貴な暮らしを楽しんでいた。粗野な生活は私には不快だ。 |
8 |
私は寺院で長い間を外の世界の人々とのちょっとした交流経験に費やしてきた。 |
d6 |
理想 |
1 |
伝統:太古の伝統への崇拝と供物は守られ支持されねばならない。(秩序) |
2 |
慈善:私はたとえ個人的な費用がかかろうとも、常に必要があれば助けるよう努める。(善) |
3 |
変化:我々は世界で恒常的に働けるよう神々の変化を助けるべきだ。(混沌) |
4 |
力:私はいつの日か信仰の宗教的地位の頂点に登り詰めたい。(秩序) |
5 |
信仰:私は我が神が我が行動を導いてくれると信じている。激しく働くともそれがいい方向に向かう信仰心を私は持っている。(秩序) |
6 |
野望:私は私自身の価値を我が神に認めてもらうために、神の教えに対して我が行動を調和させるよう努力している。(なんでも) |
d6 |
縁故 |
1 |
私は長きに失われた我が信仰の太古の遺跡を復元するために命を賭したい。 |
2 |
私はいつの日か私に異端の烙印を押した腐敗した寺院の階級制度に復讐したい。 |
3 |
私は両親が死んだときに拾ってくれた司祭に我が人生の借りがある。 |
4 |
私の行うすべては一般の人々のために。 |
5 |
私は私が尽くしている寺院を守るためなら何でもする。 |
6 |
私は神聖な文書が定めた異端者を我が敵とし撃破するために探索する。 |
d6 |
欠点 |
1 |
私は他人を厳しく判断し、自分には同等以上に厳しい。 |
2 |
私は我が寺院の階級制度は力を有している人達にあまりにも多くの信頼を置いている。 |
3 |
私が信仰心は時々我が神への信仰を公言する者を盲信させる。 |
4 |
私は考え方に融通が利かない。 |
5 |
私は見知らぬ人に疑いを持ち、最悪の事態を想定する。 |
6 |
一度ゴールに辿り着くと、私は自分の人生からあらゆる損失を無くして欲しいという想いに取り憑かれる。 |
犯罪者 Criminal
キャラクターは法を犯してきた犯罪の経験者だ。キャラクターは多くの時間を他の犯罪者の間で費やし、犯罪者の地下組織に依然として接点を持つ。キャラクターは多くの人々よりも文明社会の隙に入り込んだ世界の殺人者や盗賊や暴力家にはるかに近く、キャラクターは社会の規制や規則を無視しながら今まで生きてきた。
技能習熟:<欺瞞><隠密>
道具習熟:ゲームのセットから1種類、盗賊道具
装備:かなてこ、フード付きの暗い色をした普通の服、15gpの入ったベルトポーチ
犯罪行為の特定
盗賊ギルドや似たような犯罪組織には多くの犯罪者が存在し、ここの構成員は何かしらに専門化している。犯罪者というものはそのような組織の外で仕事をする場合でも、特定の種類の犯罪行為に他のものより強い好みを持つ。犯罪者の人生をプレイする役割を選択するか、以下の表からロールすること。
d8 |
専門 |
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d8 |
専門 |
1 |
恐喝屋 |
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5 |
ハイウェイ強盗 |
2 |
強盗 |
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6 |
殺し屋 |
3 |
警察官 |
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7 |
スリ |
4 |
故買人 |
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8 |
密輸業者 |
特徴:犯罪者との接点
キャラクターは他の犯罪者の情報網に連絡の取れる頼りになり信頼のおける接点を持つ。キャラクターはたとえどれほど距離が離れていてもメッセージを受け取る方法とメッセージを送る方法を知っている。具体的にいえば、キャラクターは地域の配達人や腐敗した商隊の主や水夫見習いのような、自身にメッセージを届けてくれる誰かを知っている。
示唆される個性
犯罪者は表面的には悪役を意味するだろうし、彼らの多くは悪役の中心的存在だ。しかし中には埋め合わせには足りないかもしれないが、人を引き付ける個性を豊富に持つ者もいる。盗賊であることに誇りを持つが、法や権力に敬意を払い犯罪は稀にしか見せないかもしれないのだ。
犯罪者のバリアント:密偵
キャラクターの可能性は強盗や密輸人のようなものとは大して違いがないものの、キャラクターはまったく異なる方法論でそれらを学び訓練した。それがスパイ活動の代理人だ。キャラクターは王から公的に承認された代理人か、ひょっとしたらキャラクターは高位の入札者のために秘密を暴いて売るのかもしれない。
d8 |
性格的特徴 |
1 |
俺は物事が悪い方に走ったら何をするかを常に計画している。 |
2 |
たいていどんな状況でも私はいつも穏やかだ。私は声や感情を荒立てず自分を制御している。 |
3 |
新しい場所で俺が最初にすることは、何でも価値のある場所-あるいは隠れられそうな場所-を書き留めておくことだ。 |
4 |
俺は新しい友達を作るより新しい敵を作るだろう。 |
5 |
俺は信じるのが驚異的に遅い。最も公平に見える人々でもしばしば最大の隠し事を持っているからだ。 |
6 |
俺は状況の持つリスクに注意を払わない。私にオッズを教えないでくれ。 |
7 |
俺を得るための最善の方法は俺にできないことであっても何でも俺に話すことだ。 |
8 |
俺はわずかな侮辱に激怒する。 |
d6 |
理想 |
1 |
名誉:私は取引において他人から盗みをすることはない。(秩序) |
2 |
自由:鎖は、それを鍛える人々がそうするように、壊されるようできているんだ。(混沌) |
3 |
慈善:俺は必要とする人たちのために裕福な連中から盗むんだ。(善) |
4 |
欲望:俺は金持ちになるためには何だってするよ。(悪) |
5 |
人々:私は理想ではなく友達に忠実で、私が気にかけている誰のためになら三途の川を渡ってやれる。(中立) |
6 |
贖罪:誰に対しても良いことをするぜ。(善) |
d6 |
縁故 |
1 |
寛大な後援者から借りている古い借金を返済しようとしている。 |
2 |
俺の不正利益は家族を養うためのものだ。 |
3 |
大事なものが盗まれ、俺はそれを盗み返す。 |
4 |
俺は今まで生きた中で最高に偉大な盗賊になる。 |
5 |
俺は恐ろしい犯罪の罪を着せられた。俺はそれから救済されることを望む。 |
6 |
俺のミスで俺の愛する人は死んでしまった。こんなことはもう二度と起こさせない。 |
d6 |
欠点 |
1 |
俺は何か価値のありそうなものを見ると、どうやって盗むか以外の何も考えられなくなる。 |
2 |
自分の友達と金の間の選択に直面する時には、俺は普通金を選ぶ。 |
3 |
計画があるのなら、俺はそれを忘れる。もしそれを忘れられないなら、俺はそれを無視する。 |
4 |
俺が嘘を言うときは、明確にそれが分かる。 |
5 |
物事が悪い方向に感じたら俺は尻尾を巻いて逃げる。 |
6 |
俺が関わったため無実の罪で刑務所に入ってる人がいる。俺はそれで問題ない。 |
民間の英雄 Folk Hero
キャラクターは謙虚な社会的地位の出自だが、非常に多くのことに運命付けられている。キャラクターの故郷の村ではすでにキャラクターは英雄とみなされていて、キャラクターの運命はキャラクターをどこにでもいる一般人を脅かす暴君やモンスターに立ち向かわせる。
技能習熟:<動物使い><生存>
道具習熟:1種類の職人道具、乗り物(地上)
装備:職人道具のセット(キャラクターが選択したひとつ)、ショベル、鉄の深底鍋、普通の服一揃え、10gpの入ったベルトポーチ
イベントの決定
キャラクターは以前民間でひょっとすると農家や鉱山労働者やしもべや羊飼いや木こりや墓掘りのような単純な職業に従事していた。しかし何かが起きてキャラクターを異なる道に置き、キャラクターに偉大な存在という刻印を付けた。イベント決定表からキャラクターに民間の英雄という刻印を付けたことを選択するかランダムに決定せよ。
d10 |
イベント決定 |
1 |
私は暴君の代理人に立ち向かった。 |
2 |
私は人々を自然災害から救った。 |
3 |
私は恐ろしいモンスターに一人で立ち向かった。 |
4 |
私は貧しい者を救うために腐敗した商人から盗みを働いた。 |
5 |
私は民兵を率いて侵略軍と戦った。 |
6 |
私は暴君の居城に押し入り、人々を武装させるよう武器を盗んだ。 |
7 |
私は暴君の兵士に対し農機具を武器として使うよう農民を訓練した。 |
8 |
君主は私が評判の悪い法令に対して象徴的な抗議活動を行った後、それを撤廃した。 |
9 |
天界人か妖精かそれに近いクリーチャーが私の秘密の出自を祝福するか明かすかした。 |
10 |
私の統率力が開花し私のヒーロー気質を推薦されて、君主の軍隊に転職した。 |
特徴:素朴な歓待
キャラクターは一般人の地位から出自していて、彼らの間に適応するのは簡単である。キャラクターは他の民間人の間で、彼らに自分が危険な存在であると明かさない限り隠れたり休息したり回復する場所を見つけることができる。彼らはキャラクターを法やキャラクターを探す何者からも守ってくれるが、彼らはキャラクターのために彼らの生活のリスクを犯さない。
示唆される個性
民間の英雄は良くも悪くも一般人のひとりである。多くの民間の英雄が自らの素朴な出自を欠点ではなく美徳と捉えていて、彼らの故郷のコミュニティは彼らにとってとても重要なのである。
d8 |
性格的特徴 |
1 |
私は人々をその言葉ではなく行動で判断する。 |
2 |
誰かがトラブルに遭遇していれば、私は常に助けの手を貸す用意がある。 |
3 |
私は心に何かを決意すると、たとえ何が邪魔をしようと私は我が道を行く。 |
4 |
私は強いフェアプレイの感性を持ち、常に議論には最も公平な解決策を見つけるよう試みる。 |
5 |
私は自分の能力に自信を持っていて、他人に自信を付けさせることもできる。 |
6 |
考えるのは他の人々のためことだ。私は行動が好きだ。 |
7 |
私はより賢く見せようと長文を使い誤用する。 |
8 |
私は簡単に飽きてしまう。いつ私自身の運命がやってくるんだ? |
d6 |
理想 |
1 |
尊敬:人々は尊厳と敬意を持って扱われるに値する。(善) |
2 |
公平:誰も法の前に優遇的待遇を得るべきではなく、誰も法より上には立てない。(秩序) |
3 |
自由:王は民を抑圧してはならない。(混沌) |
4 |
強さ:強くなれたなら、価値のある物や欲しい物は手に入れられる。(悪) |
5 |
正直:何事に対しても嘘を吐くのは良くないし、私はしない。(中立) |
6 |
運命:何も、そして誰も私を私の名声から遠ざけることはできない。(なんでも) |
d6 |
縁故 |
1 |
私には家族が居るが、彼らがどこにいるかは分からない。いつの日か私は彼らに再会したい。 |
2 |
私は大地に働き、私は大地を愛し、そして私は大地を守る。 |
3 |
高貴な貴族が一度私に恐ろしい打撃を与えたので、私は私は遭遇したらそのガキ大将に復讐するだろう。 |
4 |
私の道具は以前の生活の象徴だから、自分の根っこを忘れないために私はこれを持ち歩く。 |
5 |
私は自らの身を守れない人達を守る。 |
6 |
私と一緒にやってきた子供の頃の恋人に私の運命を追い求めて欲しい。 |
d6 |
欠点 |
1 |
我が土地を支配する暴君は私が殺されるのを見ることなく止まるだろう。 |
2 |
私は私の運命の重要性を確信し、私の欠点や失敗のリスクに盲目だ。 |
3 |
私が若い頃、私を知っていた人々は、私の恥ずかしい秘密を知っているので、私は再び家に帰ることはできません。 |
4 |
私は都市の悪習というものに、とりわけ痛飲には弱いという部分を持つ。 |
5 |
密かに、もし私が専制君主で土地を支配していたら、物事をより良くできるだろうと信じている。 |
6 |
私は仲間を信頼しなきゃという厄介な悩みを持っている。 |
賢者 Sage
キャラクターは多元宇宙の伝承を学ぶことに年月を費やした。キャラクターは写本の腕を磨き巻物に学び、キャラクターにとって興味のあることの偉大な達人に話を聞いてきた。キャラクターの努力はキャラクターを学問の得意分野における達人にした。
技能習熟:<神秘学><歴史>
言語:任意のふたつの言語
装備:黒インク入りのボトル、羽根ペン、小さなナイフ、質問が書かれまだ回答に至っていない死んだ同僚からの手紙、普通の服ひとそろい、10gpの入っているベルトポーチ
専門家
キャラクターが学究的に鍛えている本質のものを決めるために以下の表からd8をロールするか選択肢から選択すること。
d8 |
専門家 |
|
d8 |
専門家 |
1 |
錬金術師 |
|
5 |
教授 |
2 |
天文学者 |
|
6 |
調査員 |
3 |
信用されない研究者 |
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7 |
ウィザードの弟子 |
4 |
司書 |
|
|
|
特徴:調査員
キャラクターが伝承の断片を学んだり思い出そうとするとき、キャラクターがその情報を知らなくても、しばしばどこに行って誰からそれを獲得できるかを知っている。通常、この情報は図書館や写本室や大学や賢者やその他の学習している人やクリーチャーから得られる。DMはキャラクターが探す情報をアクセスしがたい場所に隠したり、もっと単純に見つからないとしてもよい。多元宇宙の深遠なる秘密の発掘は冒険や全体を通すキャンペーンが必要になる。
示唆される個性
賢者はその大がかりな研究によって成り立ち、彼らの個性はこの研究の人生を反映している。学術の研究に捧げる、賢者は高度な知識に価値を見出す-時々独りよがりで、時々その知識を他の理想への手段とする。
d8 |
性格的特徴 |
1 |
私は博学であることを印象づけるために多音節の単語を使用します。 |
2 |
私は世界一の図書館であらゆる本を読んだ。-あるいは読んだことを自慢したい。 |
3 |
私は私ほど賢くない誰かを助けるのには慣れているので、私は人に何でもあらゆることを根気よく説明する。 |
4 |
良い謎よりも好きなものは私にはない。 |
5 |
私は自分の雄判断を下す前に議論のあらゆる側の人間に話を聞くことを望む。 |
6 |
私は……喋るのが……遅くって……馬鹿な…奴に…ついて…語る時…大抵……誰もが……私と……比べる……。 |
7 |
私は恐ろしく、恐ろしく不器用だ、社交的な状況では。 |
8 |
私は人々が常に私の秘密を盗もうとしていることを確信している。 |
d6 |
理想 |
1 |
知識:力と自己改善に至る道は知識を介することだ。(中立) |
2 |
美:我々の何とも美しい点は自分自身を乗り越えて真実に辿り着くことだ。(善) |
3 |
論理:感情で論理的な思考を曇らせてはならない。(秩序) |
4 |
無制限:あらゆる存在に内在する無限の可能性に足かせをはめるべきではない。(混沌) |
5 |
力:知識は力と支配に続く道だ。(悪) |
6 |
自己改善:研究人生の目標は自分の改善である。(なんでも) |
d6 |
縁故 |
1 |
我が生徒達を守ることは私の義務だ。 |
2 |
私は悪人の手に落ちてはいけない、恐ろしい秘密を記した古代の文書を持っている。 |
3 |
私は図書館や大学や写本室や修道院を維持するために働く。 |
4 |
私のライフワークは 特定分野の伝承に関連した一続きの本だ。 |
5 |
私は特定の疑問への回答のために自分の人生を探しているところだ。 |
6 |
私は自分の魂を知識に売り渡した。私は偉大な行為をしてそれを取り戻したい。 |
d6 |
欠点 |
1 |
私は有望な情報に簡単に気を取られてしまう。 |
2 |
デーモンを見た時大抵の人は悲鳴を上げて逃げるものだ。私は立ち止まってその解剖学的構造をノートに取る。 |
3 |
太古の秘密を暴くことこそ文明の価値に相違ない。 |
4 |
私は複雑なことに没頭することで明白な解決策を見渡す。 |
5 |
私は本当に考えていること以外を自分の言葉を通して話してしまい、いつも他人に無礼に話してしまう。 |
6 |
私は自分や誰かの命と引き替えに秘密を守るようなことはできない。 |
兵士 Soldier
戦争はキャラクターが思い出して懐かしむ程長い、キャラクターの人生だった。キャラクターは幼い頃に訓練し、武器と防具の使い方を学び、基本的な生存技術を学び、それには戦場で生き残る術も含まれていた。キャラクターは国軍や傭兵集団やみょっとしたら直近の戦の間で名声を上げた地域の民兵などの立場に、今でも一員として収まっているのかも知れない。
キャラクターがこの背景を選んだら、DMと一緒になってどのような軍隊組織の一員であったかを決定し、どんな階級まで上り詰めたかを決定し、軍隊の経歴でどんな経験を積んだかを決めること。それは独立した陸軍なのか町の衛兵なのか村の民兵なのか? あるいは貴族や商人の私兵や傭兵団員だったのかもしれない。
技能習熟:〈運動〉<生存>
道具習熟:1種類のゲーム、乗り物(地上)
装備:階級章、敵から奪った戦利品(ダガー、折れた刃物、軍旗の端っきれなど)、骨製のダイスセットまたはカード一揃い、普通の服一揃え、10gpの入ったベルトポーチ
専門化
兵士としての期間、キャラクターは自身の部隊や軍隊で演じた特定の役割を持つ。以下の表からd8をロールするか選択してキャラクターの役割を決めること。
d8 |
専門化 |
|
d8 |
専門化 |
1 |
士官 |
|
6 |
操舵手 |
2 |
斥候 |
|
7 |
運搬兵卒 |
3 |
歩兵 |
|
8 |
サポートスタッフ(コック、鍛冶屋、など好きなものを) |
4 |
騎兵 |
|
|
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5 |
治療兵 |
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|
|
特徴:軍階級
キャラクターは兵士の経歴としての軍隊階級を持つ。兵士は自身の以前に契約していた軍事組織に未だキャラクターの権力と影響力を認め、より低い階級の者達はキャラクターを引き留める。キャラクターは自分の階級を引き合いに出すことで他の兵士達に影響を及ぼし、単純な装備や馬を一時的に使うため借りることができる。キャラクターは自身の階級を認めてくれる友好的な軍事野営地や要塞に普通にアクセスすることもできる。
示唆される個性
戦争の恐怖は兵役の厳格な規律と組み合わさりあらゆる兵士の評価を残し、彼らの理想を形成し、強い結束を形作り、そしてしばしば傷跡を残し、恐怖や恥や憎しみへの弱さを残す。
d8 |
性格的特徴 |
1 |
私はいつも丁寧で礼儀正しい。 |
2 |
私は戦争の記憶に悩んでいる。私は頭の中からあの暴力のイメージを追い出せない。 |
3 |
私はあまりに多くの友を失ったから、新たな友を作るのはゆっくりだ。 |
4 |
私は鼓舞と戒訓に満ちたほぼすべての戦闘状況に関連した軍隊経験からの物語そのものだ。 |
5 |
私は尻込みせずにヘルハウンドを見下ろすことができる。 |
6 |
私は強くあるようなことを楽しみ、物事をぶっ壊すようなことを楽しむ。 |
7 |
私はユーモアの感覚がお粗末だ。 |
8 |
私は問題に直面している。単純で、直接的な解決法は成功への最善の道だ。 |
d6 |
理想 |
1 |
偉大なる善:私たちの多くは他人を守るために自分達の生活を捨てた。(善) |
2 |
責任:私はしなければならないことをし、権力には従う。(秩序) |
3 |
独立:人々が盲目的に命令に従うなら、彼らは暴君のような存在を受け入れてしまう。(混沌) |
4 |
強さ:生活は戦争に、強い力こそが勝つのだ。(悪) |
5 |
生きるため生かす:殺したり戦争に行く者に理想は価値がない。(中立) |
6 |
国家:私の属する都市や国や人々は全て重要なことだ。(なんでも) |
d6 |
縁故 |
1 |
私は今でも貢献した人達のために命を捨てられるだろう。 |
2 |
誰かが戦場で私の命を救ってくれた。今は、私は何があっても友の背中を置き去りにすることはない。 |
3 |
私の誇りは我が命。 |
4 |
私は我が部隊が経験した惨敗、あるいは我が部隊を打ち負かした敵を決して忘れない。 |
5 |
私のそばで戦う人々のために死ぬ価値はある。 |
6 |
私は自分自身で戦うことのできない誰かのために戦いをする。 |
d6 |
欠点 |
1 |
我々が直面している巨大な敵は恐れに震えて黙って我々から去るだろう。 |
2 |
私は戦士だと証明しない人に少ししか敬意を払わない。 |
3 |
私は多くの命を代償とする酷いミスを戦場で犯した-そしてその秘密を守るために私は何でもするだろう。 |
4 |
私の忌み嫌う敵は盲目と理不尽だ。 |
5 |
たとえそれが悲劇を生むとしても、私は法に従う。 |
6 |
私は自分が悪い時にそれを認めるくらいなら自分の鎧を食らうだろう。 |
最終更新:2014年11月10日 19:13