ビビは歩きながら、先ほど会った女性の事を思い出していた。
(いい人だったな)
出会い頭に逃げ出そうとして、思いっきり転んだビビに、刃ではなくいたわりの言葉をかけた彼女。
どうして自分を殺さないのか、と聞くと、彼女は微笑みながら答えた。
『私には戦う力がありません。白魔法の心得が多少あるだけです。
それに……こんな無意味な殺し合い、できることなら止めさせたいんです』
ゲームに乗らない人間がいる。恐怖に怯えていたビビにとって、それは一筋の光明だった。
(
シェリンダさん、とか言ってたっけ。……また、会えるといいな)
そんなことを考えながら、彼はとてとてと歩いていた。
その時だ。
……ガサガサガサガサッ!!
背後から猛スピードで近づいてくる足音に、ビビは慌てて振り返った。
「アンタ、何ボーっとしてるのよ!」
と同時に、彼の腕は何者かに捕まれていた。
「え? ええええ!?」
混乱するビビの腕を掴んだ少女=
マリベルは、もどかしそうに叱咤する。
「早く逃げないと殺されるわよッ!」
その言葉通り、ビビの視界の片隅で、彼女が走ってきた方向から別の人影が追ってくるのが見えた。
「う、うわぁああああ!?」
一体何が起こっているのか良くわからないまま、ビビはマリベルに引き摺られながら走った。
【ビビ(少しパニック中) 所持品:不明
行動方針:非好戦的】
【マリベル 所持品:エルフィンボウ(未装備)
現在の行動:とにかく
ヘンリーから逃げる】
【ヘンリー 所持品:
ミスリルアクス
現在の行動:マリベルを追っている、が武器が重いためスピードが出せていない】
【現在位置:レーべ東の森→北西方向へ移動中】
最終更新:2011年07月18日 07:42