「
デッシュ、居るか?」
エドガーはアリアハンの武器屋の扉を、無造作に開け放った。敵がいるはずも無いだろう。こんな場所に。
埃がばっと散って、部屋の空気を汚す。
彼の相棒…デッシュは、そこに居なかった。仕方有るまい、自分でもそうする。
部屋の中心に落ちていた手紙を拾い上げる。内容はただ一言、「先に行く」。
ふう…、とエドガーは
ため息を一つ付いた、埃を吸い込んでしまったせいで少しむせる。
まったく…何というミスだ。ヤツの話をよく聞いておくべきだった。
旅の扉についての話があってから1時間ほど、時間の無さに気がついて走って戻ってくればこのザマだ。
心配になる。彼には武器がない。古代人とやらの豊富な知識はあっても、戦いに向いているとは言い難い。
脱出するにせよ当面生き残るにせよ、不利だ。
エドガーはメモ用紙を一つ手に取ると、城に向かって歩を進めた。
廃墟…と言うよりは張りぼて同然になったアリアハン城の旅の扉の前で、エドガーは熱心にペンを走らせていた。
不特定多数に安全に呼びかけるならば、こういった方法が有効だろう。つまり、要件を書いたメモ用紙を次のフィールドにばらまくのである。
十枚のメモ用紙を、一定の間隔を置いて旅の扉に放り込む。フィガロで新開発した水に滲まないインクを使っているペンだから、読めなくなると言う事もあるまい。
メモの内容は以下の通りだ。
“この首輪は科学的なアプローチで解除する事は不可能らしい。
首輪の内側に特に器具の類が見られない事から、
ゾーマは城から魔力を使って首輪のコントロールを行っているようだ。
推測だが、この首輪を覆うようにアンチ・マジックがかけられている。上からアンディ・マジックを使った所で爆発を防ぐ事は出来ない。
まず、首輪のアンチ・マジックを解く事が先決だと思われる。”…。
メモを全て扉に放り込むと、エドガーも扉に飛び込んだ。
【エドガー 所持品:
ボウガン&
天空の鎧
第一行動方針:魔法使いを探す
第二行動方針:デッシュを探す
最終行動方針:首輪の解除】
【現在位置:新フィールドへ】
最終更新:2011年07月17日 01:04