仇はきっと取る

ローザ……」
そこに在ったのは、愛しい人。
他の2つの躯と共に、無造作に捨て置かれた亡骸。
「……ローザ」
セシルはしゃがみ込み、彼女の顔にそっと触れる。
暖かみは、もう消えていた。唇は、もう蝋のように冷たく、固くなっていた。
涙はこぼれなかった。哀しみのあまり、感情が凍り付いてしまったかのようだった。
ただ、実感だけが湧いていた。
もうローザが微笑んでくれることはない――自分の隣に立ってくれることはないのだと。

それからほどなくして、ゾーマの放送が流れた。
セシルは簡素な墓を作って、三つの亡骸を埋めた。
他の2つは時間の関係上、適当に作ってしまったが、ローザのものだけは十字架に花束を添える。
「ローザ……守れなくて、すまない」
――仇はきっと取る。
土の中に眠る恋人にそう告げて、彼は旅の扉があるという村へ向かった。

【セシル 所持品:暗黒騎士の鎧
 第一行動方針:ローザの敵討ち】
【現在位置:最北端の海岸→レーべの村へ】


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最終更新:2011年07月14日 22:23
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