まるで、御伽噺(おとぎばなし)に出てくるかのような中世的な街路を、
ティーダは陰鬱な気持ちで、あても無く彷徨い歩いていた。
「はぁ~……ワケわかんねえッス。
どーしてこんな目にあうかなぁ~……」
顔を上げて、空を眺めた。
今のティーダの気持ちとは裏腹に、空は一片の雲さえ無く、どこまでも青く透き通っていた。
遠くに見える荘厳な城は、その威厳を以って、城下を俯瞰しているようでさえある。
――『アリアハン』。
地図によると、それがこの王国の名前らしかった。
全く人気の無い、異様な街。
(やっぱ、この国の人も、
ゾーマとかいう奴に消されちゃったのかな……)
自分が生き残るために、罪の無い人間を殺すことなんて出来ない、
そうティーダは思っていた。
(どこかに隠れて、そのままじっとしてよう……)
街の中心部から、遠ざかるよう遠ざかるよう、ティーダは歩いた。
道はやがて、入り口が壁に面した、古い一軒家の前でプツリと途切れた。
(ここでいいか……)
ティーダはゆっくりと、そのドアを開いた。
【ティーダ 所持武器:?
行動方針:罪の無い人とは戦えない。首輪に対して諦観】
【現在位置:アリアハン南西、
アルスの家】
最終更新:2011年07月17日 19:06