「すると
セーラ殿もまた一国の姫でございましたか、いや街娘に身をやつそうとも」
あふれるその気品、私はとうにお見通しでしたよ」
ピエールは照れ隠しにハハハと声を出して笑う
セーラもまた釣られて笑ったが、それは浅ましくも人間のふりをする愚かな化物に対しての
嘲笑の笑いだ。
ピエールの背後で笑う
マリベルとビビについても同じ感情をセーラは抱く
こんな賎しい化物風情にたぶらかされるような輩はロクなものではないだろう。
やはり生かせておけば、きっとあの騎士様に害を成すことになるだろうとの思いがますます強くなる
セーラは三人と雑談しながらもいかにして彼らを殺すかをひたすら考えていた
しかし正直、勝算があるとは思えない、だが考えようによってはこれはもう1度
騎士様に出会うための試練なのではないのか?そう考えると気が楽になる。
セーラは計画通り、ピエールたちに話を振る。
「そういえば、皆様がこちらの街に入られる前に人影を見ましたわ
・・・なんとなく皆様が探してらっしゃる方と面影が似ているような気が・・・・」
それを聞いてピエールたちは相談事を始める、結論はすぐに出たようだ。
ピエールは申し訳無さ気にセーラへと頭を下げる。
「セーラ様、
フローラ様を任せてもよいでしょうか?」
「ええ・・・ちょうど良く眠っているようですし、ここは私にお任せください」
「ご無理を言って申し訳無い・・・・ではマリベル様、ビビ様、行きましょうか、
あ、それからセーラ様、ドアにはしっかりと鍵をかけておくよう用心して下さい」
こうして三人は民家を出て街の中心部へと向かっていった、後にセーラと疲労のため
ベットで眠っているフローラを残して。
上手くいった・・・・・さてここからが肝心だ。
彼女はフローラの身体の横に置いてある大きな枕に手を伸ばすと
それをフローラの顔にありったけの力で押しつけた
フローラも気がついたようだ
枕の下からフローラの苦悶の息遣いが伝わってくる、傷つき動かない身体で必死にもがき
圧迫から逃れようとする。
しかしそれでもセーラは全体重をかけて、フローラの顔に枕を押しつけ続ける
はぁはぁと息を荒くしながらもセーラは己の中に生まれた新たなる感情に戸惑っていた
・・・・この高揚した気分は、爽快感は一体!?
何時の間にかフローラは動かなくなっていた、それでもなおセーラは枕から離れようとはしなかった
素敵・・・こんな気分は初めて・・・・
フローラの死体を眺めながらうっとりとセーラは自分の肩を抱きしめる
これが試練を乗り超えた達成感というものなのかしら?
騎士様、セーラはまた1歩貴方に近づきましたわ、ですから待っていてください
必ずおそばに参ります。
軽くワルツを踏むようなステップで小踊りするセーラだったが、
窓の向こうに落胆したような表情でこちらに戻ってくる三人の姿が見える。
「いけないわ、後始末をしないと」
慌ててセーラは苦悶の表情のままのフローラの死に顔を整えはじめた。
【セーラ(ついに殺人の快感に目覚める) 所持品:
癒しの杖 ブレイズガン
第一行動方針:ピエール一行を殺す
最終行動方針:
レオンハルトを捜索】
【現在位置:マランダの街】
【マリベル 所持品:エルフィンボウ
第一行動方針:休息
基本行動方針:非好戦的、自衛はする】
【ビビ 所持品:
ギサールの笛
第一行動方針:休息
基本行動方針:非好戦的、自衛はする】
【ピエール 所持品:
珊瑚の剣
第一行動方針:休息
第二行動方針:とんぬらを探す】
【フローラ 死亡】
【残り 71人】
最終更新:2011年07月17日 18:32