夕刻近い平原の中で生死を賭けた
追いかけっこはまだ続いていた
「どうやらわずかでもダメージを与えた方がまだマシかもしれんな」
さんざんあちこち走りまわったが
このままではいずれ追いつかれ踏み潰される・・・幾分かでもひるませる事が出来れば・・・・
モニカを背後の茂みに隠し悲壮な覚悟で剣を構える
アーロンだったが
そのとき聞き覚えのある声がする・・この声は・・・・
「アーロン、よかったまた会えて、アーロンが走ってくるのが見えたから急いでこっちに来たんだよ」
何時の間にか
リュックがアーロンのすぐそばまでやってきていた
「お前・・・何処から来たんだ」
「うんっとねー、あそこの丘の上」
リュックの指差した先の丘は、とてもじゃないが、ここまで急いでやって来れる距離ではないように思えた
それに良く見ると汗一つかいていないし、息一つ乱していない。
少しだけ疑問に思ったアーロンだがそんなことを考えている暇は無い、リュックはリュックで
「アイツと戦うの?なら手伝うよ、ちょっと貸してくれる?」
ちゃっかりモニカの持っていた
ブロードソードを借りて、アーロンの隣で構えを取っている。
そしてしばらくたって不気味な振動と共に巨大な壁が2人に迫ってきた
「来るぞ!!」
そのころ
「地鳴りがする・・・アイツはこの近くにいるわ」
「
ティナさん・・あ、あれ」
アルスの指差した先にはティナの説明通りの壁が2人の戦士と戦っていた
「!!」
2人の姿を見た
ティーダがいきなり走り出す
慌ててそれを追うティナとアルス
「ちょっといきなりどうしたんだよ!」
「今戦っているのは、俺の仲間なんスよ、早く助けないと!」
それを聞いた二人は頷くとティーダに合わせて全力疾走で戦場へと走る
アルスは剣を抜き、ティーダはディクトシュートの準備をし、ティナは呪文の詠唱を始め
3人一丸になって目前の巨大な壁、
デモンズウォールへと襲いかかった。
そしてさらにそれからわずかに遅れて
「おいおいデモンズウォールじゃねぇか!!・・・こりゃ厄介な相手だぞ」
偵察目的で先行していた
エッジは樹木の上に立ち、さらに戦いの様子を観察する
デモンズウォールを取り囲むようにして5人が戦っているのが見える
彼らは1人1人はかなりの腕前だったが、デモンズウォールには通じていないようだ
「やべぇな・・・このままだとあいつらやられるぞ・・・・」
そのときゆさゆさと幹が揺れる、見るとすぐ下に
エアリスが待っていた
少し考えていたエッジだったが、やがてエアリスに
「わりぃ、俺ちょっと用事ができちまった、だからしばらくここで隠れてな、すぐ戻る」
とだけ木の頂上から告げるとそのまま樹木伝いに戦場へと向かった。
「くそっ・・・どうすれば倒せるんだ!」
腹立たしげにアルスが叫ぶ
とにかく装甲が硬くて刃がほとんど通らない、だからと行って不用意に魔法を喰らわすと
バラバラに砕けた瓦礫が周囲に降り注ぎ却って危険だ。
その叫びは残りの4人の気分も代弁していたらしい、疲れきった表情で顔を見合わせる
と、その時戦場に割って入る影がある
「バラバラに攻撃してもだめだ!、そいつを倒すには1点に攻撃を集中してまず完全に装甲をはがすんだ!!」
エッジのその言葉を合図にこれまで闇雲に攻撃していた5人はしめしあわせて攻撃を始めようとするが
なかなか上手くは行かない
エッジの叫びを聞いたからかどうかは知らないが、デモンズウォールが俄然反撃に転じたからだ
「狙うったって何処をッスか!」
雨あられと吐き出される瓦礫を紙一重で何とか避けながらティーダがぼやく
残りの面々とてそれは同じだった・・・・反撃に出たデモンズウォールの猛攻から
逃げるので精一杯だ。
そんな中、ティナは攻撃には加わらずデモンズウォールの動きをじっと観察している
(何処かにあるはず・・地下室で出会った時につけた傷が・・・・・)
じっと目を凝らすと、デモンズウォールの足元、地面すれすれの位置が何かの液体で滲んでいる
「見つけたっ、みんな・・・・」
そこに大量の瓦礫が飛んでくる、しかし観察に集中していたティナは
それを避けられる状態ではない
(駄目・・・避けられない)
「邪気封印!!」
その時、光と共にティナに殺到した瓦礫が全て弾け飛び、そして幾分デモンズウォールの動きも遅くなったようだ
「大丈夫ですか?」
この声・・・まさか
そう、エッジの予想通り、がさがさと茂みの中からエアリスが得意げな笑顔で姿を現したのだった。
エッジは納得がいかないようだ、エアリスに食って掛かる。
「隠れてろって言っただろ!!、足手まといなんだよ!!」
エアリスも言い返す
「私だって少しは役に立てます!!、事実立ったじゃないですか!!」
「そんなことより皆聞いて、あそこに傷があるわ・・そこに攻撃を集中して!」
ティナの言葉を聞き、アルスたちが動き出すよりも早く
デモンズウォールは今度は石造りの巨大な腕を何本も振りまわしてアルスたちを牽制する
もちろんその間にも瓦礫は休むことなく降り注いでいる。
「以前戦った時よりも強くなってやがる・・まいったな」
エッジがぼやいている間にも巨石の拳をなんとか防いだ、アルスの鋼の剣が弾かれて根元から折れる
それを見たティーダが何かを思いついたようだ
「アルス、借りるね」
ティーダは折れた剣を抱えると、そのまま全速力でデモンズウォールの懐深く、
傷跡の場所へと走りこむ
自分めがけて飛んでくる瓦礫をギリギリで避けていくティーダ、
さすがはスポーツで鍛えただけはあるが・・・・しかしその行く手に巨大な拳が唸りをあげて迫る
「あいつ!いい格好しやがって・・・影縫い!!」
エッジの術で腕の振りがぎくしゃくと鈍くなる、そのおかげで何とかティーダはギリギリで
すり抜けることが出来た
「早くしろ!術のかかりが弱い!!」
身体を低くして迫り来る腕を避けていく
いかにスローモーになっているとはいえ、恐怖が消えたわけではない
「うおぉぉぉぉぉっ!!」
ティーダは恐怖を振り払うように雄たけびをあげると最後の腕を避け
毒々しい体液が流れる傷口へと鋼の剣を突きたてた。
が、ティーダの側面からまた腕が迫る、どうやらまだ残っていたようだ
これは完全には避けられなかった、自分から飛んでダメージは最小限に押さえてはいたが
吹っ飛んだティーダを空中でリュックが受けとめる、リュックの腕の中でティーダは叫ぶ
「今ッス!!アイツに雷撃をかけるッス!!」
ティナの身体が光り・・その姿が幻想的な獣の姿へと変わっていく
アルスが持てる精神力を全て集中し呪文を唱える、エッジが気合と共に印を切る
「サンダガ!!」「ギガデイン!!」「雷迅!!」
ちなみに数拍おくれてエアリスが、落ちていたいかづちの杖をかざしたが何も起こらなかった・・・・・
それはともかく相乗効果でその威力は単発の撃った時の数倍になっているだろう
それら三者三様の雷が鋼の剣を通じてデモンズウォールの全身を駆け巡る
ぶしゃっ!!
そしてデモンズウォールの全身を囲む装甲が帯びただしい量の体液と共に弾け飛ぶ
それでもよろよろと何歩か動いたが、もう1度大量の体液を吐き出すと
それっきり2度と動く事は無かった。
それを見ると一気に気がゆるんだのだろう
7人は力が抜けたようにへたり込んでしばらく動く事はなかった。
【モニカ 所持品:なし
第一行動方針:とりあえず休憩】
【アーロン(軽傷) 所持品:鋼の剣
第一行動方針:とりあえず休憩】
【エアリス 所持品:なし
第一行動方針:とりあえず休憩
第二行動方針:
クラウドを探す
基本行動方針:戦いを止める】
【エッジ 所持品:
忍者ロング
第一行動方針:とりあえず休憩
第二行動方針:
リディアの保護
基本行動方針:戦いを止める】
【アルス 所持品:
小さなメダル 天空の兜
第一行動方針:とりあえず休憩
第二行動方針:仲間を集める
基本行動方針:弱きを守り悪しきを裁く
最終行動方針:ゲームを覆し、
ゾーマを倒す
【ティーダ 所持品:
いかずちの杖
第一行動方針:とりあえず休憩
基本行動方針:仲間を集める
最終行動方針:何らかの方法でサバイバルを中止、ゾーマを倒す
【ティナ 所持品:
エンハンスソード、
プラチナソード
第一行動方針:とりあえず休憩
備考:
テリーに殺されるのならばかまわない】
【リュック(基本身体能力UP 超回復能力あり) 所持品:ブロードソード
第一行動方針:とりあえず休憩
基本行動方針:仲間と合流したい】
【現在位置:マランダ北部平原】
【デモンズウォール 死亡】
【残り 68人】
最終更新:2011年07月17日 19:30