中途半端な自分

 アーサーはアルベルクから離れるように北に向かっていが、雨がぽつぽつと降り出したかと思うとあっという間にざーざー降りになってしまい、
近くに見えた木々が折り重なるかのようになっている場所で雨宿りをしていた。

「すごい雨だ…」
 気を落ち着かせるかのように体の力を抜き、樹にもたれかかるアーサー。

「雨か…子供のころを思い出すな…」
 わざわざ雨の日を選んで魔法の練習させられたっけ。

「アーサー! この雨にも負けないほどの火力を生み出すんだ!」
「そんなこといってもできないよ、父さん…」
「ロトの血を引きしお前になら容易いことのはずだ」
「お前にはご先祖さまのように武器も魔法も自在に扱えるようになってもらいたいのだよ」
 自在に、か。
 今の僕はなんて中途半端なのだろう。

「ロトの血か…」
 僕は本当にロトの血を引いているのだろうか? ロトの装備すら満足に扱うことのできない僕はなんなのだろう。
 そういえば…旅の扉で僕を助けてくれた女性がロトの剣を持っていたような…。
 ロトの剣を思う存分振り回せれるようになったなら…ゾーマも倒せるだろうか? こんな中途半端な僕から脱出できるだろうか?
 そんなことを考えながら眠りについていった…。

【アーサー(睡眠) 所持品:ひのきの棒
 第一行動方針:ベクタへ移動】
【現在位置:アルブルクとベクタの中間地点】


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最終更新:2011年07月17日 20:12
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