紅い塊

「まったく……」
マゴットから受け取った杖を握りながらわしはどなっていた。
「何処をどうやったらそんな結論が出るのだ馬鹿者っ!」
あのな、我々の戦略はあくまで囮の利用だった筈だぞ?
ああいう場合は、この間抜けと連中が殺し合った跡で必要な物を入手するべきだろうが。
…我々も間抜けであったという事か。
イオナズンを打った当人であるマゴットは答えない、目の前のべホマスライムの攻撃を防ぐので手一杯の様だな。
「下がれ!」
わしの声に応えて下がるマゴット、その隙を逃さず振り下ろされる触手を変わりにわしが杖で受け止める。
スライムに銃が有効とは到底思えん、わしが接近戦で時間を稼ぐしかないが…
「ガァッ!!」
二度、三度と身体を触手で貫かれる、技量と数の圧倒的な差がわしの命を削っていく…。
ライアンサン…ライアンサンノ……」
これだ!
「わしがライアンの敵か?間抜けめ、ライアンを殺したのは貴様だ!」
「チガウ!」
「違わない、貴様がわしをライアンの前に導いた。」
「ダマレッ!」
乱暴に殴打され吹っ飛ばされる、とっさに庇った右腕は有得ない方向に折れ曲がっている。
「ククク……事実は変わらぬ。貴様がライアンを殺したのだ!貴様が死神をライアンの元に導いたのだ!」
「ダマレ!ダマレ!ダマレ!ダマレ!ダマレェェェェッ!!」
殆ど全ての触手がわしの急所に狙いを付ける、もうわしにそれをかわす余地は…無い。
触手が稲妻の様に蠢き…
「バギクロスッ!!」
マゴットの呪文がその全てを切断する。
「べホ…」
「マとは言わせん。」
次の瞬間、わしが杖を奴の口の中に突っ込み、真空が奴の舌を切り裂いていた。

「………イ……ア…ン……サン」
「ライアン…サン……ドコ?」
「奴は既に次のフィールドに向かった、安心しろ、あの男は必ず生き残る。」
「……」
「べホマを頼む、行くぞ。」
赤い塊を乗り越えると我々は旅の扉に飛び込んだ。


ハーゴン(数日中に呪文使用不能)
 所持品:グロック17 グレネード複数 ムーン王女の首 グレーテの首 首輪×3 裁きの杖
 第一行動方針:魂と首輪を集める
 最終行動方針:ゲームの破壊】
【マゴット 所持品:死神の鎌
 第一行動方針:仲間と合流
 最終行動方針:ゲームから脱出】
【現在位置:新フィールドへ】

【ホイミン 死亡】
【残り 63人】


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最終更新:2011年07月17日 20:30
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