「散っていった多くの同朋の為に、教団の栄光の為に、ロンダルキアよ、私は帰って来たぁ!」
「??」
「お約束だ、気にするな。」
ここは神殿の一角にあるわしの執務室、その荒らされた部屋の窓際に我々はいる。
それにしても今日は暖かいな、こんなに暖かいのは夏でも滅多にないだろう。
「紙は幾らか残ってるな、授業に入りたい所だが、その前に…」
「……」
ああ、その事か。
『構わんよ、どうせわしの手の内は奴に知られておる、知識としてはな。』
そう書いた紙を
マゴットに見せるとわしは素早くそれを飲み込んだ。
普通このゲームに放り込むなら相手の手の内ぐらいは把握しているに決まっているだろう?
特にわざわざ蘇らせるような相手に対してはな。
後はその相手の手を封じる手段を用意しておけば良い、逆にそこまで判っていれば裏をかく方法など幾らでもある。
「さてと…」
執務室の机の上にあった水晶玉に手をかざす、遠見の水晶の類だがコマンドワードだけで動く様になっている。
「ふむ……」
範囲は神殿内部の対応する水晶のある場所だけなのはまぁ仕方あるまい、まずは書庫の様子を見る。
「ぬぅぅぅぅ!」
殆どの書物が焼かれていた、壁に大きく炭で『
アーサー参上!』などと書かれてある。
「この分だと一階の幻術も破られたままか、人影は無い様だが…」
全ての水晶を点検してみたが稼動しているのは半分以下、人影も無いが機械が一つ。
うん?あんなものを出してどうするつもりだ?あれが
参加者を全滅させてしまっても良いのか?
わしと同じ意味である
可能性も有るが、だったら最初から放てば良かろうに。
「一応会ったら自爆コードを試してみるか、基本構造までいじった形跡は無いから
どうにでもなるな。」
「結局、お前の知り合いとは会えん様だな、千載一遇の好機だと思ったのだが。」
「???」
理由はまだ言わない方が良いだろう、ただ事実だけを伝える。
「先程の戦闘の影響だと思われるが、わしの魔力の使用期限が更に短くなった、今日を含めてあと二日ぐらいだ。」
「!!」
だからこそ、戦力を補充したかったのだがな。
「それにあの四人組の件もある、戦力はなるべく増やしておきたい。」
実際あの四人…スライムが戦力になるとは思えんから三人がべホマスライムと組んだら我々に勝ち目は無かっただろう。
何故有利な状況で逃げたかは理解に苦しむ所では有るが。
「さて、授業に入るぞ。」
扉の近くの水晶に遠見の水晶をあわせてわしの授業が始まった。
【
ハーゴン(あと二日で呪文使用不能)
所持品:
グロック17 グレネード複数 ムーン王女の首
グレーテの首 首輪×3
裁きの杖
第一行動方針:魂と首輪を集める
最終行動方針:ゲームの破壊】
【マゴット 所持品:死神の鎌
第一行動方針:仲間と合流
最終行動方針:ゲームから脱出】
【現在位置:神殿内の執務室】
※授業中
最終更新:2011年07月17日 20:32