地下道に響く爆発音は、当然東に向かう
デスピサロたちにも聞こえていた。
その音に慌てて引き返そうとする
ジタンをデスピサロが制止する。
「待て!、
サマンサならば大丈夫だろう、あれは引き際をよく心得ている、
滅多な事で間違いはしまい」
「あいつから仕掛けたかも知れないぜ」
「まさか、ならもっと確実な方法が幾らでもある、魔法使いなのだからな」
そう言ってジタンをなだめるデスピサロだったが、もちろんサマンサの意図は充分理解していた。
(サマンサよ、
援護射撃のつもりか、味な事を)
結局、それ以降戦いの物音は一切聞こえる事は無く、ようやく納得したジタンはまた先へ進む。
そしてまたしばらく進んだ時、ジタンはまた足を止め今度は何やら地図を見比べて考え始める。
「おかしいな」
「何がだ?」
「いや、俺としてはこの島にある祠に行きたいんだけど、地下道が通って無いんだ」
デスピサロも地図を確認する、なるほど確かに地下道は祠一帯、北東の湖を避けるように通っている。
引き続きデスピサロは、地下道マップと支給品の地図を見ながら思案をめぐらせる、その結論は。
「地形から考えるにおそらくこの島は浮き島だ…だれかが人工的に作った」
地下道マップは誰が調べたのかは知らないが単にトンネルの通路だけでなく、
その深さや地盤等の状態についても詳しく書きこまれていた。
それが無ければ彼もこの事実に辿りつけなかっただろう。
「人工島?それって何か不味いのか?」
意外な展開について行けず、首をかしげるジタン、デスピサロはできの悪い生徒に補習を行う、
教師のスタイルで続ける。
「さしあっては不味いわけではない、だがもしその事を知らずに、派手な戦いでもやれば、
もしかすると、突如として島が沈む、という事もありえないともいい切れんな」
「しかも悪い事にその湖の地下には断層がある…もし島が沈めばそれを引き金にして、
局地的な地震が起こりうる
可能性すらあるが、それでも行ってみるか?」
意地の悪いデスピサロの言葉に、ジタンは苦笑いで応じるのみだった。
【デスピサロ 所持品:
正義のそろばん 『光の玉』について書かれた本
第一行動方針:腕輪を探す
第二行動方針:偵察
最終行動方針:勝利者となる】
【ジタン 所持品:
仕込み杖、
グロック17、ギザールの笛、
グレネード複数
試験問題・解答用紙複数(模範解答も含む)、時計
第一行動方針:魔法使いを探す
第二行動方針:
エーコを探す
最終行動方針:ゲームから脱出】
【現在位置:地下通路(大陸中央付近)から東へ】
最終更新:2011年07月17日 18:19