本当に大切な…

「なんだよそりゃ!アンタ助けることができるんだろ!みすみす見捨てるのかよ!」
ジタンの訴えにデスピサロは不機嫌に言い返す。
「確認しておく…お前の成すべき事はなんだ?」

「そりゃ魔法使いを集めて、ここからみんなで脱出することだろ」
「それはこの娘を守りながらでも出来るような甘い役目なのか?」
「けどよ、助けられるのなら助けるのが俺達の役目だろう!」

「私はこのばかげた企みを潰す、という目的でお前に協力している…人助けのためではない」
その発言はジタンにとっては予想外だった、絶句するジタンにデスピサロは続ける。
「我々のやろうとしている事はいわばゾーマたちに堂々と反旗を翻す事に他ならない、
 露見すれば妨害もあるだろう、まして失敗は許されないことだ、救うか、戦うか…
 二兎を追えるほど状況は甘くはないぞ」

そうだ…いかに強くとも権力があろうとも自分はロザリー1人守る事が出来なかった。
本当に大切な…守らねばならぬものが何かを分かっていながら。
だからこそ全てを救おうなどと、臆面も無く口に出せるジタンが腹立たしかった。

口篭もるジタンにデスピサロはさらに追い討ちをかける。
「命を軽々しく考えるな、お前は最後まで……」

「守れる!いや守ってみせる!もう自分の目の前で誰かが死んでいくのは見たくないんだ!
 使命も必ず果たす!だから頼む!この娘を救ってくれ!」
ジタンの脊髄反射に等しい速度の返答に、やや面食らったデスピサロだが、
しばしジタンの顔を見つめて言葉を返す。
「いいだろう…だが条件がある」

「ならば何が何でもその娘を守りぬけ、いかなる理由があれど見捨てることは許さん、
 もしお前がその娘を見捨てたその時、私はお前を討つ…」

もちろんデスピサロも単純にジタンの言葉を信じたわけではない。
結局、ジタンのような相手には言って聞かせるだけ無駄なのだ、今後も同じようにトラブルに自分から
首を突っ込みまくるだろう、だが守らねばならぬもの、という形で目に見える枷をつけてやれば、
自然、自重することになるだろう。

だが、必死で訴えるジタンの瞳の輝きに賭けてみたいと思ったことも事実だ。
ジタンが頷いたのを見て、デスピサロもしたり顔で頷く。
「いい覚悟だ、どこまで出来るのか、しかと見届けさせてもらおう…私を後悔させるな」

【デスピサロ 所持品:正義のそろばん 『光の玉』について書かれた本
 第一行動方針:腕輪を探す
 第二行動方針:偵察
 最終行動方針:勝利者となる】
【ジタン 所持品:仕込み杖グロック17、ギザールの笛、グレネード複数
         試験問題・解答用紙複数(模範解答も含む)、時計
 第一行動方針:リディアを救う
 第二行動方針:魔法使いを探す
 第三行動方針:エーコを探す
 最終行動方針:ゲームから脱出】
【リディア(気絶中) 所持品:なし
 第一行動方針:?
 第二行動方針:エーコ、バッツたちと合流
 第三行動方針:仲間(セシル?)を捜す】
【現在位置:祠の湖南岸】


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最終更新:2011年07月17日 18:21
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