氷の膜

「何処にいくのかしら?」
バーバラは移動を開始したテリーとソロの後をこっそりと尾けている。
身を隠すものが少ない雪原である、自然と距離も離れていかざるをえない。
そんな不利な状況の中、粘り強く尾行を続けるバーバラだったが、少し集中しすぎたようだ。

だからバーバラは気がつくのが遅れた、自分の足下の違和感に、みしみしっという嫌な音に
気がついた時には手遅れだった。
「クレバス!しまった」
雪原において最も注意を払わねばならぬもの、それは何といってもクレバスだ。

表面に薄く雪や氷を張ったクレバスは、不注意な冒険者たちを奈落へ飲みこもうとその顎を開いて
雪原の至るところで待ちうけている。
幸い張った氷がそこそこ厚かったおかげで、ソロとテリーは通過できたが、
氷はバーバラの体重を支えられるほどには厚くなかったのである。

それでも落下の瞬間、とっさに短剣を壁に突きたてて、バーバラは転落を防ぐ。
下を見るとどこまでも続くのではないだろうかと思うほどの暗闇が口をあけている
バーバラは下を見ないよう心がけながらゆっくりと壁をよじ登っていく
幸いにも足場がしっかりしていたので、登るのはそれほど難しくはなかった。

こうしてようやくクレバスから命からがらぬけだすことができたバーバラだったが
一難去ってまた一難、先程の音に気がついたのか、彼女の目前にテリーとソロが戻ってきたのだった。

しばしにらみ合う3人だったが、すぐにテリーの口から恐るべき言葉が飛び出す。

「ねぇ、ソロ!さっき言ってたよね、勇者は悪い奴をやっつけるのが使命だって
 だったらコイツを殺してよ!コイツは僕の大切な人の仇の仲間なんだ!」 


「て…テリーあんた何て事を…」
その凄まじいまでの憎悪の言葉にバーバラは返す言葉もなく絶句するしかなかった。
思わず後ずさろうとしたが、背後はクレバスが口をあけて待っている…逃げることは出来ない。

そしてソロはテリーの言葉を聞いても、未だ微動だにしない、
ただし、その表情は眼帯によって塞がれており、容易に伺い知ることは出来なかった。

【テリー 所持品:なし
 基本行動方針:謎の剣士の敵(ティナ)を取る】
【ソロ(暗闇もしくは失明) 所持品:エンハンスソード イリーナの会員証 スーツケース核爆弾
 第一行動方針:助けを求める
 最終行動方針:デスピサロ打倒(現在もその気があるかは不明)
【現在位置:中央西よりの山地の南にある平原】


【バーバラ 所持品:果物ナイフ ホイミンの核 ペンダント メイジマッシャー
 第一行動方針:テリーを救う
 第二行動方針:レナの遺言を果たす
 第三行動方針:仲間の捜索】
【現在位置:中央西よりの山地の南にある平原】


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最終更新:2011年07月17日 22:34
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