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後半戦第四試合SSその1


「はっ……はっ……」

それは描写されなかった殺戮。
描写されなかった戦い。
描かれなかったものはなかった事と変わらない。
だからほら……三国屋碧沙(みくにや・へきさ)嬢は無事だ。
彼女の体にもステータスにも能力にも何の異常もない。
ただし、それは表向きの話。描写に足る世界の話。
一皮むけばその裏もわかる。むいてみる? ……やめておく? そっか。

ともかく、とんがり帽子に黒マントの少女は、全身汗ばませながら旧校舎の廊下に立つ。
今回の敵は、知られることを恐れる少女。
知られれば死ぬ。
知られれば殺しに来る。

今、三国屋碧沙は知の触手を全域にめぐらしている。
これにかかれば敵は死ぬ。だが、そうは問屋が卸さない。
目の前に現れる、幽霊のような少女。
「死ぬほど恥ずかしいから、死んで!!」
彼女の魔人能力。自分が死にたいからお前が死ね。
まったく不躾な能力なこと。あなたもそう思わない? ……すず?

鉄葉の心臓。碧沙がコピーしたその能力は、決着した後も彼女の中に生きている。
ああ、死ねないって、こんなに面倒なことなのね。
死ぬほど痛いけど、死ねない、なんて。
なら、お返し。

「死ぬほど痛いから、死んで」

(勝者:三国屋碧沙)


最終更新:2016年08月08日 23:11