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■原発06Ⅰ - (2006/05/10 (水) 17:43:45) の編集履歴(バックアップ)



■原発? へ続く


0427 原発事故「1日半知らなかった」…ゴルバチョフ氏 [読売]

 【ウィーン=石黒穣】ソ連共産党書記長だったゴルバチョフ氏は、26日付オーストリア・スタンダード紙などに寄稿し、チェルノブイリ原発事故発生を受け、政治局で対応を協議したが、「1日半、我々自身もなにも情報がなかった。それが大惨事であるということは数日たってからようやくわかった」と述べ、ソ連指導部が情報の隠蔽(いんぺい)工作を図ったという疑惑を否定した。

 また、事故をきっかけに、「表現の自由の可能性が広がり、体制がもはや維持できなくなった」と指摘。「(事故が)5年後のソ連邦崩壊の真の原因になった」との見解を示した。

(2006年4月27日1時45分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060426i317.htm

0427 チェルノブイリ、爆発なかったことに…党幹部パニック [読売]

 【モスクワ=古本朗】チェルノブイリ原発爆発事故から20周年を迎えた26日、露紙イズベスチヤは、事故直後、当時のソ連共産党の最高幹部たちがパニック状態で開いた党政治局会議の議事録の一部を初めて紹介した。

 同紙によると、議事録は事故発生から3日後の1986年4月29日の会議のもの。当時、情報公開(グラスノスチ)政策を推進していたミハイル・ゴルバチョフ書記長は、「正直に行動することが最善の道だ」と主張する一方、「公表の際、我が国の原発設備の名誉が傷つかないよう、原発は修理中だった、と言わなくてはならない」と情報操作も提案している。

 アンドレイ・グロムイコ最高会議幹部会議長は、「(社会主義圏の)兄弟諸国には、多く情報を提供し、米英には対しては一定限度の提供にとどめるべきだ」と発言。ミハイル・ジミャニン党書記に至っては「爆発は起きておらず、放射能漏れが生じただけだ、と発表することが大事だ」と重要事実の隠蔽(いんぺい)を求めている。

(2006年4月27日1時36分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060426i115.htm

0426 チェルノブイリ事故20年、ウクライナで追悼式典 [読売]

【キエフ=金子亨】原子力発電史上最悪の惨事となった旧ソ連・ウクライナのチェルノブイリ原発事故から26日未明(日本時間同日朝)で丸20年を迎え、同国各地で追悼式典が行われた。

 参列者は犠牲者の冥福(めいふく)と事故の再発防止を祈った。

 首都キエフの教会で行われた式典にはユシチェンコ大統領ら政府首脳が出席。大統領は事故処理作業員ら犠牲者の名前が刻まれた慰霊碑に献花し、沈痛な表情で賛美歌に聴き入った。

(2006年4月26日12時2分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060426i305.htm

0424 六ケ所村:再処理工場で微量の放射性物質検知 [毎日]

 日本原燃は24日、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場の地下配管トンネルで、微量の放射性物質を検知したと発表。放射性物質を含む薬品や水が漏れたか、蒸発した薬品に検知機が過敏に反応した可能性などがあるとみて原因を調べている。外部への放射能漏れはなく、3月31日に実質開始された再処理作業への影響もないという。

 原燃によると、検知は23日午後5時50分ごろ。本来は配管から漏れた薬品や水が、トンネル内の水受け皿にたまったことを意味する。しかし配管は23日朝から使用されておらず、薬品漏れなどの別の兆候はないという。原燃は、検知機が薬品が流れ込むタンク近くにあり、薬品の蒸気に含まれる微量な放射性物質を検知した可能性もあると説明した。【村松洋】


0424 将来の推定死者数、9千人に修正 チェルノブイリ事故 [朝日]

2006年04月24日15時41分
 国際原子力機関(IAEA)や世界保健機関(WHO)などの専門家グループ「チェルノブイリ・フォーラム」は、旧ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発事故で放出された放射能による将来の死者推計数について、昨秋発表した約4000人に代えて、低汚染地域での約5000人を加えた約9000人とすることを決めた。24日からキエフで開かれる事故20年記念の国際会議で報告する。

 被曝(ひばく)によるがん死について、IAEAとWHOは10年前の会議で約9000人との予測を発表した。昨秋の発表では、そのうち、低汚染地域に住む600万人余での被害想定について「科学的に証明できていない」として死者推計数を約5000人減らしたが、「低く見積もりすぎ」と批判が相次いだ。再度議論の末、低汚染地域を被害想定対象に戻し、死者推計数も約9000人に戻すことになったという。

 同フォーラムの昨秋の報告書によると(1)30キロ圏内にいて避難した約12万人(2)事故処理作業をした約20万人(3)高汚染地域の住民約27万人の計約60万人では約3940人が甲状腺がんや白血病、そのほか何らかのがんで死亡すると予測されている。

 被曝死者数は、広島・長崎の被爆者データを基に推計するのが一般的だ。しかし、チェルノブイリ事故による被害は、じわじわと被曝が進むだけでなく、食べ物などを通して体内に蓄積された放射性物質による内部被曝の影響もあり、本来同じには扱えない。こうした低線量放射線による被害推計には、まだ明確な科学的裏付けがない。
URL:http://www.asahi.com/international/update/0424/007.html

0420 原発データ改ざん、東芝社長らを厳重注意 [読売]

 東京電力と東北電力の計3基の原子力発電所で冷却水の流量測定装置のデータを東芝が改ざんしていた問題で、経済産業省原子力安全・保安院は20日、東芝の西田厚聡社長を呼び、厳重注意するとともに、5月19日までに再発防止策を提出するように指示した。

 発注元の東京電力の勝俣恒久社長、東北電力の高橋宏明社長も、機器の調達管理の徹底を指示された。3社の社長が呼び出され、直接注意を受けるのは極めて異例。

 保安院の広瀬研吉院長は、西田社長に対し、「今回の不正は東芝の安全文化のあり方に疑問を抱かせるもので、原子力施設への信頼を揺るがした」と厳しく注意した。東芝は、データ改ざんは1基だけとする内部調査結果を発表したが、その後、相次いで新たな改ざんが明らかになり、調査のずさんさも問題になった。

(2006年4月20日23時13分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060420i516.htm

0420 原発耐震検討:委員の過半数が業界団体委員 安全委分科会 [毎日]

 原発の耐震指針見直しを進める国の原子力安全委員会・耐震指針検討分科会の委員の過半数が、業界団体「日本電気協会」の専門部会などの委員を兼任していることが分かった。新指針案には同協会のまとめた報告が多数反映され、作成者自ら審査して業界側の見解を指針に盛り込んでいる形。金沢地裁判決で直下地震の想定規模が小さいとして、志賀原発2号機の運転差し止めが命じられたが、専門部会の報告を基に大幅な引き上げはしない方向で、分科会の中立性が問われそうだ。

 同分科会は、地震や原発などの専門家19人で構成する。議長役の主査を務める青山博之・東京大名誉教授ら9人が、日本電気協会の原子力発電耐震設計専門部会(28人)の委員を兼任し、青山氏は専門部会でも主査を務めている。

 ◇分科会の中立性、問われそう

 また、7人(うち5人は専門部会も兼任)が同協会の原子力規格委員会・耐震設計分科会の委員をしている。新指針案には、原子力安全基盤機構など複数の組織の報告が盛り込まれているが、同協会の報告が16件で最も多く反映されている。

 見直しの焦点は、活断層が見つかっていない場所で起きる大地震への対応。現指針はマグニチュード(M)6.5の直下型地震に耐える設計を求めるが、00年にはこうした場所でM7.3の鳥取県西部地震が起きた。金沢地裁判決は「活断層が見つかっていないとしても、M6.5を超える地震の震源断層がないとする根拠があるとは認めがたい」とした。

 専門部会の報告は、同地震前に撮影された震源域の空中写真を基に、地下の断層によるとみられる地形を確認できたなどとして、「事前に詳細に調査すれば、震源や地震の規模は特定できた」と結論。活断層が見つかっていない場所でM7.3を想定する必要はなく、同様の場所で起きた84年の長野県西部地震(M6.8)などを想定対象とする考え方を示し、指針案に反映された。

 これに対し、国の分科会で「事前の規模予測は難しい」と報告した産業技術総合研究所の杉山雄一・活断層研究センター長は「業界の人たちが都合のよい情報だけを組み合わせている。地域によって違うが、鳥取県西部地震が起きた山陰地方ではM7.3を想定すべきだ」と話す。

 兼任について青山主査は「問題だと思われても仕方がない。ただ、主査を引き受ける際に、原子力安全委員会の事務局から『差し支えない』と言われた」と話す。事務局は「何ら問題ない。公開で議論しており、偏った議論がされていれば国民がすぐに反応するはずだ」と説明している。【鯨岡秀紀、中村牧生】


0417 原子力安全委員長に鈴木篤之氏 [朝日]

2006年04月17日19時10分
 内閣府の原子力安全委員会は17日、任期満了で退任した松浦祥次郎氏の後任委員長に鈴木篤之氏を互選した。任期は3年で再任できる。また、新たな委員に横浜国立大前教授の中桐滋氏が決まった。

 鈴木氏は、改定作業が大詰めを迎えた原子力発電所の耐震指針について「多くの国民が関心を持っており、最重要課題の一つ」と述べた。

 鈴木 篤之氏(すずき・あつゆき)東京大大学院修了、86年同大教授、01年原子力安全委員(非常勤)を経て、03年から同(常勤)。専門は核燃料サイクル工学。63歳。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0417/004.html

0417 チェルノブイリ事故:子どもの免疫力低下 健康被害報告会 [毎日]

 【モスクワ杉尾直哉】旧ソ連・ウクライナのチェルノブイリ原発事故20年を前に、子どもたちが受けた健康被害を考える研究報告会が17日、モスクワで開かれた。主催者のロシア連邦小児放射線防護臨床研究センターのバーレワ所長は、放射能で汚染されたロシア南部の子どもたちの間で、内分泌系の障害が急激に増え、免疫機能の低下が広く見られることを明らかにした。

 同所長によると、02年の内分泌系の障害の発生率は、ブリャンスク州など被災地に住む子どもの間では人口10万人当たり2万1831人で、ロシアの全国平均の約5倍だった。またこの数値は、初めて調査が行われた00年の約2倍だった。バーレワ所長は「子どもたちが母親の胎内で被ばくし、遺伝子が不安定になっている可能性がある」と指摘、低線量の被ばくが人間の遺伝子に与える影響を研究すべきだと主張した。

 日本からただ一人参加した「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワークの吉田由布子事務局長は、低線量被ばくが女性の生殖機能や胎児に与える影響に焦点を当てた調査を行うべきだと訴えた。

 一方、ウクライナ放射線医療研究センターのステパノワ氏は、04年にウクライナで新たに甲状腺がんにかかった子どもは過去最高の374人で、増加傾向が依然続いていると報告した。

毎日新聞 2006年4月17日 22時46分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060418k0000m030130000c.html

0416 英議会が原発反対の報告書 安全性など問題が未解決 [共同]

 【ロンドン16日共同】英議会は16日、原子力発電推進に反対する報告書をまとめた。温室効果ガス削減や北海原油の枯渇対策のため原発推進に事実上政策を転換しているブレア政権には逆風になりそうだ。
 報告書は原発について安全性や廃棄物処理、対テロ対策などの問題が解決されていないと指摘。今後のエネルギー需要を安定的に満たす手段としては、ガス発電所の増設や、風力など再生可能エネルギーの利用が有効としている。
URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006041601000145

0412 原燃トラブル:放射性物質含む洗浄水が漏れる [毎日]

 日本原燃は12日、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場内で、放射性物質を含む洗浄水約40リットルが、床に漏れるトラブルが11日にあったと発表した。漏れた水はステンレスを張ったコンクリートの部屋(セル)内にとどまっており、建屋外への影響はないという。工場では3月31日から、プルトニウムを抽出する試験運転を実施しているが、試験後のトラブルは初めて。日本原燃は「県や六ケ所村などには、すぐに通報した。試験運転の工程に影響はない」と説明している。

 同社によると、11日午前3時40分ごろ、燃料集合体を切断・溶解するための作業建屋内で、切断後の被覆管を洗うための水槽(水量約206リットル)から約40リットルが漏れた。同社職員が遠隔操作で水の一部を抜こうとした際、水抜き用の管の蓋(ふた)とともに、蓋と管の接続部分の部品も誤って抜いてしまったという。【村松洋】


0406 志賀原発:1号機の制御棒1本にひび割れ 石川 [毎日]

 北陸電力(本店・富山市)は5日、定期検査で運転停止中の志賀原発1号機(石川県志賀町、沸騰水型、54万キロワット)で、制御棒(高さ4.5メートル、幅25センチ)1本に2カ所のひび割れが見つかったと発表した。炉内の核分裂にブレーキをかける機能に影響はなく、放射能の外部放出もないという。

 制御棒は全部で89本。ひびがあったのは、今回の検査対象4本のうちの1本で、92年の試運転から使用していた。点検などの時につり上げるためのステンレス製取っ手(厚さ8ミリ)の1カ所に6センチ、中性子吸収剤を覆うステンレス板(同1.1ミリ)に2センチ、それぞれひびがあった。原因は調査中で、新品と交換し、残る制御棒もすべて検査する。【花牟礼紀仁】

毎日新聞 2006年4月6日 10時42分 (最終更新時間 4月6日 10時52分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20060406k0000e040026000c.html

0406 原発の段階的廃止確認 独政府 再生可能エネルギー重視 [赤旗]

 【ベルリン=中村美弥子】ドイツのメルケル首相は三日夜、同国の長期的なエネルギー政策を協議する政財間会合をベルリンで開きました。会合は、原子力発電を二〇二〇年までに段階的に廃止するという昨年十一月の連立政権合意を確認。首相は会合終了後、政府として再生可能エネルギー研究に二十億ユーロ(約二千八百億円)を拠出していくことを明らかにしました。

 メルケル首相によると、会合の主要テーマは「輸入エネルギーへの依存をどう制限し、価格高騰を防ぐか」でした。グロス経済相、ガブリエル環境相、エネルギー業界の代表、労働組合の代表らが出席。今後も会合を重ね、来年末までに長期的なエネルギー政策を策定していく予定です。

 ドイツは、石油、天然ガスなど発電用エネルギーの半分以上を輸入に頼っています。同国に十七基ある原子力発電所は電力の三割、風力や太陽光などの再生可能エネルギーは一割を占めています。

 ガブリエル環境相は、「二〇年までに再生可能エネルギーが電力の20―25%をまかなうことは可能だ」(ウェルト紙二日付)と語り、原子力発電の代替として再生可能エネルギーに力を入れていく立場を示しました。

 同国のエネルギー業界も、原子力発電所を段階的に廃止していくという政府の方針に協力していくと表明しました。また、インフラ整備や環境に配慮した新発電所建設のために三百億ユーロ(約四兆二千億円)を投資すると約束しました。
URL:http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-04-06/2006040606_01_0.html

0401 再処理工場:実質稼働 増え続ける使用済み核燃料 [毎日]

 青森県六ケ所村に建設された使用済み核燃料の再処理工場が実質稼働し、1日には、燃料を加工する最初の作業が始まった。コストなどを理由に一度は施設が必要かどうかも問われたが、稼働の背景には国内55基の原発でたまり続ける使用済み核燃料を早急に処理したいという国や電力業界の思惑があった。一方、再処理でプルトニウムを抽出するためIAEA(国際原子力機関)の監視が始まったが、大量のプルトニウム管理に不安も残る。【中村牧生】

 ◇”消費”へ苦肉の策

 国の「核燃サイクル政策」は、原発で燃やしたあとの使用済み核燃料から燃え残りのウランとプルトニウムを取り出して再利用するものだ。

 プルトニウムは当初、高速増殖炉サイクルで使用する予定だった。しかし、もんじゅの事故などで高速増殖炉の実用化が遠のき、その代替案として浮上したのが通常の原発で燃やす軽水炉サイクル(プルサーマル)だ。

 だが、軽水炉サイクルはウラン燃料の利用効率が高速増殖炉に比べて極端に低い。軽水炉で燃やした後の使用済み燃料の使い道もない。そのうえ六ケ所工場の総事業費は約19兆円と膨大なため、政府内にも稼働には疑問の声があった。

 原子力委員会の長期計画策定会議は04年11月、全国の原発でたまり続けている使用済み核燃料をそのまま地中に埋める(直接処分)か、再処理するか改めて検討。結局、業界関係者が大半を占める委員の判断で、再処理を基本路線とすることを決めた。

 判断のポイントになったのは98年、六ケ所工場が使用済み核燃料を受け入れる際に青森県と六ケ所村が日本原燃と交わした覚書の存在だ。「再処理事業の実施が困難となった場合は、受け入れた使用済み核燃料を施設外に搬出する」という内容だった。

 使用済み核燃料は強い放射能を出す核分裂生成物を含むため、原発内のプールに一時的に貯蔵されている。六ケ所再処理工場には3000トンの受け入れプールがあるが、1729トンを搬入済みだ。再処理を断念した場合は覚書に従って核燃料を持ち出さねばならず、他に場所を確保しないと各原発の燃料プールが満杯となる恐れがあった。

 「再処理を選択しないと原発が止まる」(電力会社)。こうした主張が、六ケ所工場の稼働を後押ししたともいえる。

 ◇IAEA、24時間態勢の監視…プルトニウム、年間誤差は原爆10個分

 日本は核物質の取り扱いについて、国際社会では特別扱いされてきた。核兵器を持たない国では唯一の「核燃サイクル国」と認められ、六ケ所再処理工場の運転につながった。

 とはいえ、六ケ所再処理工場は原爆に転用可能な大量のプルトニウムを扱うため、実質稼働と同時にIAEAによる24時間態勢の監視が始まった。これほど大規模な再処理工場が査察の対象になったことはなく、その方法が決まるまでにはIAEA側と10年以上にわたる交渉を要した。

 その結果、六ケ所工場では核物質の量をリアルタイムで計測する装置と、コンピューターで集中管理するシステムなど最新機器が導入された。ところがプルトニウムの計量は1%程度の誤差が生まれる。年間約8トンのプルトニウムを抽出する同工場では約80キロに上り、原爆10個分に相当する。

 物理学者で作る米国の非政府組織(NGO)「憂慮する科学者同盟」は青森県に運転中止を申し入れた。エドウィン・ライマン博士は「これだけの施設から8キロの転用を探知するのは、虫眼鏡を使って干し草の山に落とした針を探すようなもの。日本がIAEAの優等生だからといって稼働を認めてしまえば、同様の再処理工場が他国にできた時に問題が起きる」と指摘する。

 ◇費用とリスク膨大 

 ▽NPO法人「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也所長の話 プルサーマルのために再処理工場を稼働させるなど世界でも例がなく、膨大な費用とリスクを国民に押しつけるものだ。使用済み核燃料は容器(キャスク)に入れて中長期の貯蔵をしながら、最終処分の方法を探るべきだった。太陽光や風力などの分散型エネルギーが進歩している中で、日本は何も得るものがない道に踏み出そうとしているとしか思えない。

       ■六ケ所再処理工場を巡る動き

84年7月  電事連が青森県と六ケ所村に立地要請

85年4月  青森県と六ケ所村が要請を受諾

93年4月  六ケ所再処理工場が着工

95年1月  高レベル廃棄物の貯蔵施設が完成

   4月  海外から高レベル廃棄物の返還始まる

  12月  高速増殖炉もんじゅでナトリウム漏れ事故

99年9月  茨城県東海村でJCO臨界事故が発生

00年12月 使用済み核燃料の六ケ所搬入が始まる

02年8月  東京電力の原発トラブル隠しが発覚

  12月  使用済み核燃料プールで漏水。搬入を中止

03年8月  ずさん溶接など再処理工場の不良施工が判明

  12月  再処理工場でウラン試験がはじまる

05年4月  MOX燃料加工工場の六ケ所建設が決まる

  10月  再処理が基本の「原子力政策大綱」を決定

06年1月  電力各社がプルトニウム利用計画を公表

   3月  佐賀県が玄海原発でのプルサーマルに同意

       再処理工場で実質稼働

毎日新聞 2006年4月1日 22時05分 (最終更新時間 4月1日 22時10分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20060402k0000m040093000c.html

0331 核再処理工場:アクティブ試験始まる 青森・六ケ所村 [毎日]

 日本原燃(本社・青森県六ケ所村、児島伊佐美社長)は31日、同村の使用済み核燃料再処理工場で、実際の燃料を使用し、プルトニウムなどを取り出すアクティブ試験を始めた。試験は本格操業時と同じ工程で行われ、国内初の商業用再処理工場が実質稼働した。

 再処理工場は全国の原発で出た使用済み核燃料をせん断後、化学処理して、ウランやプルトニウムを取り出す。順調にいけば5カ月後には、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)の粉末が精製される。

 工場では同日午後2時58分、使用済み核燃料貯蔵プール内にある燃料を取り出す指示が出され、試験が始まった。同日中に加圧水型軽水炉で使用された燃料集合体2体を抜き取り、4月1日朝には、取り出した燃料をせん断する工程に入る。

 しかし、プルトニウムは英仏の再処理施設などで取り出した約43トンがすでにある。現状では通常の原発で燃やすプルサーマルしか使い道がなく、さらに余剰が増える可能性が高い。

 さらに、試験が始まると、日常的に微量の放射性物質が海洋や大気中に放出されるが、原燃は「自然界からの年間の放射線量2.4ミリシーベルトの100分の1にも満たない量で、人体への影響はない」と話している。

 原燃は17カ月間の試験を予定しており、期間中に約430トンの使用済み燃料を処理する。07年8月に本格操業に移る予定。再処理工場は85年4月に県と六ケ所村が立地受け入れを表明。93年4月に着工し、総工費は約2兆1900億円に上る。

 原燃の児島社長は試験の開始にあたり「事業に理解を示してくれた県や六ケ所村に感謝したい。地域との共存を目指しこれまで以上に気を引き締めて試験にのぞむ」と決意を述べた。【村松洋】

 ◇解説 安全「先送り」懸念

 青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場が実質稼働したことは、国の核燃サイクル政策が大きな一歩を踏み出したことを意味する。同工場は同政策の中核施設だが、経済性や安全性、核物質管理などをめぐる多くの問題を先送りしたままの見切り発車ともいえる。

 同種の施設では、日本原子力研究開発機構が茨城県東海村で稼働中の東海再処理工場がある。しかし、東海工場は1日当たりの最大処理能力が0.7トンと六ケ所工場の約7分の1で、77年からの29年間で処理したウラン燃料は約1116トン。これに対し六ケ所工場は40年間で計3万2000トンを処理する計画の大規模工場だ。このため、プルトニウムなどとともに、取り扱いの難しい核分裂生成物もより多く出す。

 この核分裂生成物は工場全体を放射能で汚染する。放射能が減衰して自然界と同レベルになるのに1万年以上かかる高レベル廃棄物は、ガラス固化体に加工されて貯蔵されるが、最終処分の場所や方法は未定だ。また低レベル廃棄物の一部は大気中や海水中に放出される。排出量は国の基準を下回るものの、通常の原発や東海再処理工場より多く、隣の岩手県の住民が漁業などへの影響を懸念している。【中村牧生】

毎日新聞 2006年3月31日 20時23分 (最終更新時間 3月31日 23時28分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060401k0000m040072000c.html

0328 六ヶ所村の核燃再処理で青森知事、最終試運転を了承 [読売]

 青森県の三村申吾知事は28日、日本原燃が同県六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場で計画している本番並み最終試運転(アクティブ試験)の実施について正式に了承した。

 29日に県と村、原燃の3者で安全協定を締結する。原燃は2007年8月の操業開始を目指し、31日にも試験を始める。

 使用済み核燃料からプルトニウムとウランを分離・回収する日本初の商業用施設で、政府の核燃料サイクル政策の中心的役割を担う。試験では、使用済み核燃料430トンを1年5か月かけて実際に処理する。

 28日に会見した三村知事は「総合判断した結果、安全協定締結が適当と判断した」と述べた。

(2006年3月28日23時1分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060328i116.htm

0328 伊方原発のプルサーマル計画許可へ 経産省 [朝日]

2006年03月28日10時35分
 経済産業省は28日、四国電力の伊方原発3号機(愛媛県伊方町、出力89万キロワット)で導入を目指しているプルサーマル計画の実施を許可する。同日午後、原子力安全・保安院の広瀬研吉院長が、四電の太田克己副社長に文書を手渡す。プルサーマルの実施許可は、関西、東京、九州電力の計5基に続き、6基目。四電は10年度までの運転開始に向け、地元同意の手続きに入る。

 プルサーマルの導入で地元同意が得られているのは、九州電力の玄海原発だけだ。手続きが先行した関西電力の高浜3、4号機と、東京電力の福島第一3号機、柏崎刈羽3号機は、燃料のデータ改ざんやトラブル隠しといった不祥事や事故などで、地元同意が白紙または凍結となっている。このため、愛媛県が同意すれば2番手となる可能性がある。

 計画では、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムをウランとの混合酸化物(MOX)燃料にし、炉心の約4分の1をウラン燃料からMOX燃料に取り換える。原子力安全委員会は「安全性は確保しうる」と、今月16日に二階経産相に答申していた。

 電気事業連合会は、10年度までに全国で16~18基のプルサーマル導入を目指している。すでに2次審査に進んでいるJパワーの大間原発のほか、中部電力が浜岡原発の審査を申請、北海道、東北、北陸、中国、日本原電の各電力会社でも、導入に向け準備が進められている。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0328/TKY200603280113.html

0327 チェルノブイリ原発事故 作業員の歯から被曝の痕跡探る [朝日]

2006年03月27日19時16分
 ウクライナ放射線医学研究センター(キエフ市)が、86年4月のチェルノブイリ原発事故の処理をした作業員から約7700本の歯を集め、作業員が浴びた放射線量を突き止める研究を進めている。歯の表面を覆うエナメル質に放射線の当たった痕跡が手がかりだ。作業員に白血病や心臓病が増えているとの報告があるが、被曝(ひばく)との因果関係が認められていない。科学的に裏付けられれば、事故の健康影響が広がる方向で見直されそうだ。

 バディム・チュマーク教授(放射線影響学)の研究室には、全国の歯科医から、虫歯治療などで抜いた元作業員らの歯が集められている。事故直後の消火や除染作業には、86~87年だけで旧ソ連の軍人ら計約20万人が動員された。当時は線量計が不足し、本人が申告した作業内容や時間をもとに浴びた放射線量を推定した。軍隊を退役させられることなどを恐れて、数値を過少申告する例もあったという。

 歯のエナメル質から被曝線量を測る方法は、広島・長崎の原爆被爆者でも用いられた。エナメル質は大部分が硬い無機質でできており、生えてからリン酸カルシウムなどの成分はほとんど変わらない。だが、放射線が当たると成分が変化し、痕跡が残る。そこで、エナメル質を写真のネガフィルムのように見立て、浴びた線量を推定する。

 チュマーク教授たちは、原爆被爆者に用いられた方法を改良し、精度を高めた分析法を開発したという。成分をドリルで削り取り、専用の分析器で測定する。「正確な線量を知ることは、事故の健康影響を正しく評価するのに欠かせない」とチュマーク教授は話す。

 国際原子力機関(IAEA)などの専門家グループは昨年9月、健康影響について報告書をまとめている。その中で、将来まで含めた、被曝によるがんで亡くなる人数は、元作業員や汚染地の住民ら計約4000人にのぼるとされたが、現地で医療に従事する専門家らからは、少なすぎる、と疑問の声が上がっている。
URL:http://www.asahi.com/international/update/0327/004.html

0327 経産省:関西電力に厳重注意 大飯原発の火災で [毎日]

 経済産業省原子力安全・保安院は27日、関西電力大飯原発(福井県大飯町)で発生した火災に関連して同社を厳重注意した。出火場所が3、4号機廃棄物建屋の放射線管理区域内だったことを受けた措置で、出火の防止のための安全確保の徹底などを求めている。同時に原発を持つ全国の電力会社に対し、火災への注意喚起を促した。

 大飯原発の火災は22日午後6時40分ごろ発生。低レベル廃棄物のドラム缶を貯蔵する建屋4階の機材置き場などを焼いた。消火を試みた協力会社の社員2人が煙を吸い込んでのどに軽いやけどを負い、病院に運ばれた。


0327 北陸電力が控訴 志賀原発の運転差し止め訴訟 [朝日]

2006年03月27日19時10分
 北陸電力(本店・富山市)は27日、石川県志賀町の志賀原発2号機の運転差し止めを認めた24日の金沢地裁判決を不服として、名古屋高裁金沢支部に控訴した。北電の浜田昌一副社長は会見で「地裁判決はまさに不当で驚き。2号機の安全性は十分確保されている」と話した。

 24日の金沢地裁判決は「電力会社の想定を超えた地震動によって原発に事故が起こり、原告らが被曝(ひばく)をする具体的可能性がある」と述べ、15日に営業運転を始めたばかりの2号機の運転差し止めを命じた。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0327/OSK200603270083.html

0327 原発4基の稼働を再び延期 東京電力の供給計画 [朝日]

2006年03月27日21時41分
 東京電力は27日、福島県と青森県で計画中の原子力発電所4基の運転開始時期を1年ずつ繰り延べすると発表した。10年後までの販売電力量の伸び率を年平均1.0%と8年連続で下方修正したためで、06年度の供給計画の中で明らかにした。06年度の設備投資額は発電所などの工事が前期からずれ込み、05年度実績見込み比13%増の5817億円と2年連続で増加する見通し。

 販売電力量の平均増加率は前年度の見通しから0.2ポイント下げ、最大電力の増加率も0.5ポイント低い1.1%とした。人口減やエネルギーの効率化が進むほか、新規の電力小売事業者との競争激化やガスコージェネレーション(熱電併給)システムの普及を織り込んだ。

 このため大規模電源の稼働を延期。福島第一原発7、8号機の運転開始を、それぞれ12年10月と13年10月、青森県東通村に新設する東通1、2号機を、それぞれ14年度以降、16年度以降とし、一部の火力発電所の稼働も2~4年遅らせた。
URL:http://www.asahi.com/business/update/0327/128.html

0326 玄海原発のプルサーマル計画、佐賀県知事が同意 [読売]

 九州電力が玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)3号機で計画しているプルサーマル発電について、佐賀県の古川康知事は26日、受け入れに同意した。

 二階経済産業相が古川知事の要請で同日、佐賀県を訪問し、同意の大前提となっていた安全確保を古川知事や玄海町の寺田司町長らに確約した。これを受け、古川知事と寺田町長は九電に事前了解(同意)書を交付した。

 九電は、実施に向けた地元に対する手続きを終えた。2010年度の実施を目指しており、国内で初めてプルサーマル発電が玄海原発で行われる見込みとなった。

 古川知事や寺田町長らはこの日、二階経産相と同町役場で会談した。県は、九電へ厳格な規制・監督を行い、安全確保に万全を期すことや、地域振興に最大限の支援を行うことなどを、町は原発施設に関する固定資産税改善や高度医療研究施設誘致などの地域振興策をそれぞれ国に求めた。

 二階経産相は「国の検査態勢を一層強化し、身をもって対応する」と安全性の確保を強調した。

 この後、寺田町長と古川知事は、町役場と県庁で九電の松尾新吾社長と会い、事前了解(同意)書を手渡した。県は了解に当たり、適正な安全管理や情報公開などを要請し、玄海町も地域振興への支援などを求めた。

 九電は2004年5月、玄海原発のプルサーマル発電について、実施のための原子炉設置変更許可を経産相に申請し、県と玄海町には事前了解を求めた。経産相は昨年9月に申請を許可した。

(2006年3月26日20時15分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060326it05.htm

0326 原発の耐震安全性確保、4月に「審査室」新設…経産省 [読売]

 二階経済産業相は26日、訪問先の佐賀県玄海町で、全国の原子力発電所の耐震安全性を確保するため、省内に「耐震安全審査室」を4月1日に設けることを明らかにした。

 金沢地裁が24日、石川県の北陸電力志賀原発2号機について「耐震設計に問題がある」として、運転差し止め判決を出したことなどを受けての措置。

(2006年3月26日22時51分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060326i214.htm

0324 志賀原発2号機に差し止め判決、「被曝の可能性」指摘 [読売]

志賀原発差し止め訴訟で「勝訴」と記した紙を掲げて喜ぶ原告ら(金沢地裁で) 今月15日に営業運転を始めた石川県志賀町の北陸電力志賀原発2号機(改良型沸騰水型、出力135・8万キロ・ワット)を巡り、周辺住民らが「耐震設計に問題がある」などとして、同社を相手取り運転差し止めを求めた訴訟の判決が24日、金沢地裁であった。

 井戸謙一裁判長は「耐震設計には問題があり、想定を超えた地震動によって原発事故が起こり、原告らが被曝(ひばく)する具体的可能性が認められる」として、運転差し止めを命じる判決を言い渡した。北陸電力は判決を不服として控訴する。

 原発の運転や設置を巡る主な判決は過去に30件あるが、住民側勝訴は、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の設置許可を無効とした2003年1月の名古屋高裁金沢支部判決(最高裁で原告敗訴)のみ。商業用原発(軽水炉)では今回が初めて。全国で稼働中の55基の商業炉に波紋を投げかける判決となった。

 裁判では、〈1〉志賀原発2号機東側を通る「邑知潟(おうちがた)断層帯」(約44キロ・メートル)をどのように評価するか〈2〉国の原子力委員会が1978年に策定し、現在の原発設計の基準となっている「耐震設計審査指針」が地震の危険性を過小評価していないか――が主な争点となった。

 井戸裁判長は、人格権に基づく差し止め請求権を認めた上で、昨年3月に国の地震調査委員会が「マグニチュード7・6程度の地震が起きる可能性は2%」と公表した邑知潟断層帯などに対する同2号機の耐震設計を検討。〈1〉直下地震の想定が小規模過ぎる〈2〉考慮すべき邑知潟断層帯の地震を考慮していない〈3〉昨年8月の宮城地震で、岩盤上の揺れが耐震設計の最大想定を上回り東北電力女川原発全3基が自動停止するなど、原発敷地での地震動を想定する手法に妥当性がない――などの問題点を指摘し、「北陸電力側の想定を超えた地震動で事故が起こりうる」とした。

 「改良型沸騰水型」の安全性については「事故が発生する具体的可能性についての立証が不十分」と住民側の主張を退けた。

(2006年3月24日11時53分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060324i102.htm

0322 プルサーマル計画の条件付き容認、佐賀県議会が可決 [読売]

 九州電力玄海原子力発電所3号機(佐賀県玄海町)でのプルサーマル計画について、佐賀県議会(40人)は22日、安全管理体制の強化などの条件付きで計画を容認する決議案を可決した。

 最大会派の自民党(33人)と公明党(1人)が連名で提案した。

 古川康知事は近く九電に、計画の事前了解(同意)を伝える。

(2006年3月22日22時35分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060322ic26.htm

0320 福島第1原発:原子炉周辺に制御棒の破片飛散 [毎日]

 東京電力は20日、福島第1原発3号機(福島県大熊町、出力78万キロワット)の原子炉周辺に、ハフニウム板型制御棒の一部(金属片、幅約1センチ、長さ約4センチ)が飛散していたと発表した。金属片は10日に見つかっていたが、20日になって制御棒のものと確認できた。

 東電は3日、検査のために制御棒を原子炉から抜き出した。制御棒は破損しており、破片が原子炉内に残った。4日に回収作業をしたが、誤って一部を原子炉の外に飛散させたことに気付かなかった。その後の調査では、未回収の金属片がまだ2個はあるという。

 同原発は定期検査中で、運転は停止している。【中村牧生】


0321 プルサーマル 選択迫る新設交付金 [朝日]

(要約)
佐賀県が、九電玄海原発でのプルサーマル計画を事前了解する見通しだ。
国は、06年度に新設される「核燃料サイクル交付金」というにんじんをぶら下げた。プルサーマル、使用済み核燃料中間貯蔵施設、MOX燃料加工施設、のいずれかに同意した都道府県に、運転開始までに10億円、開始後5年間で50億円を交付する。ただし、同意には期限があり、プルサーマルは06年度までだ。期限付きには反発が強く、全国原子力発電所所在市町村協議会は、同意期限の撤廃を国に求めている。
問題は安全性だが、政府・電力会社は、プルサーマルは欧米4カ国で実施済みで問題も起こっていないと主張している。しかしMOX燃料は核兵器の材料としてウラン燃料とは比較にならないほど慎重な取り扱いが必要で、ドイツ、スイスではプルサーマルから撤退する予定だ。
日本では、四国電の伊方、中部電の浜岡が続いて許可を受ける予定。関電高浜と東電福島第一と柏崎刈羽は、国の許可を受けていたが。トラブル隠しや燃料データ改ざんで地元了解が白紙になり足踏みをしている。


0320 事故から20年 チェルノブイリを訪ねて [産経]

(要約)
事故で大破した4号炉には、300メートル手前までしか近づけない。そこで5.0マイクロシーベルト。東京の約130倍だ。
炉の建屋を囲む「石棺」は、ところどころ隙間やひび割れがある。そこから鳥やキツネが出入りしているという。石棺ごと格納してしまうシェルターの建設計画があり、2010年に完成予定だが、総工費は5億ドル。100年間これで防護する。


0319 チェルノブイリ近くのキエフ、350万人疎開を極秘検討 [朝日]

2006年03月19日11時16分
 86年4月26日に起きた旧ソ連のチェルノブイリ原発事故で、上空に吹き上がった放射性物質の直撃を逃れるため、最も近い大都市、キエフ市(現ウクライナ)の全住民約350万人を疎開させる計画が、ソ連指導部内で直後に検討されていたことが分かった。風向きのおかげで回避されたが、もし大量の避難民が出れば、疎開先のあてはなかった。これらの事実は当時、市民には知らされずじまいだった。

 地球気象・エコロジー研究所(モスクワ)のユーリー・イズラエリ所長(75)が明らかにした。イズラエリ博士は当時、旧ソ連の国家気象環境監視委員会議長で、事故から11日後の5月7日、キエフ市で極秘に開かれたウクライナ共和国共産党の対策会議に出席。疎開を検討する党幹部らに汚染状況と被害予測を説明した。

 事故の大爆発でプルトニウムやセシウム、ストロンチウム、ヨウ素など強い放射性物質の放出が続いていた。キエフ市は事故現場から南へ約130キロの距離。博士によると、爆発時には東から西への風が吹き、その後、風は北へ、さらに北東への流れに変わった。キエフ市では4月30日に初めて放射能を検出したが、年間の放射線量は許容値の20分の1程度にとどまると推定された。11時間に及ぶ議論の末、住民の健康に影響ないとして、疎開しないことを決めたという。

 もし全市民の疎開となれば、住宅確保や医療支援、社会主義下とはいえ雇用問題など未曽有の規模で支援が必要になったとみられる。

 この会議の内容は、当時の一般市民には知らされなかった。イズラエリ博士は「単に風向きがそれたというだけ。運がよかった。疎開先の見通しはなく、もし強制避難だったら、どうなっていたことか」と振り返る。

 疎開は、事故直後に原発の半径30キロ圏内の住民約11万6000人がまず強制避難させられ、その後、チェルノブイリの北西約100キロ圏内の高濃度汚染地域を中心に避難が続き、疎開したのは最終的に計40万人だった。
URL:http://www.asahi.com/international/update/0319/005.html

0316 伊方原発プルサーマル計画、原子力安全委が「妥当」答申 [朝日]

2006年03月16日19時48分
 国の原子力安全委員会(松浦祥次郎委員長)は16日、四国電力が伊方原発3号機(愛媛県伊方町、出力89万キロワット)で導入をめざすプルサーマル計画について、「安全性を確保しうる」とした経済産業省の審査を妥当とする答申をまとめた。答申を受けた二階経産相は近く許可する見通し。許可を受けて四電は、10年度までの導入を目指し、地元同意などの手続きに入る。

 プルサーマル導入で国の安全審査を通過したのはこれまでに、関西電力の高浜3、4号機、東京電力の福島第一3号機と柏崎刈羽3号機、九州電力玄海3号機の計5基で、伊方原発3号機は6基目となる。ただ、東電と関電は不祥事や事故などで地元了解が白紙や凍結になっている。伊方3号機は、地元了解の手続きが大詰めを迎えている玄海3号機の後に続くことになりそうだ。

 計画では、使用済み核燃料から抽出したプルトニウムをウランとの混合酸化物(MOX)の燃料にし、ウラン燃料集合体のうち約4分の1をMOX燃料に取り換える。安全委は、通常のウラン燃料と比べ燃焼の仕方が異なる点などについて検討、安全性は十分確保できるとした。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0316/TKY200603160327.html

0315 浜岡原発、設計情報開示決定取り消し…東京高裁 [読売]

 中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の運転差し止め訴訟に絡み、原告側が中電に同原発の耐震設計データなどの開示を求めた申し立てで、東京高裁は15日、一部開示を命じた1審・静岡地裁決定を取り消し、開示を認めない決定をした。

 富越和厚裁判長は「データは企業のノウハウに関する秘密で、公開されれば技術の社会的価値が下がる」と述べた。

 市民グループが、耐震設計データが含まれる工事計画認可申請書や、検査記録などの開示を求め、同地裁が昨年3月、「原発の安全性確保は社会共通の利益」として一部開示を命じた。

(2006年3月15日22時50分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060315ic21.htm

0315 差し止め請求判決直前、志賀原発2号機が運転開始 [読売]

 石川県志賀町の北陸電力・志賀原子力発電所2号機(改良型沸騰水型、定格出力135・8万キロ・ワット)が15日午前、営業運転を始めた。

 志賀原発2号機をめぐっては、住民らが運転差し止めを求めて金沢地裁に提訴。24日に判決が言い渡される。

(2006年3月15日13時47分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060315ic03.htm

0312 原発6基:制御棒46本ひび割れ 保安院が本格調査 [毎日]

 原子炉内の核分裂にブレーキをかける「制御棒」のひび割れが各地の原発で見つかり、判明しただけで原発6基で計46件に上ることが11日、経済産業省原子力安全・保安院のまとめで分かった。これほど多くのひび割れが見つかったのは世界でも例がないという。事業者側は「制御棒が折れることはなく、機能に問題もない」と強調しているが、保安院は「(安全かどうか)判断できない」として事態を重視、本格的な調査に乗り出した。

 制御棒は、核分裂を引き起こす中性子を吸収し、核分裂を制御する役割がある。ひび割れが見つかったものは、中性子の吸収能力が高いハフニウム板を使用していた。

 東京電力は今年1月、福島第1原発6号機で、使用しているハフニウム型制御棒17本のうち9本に破損が見つかったことを公表。これを受けて保安院は全国の電力会社に点検を指示した。

 その結果、同型の制御棒は、東京、東北、中部、日本原電の4電力の沸騰水型軽水炉23基で計382本使われていたが、151本を目視点検した結果、新たに同3号機でも5本のひび割れが見つかった。また、東京電力柏崎刈羽原発と中部電力浜岡原発などの使用済み制御棒にも32本のひび割れがあり、総本数は46本となった。今後、さらに増える可能性がある。

 このうち、2本はステンレス製のカバーがめくれ上がり、スムーズに出し入れできないものだった。ひび割れは最長12センチで、1本で40カ所以上のものもあった。制御棒は中性子を吸収するともろくなり、5サイクル(運転期間が5年余り)が交換の目安とされるが、4サイクルでひび割れが生じたケースもあった。

 保安院防災課の市村知也・事故故障対策室長は「なぜこれほど大量のひび割れが生じたのか試料分析で解明している。来月までにはっきりさせたい」と話している。

 原子力資料情報室の上沢千尋さんは「未点検なまま運転中の原発が12基もあり問題だ」と話している。【中村牧生】

 ■ことば(制御棒) 原子炉出力を制御するために、燃料集合体の間にくまなく挿入される棒または板状の物質。中性子を吸収しやすい素材(ボロン、カーバイド、ハフニウムなど)でできており、制御棒を抜き差しすることで、核反応を調整する。原子炉を緊急に停止する時にはすべての制御棒が挿入される。

毎日新聞 2006年3月12日 3時00分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060312k0000m040114000c.html

0311 核燃再処理工場:最終試験に同意へ 青森県知事 [毎日]

 青森県の三村申吾知事は、使用済み核燃料再処理工場(同県六ケ所村)で日本原燃が実施予定の最終試験に同意する意向を固めた。4月初旬にも事業者の日本原燃、同村を加えた3者で安全協定を結ぶ。試験では本格操業と同じ工程を実施する。国内初の商業用の再処理工場が4月にも「実質稼働」する見込みとなった。

 再処理工場は、全国の原発から出る使用済み核燃料からプルトニウムやウランを取り出し、再び原発の燃料にする「核燃料サイクル政策」の中核になる施設。93年から約2兆円をかけた建設工事が始まった。これまでに劣化ウランを使った試験などを終えており、今回の最終試験を経て07年8月の本格操業を予定している。

 三村知事は2月、安全協定の締結に向けた検討を開始。同月22日に県議会全員協議会、同下旬に県民説明会を開き、最終試験に対する意見を聞いていた。

 今後、官房長官や経済産業相など国の関係閣僚を交えた「核燃料サイクル協議会」の開催を国に求め、核燃料サイクル政策に変更がないことを確認する。同協議会は早ければ3月中に開催予定で、4月初旬にも安全協定が締結される見込み。

 最終試験を始めると、放射性物質の一部が大気や海に放出される。国と原燃は、住民の健康には影響のないレベルとしているが、同県のほか隣県の岩手県などの市民団体には「試験反対」を求める声がある。【小山由宇】

毎日新聞 2006年3月11日 20時46分 (最終更新時間 3月11日 20時53分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20060312k0000m040084000c.html

0312 原発は必要、でも「不安」66%…内閣府世論調査 [読売]

内閣府は11日、「エネルギーに関する世論調査」の結果を発表した。

 原子力発電について、「推進していく」「現状を維持する」と回答した人が合わせて75・3%を占めた一方で、原発の安全性では「不安」「何となく不安」と回答した人が合わせて65・9%に上った。

 原発の必要性は国民の大勢が認めながら、根強い不安があることが浮き彫りになった。

 調査は2005年12月、全国の成人3000人を対象に行った。有効回収率は57・1%だった。

(2006年3月12日0時11分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20060311i515.htm

0305 関電、久美浜原発を断念…地元反対・需要も見込めず [読売]

 関西電力は4日、京都府京丹後市(旧久美浜町)に申し入れていた、原子力発電所の建設のための事前環境調査を撤回する方針を固めた。

 地元の反対に加え、電力需要が伸び悩んでいるためで、約30年前から検討を進めてきた久美浜原発の建設を、事実上、断念することになる。週内にも正式に決め、同市に伝える。

 関電は1975年に、事前環境調査の実施を旧久美浜町に申し入れた。一時は町や町議会が調査の受け入れを表明し、85年には町が地質調査も行った。しかし、86年に起きたチェルノブイリ原発事故の影響などで計画がストップしていた。旧久美浜町は2004年に合併で京丹後市となり、中山泰市長が先月、関電に事前環境調査の申し入れを撤回するよう要請した。

 関電は地元の意向を押し切って計画を進めることは困難と判断。関西の電力需要が、久美浜原発の建設を検討した70年代当時の予想に比べて伸び悩み、撤回しても安定供給に影響がないことも判断材料になった。

 関電は03年12月、将来の電力需要の伸び悩みなどを理由に、中部電力、北陸電力と進めていた珠洲(すず)原発(石川県)の建設計画を凍結し、事実上断念した。東北電力も同月、用地取得が不可能になったとして巻原発(新潟県)の建設計画を撤回しており、事故に対する住民の不安などから、新規立地が難しくなっている。

 久美浜原発は、国の電源開発基本計画に組み込まれていた巻原発などと異なり、関電の「立地候補地」との位置付けにとどまる。美浜(福井県)や高浜(同)など既存の原発の更新や増設が課題となりそうだ。

(2006年3月5日3時2分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060305i101.htm

0303 福島第1原発:3号機で制御棒2本に破損やひび割れ 東電 [毎日]

 東京電力は3日、福島第1原発3号機(福島県大熊町)で、出力を調整する制御棒2本に破損やひび割れが見つかったと発表した。ステンレス製カバーの一部が縦3センチ、横8センチ、厚さ0.8ミリはがれ落ちていたほか、骨組みやカバーにもひびが見つかった。同6号機で今年1月に制御棒にひび割れが見つかり、他のプラントも調査していた。

 制御棒は核分裂の引き金となる中性子を吸収して出力を調整するが、傷があったのは中性子の吸収力が大きいハフニウム板を使った制御棒。3号機では18本が使用されており、中性子を多く受けていた2本を点検したところ見つかった。


女川原発3号機:3月中にも運転再開 保安院が妥当と判断 [毎日]

 経済産業省原子力安全・保安院は1日、停止中の東北電力女川原発3号機(宮城県女川町)について、「巨大地震が起きても安全性は確保される」とする同電力の評価結果を妥当と判断した。同電力は地元の同意を得て、今月中にも3号機の運転を再開する方針だ。

 同電力の女川原発1~3号機は、昨年8月の宮城県沖の地震で緊急停止した。その後の調査で、同電力が女川原発の設計で考慮する最大地震を過小評価していたことが判明し、耐震性の再確認作業が進められている。2号機は国の了承を得て、1月に運転を再開した。

 保安院は独立行政法人・原子力安全基盤機構に同電力の評価結果の分析を依頼。マグニチュード(M)7.6と想定される宮城県沖地震や、さらに沖合の地震と連動するM8.2の巨大地震でも、3号機の主要な建物や機器の安全性が保たれることを確認したという。【中村牧生】
毎日新聞 2006年3月1日 19時21分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20060302k0000m040053000c.html

0302 原発8割 冷却不能も 津波引き波5メートル 取水できず [赤旗]

 津波による五メートルの引き波が発生した場合、日本の原発の約八割にあたる四十三基の原発で、冷却水が一時的に海から取水できなくなることが一日、明らかになりました。衆議院予算委員会分科会で、日本共産党の吉井英勝衆院議員の質問に、広瀬研吉経済産業省原子力安全・保安院長が答弁しました。

  吉井議員は、一九六〇年のチリ津波のときに、三陸海岸で約二十五分にわたって引き波が続いたことや、原発のある宮城県女川町で海水面が推定六メートル低下したことを指摘しました。水位が下がった場合、原発の冷却水が海から正常に取水できなくなるのではないかとただしました。

 広瀬院長は、海面が四メートル低下した場合で二十八基、五メートル低下で四十三基、六メートル低下で四十四基の原発が、一時的に取水に必要な水位を下回ると答えました。

 吉井議員は、浜岡原発1号機(静岡県御前崎市)の例をあげ、取水槽の容量からすると「仮に、引き波による水位低下で取水できなくなったときは、三十四秒で冷却不可能になる」と指摘しました。また、途中で原子炉を停止した場合も、崩壊熱(燃料のなかの放射性物質が発生する熱)の除去に毎分六十トンの冷却水が必要になることを示し、「崩壊熱が除去できなければ、炉心溶融や水蒸気爆発など、最悪の場合を想定しなければならない」と、対策を求めました。

 二階俊博経産相は、「安全確保のため、省をあげて真剣に取り組むことをお約束したい」と答えました。

津波の引き波によって冷却水が取水できなくなる原発(○内は号機)
■水位低下4メートルの場合

 (28基)▼福島第一(1)~(6)、福島第二(1)~(4)、美浜(1)~(3)、高浜(1)~(4)、大飯(1)~(4)、島根(1)(2)、伊方(3)、玄海(1)、東海第二、敦賀(1)(2)

■水位低下5メートルの場合

 (43基)▼(上記に加え)泊(1)(2)、柏崎刈羽(1)~(5)(7)、伊方(1)(2)、玄海(2)~(4)、川内(1)(2)

■水位低下6メートルの場合

 (44基)▼(上記に加え)柏崎刈羽(6)

 海水と原発の冷却 原発は、原子炉で発生した熱で水を水蒸気に変えてタービンを回し、電気を発生させています。タービンを回した後の水蒸気は、再び水に戻して使用します。水蒸気を水に戻すときに使われるのが海水です。海水を取り入れることができないと、水蒸気を水に戻せなくなり、原子炉の冷却ができないことになって、炉心が溶け出すなどの重大な事故につながる恐れがあります。


0228 浜岡原発:地元4市 国への原子炉設置変更許可申請を了承 [毎日]

 中部電力が静岡県御前崎市の浜岡原発4号機(沸騰水型、113.7万キロワット)で10年度にも予定しているプルサーマル計画について、地元の御前崎、掛川、菊川、牧之原の4市は28日、同社の国への原子炉設置変更許可申請を了承した。これを受け、同社は3月中にも申請手続きに入るとみられる。プルサーマル計画では、佐賀県の九州電力玄海原発3号機が原子炉設置変更許可を受け、県と地元の玄海町が実施について事前了解(同意)する意向を示している。

 同日開かれた浜岡原発安全対策協議会(会長・石原茂雄御前崎市長)で了承した。申請後は原子力安全・保安院が1次審査で計画内容や安全性などを調査する。この結果を原子力委員会と原子力安全委員会が2次審査。文部科学省の同意を得て経済産業省が許可する。中部電力は「許可後、審査内容を地元に説明する」としている。【舟津進】

毎日新聞 2006年2月28日 23時17分 (最終更新時間 3月1日 0時02分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20060301k0000m040113000c.html

0228 日本とEU25か国、原子力協定に署名 [読売]

 【ブリュッセル=林路郎】日本政府と欧州原子力共同体(EURATOM)は27日午後(日本時間同日深夜)、核物質と原子力の関連資材・機材の平和利用を保証するための原子力協定に欧州連合(EU)の欧州委員会で署名した。

 日本とEU加盟25か国との間で移転される核物質や原子力関連機材などが協定の対象となる。

(2006年2月28日0時15分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060227i415.htm

原子力機構:溶融炉の出口付近から出火 茨城・東海村 [毎日]

 13日午後3時半ごろ、茨城県東海村白方の日本原子力研究開発機構東海研究開発センター原子力科学研究所のプラズマ溶融炉の出口付近から出火。炉付属の円筒(直径約2メートル、長さ約1メートル、厚さ約5.4ミリ)の一部を焼いた。同炉は放射性廃棄物をプラズマで溶かすための施設で、非放射性のコンクリートを使って試運転中。放射能漏れなどはないという。

 同機構によると、円筒は、溶かした廃棄物を炉の外に出すために設けられ、アルミやシリコン製ゴムなど5重の構造。溶融物質の飛散などで外側のシリコン製ゴムが高温になり、出火した可能性があるとみている。【須田桃子】

毎日新聞 2006年2月13日 20時58分 (最終更新時間 2月13日 21時07分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060214k0000m040101000c.html

京都・久美浜原発計画 京丹後市長が撤回要求 [赤旗]

 京丹後市の中山泰市長は十日、同市久美浜町の蒲井・旭の両地区に関西電力が三十年間にわたり計画し続けてきた原子力発電所の立地問題について、関電に調査願の文書を撤回するよう求めたことを、市議会全員協議会で明らかにしました。

 中山市長は、九日に関西電力(森詳介社長)の本社に行き、森社長にあてた「久美浜原子力発電所立地問題に関する申し入れについて」を提出。「旧久美浜町以外の住民に原発立地の理解を求めていくことは少なからず困難である」と述べた上で▽電力需要はピークを超え巨費を必要とする新たな電源開発は困難▽このまま計画が進んでも稼動までには相当な時間を要する▽稼動までの間は立地による本格的な地域振興を十分に望めない―などと指摘。候補地の住民とともに、新たに心一つにして地区の振興を行うことを述べています。

 日本共産党京丹後市議団(三人)の松田成渓団長=久美浜町友重=は、「計画撤回への大きな前進で、感動をおぼえます。まだ終止符が打たれたわけではありませんが、計画撤回の申し入れから三十一年間、久美浜町民を中心とする丹後、兵庫の但馬の住民は、札束をえさにした国と、関電の激しい攻撃に立ち向かい、たたかってきました。計画撤回まで、引き続き運動を強めていきたい」と話しています。
URL:http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-02-11/2006021115_01_0.html

福島第2原発:超音波検査で新たなひび 安全管理に疑問も [毎日]

 福島第2原発3号機(福島県富岡町)の再循環系配管でひびが見つかった問題で、東京電力は7日、超音波検査で見落としていた新たなひび(長さ10センチ以上、深さ約5.4ミリ)があったと発表した。同社はこの配管について昨年「安全性に問題はなく配管の交換は不要」とする報告書を原子力安全・保安院に提出しており、新たなひび発見で同社の安全管理体制が問われそうだ。

 同社は昨年3月の定期検査で超音波検査を行い、今回とは別のひび(長さ17ミリ、深さ7.8ミリ)を見つけた。現在の制度では交換しないことも認められているが、同社は地元の理解を得るため昨年9月に交換。メーカーの東芝に顕微鏡による詳しい検査を依頼した。

 その結果、超音波検査では溶接痕だと判断されていた部分に、切り取った試験片(長さ約10センチ)を横切る形で、新たなひびが見つかった。同社は「当時は判断を誤った」と認めており、このひびが、さらに長いひびの一部である可能性もあるとみて調査中だ。

 原子力安全・保安院原子力発電検査課は「ひびをそのままで運転する制度に問題があるのかは、詳しい事実関係を聴かないと分からない」と話している。【高木昭午】


米原子力政策、再処理路線に転換 核不拡散へ新技術 [朝日]

2006年02月07日11時59分
 米エネルギー省は6日、原発の使用済み核燃料の商業用再処理を目指す新しい研究開発計画を発表した。日本やロシアなどとの国際協力で、新たな再処理技術の開発に取り組む。米国は再処理で抽出されるプルトニウムが核兵器の拡散につながるとして、77年から国内での商業用再処理を無期限凍結していた。約30年ぶりの政策転換は、世界の原子力開発の動向に影響を及ぼしそうだ。

 「国際原子力パートナーシップ」と呼ばれる新計画では、無期限延期されていた高速炉(高速増殖炉)開発も再開する。目的について同省は、(1)海外の化石燃料への依存からの脱却(2)核拡散の恐れがない新再処理技術の開発(3)環境に優しい発展の実現、などをあげた。

 新再処理技術は、プルトニウムを単独に取り出さない手法を開発する。具体的には、プルトニウムが使用済み燃料中の他の核分裂生成物と混ざった状態で再処理、抽出する手法の開発を目指す。

 混ざった状態だと核兵器としての性能が格段に落ちる上、強い放射能をもつため取り扱いが極めて難しく、テロなどにも使いにくいとされる。

 使用済み核燃料は、米国内の原発からだけでなく、海外からも受け入れる計画だ。

 これらの研究開発費として、07年度会計予算案に2億5000万ドル(約290億円)を盛り込んだ。

 再処理路線への転換について、同省のセル副長官は「原子力エネルギーの利用価値を高め、放射性廃棄物の処分量を劇的に減らすことができる」と利点を強調。「高速炉開発にも取り組むのは、核分裂生成物主体の燃料を燃やして量を減らせるからだ」と述べた。

 新計画は日本、中国、ロシア、英国、フランスに説明済みで、国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長にも伝えてあるという。

 米国では77年にカーター政権が、商業用再処理凍結と高速炉開発延期を柱とする「核不拡散政策」を打ち出した。

 その後、再処理と高速増殖炉を柱とする「核燃料サイクル」路線からはドイツなども撤退。原子力利用先進国で同路線の実現を目指しているのは現在、日本、フランス、ロシアだけだ。経済的メリットが不確かな上、技術的に難しいことが理由で、米国の今回の新計画がすんなり軌道に乗るかどうかは、不確かだ。
URL:http://www.asahi.com/international/update/0207/010.html

「安全確保される」 プルサーマル巡り佐賀県知事が見解 [朝日]

2006年02月07日12時02分
 九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)3号機のプルサーマル計画で、古川康・佐賀県知事は7日、県庁で記者会見し、「安全性の論点を抜き出して県の考え方をとりまとめた。いずれも理解し、納得できるものだった」と述べ、「計画は安全」との見解を発表した。玄海町も了解する見通しで、早ければ05年度内にもプルサーマル計画が最終了解される見通しになった。

 県は、国が安全審査で妥当とした原子炉の制御性や燃料などの技術面のほか、テロの可能性、地震への対応など独自の項目も加え、八つの論点について検討した。

 技術面については、賛否両論を示した上で安全性を追認したのに加え、テロ攻撃など不測の事態に対しても、県国民保護計画を作成し、対応するとした。さらに、国による厳格な規制・監督や九電の適正な安全管理により、総合的に「安全性は確保される」と結論づけた。

 古川知事は「論点は出尽くした。賛成、反対どちらがなるほどと説明できるかと考えた結果、国や九電が説明している内容がより理解でき、納得できた。独自に考えたテロや地震などの新しい要素も大丈夫という判断に至った」と述べた。

 技術面で国の審査を追認した形になった点については「国と見解を合わせるためにやったのではなく、私どもなりに勉強し、判断した結果、同じ結論になった」と説明した。

 九電は10年度までのプルサーマル導入を目指しており、残る手続きは安全協定に基づく県と町の事前了解だけ。

 玄海町議会は今月中にも同意する見通しで、これを受け、玄海町長が了解するとみられる。

 県は、玄海町や県議会などの意見を聴いた上で最終判断するが、県議会の反対派は少数にとどまる。県が「受け入れ可否の判断の前提」としてきた安全性についてゴーサインを出したことで、計画は早期に了解される見込みとなった。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0207/004.html

核燃料の民生用リサイクル、米が国際的枠組み構想 [読売]

 【ワシントン=貞広貴志】原子力の平和利用の拡大を図る米ブッシュ政権は、内外の原発から出た使用済み核燃料を受け入れ、兵器への転用が困難な民生用燃料へとリサイクルする国際的な枠組み「グローバル核エネルギー協調」(GNEP)構想をまとめた。

 エネルギー省のボドマン長官が6日、正式に発表する。

 米政府は約30年にわたり国内での核燃料の再処理を停止してきたが、核拡散を防止する技術の開発を前提に、他国の使用済み燃料の再処理まで手がける方針への転換を明確にしたものだ。

 関係筋によるとGNEPは、〈1〉国際使用済み核燃料貯蔵センターの建設〈2〉新型核燃料リサイクル施設の整備〈3〉安全で拡散の危険が低い次世代原子炉の開発推進――を主な内容としている。米国がまず大規模な貯蔵施設を整備、再処理能力を持たない国から使用済み燃料を回収し、拡散しにくいプルトニウムなど民生用燃料を取り出す仕組みだ。将来的には、核燃料を燃やした際、核兵器に転用可能な物質ができにくい原子炉の実用化も目指す。

 世界的に電力需要が増大し、原油価格も高騰する中、原子力の平和利用を推進しつつ、核拡散の防止と両立させる地球規模の枠組み構築を目指すものでもある。

 同筋によると、米政府高官が既にフランスやロシア、日本を回り、計画の概要を説明した。

 ブッシュ政権は、核保有国である中国、インドとの原子力協力に意欲を示しているが、議会からは核物質や関連技術の流出を懸念する声が上がっている。GNEPには、米国が中心となり再処理・濃縮の能力を持つ国々と国際的な核物質管理体制を確立することで、こうした懸念を払拭(ふっしょく)する狙いがある。

 米国は約30年にわたって再処理を停止していたが、昨年末に再処理工場の建設を認める2006会計年度のエネルギー歳出予算案を可決。26日付の米ワシントン・ポスト紙によると、再処理試験などに2億5000万ドルを2007会計年度(06年10月―07年9月)に計上しており、再処理再開に向け動き出していた。

 ただ、次世代の原子炉やリサイクル施設については、「実用化は遠い」との見方もあり、米政府の真意が、GNEPを盾に米エネルギー業界や重電業界の国際ビジネスを後押しすることにあるとの観測も出ている。

(2006年2月6日14時38分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060206i207.htm

九電玄海原発プルサーマル、佐賀県受け入れへ [朝日]

2006年02月07日03時06分
 九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)3号機のプルサーマル計画で、古川康・佐賀県知事は7日に「計画は安全」とする見解を発表する。県が独自に安全との判断を示すことで、計画に「お墨付き」を与える格好だ。玄海町も了解する見通しで、プルサーマルの受け入れが事実上、確実になった。

 九電は2010年度までのプルサーマル導入を目指している。国は「安全性は妥当」として昨年9月、実施を許可。残る手続きは県と町の了解だけとなっている。先行した東京電力や関西電力の計画が、不祥事や事故の影響で止まったままになっており、九電の計画が全国初になる公算が大きくなった。

 古川知事は「安全性は受け入れ可否の判断の前提」との考えを示してきた。九電、国に続いて県は昨年12月、計画に関する公開討論会を開催。安全性に疑問を投げかける意見も出たが、県は「論点は出尽くした」として見解のまとめに入った。国が安全審査した技術面に加えテロ攻撃なども検討し、総合的に「安全」と判断した。

 プルサーマルは、国が進める核燃料サイクルで、現時点では使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを使う唯一の手段。電力会社でつくる電気事業連合会は10年度までに16~18基で導入するとしているが、目標達成のめどは立っていない。

    ◇

 〈キーワード:プルサーマル〉 原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、ウランとの混合酸化物燃料にして通常の原発で燃やす計画。核燃料サイクルの柱としてウランの有効利用と、核兵器の原料となるプルトニウムを余剰に持たないという国際公約を守るとして、国が推進している。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0207/001.html

原発の米ウェスチングハウス、東芝が買収を発表 [朝日]

2006年02月07日03時06分
 東芝は6日、原子力発電の名門メーカー、米ウェスチングハウス(WH)を54億ドル(約6408億円)で買収すると発表した。東芝は世界で主流の加圧水型軽水炉に強いWHの買収で海外展開を加速し、15年までに原発事業を現在の約3倍に拡大したいという。

 WH親会社の英核燃会社(BNFL)のマイク・パーカー最高経営責任者と東芝の西田厚聡社長が6日、ロンドンで会見し、合意内容を発表した。今後、当局の許認可などを得て、約半年で株式取得手続きを終える。

 途上国で需要が急増しているほか、原油高や地球温暖化防止への対応で米国や英国でも原発が見直されている。買収価格は20億ドル程度で済むとみられていたが、原発需要の伸びを見込んだ買収合戦の過熱で高騰した。

 結局、日本企業による海外企業の買収としては、松下電器産業による米映画・娯楽大手MCAの買収などに続く過去5番目の大型案件となった。東芝は三井物産、丸紅、米エンジニアリング大手のショーグループにも出資を仰ぐ見通しだが、WH株の過半数を保有して経営権を握る。

 BNFLは、経営立て直しのため05年夏からWHの売却交渉を本格化させてきた。WHと提携関係にある三菱重工業が売却先として有力視されたほか、日立製作所も米ゼネラル・エレクトリック(GE)と組み、入札に参加していた。
URL:http://www.asahi.com/business/update/0207/001.html

制御棒ひび割れ:経産省が電力各社に指示 該当原発は7基 [毎日]

 東京電力福島第1原発6号機の制御棒ひび割れ問題で、経済産業省原子力安全・保安院は3日、ひび割れた制御棒と同種で中性子照射量の多い制御棒は挿入した状態で運転するよう電力各社に指示した。運転中に原因不明のひび割れが発生し、緊急に挿入できないことも予測されるための措置。該当する原発は全国で7基ある。

 ひび割れた制御棒は中性子の吸収力が大きいハフニウム板を使っている。対象となる原発と制御棒の本数は、東京電力福島第1原発3号機9本▽福島第2原発1号機1本▽同3号機6本▽同4号機4本▽東北電力女川原発2号機4本▽中部電力浜岡原発3号機9本▽同4号機21本。


関電協力会社、原発作業「不安」8割 安全対策に批判も [朝日]

2006年02月05日06時41分
 「原発の配管周辺などの作業に今も不安がある」――。11人が死傷した04年8月の関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の蒸気噴出事故を受けて、関電が福井県内の原発で働く協力会社の社員にアンケートしたところ、回答があった約2650人のうち約8割がこう答えていた。事故後、耐性の強い配管に交換するなど対策を進めているが、現場では事故再発への不安が根強いことが浮かび上がった。

 昨年9~10月、美浜、大飯、高浜の各原発(計11基)で、定期検査などに従事する約40社、約3600人を対象に実施。質問は六つで、自由な意見・要望も聞いた。回答率は72%だった。

 事故は、原子炉とは別の発電用タービン建屋内で発生。放射能を含まない蒸気や水が流れる2次系配管が破裂した。運転開始時から一度も点検されず、肉厚が国の基準より減肉していた。

 この配管周辺やタービン建屋内での作業について不安の度合いを聞いたところ、「常に不安」「まだ不安が強い」「若干の不安がある」が計84.6%を占めた。また、関電社員の接し方の満足度を7段階で聞くと、不満を示す割合は計37.4%で、満足の割合の計32.8%を上回った。中間は28.6%だった。

 自由な意見は930件あった。「作業工程が相変わらず厳しい」「関電担当者の態度が変わっていない」「作業環境が劣悪、安全最優先が不徹底」「コストダウンに問題がある」などの内容が多かったという。

 関電は「担当者の態度が変わっていないなら誠に遺憾だ。作業は安全最優先であり、定期点検工事を対象に費用を追加する。今後も半年に1度アンケートを実施し変化を見ていく」としている。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0205/OSK200602040041.html

もんじゅ:後の原子炉、建設費用は官民で負担 [毎日]

 経済産業省資源エネルギー庁は2日、高速増殖炉「もんじゅ」に続き2030年ごろに建設を予定している原子炉について、官民双方の費用負担で開発する方針を決めた。商業ベースで導入するリスクが極めて高いことなどが理由で、3日の総合資源エネルギー調査会原子力部会で公表する。

 同庁によると、ポストもんじゅについては、通常の軽水炉建設にかかる費用分は民間が負担し、それを超える分を国が相当程度、負担する。世界的に実用化の実績がなくリスクの高い技術▽準国産エネルギーの開発という国策的な面が強い--などから、民間だけの負担では厳しいと判断した。しかし、建設する原子炉の形式は、もんじゅ研究の成果や世界各国の状況を確認しないと決まらないため、「負担割合や金額は示せない」としている。【中村牧生】


福島第1原発:ひび割れなど全9本の制御棒交換へ 東電 [毎日]

 東京電力は1日、福島第1原発6号機(福島県双葉町)の制御棒9本にひび割れや破損が見つかった問題で、9本の制御棒をすべて交換すると発表した。安全性に問題はないが、ひび割れの原因が不明で、国の技術基準を満たさない可能性があるためという。経済産業省原子力安全・保安院は「国としても原因究明を進め、対策を講じたい」と話している。

 東電によると、6号機のひび割れは中性子の吸収量が多いハフニウム板を使った制御棒9本で見つかった。ひび割れは制御棒のステンレス製骨組み(タイロッド)にまで達し、うち8本では厚さ約7ミリのステンレスを貫通した部分があった。

 一方、保安院によると、今回の破損を受けて各電力会社が実施した緊急点検で、東電の福島第1原発5号機と柏崎刈羽原発2号機、中部電力の浜岡原発3号機の使用済み制御棒計23本からもひび割れが見つかった。ただし、稼働中の原発では、制御棒の動作不良などは起きていないという。【中村牧生】
毎日新聞 2006年2月1日 19時35分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20060202k0000m040086000c.html

東芝、東電福島原発の測定装置をデータ改ざんして納入 [読売]

 東京電力福島第1原子力発電所6号機で、1993年10月ごろに冷却水の流量測定装置を交換した際、この装置を製造した東芝が、測定精度のデータを改ざんして納入していたことが、31日判明した。

 昨年9月に東電に匿名の情報が寄せられ、調査を進めていた両社が経緯を発表した。

 冷却水の流量測定装置は、原子炉の出力を把握するうえで重要な機器。東芝は、東電から発注を受けて製造した2台の装置の測定誤差が、要求された基準内に収まっていないことに事前に気付きながら、納期に間に合わなくなることを恐れ、データを改ざんし、つじつまを合わせて納入していた。

 東芝によると、実際にデータを改ざんしたのは測定装置の設計担当者2人で、この2人が完成品の精度検査も兼務していたため、社内でも改ざんを見逃したという。ただ、誤差は基準からわずかしか逸脱しておらず、「安全性への影響はない」と説明している。

 東芝は、ほかにも、東電と東北電力の計6基の原発に同様の測定装置を納入しているが、これまでの社内調査で改ざんは見つかっていない。経済産業省原子力安全・保安院は詳細な報告を求め、指導などの対応を検討する。

(2006年1月31日23時9分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060131i313.htm

英核燃料会社:傘下の米原発メーカーを東芝に売却へ [毎日]

 23日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(アジア版)は、英国核燃料会社(BNFL)関係者の話として、同社が傘下の米原発メーカー、ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)を東芝に売却することをこのほど決定したと報じた。売却金額は50億ドル(約5800億円)で、26日に開く取締役会で正式決定するという。

 WH社をめぐっては、米電機・金融大手ゼネラル・エレクトリック(GE)が日立製作所と共同で買収を提案していたほか、三菱重工業も名乗りを上げていた。

 同紙はBNFLが東芝を選んだ理由として、提示金額のほか、中国への原発ビジネスなどで東芝がWH経営陣の方針を尊重すると判断したことなどを挙げた。(共同)


福島原発6号機:制御棒9本にひび割れなど 緊急点検指示 [毎日]

 定期点検中の東京電力福島第1原発6号機(福島県双葉町)で、出力を調整する制御棒9本にひび割れや破損が見つかった。経済産業省原子力安全・保安院は19日、同じ型の沸騰水型軽水炉を持つ東京、東北、中部、北陸、中国の各電力と日本原電の6社に緊急点検を指示した。最悪の場合、一部の制御棒が挿入できなくなる恐れがあるためという。

 ひび割れは、6号機の制御棒185本のうち、中性子の吸収力が大きいハフニウム板を使った制御棒で見つかった。東京電力が動きの鈍い制御棒の外観を点検したところ、ステンレス製のカバーや骨組みに1本あたり数十カ所のひび割れや破損が見つかった。そのうち1本ではカバー部分が縦11センチ、横8センチ、厚さ2ミリにわたってめくれ上がっていた。ひび割れの深さや原因は調査中という。

 保安院は、ひび割れが最大12センチと大きなことや正常な動きを妨げていたことを重視し、ハフニウム板を使った制御棒について(1)運転中の原発は正常に作動することを確認(2)停止中の原発は外観の検査--を指示した。【中村牧生】

毎日新聞 2006年1月19日 19時44分 (最終更新時間 1月19日 22時17分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20060120k0000m040084000c.html

女川原発:設計で揺れデータ無視 東北電力 [毎日]

 東北電力が女川原発(宮城県女川町、石巻市)の設計において想定する最大地震を過小評価していた問題で、2、3号機建設のため東北電力が国に提出した申請書類の中に、女川周辺では「短周期」の揺れが大きくなる地域特性を示すデータが盛り込まれていたことが18日、市民グループと国側の話で明らかになった。

 設計はこのデータを無視する形で行われたため、市民側は「安全審査での瑕疵(かし)は明白で、設置許可を取り消すべきだ」と訴えている。【中村牧生】


美浜原発事故:関電と遺族ら、大筋で示談成立 [毎日]

 死傷者11人を出した関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の高温蒸気噴出事故で、関電側と遺族や負傷者との間で大筋で示談が成立したことが14日、分かった。

 事故は04年8月9日に発生。3号機のタービン建屋で配管が破損し、2次冷却水が蒸気や熱水として噴出。定期検査の準備をしていた下請けの検査会社「木内計測」(大阪市)の作業員5人が死亡、6人が負傷した。

 関係者によると、示談交渉は昨年末までにまとまり、遺族には慰謝料と犠牲者の逸失利益など、負傷者には慰謝料と治療費などを盛り込んだとみられる。関電は「遺族の意向に合うように対応してきた。具体的な内容はプライバシーにかかわることなのでコメントを控えたい」としている。

 遺族と負傷者をめぐっては、敦賀労基署が11人全員を既に労災認定し、遺族補償年金や休業補償給付を支給しており、負傷者6人のうち1人は入院、1人は自宅療養を続け、4人は職場復帰。県警捜査本部(敦賀署)が、関電と、同原発の検査委託先である三菱重工業、日本アームを対象に業務上過失致死傷容疑で捜査を進めている。


脱原発:プルトニウム計画でパブコメ要請 市民グループ [毎日]

 グリーンピース・ジャパンなど脱原発を唱える25の市民グループは13日、電力各社が公表したプルトニウム利用計画について、国がその是非を判断する前に、パブリックコメント募集など、広く国民から意見を募るよう国の原子力委員会に要請した。

 日本原燃(青森県六ケ所村)の再処理工場で使用済み核燃料から抽出されるプルトニウムについて、各電力は12年以降に通常の原発16~18基でプルサーマル(余剰プルトニウムを通常の軽水炉で燃やすこと)を行うとしている。しかし、地元の了解が得られたサイトは一つもなく、市民グループ側は「余剰プルトニウムをためないとの国際公約に反する」「国は計画の現実性を踏まえて『妥当性なし』の判断を下すべきだ」と主張している。

 原子力委では10日に実施した各電力からのヒアリングを基に、プルトニウム平和利用の透明性が保たれるか否かを判断する。【中村牧生】


泊原発:非常用排気筒に新たに1カ所ひび割れ、計10カ所 [毎日]

 北海道電力泊原子力発電所(泊村)1号機の原子炉建屋内の排気筒にひび割れが見つかった問題で、同社は11日、非常用排気筒に新たに1カ所のひび割れが確認されたと発表した。新たなひび割れは既に3カ所確認されている非常用排気筒の補強材の溶接部にあり、長さ3センチ。これでひび割れは主排気筒を含めて計10カ所となった。【昆野淳】


六ケ所村のプルトニウム、利用は2012年度以降 [朝日]

2006年01月06日22時50分
 電気事業連合会は6日、試験運転が迫っている青森県六ケ所村の使用済み核燃料の再処理工場から出るプルトニウムの利用計画を、初めて公表した。07年3月までに取り出す核分裂性プルトニウム1.6トンについて、軽水炉で燃やすプルサーマル計画によって2012年度以降に利用するとしている。国の原子力委員会が再処理でプルトニウムが出る前の計画公表を求めていた。

 再処理工場は2月、実際に使用済み核燃料を使う「アクティブ試験」を始める予定だ。プルトニウムは核兵器に転用できるため、作られた分だけ使われる必要があり、電力各社は「計画公表は平和利用が目的だと明確にするため」としている。

 利用する原発は全国で16~18基。北海道が泊、東北が女川、中部が浜岡4号、北陸が志賀、関西が高浜3号、4号と大飯の1~2基、中国が島根2号、四国が伊方3号、九州が玄海3号、日本原電が敦賀2号と東海第二、Jパワーは12年稼働予定の大間となる。

 02年の原発トラブルでプルサーマル計画への地元の事前了解が白紙となった東京電力については「立地地域の信頼回復に努めることを基本に3~4基」とし、具体的な原発名は公表しなかった。

 今後、電力各社は毎年、翌年度に再処理工場から出るプルトニウムの利用計画を公表していく。

 ただ、電力各社は海外に計25.6トンのプルトニウムを保有している。10年度をめどにプルサーマル計画で利用をはじめる方針だが、手続きが進んでいるのは中部、中国、四国、九州の4社にとどまっており、海外の保有分の使い道については、今回の計画の中で具体的に示されていない。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0106/TKY200601060285.html

■原発05? から続く

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