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●在日米軍06Ⅲ - (2006/08/24 (木) 18:19:00) の編集履歴(バックアップ)



0719 在日米軍、都の防災訓練に参加へ [朝日]

2006年07月19日07時44分
 東京都が9月に実施する総合防災訓練に、在日米軍が参加する方向で大筋合意した。米軍の艦船やヘリコプターで、帰宅困難者や物資を搬送するなどの訓練を想定し、具体的な内容について最終的な協議を進めている。都は01年から米軍横田基地を同訓練に利用しているが、外務省などによると、部隊や艦船が参加する合同訓練は全国で初めて。

 訓練は首都直下地震を想定。交通機関がストップして帰宅できなくなった人たちを米海軍の艦船で神奈川県横須賀市に運んだり、米空軍のヘリコプターで横田基地から救援物資を搬送したりする方向で、米軍と最終的な調整をしている。米軍がどれぐらいの規模で参加できるかは、当日の情勢にも左右されるという。

 04年の新潟県中越地震では、米軍が輸送機で救援物資を横田基地から輸送した。都の担当者は「今回の訓練は米軍の支援をスムーズに受け入れられるような態勢づくりが目的」と説明する。米軍側は「これまで災害時には救援活動に協力しており、今回の訓練もその一環だ」との考えを示しているという。

 神奈川県や沖縄県では、大規模災害が起きた場合に、在日米軍との相互連絡や応援要請の方法を定めたマニュアルを作っているが、外務省によると、都が計画するような艦船や部隊が参加する大規模な合同訓練は初めてという。

 一方、今回の訓練には、ソウル市のレスキュー隊も初めて参加する。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0719/004.html

0701 米軍訓練移転、北海道千歳市受け入れへ…協定を評価 [読売]

 在日米軍の再編に伴い、米軍戦闘機訓練の一部を北海道の航空自衛隊千歳基地に移転する問題で、北海道千歳市は訓練を受け入れる方針を固めた。

 同市の山口幸太郎市長が6日にも市議会特別委員会で表明する。

 同市は、国と協議している受け入れに関する協定で、「千歳基地が米軍基地化されないよう担保される」としており、「おおむね市の意向に沿った内容」(山口市長)と判断した。

 協定では、<1>事件事故発生の際は国が責任をもって対応する<2>基地周辺の騒音対策、地域振興策を積極的に進める<3>訓練計画を市に事前通知する<4>訓練は空自との共同方式で行い、空自と同様に休日、深夜は自粛する――ことなどが盛り込まれる。千歳市長と札幌防衛施設局長との間で、訓練移転までに締結される。

 この問題では、北海道も受け入れを事実上、容認する考えを示している。

(2006年7月1日12時35分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060701i203.htm

0626 在日米軍、沖縄にパトリオット3…年内配備方針 [読売]

 今月17日にハワイで行われたミサイル防衛(MD)に関する日米事務レベル協議で、米側が地対空誘導弾パトリオット・ミサイル3(PAC3)を、沖縄県の嘉手納基地(嘉手納町など)か嘉手納弾薬庫(沖縄市など)に年内に配備する方針を日本側に伝えていたことが、明らかになった。

 北朝鮮などの弾道ミサイルを想定したもので、在日米軍へのPAC3配備は初めて。500~600人の陸軍米兵が新たに駐留する見通しで、配備されるPAC3は4基程度と見られる。日本政府は基本的に応じる方針だ。

 PAC3の防護範囲は半径数十キロ・メートルで、東アジアの米軍拠点である沖縄地域の防空能力を高めるのが狙いだ。イージス艦に搭載する海上配備型のスタンダード・ミサイル3(SM3)と組み合わせて弾道ミサイルを迎撃する。

 北朝鮮の中距離弾道ミサイル「ノドン」(射程約1300キロ・メートル)は相当な確度で迎撃できるが、「テポドン2号」(射程約3500~6000キロ・メートル超)には十分に対応できないとされる。

(2006年6月26日3時29分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060626ia01.htm

0622 在日米軍再編合意、「評価する」50%…読売世論調査 [読売]

 読売新聞社が17、18の両日に行った全国世論調査(面接方式)で、日米両政府が在日米軍の再編に合意したことについて、「評価する」は計50%で、「評価しない」計38%を上回った。

 合意には、沖縄県の普天間飛行場の県内移設や、海兵隊のグアム移転などが盛り込まれた。これにより沖縄の基地負担が軽減されるかについては、「そうは思わない」が計52%。軽減されると思う人は計36%で、否定的な見方が強かった。

 米軍再編で、日本は海兵隊のグアム移転費用の一部と、日本国内の施設整備費を負担する。こうした費用負担について、政府は国民に十分な説明をしているかどうかでは、「そうは思わない」が計87%に上り、国民の大半が、政府が十分な説明責任を果たしていないと感じていた。「そう思う」はわずか計8%だった。

(2006年6月22日22時59分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060622i415.htm

0614 横須賀市長、原子力空母容認を市議会で表明 [読売]

 米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)への原子力空母配備問題で、蒲谷(かばや)亮一横須賀市長は14日、市議会全員協議会で「日本の安全、極東の安全を考えるうえで、原子力空母の存在は重要だ。入港はやむを得ない」と述べ、配備を容認する考えを表明した。

 横須賀港には、通常型空母「キティホーク」の後継艦として、2008年に原子力空母「ジョージ・ワシントン」が配備される予定。同港は国内で初めての原子力空母の母港になる。

 日米両政府は昨年10月、「ジョージ・ワシントン」の横須賀配備に合意。蒲谷市長は市民の核アレルギーなどを理由に反対を表明し、通常型空母の配備を求めてきた。しかし、政府側から、<1>原子力空母の安全性<2>通常型空母配備の可能性はない<3>米海軍と市が防災協定を結び、共同で訓練を行うことに米側が同意した――ことなどを説明され、考えを転換した。

 日米両政府は近く、受け入れに必要な港のしゅんせつ工事開始に合意する見通しだが、一部市民団体は強く反発している。

(2006年6月14日20時59分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060614i112.htm

0613 横須賀市長、原子力空母を容認…関連工事で同意表明へ [読売]

 米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)への原子力空母配備問題で、横須賀市の蒲谷(かばや)亮一市長は14日の市議会全員協議会で、原子力空母の配備に必要な横須賀港内のしゅんせつ工事に同意する方針を表明する。

 原子力艦の受け入れを事実上容認するもので、近く政府側に工事の協議に応じることを回答する。

 日米政府は同基地に、老朽化した通常空母「キティホーク」の後継艦として、原子力空母「ジョージ・ワシントン」を配備することで合意している。しかし、現在の空母用停泊場所は同艦に対応する水深が足りないため、工事で2メートルほど掘り下げる必要がある。防衛施設庁が工事を始めるためには、港湾管理者である市長の許可が必要で、12日には麻生外相が同市役所を訪れ、蒲谷市長に協力を求めていた。

 蒲谷市長は原子力空母配備に反対を表明していたが、麻生外相らから原子力艦の安全性のほか、通常艦配備の可能性は皆無との説明を受け、考えを転換したとみられる。

(2006年6月13日20時36分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060613i112.htm

0612 原子力空母配備に前向き 横須賀市長、外相と会談 [共同]

 米海軍横須賀基地(神奈川県)への原子力空母配備問題で、麻生太郎外相は12日、横須賀市役所で蒲谷亮一市長と会談し「通常型空母が来ることはない。米原子力軍艦の安全性は確保されていると確信している」などと理解を求めた。
 会談後の記者会見で蒲谷市長は「安全性に関する政府の立場は理解した」と述べ、配備容認に前向きな姿勢を示した。14日に開く市議会全員協議会で受け入れを表明する可能性が出てきた。
 会談で麻生外相は米政府が示した「原子力空母の安全性に関する説明文書」について、市が照会した質問に回答。「米原子力軍艦の50年の運航の歴史を通じ、安全性はほぼ100パーセントと言って差し支えない」と述べた上で「万が一の事故の場合の適切な備えが不可欠」として、近く日米間で原子力防災協定などを協議する方針を伝えた。
URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2006061201001280

0612 普天間移設:名護市長ら官房長官に陳情 北部振興策を要請 [毎日]

安倍官房長官との会談後、記者の質問に答える島袋・名護市長(中央)ら沖縄県北部自治体首長ら=首相官邸で12日午前10時46分、藤井太郎写す 米軍普天間飛行場の移設先となる沖縄県名護市の島袋吉和市長ら同県北部の12市町村の首長が12日午前、首相官邸で安倍晋三官房長官と会談し、北部地域振興策の継続を要請した。

 政府は5月30日、在日米軍再編の実施方針の閣議決定で、同振興策を盛り込んだ99年の閣議決定を廃止した。このため、島袋氏らは09年度までの北部振興策の継続と新規事業の着実な実施を求めた。安倍氏は「しっかり相談しながら協力していきたい」と述べた。島袋氏らは防衛庁の額賀福志郎防衛庁長官とも面会した。【大場伸也】

毎日新聞 2006年6月12日 11時35分 (最終更新時間 6月12日 12時55分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20060612k0000e010057000c.html

0602 女性殺害し強盗、米兵に無期判決…横浜地裁 [読売]

 神奈川県横須賀市のパート社員佐藤好重さん(当時56歳)を殺害し、金を奪ったとして、強盗殺人罪に問われた米空母「キティホーク」1等航空兵ウィリアム・リース被告(22)の判決が2日、横浜地裁であった。

 小倉正三裁判長は「被害者は想像を絶する苦痛の中で絶命しており、反省の態度も見られない」として、求刑通り無期懲役を言い渡した。小倉裁判長は「現役の米軍兵士の凶悪犯罪として、基地のある地域住民に多大な不安を与えた」と述べた。

 判決によると、リース被告は1月3日午前6時半ごろ、横須賀市米が浜通で、佐藤さんの手提げバッグを引っ張り、抵抗されると、顔面を殴って物陰に引きずり込み、10分以上に渡って暴力をふるい、内臓破裂で死亡させ、現金1万5000円を奪った。

 小倉裁判長は、リース被告が当初、「両替を頼むつもりで被害者に声をかけた」と、強盗目的を否定していた点について、「不自然な弁解」と批判。「声を発しなくなるまで殴るなど、犯行は冷酷非道」と述べた。

 佐藤さんの弟の真田修一さん(56)は、「何の落ち度もない人間を、弟の私が見ても分からないぐらい殴っておいて、無期懲役では軽い。本当は極刑にしてほしかった」と語った。 

 1995年の日米地位協定の運用改善後、起訴前の米兵の身柄引き渡しは、この事件が4件目で、殺人事件では初のケースだった。

(2006年6月2日12時22分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060602i205.htm

0531 思いやり予算を抜本見直し 自民チーム、米軍再編で方針 [朝日]

2006年05月31日09時33分
 自民党の「歳出改革に関するプロジェクトチーム(PT)」は30日、財政再建に向けた歳出削減案の一つとして、在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)を抜本的に見直す方針を固めた。米軍再編に伴い巨額の負担が見込まれる中、思いやり予算を大胆に削減することで米軍再編経費に対する国民の理解を得るとともに、「聖域なき削減」をアピールするのが狙いだ。

 今週中にまとめるPTの一般(文科・ODA=政府の途上国援助・防衛・エネルギー)分野の歳出削減の検討項目の中間報告に「在日米軍駐留経費負担の抜本見直し」との文言が盛り込まれる。在日米軍駐留経費負担は78年度から駐留軍労働者の福利費として始まった。97年度に2820億円(契約ベース)と最大になったが、その後は減り続け、06年度は2151億円(同)となっている。中間報告はさらに厳しい削減を求めるものだ。

 一方、中間報告には、防衛関係では▽自衛官実員の削減▽陸海空自衛隊の共同調達によるコスト削減▽入札談合防止による施設整備費の削減▽基地周辺対策の抜本見直しなども盛り込む。

 教育関係では「義務教育費国庫負担金の改革」「教科書経費の縮減」などを、科学技術では「優先順位の劣るプロジェクトの廃止・抑制」などを検討項目に挙げている。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0531/001.html

0530 在日米軍再編、基本方針を閣議決定 [読売]

 政府は30日午前の閣議で、在日米軍再編に関する基本方針を決定した。

 普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設については日米両政府の合意案を基本として早急に代替施設の建設計画を策定するとしている。また、再編費用を捻出(ねんしゅつ)するため中期防衛力整備計画を見直すことなども明記した。

 今後は、在日米軍再編推進のための特別措置法の制定や、個々の再編案実施に向けた具体的計画の策定、費用負担などが焦点となる。

 普天間飛行場移設については、防衛庁側は当初、キャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)案を「辺野古崎とこれに隣接する大浦湾、辺野古湾の水域」と具体的地名を入れて書き込む方針だったが、「政府案で合意した訳ではない」とする沖縄県側に配慮して、具体的地名の記載を見送った。

 一方、従来の普天間飛行場移設についての政府方針だった1999年12月の閣議決定は「廃止」と明記した。

 巨額の再編関連経費を捻出するため、米軍再編の経費見積もりが明確となった段階で、中期防(2005年度~09年度、24兆2400億円)を見直す。

 地元対策としては、「新たな負担を担う地元の要望に配慮し、わが国の平和と安全への大きな貢献に応えるよう、地域振興等の措置を実施する」とした。名護市や、厚木基地(神奈川県大和市など)の空母艦載機が移駐する岩国基地のある山口県岩国市など、再編で負担増となる自治体への振興策を拡充するというものだ。

 額賀防衛長官は閣議後の記者会見で、普天間飛行場移設に関する文言について、「沖縄県との基本確認書、名護市、宜野座村との合意書を踏まえた内容になっている」と述べ、地元に配慮したことを強調した。

 安倍官房長官は30日午前の記者会見で、在日米軍再編推進のための関連法案について、「今国会はもう会期が限られている」と述べ、今国会提出は見送る考えを示した。

(2006年5月30日11時51分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060530it03.htm

0527 沖縄県、閣議決定案に異論 米軍再編「政府と依然距離」 [朝日]

2006年05月27日23時42分
 政府が在日米軍再編の日米最終合意を実施するためにまとめた閣議決定案について、沖縄県の稲嶺恵一知事ら幹部は27日、県庁で対応を協議した。花城順孝知事公室長は協議後、「政府と県の対応には依然距離がある」などとして、この案では受け入れられないとの見解を示した。政府は今週中の閣議決定を目指し、さらに調整を進める。

 閣議決定案は、普天間飛行場の移設先について、辺野古崎への暫定ヘリポートの設置を求める県側に配慮して具体的地名を記さず、「日米安全保障協議委員会(2プラス2)で承認された案を基本として」と表現した。だが、花城氏は「県が日米の合意案は容認できないという点がきっちりと閣議決定に表現として反映されるよう求めている」と語った。

 閣議決定案で99年の辺野古沖計画の閣議決定を廃止するとしている点についても、花城氏は「99年の閣議決定には北部振興や跡地利用、雇用対策などが盛り込まれている。これが廃止されて次の地域振興策がどうなるのかは何の担保もない」と指摘した。

 稲嶺知事は26日夜、沖縄県を訪れた小池沖縄担当相と会談。県の考えを伝えたとみられる。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0527/012.html

0527 普天間移設先、閣議決定案に地名なし 沖縄県に譲歩 [朝日]

2006年05月27日15時29分
 在日米軍再編の日米最終合意を実施する政府方針の閣議決定案が26日、明らかになった。沖縄県の普天間飛行場の移設先では「辺野古崎」など具体的地名は盛らず、代替施設の建設計画策定の期限も明示しない。計画づくりのための関係自治体との協議機関の設置を盛り込むなど、県側の主張に大きく譲歩した内容だ。政府はこの案を軸に県側に理解を求め、来週中の閣議決定を目指す。

 普天間移設をめぐり、閣議決定に向けた防衛庁の素案は辺野古崎や周囲の地名を記していた。だが暫定ヘリポートの設置を求める県側に配慮し、「(今月1日の)日米安全保障協議委員会(2プラス2)で承認された案を基本として」との表現にとどめている。また、「10月までに」としていた建設計画の策定期限も「早急に」と改めた。

 さらに、額賀防衛庁長官と稲嶺恵一知事が署名した基本確認書に盛られた「普天間飛行場の危険性の除去」や「周辺住民の生活の安全」なども採り入れた。地域振興だけでなく、代替施設の建設計画や安全・環境対策でも、県や自治体と協議機関を設置するとしている。99年の辺野古沖計画の閣議決定の廃止も打ち出す。

 在沖縄海兵隊のグアム移転では「我が国として所要の経費を負担し、早期に実現する必要」を指摘。「新たな負担を担う地元からの施策の要望に配慮し、地域振興策等の措置を実施」することも盛り込んだ。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0527/007.html

0527 普天間移設:場所・時期の明記見送る 閣議決定案で [毎日]

 政府は26日、在日米軍再編に関する閣議決定案を取りまとめ、最終調整に入った。焦点となる普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)のキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)への移設について、同県の反発に配慮し、原案にあった具体的な建設場所や建設計画の策定時期の明記を見送った。再編の財源を確保するため、自衛隊の装備を定めた中期防衛力整備計画(05~09年度)の見直しを盛り込んだ。

 普天間移設は、暫定へリポートへの変更などを主張する沖縄県に配慮し、原案で「辺野古崎と大浦湾、辺野古湾を結ぶ水域」とした建設場所を削除。「日米安全保障協議委員会で承認された案を基本とする」などの表現にとどめた。建設計画の策定時期も「今年10月まで」から「早急に」とした。

 地域振興策は「負担を担う地元の要望に配慮し、措置を実施する」などとする一方、同県の北部振興策などを盛り込んだ99年の閣議決定の「廃止」も明記、地元の反発も予想される。

 29日に安倍晋三官房長官や額賀福志郎防衛庁長官らが協議し文案を最終決定、30日の閣議決定を目指す。【大場伸也】

◆在日米軍再編の実施に関する閣議決定案骨子

  • 新たな負担を担う地方公共団体の要望に配慮し、地域振興策等の措置を実施

  • 返還跡地の利用の促進及び駐留軍従業員の雇用の安定確保等について全力で取り組む

  • 政府は法制面及び経費面を含め、再編関連措置を的確かつ迅速に実施するための措置を講ずる

  • 中期防衛力整備計画(05~09年度)は、再編関連措置に要する経費全体の見積もりが明確となり次第、見直す

  • 普天間飛行場の移設については、06年5月1日の日米安全保障協議委員会で了承された案を基本とし、早急に代替施設の建設計画を策定

  • 具体的な普天間代替施設の建設計画、安全・環境対策及び地域振興については、沖縄県及び関係地方公共団体と協議機関を設置し対応

  • 「普天間飛行場の移設に係る政府方針」(99年閣議決定)は廃止


0524 「負担の全体像に目を」在日米軍再編巡り在日米軍司令官 [朝日]

2006年05月24日20時03分
 在日米軍のブルース・ライト司令官は24日、都内で記者会見し、3兆円規模ともいわれる在日米軍再編全体の日本側負担について「一つの数字に縛られる前に、両国の負担の全体像をみるべきだ」と強調した。

 ライト司令官は今回の沖縄の海兵隊のグアム移転の理由について、沖縄の負担軽減に加え、戦略的再編を目指す米側の事情によることを認めた上で「グアムでの建設費負担などに注目するだけでなく、(日本を守るための)人件費、訓練費など、日米同盟における両政府の合計の負担に目を向けるべきだ」と主張。「米国は国内総生産(GDP)の3%以上を防衛費に使っており、その多くの部分を日本の防衛に使っている。日本はGDPの1%しか防衛費に使っていない」と述べた。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0524/011.html

0523 普天間代替施設:協議機関設置へ 10月までに建設計画 [毎日]

 在日米軍再編の最終報告を実施段階に移すための閣議決定の政府原案が22日、分かった。沖縄県の普天間飛行場の代替施設に関しては、暫定ヘリポートへの変更を主張する同県などに配慮し、日米が合意した滑走路2本のV字形施設の明記は見送ったうえで、政府、県、関係自治体で協議機関を設置し、具体的な建設計画について協議する方針を盛り込んだ。建設計画は今年10月までに策定するとしている。

 普天間代替施設の移設場所については「辺野古崎と隣接する大浦湾、辺野古湾を結ぶ水域」と記載した。

 ◇閣議決定の政府原案が判明

 原案はまた、最終報告を「日米安全保障体制を新たな段階へと発展させる意義深い成果」と位置づけ、「在日米軍の駐留は日米安全保障体制の中核である」として、日本とアジア太平洋地域の平和と安定を維持するために在日米軍が不可欠であることを強調。そのうえで、沖縄県の8000人の海兵隊員の削減、嘉手納基地以南の土地返還など、最終報告に盛り込まれた個別の再編計画を羅列している。

 政府は閣議決定を沖縄県で開催される「太平洋・島サミット」(26、27日)の後に行う方向で調整している。【大場伸也】


0523 米軍再編「政府説明責任を果たさず」84% 世論調査 [朝日]

2006年05月23日00時33分
 朝日新聞社の全国世論調査(20、21日実施)で、日米両政府が今月初めに合意した在日米軍再編について聞いたところ、「政府は国民への説明責任を果たしていない」とみる人が84%に達した。日本の費用負担についても「納得できない」が77%に上り、米軍再編問題への国民の厳しい視線が浮かんだ。小泉内閣支持率は前回調査(4月)の50%から45%に下がった。不支持率は39%(前回36%)だった。

 米軍再編について政府が「説明責任を果たしている」との答えはわずか6%。内閣支持層、自民支持層でもともに10%で、8割が「そうは思わない」と否定的だ。

 費用面では、移転に伴う施設整備費を日本が負うことで合意したが、グアムでの約7千億円も日本の負担となった。これらの負担をすることに「納得できる」は17%にとどまり、「納得できない」を大きく下回った。内閣支持層でも「納得できる」が25%、「できない」が69%。米国からは3兆円との見通しが出る一方、日本政府からは数字が示されず、負担が妥当かどうか疑念が広がっているようだ。

 今回の再編では沖縄の負担の軽減が柱の一つに据えられた。沖縄の負担軽減策として評価するかどうか聞くと、「大いに」「ある程度」を合わせた「評価する」が48%、「あまり」「まったく」を合わせた「評価しない」は45%と見方が割れた。

 日本の安全保障に及ぼす影響については「プラスになる」が39%で「マイナスになる」の26%を上回った。ただ、判断を示さない「その他・答えない」が35%とかなりの割合を占めた。今月13、14日に本社が実施した沖縄県民世論調査では「プラス」31%、「マイナス」43%と否定派が多数となっていた。

 内閣支持率は、男性は前回から横ばいで49%(不支持40%)。一方、女性は前回(支持49%)より下がって42%(不支持39%)となった。また、20~40代で減少幅が大きい。政党支持率は自民が前回の38%から34%に低下、民主は前回の17%から19%に増えた。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0523/002.html

5019 在日米軍:横田空域を実質返還 日米合同委が合意 [毎日]

 在日米軍横田基地が管制権を握る「横田空域」について、日米両政府の実務者レベルで話し合う日米合同委員会の「民間航空分科委員会」は19日、羽田空港から北陸や中国、九州地方へ向かう便が同空域を通過する際、一部では米軍の許可なしに航行を認めることで合意した。今秋をめどに実施する。空域の一部は08年9月までに一部返還されることが決まっており、今回の措置で、事実上の前倒しの返還となる。

 横田空域は、伊豆上空から新潟県にかけて1都8県に広がり、米軍が高度約3700メートルから約7000メートルに段階的に設定。米軍の許可なしには飛行できないため、民間機は同空域を避けて高度を上げたり、う回して飛ぶため燃料や飛行時間がむだになっていた。

 前倒し返還されるのは、「西行き」と呼ばれる飛行ルートがある横浜市から山梨県境に至る空域。米軍の許可なしに現在より高度を約600メートルずつ下げて航行できるようにする。1日190便が通行し、1便につき1分程度の時間短縮が見込まれるという。【種市房子】

毎日新聞 2006年5月19日 22時28分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060520k0000m040142000c.html

0518 在日米軍再編:閣議決定先送り 沖縄に配慮、27日以降に [毎日]

 政府は17日、在日米軍再編の実施方針の閣議決定を当初予定していた23日から、小泉純一郎首相が出席し沖縄県で開催される「太平洋・島サミット」(26、27日)の後に先送りする方針を固めた。稲嶺恵一同県知事が島サミット前の閣議決定に、難色を示していることに配慮した。

 政府は、内閣府や防衛庁の担当者を17日に沖縄県に派遣し、同県の意向を確認。稲嶺知事は「県民には段階的に説明したい。時間的余裕が必要だ」と語り、島サミット前の閣議決定に反対する考えを表明。そのうえで、地域振興策などの検討のため、政府と県との協議機関を速やかに設置するよう要求した。

 政府は、在日米軍再編を促進するための特別措置法を今国会に提出する構えを崩しておらず、島サミット終了後、早期に閣議決定を終えたい意向だ。【古本陽荘、大場伸也】


0516 本社世論調査:米軍再編 日本負担金「高すぎる」72% [毎日]

 毎日新聞が13、14日に実施した全国世論調査(電話)で在日米軍再編経費の日本側負担が約3兆円になると米側が指摘したことについて尋ねたところ、「負担は必要だが金額が高すぎる」と答えた人が72%を占めた。「日本の安全を守るために必要」は8%。「負担する必要はない」と経費負担そのものを否定する回答も12%にとどまり、国民の多くは沖縄の負担軽減などに対する「応分の負担」に理解を示しつつも、巨額負担に反発していることが示された。

 在日米軍再編の最終報告に海兵隊8000人のグアム移転など沖縄の負担軽減策が盛り込まれたことについては、「評価する」(13%)と「ある程度評価する」(51%)を合わせた肯定的評価が6割を超え、「評価しない」(9%)と「あまり評価しない」(17%)の合計を大きく上回った。

 ◇個人情報保護法「変わらぬ」41%

 また、在日米軍基地に自衛隊司令部を置くなど米軍再編によって自衛隊と米軍の連携が強化されることについては、賛成45%、反対43%と評価が分かれた。支持政党別では自民党支持者が賛成59%、反対29%だったのに対し民主党支持者は反対54%、賛成39%と賛否が逆転。年代別では20代、30代で反対が賛成を上回り、若年層の方が日米の軍事的な一体化が進むことに違和感を持っていることをうかがわせた。【山下修毅】

 同じ世論調査で、施行から1年たった個人情報保護法による変化について尋ねたところ、「特に変わった点はない」が41%で最も多かったものの「必要以上に情報開示が規制されている」が35%とこれに迫り、行政機関などによる過度の規制を感じている人も多いことが分かった。一方、プラス評価の方は「自分の個人情報が安易に他人に渡らないという安心感がある」が10%、「ダイレクトメールや不審な押し売りが減った」が7%だった。【中山裕司】


0516 普天間移設、合意「評価せぬ」46% 沖縄県民世論調査 [朝日]

2006年05月16日03時08分
 日米両政府が最終合意した在日米軍再編によって、沖縄の基地負担が「減る」と考えている県民は30%にとどまり、66%が「減らない」とみていることが、朝日新聞社と沖縄タイムス社が共同で実施した世論調査でわかった。普天間飛行場問題で稲嶺恵一知事が、名護市辺野古崎への移設を決めた政府案を基本とすることで防衛庁長官と合意したことは、46%が「評価しない」と答え、「評価する」を上回った。

 13、14の両日、沖縄県の有権者を対象に電話で調査した。

 沖縄など地元の負担軽減は「抑止力維持」と並んで在日米軍再編の大きな柱だった。だが、調査の結果、「大いに減る」が6%、「ある程度減る」が24%にとどまったのに対し、「あまり減らない」は47%、「まったく減らない」は19%。

 在日米軍再編の全体像についても「反対」とした県民が55%を占め、「賛成」の27%の約2倍に上った。

 普天間飛行場の移設案については反対69%、賛成19%。米軍再編の中間報告を受けて昨年11月に実施した調査結果(反対72%、賛成15%)とほぼ同じだった。

 稲嶺知事の支持率は58%で、昨年11月の64%から下がったものの依然、高い水準だ。だが、辺野古崎を移設先とする政府案を基本とすることで防衛庁長官と合意したことについては「評価する」は36%にとどまった。

     ◇

 〈調査方法〉 13、14の両日、沖縄県の有権者を対象に「朝日RDD」方式で実施。対象者の選び方は無作為3段抽出法。有効回答は919人、回答率は66%。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0516/002.html

0512 米軍再編関連法案の検討を表明 首相、防衛庁長官 [朝日]

2006年05月12日11時30分
 小泉首相は12日の参院本会議で、沖縄の米軍再編に関連して、海兵隊のグアム移転費負担や地域振興策に関する関連法案の策定を検討する考えを示した。額賀防衛庁長官も同日の記者会見で、法案の必要性に触れたうえで、米軍再編に関する政府の基本方針を来週にも閣議決定する方針を示した。

 小泉首相は米軍再編について「計画を着実に実施するための施策について、法整備の必要性も含め、政府部内で検討を進める」と述べた。額賀防衛庁長官は「知事の一定の理解を得たから、閣議決定に向けて問題点の調整をさせていただく。予算措置や、法案が必要であれば作る」と語った。

 一方、安倍官房長官は同日の記者会見で、沖縄県が日米地位協定の見直しを要請したことについて「まずは運用の改善、今でも随時運用の改善をやってきている。今後もこの運用の改善が、必要であれば当然検討しなければならない」と指摘した。小池・沖縄北方担当相は会見で、政府と県の協議の進展について「県と政府がこれまで真摯(しんし)に理解を沖縄県の方にも求めてきた結果だ。大きな一歩だ」と評価した。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0512/006.html

0512 米軍再編経費で増税せず 首相「自治体理解へ努力」 [共同]

 小泉純一郎首相は12日午前の参院本会議で、在日米軍再編の最終報告を受けた日本側の経費負担に関連して「在日米軍再編に要する経費の財源として、増税を行う考えはない」と述べ、巨額の経費負担を増税で賄う可能性を明確に否定した。
 最終報告の閣議決定については「閣議決定に当たっては、関係自治体の理解と協力が得られるよう努力し、必要な手続きを踏んだ上で進めていく」と強調。具体的な日程は「現在必要な調整を行っている。確たることを言える段階ではない」と述べた。
 報告に盛り込まれた再編を進めていくための関連法案の整備に関しては「(再編を)着実に実施する施策について法整備の必要性を含め政府部内で検討を進めていく」との認識を重ねて示した。
URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2006051201001161

0511 首相と沖縄知事が会談、普天間移設の合意内容を確認 [読売]

 小泉首相と沖縄県の稲嶺恵一知事は11日夕、首相官邸で会談し、沖縄県の米海兵隊普天間飛行場(宜野湾市)移設について、額賀防衛長官と知事が合意した内容を確認した。

 政府は知事との基本合意を受け、来週にも、在日米軍再編計画を政府一体で期限通り実施する方針を閣議決定する考えだ。

 会談は、額賀長官と知事が11日朝、日米両政府がまとめた普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)への移設案を基本に議論を進めることで合意したことを受けて行われた。麻生外相と額賀長官も同席した。

 稲嶺知事は「安全保障は国の専管事項だ」としたうえで、「土地の返還などがあれば、跡地や(米軍基地で働く)従業員の雇用など、大変難しい問題がある。現行法で対応できない面もあるので考えて欲しい」と述べた。

 在沖縄海兵隊のグアム移転や普天間飛行場などが日米両政府で合意されたことを踏まえ、跡地利用や日本人従業員の雇用確保などへの配慮を要請したものだ。

 首相は「政府をあげて、誠意をもって対応したい」と述べ、政府一体で取り組む意向を表明した。同県恩納村に開校予定の沖縄科学技術大学院大学についても、「日本の科学水準を上げるために早めにきっちり行いたい」と語った。

 政府は在日米軍再編に関する閣議決定に、沖縄県などに対する地域振興策の方向性も盛り込む予定で、今後、関係自治体と協議を重ねていく方針だ。

(2006年5月11日21時42分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060511i113.htm

0511 「普天間」移設先受け入れ…稲嶺知事、防衛長官と合意 [読売]

額賀防衛長官と沖縄県の稲嶺恵一知事が11日朝、防衛庁で会談し、米海兵隊普天間飛行場(宜野湾市)の移設について、日米両政府がまとめた、キャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)を移設先とする案を基本として対応することで合意した。

 具体的な代替施設の建設計画は、政府と県、名護市などの関係自治体が継続的に協議することとした。知事が事実上、政府案を受け入れたもので、沖縄県の長年の懸案となっていた普天間返還が実現に向けて大きく前進する見通しとなった。

 額賀、稲嶺両氏は合意に際し、5項目の「在沖米軍再編に係る基本確認書」を作成した。

 確認書では、普天間移設は政府案を基本とすることを明記した。同時に、移設に当たっては、〈1〉普天間の危険性の除去〈2〉周辺住民の生活の安全〈3〉自然環境の保全〈4〉事業の実行可能性――に留意するとし、代替施設の建設計画は、政府、県、関係自治体で継続的に協議することとした。日米地位協定について、運用改善などを目指すことも盛り込んだ。

 両氏は会談終了後、共同で記者会見した。稲嶺知事は「普天間飛行場の危険除去は、沖縄には長年の最も重要な課題だった。早期に解決する一歩を踏み出せたと思っている」と今回の合意を評価した。額賀長官も「確認書をもとに、県や名護市などと誠実に、前向きに、建設的に協議し、実現を図りたい」と述べた。

 一方で、稲嶺知事は「基本的な考え方は変わっていない」と現時点で政府案を全面的に容認したわけではないと強調した。そのうえで、「国と継続的に協議していく中で、県としての考え方を織り込めるよう努力したい」と述べ、移設完了前に現飛行場の危険性を除去するための措置として県が主張している、キャンプ・シュワブの陸上部分に暫定ヘリポートを建設する案の実現などを引き続き求める考えを示した。

 守屋武昌防衛次官はこの後、首相官邸に小泉首相を訪ね、合意内容を報告した。安倍官房長官は記者会見で、「基地再編の実現に向けた大きな一歩で、意義深い。引き続き、誠意をもって自治体への対応にあたりたい」と述べた。首相と知事は11日夕に会談する方向だ。

 政府はシュワブに移設する政府案について、4月7日に名護市などの関係自治体と基本合意している。県も同案を基本とすることに同意したのを受け、来週にも在日米軍再編の実現に向けた閣議決定をする方針だ。額賀長官は、「知事との間で合意を得たから、できるだけ早く閣議決定し、具体的な実施計画を作るのが大事だ」と語った。

(2006年5月11日14時38分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060511it03.htm

0511 普天間移設、政府案で基本合意 沖縄知事と防衛庁長官 [朝日]

2006年05月11日11時46分
 沖縄県の普天間飛行場移設問題をめぐり、額賀防衛庁長官と同県の稲嶺恵一知事が11日、防衛庁で会談し、名護市辺野古崎への移設計画について政府案を基本に対応することで合意した。双方は、普天間飛行場の危険性の除去に留意することなどを盛り込んだ基本確認書に署名。稲嶺氏は政府案に反対してきたが、政府高官は11日、「県が事実上容認したものだと受け止めている」と語った。合意を受け、政府は在日米軍再編の最終合意について今月内の閣議決定を目指す。普天間移設は現行計画に沿って動き出すことになった。

  これに関連し、安倍官房長官は11日午前の記者会見で、小泉首相が稲嶺氏と同日中にも会談する方向で調整していることを明らかにした。

 額賀、稲嶺両氏が交わした基本確認書は5項目。辺野古崎への移設計画について、防衛庁と沖縄県は政府案を基本として(1)普天間の危険性の除去(2)周辺住民の生活の安全(3)自然環境の保全(4)実行可能性――に留意して対応することに合意する、と明記。同庁と県や名護市など関係自治体が移設計画について「誠意を持って継続的に協議する」としている。

 両氏は会談後、共同で記者会見し、稲嶺氏は「普天間の危険性の除去が長年の沖縄の最重要課題だった。早期に解決する第一歩を踏み出せた」と語った。「政府案に合意したのか」との質問に対しては「全く違う。場所を基本として、(危険性の除去などについて)お話しする」と述べた。

 ただ、危険性除去の具体策については「国と継続的に協議していく。その中で県の考え方を織り込めるようにする」と述べるにとどまった。

 稲嶺氏は4日、県外への移設が実現するまでの間、普天間周辺の危険性を取り除くため、移設先のキャンプ・シュワブ陸上部に暫定的なヘリポートを設ける対案を示しており、あくまでこの実現を求める考えだ。

 ただ、防衛庁は暫定ヘリポート設置については「米国と合意するのが難しい」(幹部)と拒否する考えで、県の対案を受け入れる可能性は低い。

 一方、額賀氏は記者会見で「出来るだけ早く閣議決定し、具体的な実施計画を作ることが大事だ」と述べ、今月内に普天間移設を含む在日米軍再編の最終合意について閣議決定したい考えを示した。政府全体で再編に取り組むことを掲げ、移転費用や振興策などの予算措置が出来るようにする内容となる見通しだ。

 政府は99年に普天間移設先を「名護市辺野古沿岸沖」とする政府方針を閣議決定。これをもとに02年に県や名護市と海上を埋め立てて滑走路を建設する辺野古沖計画を決めた。新たに辺野古崎計画を閣議決定すれば、以前の計画は取り消されることになる。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0511/005.html

0510 米軍再編経費「基本は防衛費の枠内」、西室・財政審会長 [朝日]

2006年05月10日19時59分
 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の西室泰三会長は10日の会見で、米軍再編経費について「防衛費の大きな枠の中で、他の(防衛予算の)削減も含めてどう消化していくか考えるべきだ」と述べ、財源を防衛費の「別枠」として確保する考え方に難色を示した。

 西室会長は「多額の経費だから別枠、と頭から認めることはしたくない」と述べ、米軍再編後の日本の防衛のあり方を踏まえ、自衛隊関係予算の削減などで一定の財源を確保すべきだとの考えを強調した。

 この日の財政審の会合では「思いやり予算」と呼ばれる在日米軍駐留経費負担(06年度2326億円)や基地周辺対策経費(同1282億円)を削減すべきだとの意見が出た。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0510/014.html

0509 米軍再編:防衛施設局長、千歳、苫小牧市に最終報告を説明 [毎日]

 在日米軍再編に伴い、F15戦闘機訓練の一部が航空自衛隊千歳基地(北海道千歳市、苫小牧市)に移転される問題で、土屋龍司札幌防衛施設局長は8日、千歳、苫小牧両市を訪れ、日米両政府が合意した最終報告の内容を説明した。千歳市の山口幸太郎市長らは「国家間の合意を覆すことは困難」との見方を示し、今後訓練日時などで地元の要望がどの程度受け入れられるかが焦点になりそうだ。

 山口市長は土屋局長に対し、休日・夜間の飛行訓練の制限を文書で交わすことを改めて求めた。これに対し、土屋局長は「市や空自の意向を聞き、本庁と調整して前向きに検討する。米軍が(協定に)入るかはこれから調整する」と応じた。

 また、苫小牧市の桜井忠市長は「市民の安全と生活環境を守ってほしいという意見が受け入れられず遺憾。反対の気持ちは変わらない」と強調する一方で、「国同士の決定は重く受け止めなければならない」と述べた。【水戸健一、笈田直樹】


0508 在日米軍再編、閣議決定へ首相が地元自治体説得を指示 [読売]

 小泉首相は8日、麻生外相、額賀防衛長官と首相官邸で会い、在日米軍再編の最終報告に関し、関係自治体の理解を得るよう指示した。

 政府は、再編計画に不満を示す自治体の説得に全力を挙げる一方、すべての自治体の同意が得られなくても、計画を期限通りに実施する方針を打ち出す閣議決定を来週中にも行いたい考えだ。首相は両閣僚に対し、「地元によく説明し、理解してもらうと同時に、閣議決定に向けた環境整備をしてほしい」と指示した。

 額賀長官は6月の日米首脳会談に関連し、「在日米軍再編の最終合意が日米双方にとってどういう意味を持つか、(日本が)この地域、世界にどういう貢献をしていくか、政治的メッセージを発するよう環境整備すべきだ」と述べ、首相も理解を示した。

 これに先立ち、首相官邸で開かれた政府・与党連絡会議では、首相は「これまで実現できなかったことが実現した。今後、国民や国会によく説明していきたい」と強調した。また、「沖縄振興策も十分考慮に入れていく必要がある」と語り、再編後もなお多くの基地が集中する沖縄県には特別に配慮する考えを示した。

 関係自治体では、沖縄県や山口県岩国市が計画受け入れに難色を示している。政府側は「政府の考え方で沖縄県の理解と協力を得たいという考え方に変わりない」(守屋武昌防衛次官)などとし、最終報告通りに再編計画を実施する構えだ。ただ、10日に上京する予定の稲嶺恵一沖縄県知事と額賀長官が改めて会談するなどして、閣議決定前にできるだけ関係自治体の同意を取り付けたい考えだ。

(2006年5月8日23時49分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060508ia22.htm

0504 辺野古崎案認めず、稲嶺知事 [朝日]

2006年05月04日20時50分
 沖縄県の稲嶺恵一知事は4日、県庁で記者会見し、在日米軍再編最終合意をめぐる「県の考え方」を公表した。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古崎への移設について「容認できない」と明言。県としては県外移設をめざすとし、実現するまでの間、普天間周辺の危険を取り除くため、米軍キャンプ・シュワブ内の辺野古崎陸上部にヘリポートを暫定的に設けて普天間のヘリ部隊を移す対案を提示した。一方、米軍再編は全体としては沖縄の基地負担軽減につながるとして、「高く評価する」とした。

 県の見解は、辺野古崎案を拒否する姿勢を鮮明にしたものだ。政府が対案を受け入れる可能性は低く、今秋の知事選まで、移設問題で政府と県が合意に至る見通しは一段と立たなくなった。

 知事は会見に先立って防衛施設庁の北原巌男長官と会談し、県の考えを伝達。北原長官は「政府案に理解と協力をいただきたい」と述べるにとどまった。知事は連休明けにも小泉首相や額賀防衛庁長官に伝えたいとしている。

 稲嶺知事は会見で、辺野古崎への移設について「海兵隊の県外移転(を求める)という県の基本的考え方と異なる点や、これまでの経緯を踏まえれば、容認できない」として従来の反対姿勢を堅持する方針を示した。

 そのうえで、「普天間問題の原点は危険性の除去。移設問題とは別に緊急的措置を講じることが最重要課題だ」として、辺野古崎での暫定ヘリポート建設を検討するよう政府に求めた。ヘリポートは「新たな移設案を追認するものではなく、県外移設が実現するまでの緊急的措置」と強調した。

 一方、在沖海兵隊員約8000人のグアムへの移転や、沖縄本島中南部の基地返還が最終合意に盛られたことについては評価する考えを示し、確実に実施するよう求めた。

 最終合意では、グアム移転や中南部の基地返還について、普天間移設の具体的な進展が条件とされている。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0504/005.html

0503 米軍再編:相模原市長、詳細計画の明示求める [毎日]

 米軍再編問題で、防衛施設庁の渡部厚施設部長らは3日、神奈川県相模原、座間市を訪問し、再編内容を説明した。相模原市の小川勇夫市長は、キャンプ座間に設置される新司令部の庁舎規模など具体的内容が明確にされていない点について、「(具体的内容を)示せないなら帰ってくれ」と厳しく抗議し、詳細計画の提示を求めた。在日米軍基地・相模総合補給廠(しょう)の一部17ヘクタールの返還についても「ただで返すのが当たり前」と、市への無償返還を強く求めた。

 また座間市の星野勝司市長との面会で、キャンプ座間内に米軍住宅72戸が新たに建設されることが明らかになった。【高橋和夫、長真一】


0503 米国防副長官「3兆円は細かく積み上げてない」 [朝日]

2006年05月03日19時55分
 ローレス米国防副次官は2日、在日米軍再編全体の日本側負担が少なくとも約260億ドル(約2兆9800億円)にのぼるとの見通しを示した自らの発言について「細かく積み上げた数字ではない。(米側で)沖縄の海兵隊のグアム移転費のことばかり言われるので、日本側の負担はもっと大きいと言いたかった」と釈明した。訪米中の久間章生自民党総務会長ら与党議員団に伝えた。

 日本側の出席者によると、ローレス氏は今回の「3兆円負担」発言について、グアム移転などの実現目標となる14年までの数字には限っておらず、個別の移転経費を厳密に積み上げたわけでもないと説明したという。

 ローレス氏は先月25日の記者会見で、在沖縄海兵隊のグアム移転費約60億ドルと日本国内の再編経費約200億ドルを日本側の負担とし、「控えめな試算」と説明していた。米議会などの理解を得るため、米側の負担がグアム移転費の約40億ドルにとどまると強調していたが、発言が日本側に波紋を広げたことから釈明したとみられる。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0503/007.html

0503 米軍相模補給廠返還:再開発なら地元が400億円負担 [毎日]

在日米軍再編で国に返還される米陸軍施設「相模総合補給廠(しょう)」(神奈川県相模原市)の17ヘクタールについて、相模原市が再開発する場合、国に300億~400億円の土地取得料を払わなければならないことが分かった。市は「旧日本軍時代から70年近く基地の存在に苦しんできた」と国に無償譲渡を求める方針だが、財務省は財政難を理由に有償活用したい考えで、「市が購入できない場合は民間への売却もありえる」としている。

 補給廠の敷地面積は214ヘクタールで、今回はこのうちJR相模原駅前の一等地17ヘクタール分が返還される。補給廠は大半が国有地で、旧日本陸軍が1938年から戦車や砲弾の製造に使っていたが、49年に米軍に接収された。市は約40年前から返還を要求し、一部返還が実現することになった。

 市は返還された駅前の土地を再開発したい考えだったが、財務省によると、返還財産を地方自治体に譲り渡す場合は原則有償で、「時価」を基準に価格が設定される。道路が建設される部分は無償、公園の部分は3分の1負担などとなるが、市が路線価格などを参考に試算したところ、取得料は300億~400億円となった。市にはこれまでもキャンプ淵野辺跡地や米軍医療センターの跡地計37・9ヘクタールが国から返還され、市は既に計184億円を払っている。

 一方、横須賀市(神奈川県)、舞鶴市(京都府)、佐世保市(長崎県)、呉市(広島県)の旧軍港4市は旧軍港市転換法が適用され、無償か、時価より安く譲り受けることができる。軍転法は終戦で人口が激減した旧軍港市の救済策として50年に成立。横須賀市の場合は292ヘクタールの土地が無償譲渡され、公園や公民館などが建設された。

 相模原市の一般会計予算は約1800億円で、負担額はこの6分の1以上を占める。市渉外課は「国は地元負担の軽減と言っていたのに、これではさらなる負担。もとは旧日本軍が住民の土地を取り上げた地域で、旧軍港市と比べても不公平」と訴えている。

 一方、財務省国有財産業務課は「他都市との均衡を考えると相模原市だけ特別扱いすることはできない」と話している。【足立旬子、高橋和夫】


0503 在日米軍再編:暫定ヘリ発着場建設を提案へ 沖縄県 [毎日]

 在日米軍再編協議の最終報告に盛り込まれた普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)のキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)への移設に対し、沖縄県は2日、シュワブ陸上部での暫定ヘリ発着場(ヘリパッド)建設を政府に提案する方針を固めた。最終報告の説明のため4日に来県する北原巌男防衛施設庁長官に伝えるとみられる。基地の恒久化を避けるため、暫定使用中に国に普天間飛行場の県外移設を訴える狙いだ。

 最終報告の移設案(修正沿岸案)は海上を埋め立てるため恒久的な基地になる可能性が高く、海兵隊の県外移転を求めてきた沖縄県の方針と相いれない。一方、県は普天間飛行場の危険性の除去が一連の基地問題の原点と位置づけている。

 海を埋め立てず、使用期限を区切ったヘリパッドなら基地の固定化は避けられるうえ、基地内の工事で完結するため環境への影響も少ない。

 修正沿岸案が想定している基地間の小型連絡機の発着については、県は連絡機に限って普天間飛行場の暫定使用を認める方針。【三森輝久】


0502 沖縄県知事「県のスタンス大事に」 米軍再編最終報告で [朝日]

2006年05月02日13時22分
 在日米軍再編の最終合意を受けて、沖縄県の稲嶺恵一知事は2日、記者会見した。米軍普天間飛行場を名護市辺野古崎に移す案について、「(従来の辺野古沖計画以外なら県外移設を求める)県のスタンスを大事にしたい」と否定的な考えを示す一方、「普天間の危険除去は原点で、常に頭から離れたことはない」と事故などの危険性除去のため緊急避難措置を国に求める考えも示唆した。

 国に求める緊急避難措置の中には、ヘリコプターだけが離着陸できるヘリパッドを辺野古崎陸上部に造る案も含まれるとみられる。

 知事は普天間の辺野古崎移設を巡り、「新たな状況の中で整合性のある対応を取る」とも述べ、合意案を前提に基地の固定化を避ける方策を国に求める意向も改めて示した。

 海兵隊の8000人削減や本島中南部の基地返還については「県が要望していたことで形として現れたものについては評価したい」と述べた。

 一方、普天間飛行場を抱える宜野湾市の伊波洋一市長も2日、記者会見し、米軍再編最終報告について、「普天間の激しい騒音や危険性の除去に何一つ触れず、返還時期も示されていない。市民が被っている日常的な危険性を放置するもので、断じて容認できない」と厳しく批判した。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0502/011.html

0502 岩国市長、艦載機移駐「容認できぬ」…防衛次官と会談 [読売]

 山口県岩国市の井原勝介市長が2日、防衛庁で守屋武昌防衛次官と会談し、在日米軍再編を巡る米海軍厚木基地(神奈川県大和市など)の空母艦載機の米海兵隊岩国基地への移駐について、「容認できない」と伝えた。

 今後引き続き協議していくことには応じた。
(2006年5月2日22時19分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060502ia21.htm

0502 在日米軍再編、沖縄県知事が負担軽減を評価 [読売]

 在日米軍再編の最終報告を受け、沖縄県の稲嶺恵一知事は2日午前、県庁で記者会見し、沖縄本島中・南部の基地返還、海兵隊のグアム移転などについて、「かなり大がかりな内容だ。要望していたことで、形として表れたものについては評価したい」と述べ、大幅な負担軽減が実現するものとして歓迎した。

 また、「4日に正式に政府から説明を受けた後、県としての最終的な見解を申し上げたい」とした。
(2006年5月2日12時19分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060502it03.htm

0502 在日米軍再編最終報告、名護市長が「極めて遺憾」 [読売]

 名護市の島袋吉和市長は2日午前の記者会見で、今回の在日米軍再編の最終報告について、「市としては、SACO(沖縄施設・区域特別行動委員会)最終報告の範囲(1500メートル)とすることを強く要望してきたので、今回の合意は極めて遺憾」とするコメントを読み上げた。

 キャンプ・ハンセンが陸上自衛隊の訓練で使用されることについては、「普天間代替施設について受け入れを容認しているところであり、これ以上の基地負担の増大について容認することはできない」と述べた。

(2006年5月2日13時13分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060502it04.htm

0502 日米防衛協力、新たな枠組みを防衛長官が提案 [読売]

 【ワシントン=福元竜哉】額賀防衛長官は1日昼(日本時間2日未明)の日米安保協議委員会(2プラス2)終了後の共同記者会見で、1997年に策定された日米防衛協力の指針(ガイドライン)について、「従来の日米ガイドラインに代わる日米安保の目的、理念を考える時期に来ているのではないかと申し上げた」と述べ、指針に代わる新たな防衛協力の枠組み作りに向けた協議を開始するよう2プラス2で提案したことを明らかにした。

 防衛庁は、米軍再編協議を通じて日米同盟を拡大・深化する方向性が強まったことを踏まえ、指針の見直しを最終報告に盛り込みたい考えだった。「指針には、ミサイル防衛の記述などがごくわずかで、既に古文書になっている」(幹部)という問題意識からだ。

 しかし、外務省は、指針見直しについて「今、不都合があると思っていない」(谷内正太郎次官)と消極的だったうえ、米側にも「指針よりも、より強力な新しい枠組みが必要だ」との意見があった。

 このため、最終報告に見直しは明記せず、額賀長官が2プラス2で見直しを提案し、記者会見で公表する形を取った。

(2006年5月2日1時15分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060501i117.htm

0502 米軍再編:解説 説明なき同盟強化 [毎日]

 3年以上に及ぶ在日米軍再編協議で見えてきたのは、小泉純一郎首相が打ち出した「世界の中の日米同盟」の具体像だ。

 対テロ戦争を進める米国の世界戦略に自衛隊が積極的に協力する。モデルはイラクやインド洋、スマトラ沖大地震などでの多国籍軍・有志連合との協力。補給や輸送などの後方支援▽哨戒機やイージス艦による情報収集・偵察・防空活動--など、直接の武力行使を除く幅広い分野の軍事連携が想定されている。

 日本有事や極東有事の際に自衛隊と米軍が日本の空港や港湾施設を使用する「共同作戦計画」の検討作業も進められる。嘉手納などから全国の航空自衛隊基地への訓練移転は負担の軽減・拡散を図るとともに、有事の共同使用に備える狙いもある。東アジア地域で紛争が起きれば、沖縄だけでなく日本全体が米軍の戦略拠点となる。

 日米同盟は安保条約の枠組みを超えた「自衛隊と米軍の一体化」へと踏み出し、日本は軍事分野で大きな「同盟負担」を背負うことになる。対米支援の有事法制はすでに整備され、次は自衛隊の海外派遣を常時可能とする「恒久法」制定が準備されている。しかし、小泉首相がこうした負担への覚悟を国民に求めたことはなく、沖縄などの負担軽減論議の陰で、なし崩し的に軍事連携の強化が進んだ感も強い。

 再編協議の前半、どこまで米国に協力するかで日本政府内は大きく揺れた。太平洋から中東まで管轄する陸軍司令部の移転提案に対し、外務省は在日米軍の駐留目的を「極東の平和と安全」とした日米安保条約第6条(極東条項)を逸脱すると抵抗。防衛庁はこれを受け入れて自衛隊と米軍の連携強化を積極的に進める方向で動いた。防衛庁が協力の見返りとして求めたのが沖縄などの基地負担軽減だった。

 政府内の迷走を止めたのは、04年8月の普天間飛行場所属ヘリの墜落事故に慌て、翌月の日米首脳会談で基地負担軽減をブッシュ大統領に求めた小泉首相の判断だった。負担軽減と軍事連携の強化をパッケージで進める防衛庁路線へのゴーサインを意味したが、首相がそれに気づいていたかはよく分からない。その後、首相の意向が表に出たのは、普天間飛行場の代替施設を海上に造る橋本・小渕政権の決定見直しなどを指示したときぐらいで、外務、防衛両省庁の幹部から「首相は米軍再編に関心がない」との声も漏れた。

 「対米追随」と言われたくなければ、在日米軍が動く際の事前協議実施や地位協定見直しを米側に求めることもできたはずだった。首相は「同盟負担」から目をそらしたまま、6月の公式訪米で「小泉-ブッシュ」5年間の蜜月の成果をうたいあげるとみられる。【平田崇浩】


0502 米軍再編:最終合意 基地の街、「住民」の苦悩深く [毎日]

 在日米軍再編で日米両政府が最終合意したことに、各地の米軍基地周辺では複雑な声が聞かれた。沖縄県内に偏重していた米軍基地の整理とともに、横田基地(東京都)、キャンプ座間(神奈川県)を中心に米軍・自衛隊の関係の緊密化が図られる。「今後の20年、30年の日米同盟の基礎」(防衛庁幹部)という戦後最大規模の再編。周辺自治体は「国の政策」と「住民の立場」の間で苦悩を深め、市民団体などからは不安の声があがる。

 ◆在沖米軍基地

 沖縄県の稲嶺恵一知事は1日、県幹部らと断続的に対応を協議。恒久的な基地となる普天間飛行場(宜野湾市)のキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)への移設を容認しない方針を確認した。ただ、在沖米海兵隊8000人の削減や、訓練の一部本土への分散移転など、県が評価できる内容があり、政府との全面衝突でこう着状態に陥るのは避けたい考えだ。

 那覇港湾施設(那覇軍港)返還が盛り込まれた那覇市の翁長雄志市長は1日、「正式決定が待たれる」と評価したが、普天間移設については「当初から県内移設ありきであったことは極めて遺憾」とコメントを出した。

 ◆岩国基地

 中間報告で空母艦載機部隊(57機)の移転先とされた海兵隊岩国基地がある山口県岩国市。最終報告では新たに2機の艦載機と、普天間飛行場から空中給油機12機の移転が盛り込まれた。

 先月の市長選で「移転撤回」を掲げ当選した井原勝介市長は、1日の会見で「政府は市民の意思に配慮しない。こんな状態では容認できない」と不快感をあらわにした。

 ◆横田基地

 横田基地(東京都立川市など5市1町)への航空自衛隊航空総隊司令部(府中市)の移転が盛り込まれ、米空軍・航空自衛隊の「共同統合調整所」が設置される予定だ。

 1日には東京防衛施設局幹部が周辺自治体を訪れて最終報告の概要を説明したが、自治体はいずれもこの日、コメントを避けた。表立った反対の声はなく、焦点は今後の協議対象とされた民間航空機の相乗り利用問題。立川市は「騒音増大の懸念があり、容認しがたい」とするが、容認の立場の自治体もある。

 騒音被害などを巡る新横田基地訴訟の原告団事務局で、東京都武蔵村山市の籾山(もみやま)真由美さん(52)は「横田基地周辺の危険性が増すことにならないか不安だ」と話した。【武内亮、岩佐淳士】

 ◆キャンプ座間

 在日米陸軍のキャンプ座間(神奈川県座間市など2市)には、陸軍司令部(米国ワシントン州)が組織改編して移るとともに、テロなどに対処する陸上自衛隊・中央即応集団(新設)の司令部が併設されることになる。

 新司令部移転に反対している星野勝司・座間市長は「日米間で合意が最終的になされたことは、非常に残念で到底承服しかねる」と強調した。

 市民団体「ピースフォーラム座間」の脇田優子さんは「テロの標的になる可能性のある司令部が来るのは危険だ。被爆国・日本が戦争に加担することになるのではないか」と憤る。【長真一】


0502 米軍再編:日米同盟新段階へ 普天間移設14年完了 [毎日]

【ワシントン古本陽荘】日米両政府は1日午前(日本時間同日深夜)、外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)をワシントンの米国務省で開き、在日米軍再編の最終報告「再編実施のための日米のロードマップ」と2プラス2共同文書を発表した。両政府は在日米軍再編を通じ自衛隊と米軍の連携を世界的規模に拡大・強化する方針で、共同文書では日米の同盟協力が「新たな段階に入る」と宣言。再編計画としては、普天間飛行場(沖縄県)の移設、在沖縄海兵隊のグアム移転、厚木基地(神奈川県)から岩国基地(山口県)への空母艦載機移駐を2014年までの8年間で完了させることを盛り込んだ。

 2プラス2には日本側から麻生太郎外相と額賀福志郎防衛庁長官、米側からライス国務長官とラムズフェルド国防長官が出席。4閣僚の合意によって3年以上に及んだ再編協議を終結させた。

 最終報告では、普天間飛行場の代替施設としてキャンプ・シュワブ沿岸部に1600メートルの滑走路(オーバーランを含めると1800メートル)2本をV字形に建設する「修正沿岸案」を明記。「14年までの完成が目標」とした。在沖縄海兵隊の司令部要員を中心に海兵隊員約8000人と家族約9000人も14年までにグアムに移転し、グアムの施設・インフラ整備費102.7億ドルのうち日本側が60.9億ドル(約7000億円)を財政支出や融資などで負担する。

 グアム移転後に沖縄本島南部の那覇港湾施設(56ヘクタール)、牧港補給地区(274ヘクタール)、キャンプ桑江(68ヘクタール)が全面返還、キャンプ瑞慶覧(ずけらん)(643ヘクタール)の大部分と米陸軍貯油施設(126ヘクタール)のうち普天間関連の第1桑江タンク・ファーム16ヘクタールも返還される。普天間飛行場(481ヘクタール)と合わせた返還総面積は約1500ヘクタールとなる。

 米側が在日米軍再編の最優先項目に位置づけてきたキャンプ座間(神奈川県)の司令部機能強化策として、08米会計年度(07年10月~08年9月)までに陸軍第1軍団司令部(米ワシントン州)を改編して移転する。キャンプ座間にはさらに陸上自衛隊中央即応集団司令部を12年度までに移転。横田基地(東京都)には航空自衛隊の航空総隊司令部(同)を10年度に移し、司令部レベルの連携を深める。早ければ今年からキャンプ・ハンセン(沖縄県)、嘉手納基地をそれぞれ陸自、空自との共同使用とし、部隊レベルの連携も強化する。

 共同文書は、合意した再編案の早期実施を「同盟関係の変革の基礎を強化するために不可欠」と位置づけた。

 ◆在日米軍再編の最終報告骨子◆

  • 施設整備費は日本側、運用費は米国側が負担

  • 普天間飛行場をキャンプ・シュワブ沿岸部に移設、2014年までの完成が目標

  • 在沖縄海兵隊約8000人を14年までにグアムに移転。移転費102.7億ドルのうち60.9億ドルを日本側が提供

  • 07年3月までに在沖縄米軍施設統合計画を作成

  • キャンプ座間の米陸軍司令部を改編、12年度までに陸自中央即応集団司令部を併置

  • 空自航空総隊司令部を横田基地に移転

  • 空母艦載機の厚木基地から岩国基地への移駐

毎日新聞 2006年5月2日 0時44分 (最終更新時間 5月2日 2時46分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060502k0000m010136000c.html

0502 在日米軍再編 日米共同発表の全文

 日米安全保障関係を中核とする日米同盟は、日本の安全及びアジア太平洋地域における平和と安定にとって不可欠の基礎であり、地域における米国の安全保障政策の要である。この強力なパートナーシップは、グローバルな課題に対応し、また、基本的人権、自由、民主主義及び法の支配といった両国が共有する基本的な価値を促進する上で、ますます極めて重要となってきている。この同盟関係は、地域及び世界の安全保障環境における変化に成功裡に適応してきており、引き続き、将来の課題に対応するため、より深く、より幅広く、発展していく必要がある。このパートナーシップが、強固であり続けるためには、両国の国民一般の確固とした支持を引き続き得ることにより強化されなければならない。

 本日の会合において、閣僚は、新たに発生している脅威が、世界中の国々の安全に影響を及ぼす共通の課題を生み出しているとの見解を共有し、幅広い問題に関する2国間のますます緊密な協力に留意した。閣僚は、日米同盟が、地域及び世界の平和と安全を高める上で極めて重要な役割を引き続き果たすよう、協力を拡大したいと考えていることを確認した。閣僚は、イラク及びアフガニスタンを再建し、これらの国々において民主主義を強化するとともに、より広い中東における改革の努力を支援するための、日米の努力の重要性に留意した。閣僚は、イランに対しすべての濃縮関連活動を停止し、IAEAの査察に全面的に協力するよう説得する努力において、緊密に協力することを確約するとともに、国連安全保障理事会の行動が協調してとられる必要性につき合意した。

 アジア太平洋地域も、世界の他の地域と同様、不透明性や不確実性を生み出す課題に引き続き直面している。閣僚は、6者会合の共同声明への一致したコミットメントを再確認し、北朝鮮に対して、無条件かつ即時に六者会合の場に戻ること、完全、検証可能かつ不可逆的な形で核計画を廃棄すること、また、すべての不法な活動や拡散の活動を中止することを求めた。閣僚は、外交努力を通じて地域紛争を解決することの重要性を再確認し、地域における軍事力の近代化に関してより一層の透明性を求めた。

 このような安全保障環境の中で、閣僚は、2005年2月に安全保障協議委員会が特定した共通戦略目標を実現するに当たり、緊密に協力するとのコミットメントを確認した。閣僚は、2005年10月の安全保障協議委員会文書に記されている両国間の役割・任務・能力に関する勧告に示されているように、弾道ミサイル防衛、両国間の計画検討作業、情報共有と情報協力や国際平和協力活動といった分野で、2国間の安全保障・防衛協力の実効性を強化し、改善することの必要性や、自衛隊と米軍の相互運用性を向上することの重要性を強調した。この文脈で、閣僚は、変化する地域及び世界の安全保障環境において、確固たる同盟関係を確保するとともに、様々な課題に対応するよう同盟の能力を向上するために、安全保障・防衛協力の在り方を検討する重要性を強調した。

 本日開催された安全保障協議委員会において、閣僚は、本日の同委員会文書「再編実施のための日米のロードマップ」に記されている、2005年10月の再編案の実施の詳細を承認した。閣僚は、これらの再編案の実施により、同盟関係における協力は新たな段階に入るものであり、また、地域における同盟関係の能力強化につながるものであることを認識した。今後実施される措置は、日米安全保障条約の下での日米双方のコミットメントを強化すると同時に、沖縄を含む地元の負担を軽減するとの日米双方の決意を示すものである。これは、安全保障上の同盟関係に対する国民一般の支持を高める基礎を提供するものである。閣僚は、日本国政府による地元との調整を認識し、再編案が実現可能であることを確認した。また、閣僚は、これらの再編案を完了させることが同盟関係の変革の基礎を強化するために不可欠であることを認識し、日米安全保障条約及び関連取極を遵守しつつ、この計画を速やかに、かつ、徹底して実施していくことを確約した。(共同)


0502 在日米軍再編 最終報告の全文


【再編実施のための日米のロードマップ】

 概観

 2005年10月29日、日米安全保障協議委員会の構成員たる閣僚は、その文書「日米同盟・未来のための変革と再編」において、在日米軍及び関連する自衛隊の再編に関する勧告を承認した。その文書において、閣僚は、それぞれの事務当局に対して、「これらの個別的かつ相互に関連する具体案を最終的に取りまとめ、具体的な実施日程を含めた計画を2006年3月までに作成するよう」指示した。この作業は完了し、この文書に反映されている。

 再編案の最終取りまとめ個別の再編案は統一的なパッケージとなっている。これらの再編を実施することにより、同盟関係にとって死活的に重要な在日米軍のプレゼンスが確保されることとなる。

 これらの案の実施における施設整備に要する建設費その他の費用は、明示されない限り日本国政府が負担するものである。米国政府は、これらの案の実施により生ずる運用上の費用を負担する。両政府は、再編に関連する費用を、地元の負担を軽減しつつ抑止力を維持するという、2005年10月29日の日米安全保障協議委員会文書におけるコミットメントに従って負担する。

 実施に関する主な詳細

1、沖縄における再編

(a)普天間飛行場代替施設

●日本及び米国は、普天間飛行場代替施設を、辺野古岬とこれに隣接する大浦湾と辺野古湾の水域を結ぶ形で設置し、V字型に配置される2本の滑走路はそれぞれ1600メートルの長さを有し、2つの100メートルのオーバーランを有する。施設における各滑走路部分の長さは護岸を除いて1800メートルとなる。この施設は、合意された運用上の能力を確保するとともに、安全性、騒音及び環境への影響という問題に対処するものである。

●合意された支援施設を含めた普天間飛行場代替施設をキャンプ・シュワブ区域に設置するため、キャンプ・シュワブの施設及び隣接する水域の再編成などの必要な調整が行われる。

●普天間飛行場代替施設の建設は、2014年までの完成が目標とされる。

●普天間飛行場代替施設への移設は、同施設が完全に運用上の能力を備えた時に実施される。

●普天間飛行場の能力を代替することに関連する、航空自衛隊新田原基地及び築城基地の緊急時の使用のための施設整備は、実地調査実施の後、普天間飛行場の返還の前に、必要に応じて、行われる。

●民間施設の緊急時における使用を改善するための所要が、2国間の計画検討作業の文脈で検討され、普天間飛行場の返還を実現するために適切な措置がとられる。

●普天間飛行場代替施設の工法は、原則として、埋立てとなる。

●米国政府は、この施設から戦闘機を運用する計画を有していない。

(b)兵力削減とグアムへの移転

●約8000名の第3海兵機動展開部隊の要員と、その家族約9000名は、部隊の一体性を維持するような形で2014年までに沖縄からグアムに移転する。移転する部隊は、第3海兵機動展開部隊の指揮部隊、第3海兵師団司令部、第3海兵後方群(戦務支援群から改称)司令部、第1海兵航空団司令部及び第12海兵連隊司令部を含む。

●対象となる部隊は、キャンプ・コートニー、キャンプ・ハンセン、普天間飛行場、キャンプ瑞慶覧及び牧港補給地区といった施設から移転する。

●沖縄に残る米海兵隊の兵力は、司令部、陸上、航空、戦闘支援及び基地支援能力といった海兵空地任務部隊の要素から構成される。

●第3海兵機動展開部隊のグアムへの移転のための施設及びインフラの整備費算定額102・7億ドルのうち、日本は、これらの兵力の移転が早期に実現されることへの沖縄住民の強い希望を認識しつつ、これらの兵力の移転が可能となるよう、グアムにおける施設及びインフラ整備のため、28億ドルの直接的な財政支援を含め、60.9億ドル(2008米会計年度の価格)を提供する。米国は、グアムへの移転のための施設及びインフラ整備費の残りを負担する。これは、2008米会計年度の価格で算定して、財政支出31.8億ドルと道路のための約10億ドルから成る。

(c)土地の返還及び施設の共同使用

●普天間飛行場代替施設への移転、普天間飛行場の返還及びグアムへの第3海兵機動展開部隊要員の移転に続いて、沖縄に残る施設・区域が統合され、嘉手納飛行場以南の相当規模の土地の返還が可能となる。

●双方は、2007年3月までに、統合のための詳細な計画を作成する。この計画においては、以下の6つの候補施設について、全面的又は部分的な返還が検討される。

 ○キャンプ桑江・全面返還。

 ○キャンプ瑞慶覧・部分返還及び残りの施設とインフラの可能な限りの統合。

 ○普天間飛行場・全面返還(上記の普天間飛行場代替施設の項を参照)。

 ○牧港補給地区・

全面返還。

 ○那覇港湾施設・全面返還(浦添に建設される新たな施設(追加的な集積場を含む。)に移設)。

 ○陸軍貯油施設第1桑江タンク・ファーム・全面返還。

●返還対象となる施設に所在する機能及び能力で、沖縄に残る部隊が必要とするすべてのものは、沖縄の中で移設される。これらの移設は、対象施設の返還前に実施される。

●SACO最終報告の着実な実施の重要性を強調しつつ、SACOによる移設・返還計画については、再評価が必要となる可能性がある。

●キャンプ・ハンセンは、陸上自衛隊の訓練に使用される。施設整備を必要としない共同使用は、2006年から可能となる。

●航空自衛隊は、地元への騒音の影響を考慮しつつ、米軍との共同訓練のために嘉手納飛行場を使用する。

(d)再編案間の関係

●全体的なパッケージの中で、沖縄に関連する再編案は、相互に結びついている。

●特に、嘉手納以南の統合及び土地の返還は、第3海兵機動展開部隊要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転完了に懸かっている。

●沖縄からグアムへの第3海兵機動展開部隊の移転は、(1)普天間飛行場代替施設の完成に向けた具体的な進展、(2)グアムにおける所要の施設及びインフラ整備のための日本の資金的貢献に懸かっている。(共同)



2、米陸軍司令部能力の改善
●キャンプ座間の米陸軍司令部は、2008米会計年度までに改編される。その後、陸上自衛隊中央即応集団司令部が、2012年度(以下、日本国の会計年度)までにキャンプ座間に移転する。自衛隊のヘリコプターは、キャンプ座間のキャスナー・ヘリポートに出入りすることができる。

●在日米陸軍司令部の改編に伴い、戦闘指揮訓練センターその他の支援施設が、米国の資金で相模総合補給廠内に建設される。

●この改編に関連して、キャンプ座間及び相模総合補給廠の効率的かつ効果的な使用のための以下の措置が実施される。

 ○相模総合補給廠の一部は、地元の再開発のため(約15ヘクタール)、また、道路及び地下を通る線路のため(約2ヘクタール)に返還される。影響を受ける住宅は相模原住宅地区に移設される。

 ○相模総合補給廠の北西部の野積場の特定の部分(約35ヘクタール)は、緊急時や訓練目的に必要である時を除き、地元の使用に供される。

 ○キャンプ座間のチャペル・ヒル住宅地区の一部(1.1ヘクタール)は、影響を受ける住宅のキャンプ座間内での移設後に、日本国政府に返還される。チャペル・ヒル住宅地区における、あり得べき追加的な土地返還に関する更なる協議は、適切に行われる。

3、横田飛行場及び空域

●航空自衛隊航空総隊司令部及び関連部隊は、2010年度に横田飛行場に移転する。施設の使用に関する共同の全体計画は、施設及びインフラの所要を確保するよう作成される。

●横田飛行場の共同統合運用調整所は、防空及びミサイル防衛に関する調整を併置して行う機能を含む。日本国政府及び米国政府は、自らが必要とする装備やシステムにつきそれぞれ資金負担するとともに、双方は、共用する装備やシステムの適切な資金負担について調整する。

●軍事運用上の所要を満たしつつ、横田空域における民間航空機の航行を円滑化するため、以下の措置が追求される。

 ○民間航空の事業者に対して、横田空域を通過するための既存の手続について情報提供するプログラムを2006年度に立ち上げる。

 ○横田空域の一部について、2008年9月までに管制業務を日本に返還する。返還される空域は、2006年10月までに特定される。

 ○横田空域の一部について、軍事上の目的に必要でないときに管制業務の責任を一時的に日本国の当局に移管するための手続を2006年度に作成する。

 ○日本における空域の使用に関する、民間及び(日本及び米国の)軍事上の所要の将来の在り方を満たすような、関連空域の再編成や航空管制手続の変更のための選択肢を包括的に検討する一環として、横田空域全体のあり得べき返還に必要な条件を検討する。この検討は、嘉手納レーダー進入管制業務の移管の経験から得られる教訓や、在日米軍と日本の管制官の併置の経験から得られる教訓を考慮する。この検討は2009年度に完了する。

●日本国政府及び米国政府は、横田飛行場のあり得べき軍民共同使用の具体的な条件や態様に関する検討を実施し、開始から12か月以内に終了する。

 ○この検討は、共同使用が横田飛行場の軍事上の運用や安全及び軍事運用上の能力を損なってはならないとの共通の理解の下で行われる。

 ○両政府は、この検討の結果に基づき協議し、その上で軍民共同使用に関する適切な決定を行う。(共同)



4、厚木飛行場から岩国飛行場への空母艦載機の移駐
●第5空母航空団の厚木飛行場から岩国飛行場への移駐は、F/A―18、EA―6B、E―2C及びC―2航空機から構成され、(1)必要な施設が完成し、(2)訓練空域及び岩国レーダー進入管制空域の調整が行われた後、2014年までに完了する。

●厚木飛行場から行われる継続的な米軍の運用の所要を考慮しつつ、厚木飛行場において、海上自衛隊EP―3、OP―3、UP―3飛行隊等の岩国飛行場からの移駐を受け入れるための必要な施設が整備される。

●KC―130飛行隊は、司令部、整備支援施設及び家族支援施設とともに、岩国飛行場を拠点とする。航空機は、訓練及び運用のため、海上自衛隊鹿屋基地及びグアムに定期的にローテーションで展開する。KC―130航空機の展開を支援するため、鹿屋基地において必要な施設が整備される。

●海兵隊CH―53Dヘリは、第3海兵機動展開部隊の要員が沖縄からグアムに移転する際に、岩国飛行場からグアムに移転する。

●訓練空域及び岩国レーダー進入管制空域は、米軍、自衛隊及び民間航空機(隣接する空域内のものを含む)の訓練及び運用上の所要を安全に満たすよう、合同委員会を通じて、調整される。

●恒常的な空母艦載機離発着訓練施設について検討を行うための2国間の枠組みが設けられ、恒常的な施設を2009年7月又はその後のできるだけ早い時期に選定することを目標とする。

●将来の民間航空施設の一部が岩国飛行場に設けられる。

5、ミサイル防衛

●双方が追加的な能力を展開し、それぞれの弾道ミサイル防衛能力を向上させることに応じて、緊密な連携が継続される。

●新たな米軍のXバンド・レーダー・システムの最適な展開地として航空自衛隊車力分屯基地が選定された。レーダーが運用可能となる2006年夏までに、必要な措置や米側の資金負担による施設改修が行われる。

●米国政府は、Xバンド・レーダーのデータを日本国政府と共有する。

●米軍のパトリオットPAC―3能力が、日本における既存の米軍施設・区域に展開され、可能な限り早い時期に運用可能となる。

6、訓練移転

●双方は、2007年度からの共同訓練に関する年間計画を作成する。必要に応じて、2006年度における補足的な計画が作成され得る。

●当分の間、嘉手納飛行場、三沢飛行場及び岩国飛行場の3つの米軍施設からの航空機が、次の自衛隊施設から行われる移転訓練に参加する。

 千歳基地、三沢基地、百里基地、小松基地、築城基地、新田原基地

 双方は、将来の共同訓練・演習のための自衛隊施設の使用拡大に向けて取り組む。

●日本国政府は、実地調査を行った上で、必要に応じて、自衛隊施設における訓練移転のためのインフラを改善する。

●移転される訓練については、施設や訓練の所要を考慮して、在日米軍が現在得ることのできる訓練の質を低下させることはない。

●一般に、共同訓練は、1回につき1~5機の航空機が1~7日間参加するものから始め、いずれ、6~12機の航空機が8~14日間参加するものへと発展させる。

●共同使用の条件が合同委員会合意で定められている自衛隊施設については、共同訓練の回数に関する制限を撤廃する。各自衛隊施設の共同使用の合計日数及び1回の訓練の期間に関する制限は維持される。

●日本国政府及び米国政府は、即応性の維持が優先されることに留意しつつ、共同訓練の費用を適切に分担する。(共同)


●在日米軍06Ⅱ より続く

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