「さあ、兄さん。楽しい食事の始まりです。長く、末長く過ごしましょう」
正面。

「篠乃、それはいいんだ。しかし、これには理由があってだな……!!」
 対面。

「ええ。これにはいろいろ深ーい理由があるのです。なんていっても、武彦さんは私の命の恩人なのですから。篠乃さんには悪いですけど、今は隣で居させてもらいますか?」
 その左。

「そうだよ! 狛井君は私のことを助けてくれたの。いっぱい傷ついて。だから、今度は私と一緒に……きゃ、これ以上言えなぃよ!」
 その右。

「私のことが危険だからと、本家に送った理由はそういうことだったんですね。いろんなところで建てすぎた物を回収するための時間だったんですね。わかります」
「違うッ! 断じて違うッ!! あれはK市が危険だったから、お前の身を案じた上での行動だ! 断じてフラグ回収とかそんな物ではない!!」

「でも狛井さんってずいぶん急いだ様子で本買いに言ったよね? 姓名判断とか、育児の本とか」
「おいいぃぃ!! 間宮少年! 何そこで燃料投下してるんだ! というかお前は俺のトラウマポジションなのに!」
 右隣。

「いやー、狛井さんって話してて面白い人だからさ。愛理とはまた違った方向で。将来性は同じに見えるけど。あー、一緒に生きたかったな!」
「姓名判断だなんて……もう、狛井君たら! まだそういう行為10回もやってないよ」
「10回どころか1回もやってねーよ!」
「姓名……そういえば、私と繋がったら、結構良い結果になるんですよね。親離れができないのが難点ですけど、それは姓名ではどうもできない要素ですし」
「中学生の妄想かよ!」
「兄さん、いいご趣味で。道場も、学校も、私のこともほっぽって置いて」
「俺の心にはお前だけだから、常にお前だけだったから!! この気持ちは本当だ、嘘偽りもない、信じてくれ! だからその弓と光をしまってくれ!」
「……本当、なんですね? 兄さんの心は私だけ、なんですね?」
「もちろんだとも、俺にはお前しかいないんだ!」
「……兄さん」


「ところでさ、あの槍使いの女性と、ハッカーの子はどうするの? 今日は来てないみたいだけどさ」
「間宮アアァァァ!!!」
「どこまで増えていくの!? いいわ、泥棒猫はまとめて全員打ち砕いてくれるッ!」
「篠乃さん落ち付いて! こんなところで暴れても何の利益にもなりませんわ!」
「あー、お肉美味しかったー。あ、そろそろ愛理と遊んでくるからこれで」
「狛井君が傷つけられちゃうんですか!? 代わりに傷ついていいんですか!? やったー!」

「……頼む、誰か、助けてくれ」

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最終更新:2011年06月17日 17:20