長岡にロープウェイを引こう!
長岡市は大河信濃川を擁し、時間帯や天候によっては渡河部(橋)で渋滞が発生します。
それをロープウェイで解決してしまおうという策です。


更新履歴
2023/09/13 初版
2023/12/11 二版 調査結果を反映 New!

なぜロープウェイか

待たずに乗れる

最重要。スキー場のリフトのように、バス(BRT含む)や路面電車などと比べ、ロープウェイは待ち時間が少なくて済みます。これは、運転手が不要で搬器(乗り物)さえ増やせば運行頻度を上げられるためです。バスや路面電車を15分待つ間に、ロープウェイなら来た搬器に乗り込み目的地に到着できます。

雪に強い(雨にも?)

これもスキーリフトと同じで、雪に負けません。道路・線路と違い除雪も不要。大雪による交通渋滞・立ち往生が起きても、ロープウェイだけは動き続けます。また、雨にも強いと考えられます。

安い

方式 キロ建設費 輸送力 速度 備考
地下鉄 200億~300億円
モノレール 100億~150億円
新交通システム(無人) 80~140億円 ガイド付き専用路を走るバス。自動運転(運転士不要)。
新交通システム(有人) 50~60億円 ガイド付き専用路を走るバス。手動運転。
鉄道 55億~60億円 都市内交通ではないので参考値。熊本県試算(熊本空港アクセス鉄道)。
路面電車・LRT 20億~30億円 道路拡幅費、地下埋設物移設費等は別途。京都市資料など。
ロープウェイ(従来型) 50億円 福岡市試算。
ロープウェイ(自走式) 15億円 開発企業試算。
BRT(新潟市・不完全) 4.3億円 専用路や青信号制御なし。乗換環境改善前。新潟市計画より滋賀県試算。
道路 10億~30億円 - クルマ社会の隠れたコスト。
道路(橋) 140億円 - 大手大橋実績(120億、878.3m)。
参考のため、長岡市の公共施設の総工費・市負担額を示します。
名称 総工費 市負担額 備考
アオーレ長岡 130億円 130億円
米百俵プレイス ミライエ長岡 263億円※ 91億円 ※総事業費。マンション等の民間投資含む
主要な経路案として『長岡駅~大手大橋~千秋~造形大』を提案しますが(後述)、長さ約4キロで、自走式ロープウェイの建設費は約60億円です。
このうち半額程度は国の負担になると思われます(=市の負担は約30億円)。
公共施設の費用と比較しても十分に安く、ミライエ長岡の建設がひと段落すれば十分に支出できる額になります。

建設が簡単

支柱を立ててケーブルを乗せるだけなので簡単。道路上なら立ち退き不要、道路拡幅も不要。用地取得など時間のかかる手続きも最小限にできます。

人手がかからない

バスの運転士不足に代表されるように、近年の公共交通のネックは人手不足です。運転士の育成には時間もかかります。また大規模輸送でない限り運賃の面でも、人件費は大きな負担になります(例えばバスよりタクシーは高い)。また、現在期待が向けられている自動運転バスは、導入までのスケジュールや実際の費用、長岡での実現可能性が現状では不透明です(雪・都市の規模等)。
人手がかからなければ運賃を下げられ、気軽に利用しやすくなりますし、建設・運営のハードルも大幅に下がります。後述しますが、高い運行頻度が可能なのも人手がかからないためです。

短所は?

風に弱い?(長岡は風が弱いため問題なし・電車より強い可能性も)

一般的なスキーリフトは瞬間風速18m/s、八甲田ロープウェイは25m/s、風に強い方式の箱根ロープウェイは30m/sで運休となります。自走式ロープウェイは技術上、瞬間風速30m/sまで運行可能とされています。
瞬間風速30m/sは、長岡だと15年に1度の風です('08/11~'23/12実績)。また、この風ではJR在来線も止まります(20m/sで速度制限、25m/sで運休)。ちなみに『風速』30m/sは過去48年間ありません('76/2~'23/12実績)。(※瞬間風速と風速は異なることに注意。瞬間風速は概ね風速の1.5倍、条件によっては3倍以上となる。)
詳しく表にすると次の通りです。
瞬間風速 風速 備考
一般的なスキーリフト ~18m/s - 風速との表記だが、瞬間風速を指すと思われる。
ヨコハマエアキャビン ~18m/s - 都市型ロープウェイ。秦野市の資料より。
八甲田ロープウェー ~25m/s - 風速との表記だが、瞬間風速を指すと思われる。
JR在来線・通常運行 ~20m/s -
JR在来線・速度制限 ~25m/s -
箱根ロープウェイ ~30m/s - 風速との表記だが、秦野市の資料から瞬間風速と分かる。
自走式ロープウェイ ~30m/s - 風速との表記だが、秦野市の資料から瞬間風速と分かる。
技術上の数値であり、JR在来線程度の運休基準とする見通しとの話も。
長岡市・観測史上1位 31.1m/s (2012/4/3) 23m/s (1979/3/31) 瞬間風速は過去15年、2008年11月~2023年12月の実績。
風速は過去48年、1976年2月~2023年12月の実績。
長岡市・観測史上2位 29.6m/s (2021/1/7) 20m/s (1981/2/24)
長岡市・観測史上3位 29.4m/s (2012/4/4) 20m/s (1979/3/30)

曲線や分岐が難しい(自走式なら問題なし)

通常型ロープウェイは動作原理上、カーブに大掛かりな装置が必要になります(搬器を一度ロープから外してレール上を移動させる)。そのため駅間は基本的に直線のルートで作る必要があり、ここに設計上の難があります。また、分岐も難しいです。
一方、自走式ロープウェイはこれらの改善を大きな特長としており、既存の道路や交差点の上を曲げながら通していくことが可能、また分岐も実現できるとされています。

沿線のプライバシー問題(解消策あり)

瞬間曇りガラスを使えば、必要な区間で沿線のプライバシーを保護することができます(神戸・六甲ライナーで実績あり)。

高所不安の人が乗りづらい(改善策あり)

完全な解決策ではありませんが、プライバシー問題同様、瞬間曇りガラスを使って景色を隠すことは可能です。

駅が高所になる(除雪不要とのトレードオフ)

ロープウェイは駅が高所になるため、除雪が不要な一方、バリアフリーに掛かる費用や地上からのアクセス面では不利になります。他でコストがかからない分、エレベーターやエスカレーターにいかにお金を掛けるかが重要になります。ビルの2階に駅を設け、それらの設備を間借りする方法もあります。

花火からどう守るか問題がある(耐熱ケーブルはあるか?)

大手大橋を通す場合ですが、ケーブルを花火からどう守るかの問題があります。基本的に想定されていないことなので、特別にその想定で強度を確保するか、検証試験を行って安全性を確認しておくか、あるいは花火大会の日は運休としカバーをかける運用にするか、とにかく何かしらの対策が必要です。計画段階でケーブルの耐久試験を行い、結果によっては熱に強いものに設計変更するのが最も合理的だと思います。花火の演出は変えたくないです。(なおもしかしたら既に橋を傷めない演出になってるかもしれません。)

その他ポイント

雷は大丈夫らしい

山岳ロープウェイからの類推で、雷に弱い可能性を以前指摘しましたが、実際はそんな事無いようです。
雷の電流はケーブルに逃げるほか、支柱に避雷針を設置することもできます。稼働中の都市型ロープウェイ、ヨコハマエアキャビンも、新方式の避雷針(PDCE避雷針)を設置して「雷を寄せつけない」としています。

電線があっても上を通せる

もし設置区間の電線地中化が必要なら大きなコスト要因になると考えられますが、電線の上を通すことも可能のようです。一方、高い支柱は構造を強くする必要があるため、ここのコストと、また地上とのアクセス性についても考えて方針を決める必要がありそうです。
なお、『長岡駅~大手大橋~千秋~造形大』ルートの場合、駅から大手大橋西詰までは電線がなく、千秋の区間も(ルートによるものの)支障となる電線はほぼないため、心配しなくて良さそうです。

既存の橋を利用できる(自走式)

自走式ロープウェイは道路上を柔軟に通すことができるとされていますが、これは既存の橋の上も通せるようです。逆に信濃川に新たに支柱を建てようとすると、かなり難しい工事が必要となってコストが大幅に増えてしまいます。大手大橋の箇所は川幅がギリギリ300m未満のため、河原に建てれば難易度が下がるようですが、既存の橋を使うに越したことはないでしょう。

方式

  • 従来型
    • フニテル(風に強い。高安定性。乗り心地が良い。)
  • 自走式(安価、曲線可、分岐可)

経路案

  • 自走式ロープウェイZippar(固定ロープ/レール上を搬器(車両)がバッテリー駆動、屈曲が容易、安価)
    • 長岡駅~大手通り~千秋~造形大(~長岡北SIC流通団地?)
    • 長岡駅~大手通り~古正寺~ながおか花火館
    • 長岡駅~長岡高校~中央図書館・附属小中~悠久山~長岡高専
    • 長岡駅~大手高校~地域振興局~川崎神社~川崎商業地区~中央病院
    • (長岡駅~)南長岡~市立劇場・さいわいプラザ・工業高校
    • 長岡駅~長生橋?~新産~長岡技大
      (市立劇場・さいわいプラザ経由も考えられるが渡河が必要)
  • 従来型ロープウェイ(基本的に直線のみ)
    • 長岡高専~悠久山~南長岡~市立劇場~技大~丘陵公園
最終更新:2023年12月11日 01:04