ルーヴルの怪人、ベルフェゴール。
フランスでの有名な都市伝説、ルーブル美術館に夜歩く怪人ベルフェゴール、またそのモデルとなった人物。
七つの大罪のうち怠惰、もしくは色欲を司る悪魔ベルフェゴールの名を借りたもの。世のヒトがヒトに絶望し、憂い、どうにもならないという気持ちそのものの存在である。何もしたがらず、あらゆるものを嫌う。モデル本人がそのような性格であり、ベルフェゴールがそれを表す悪魔であったため都合よく同調し、「絶望したもの」の具現となった。
ルーヴル美術館に潜むのは絶望した彼が価値あるものを見つけようとしたため。醜いヒトを避け、価値を求め最後に辿り着いた場所。古今東西の美術品が集められたルーヴルにおいて、彼はついぞ美を見つけられなかった。
と、僕のマテリアルに書いてある。勝手に人を解説するな。
続けて僕の宝具とやらの解説を読む。
『濁った目、もしくは人の世』
ランク:E-
種別:対人宝具
レンジ:10
最大補足:10
ベルフェゴールを観測している限り自動的に発動する精神干渉。だんだんとあらゆるものへの価値を見出せなくさせるという効果。愛とか絆とかを信じられなくなり、全てのことがどうでもよくなる。
相手の精神がこの宝具に侵され、絶望したところに彼は語りかけ、堕落させるのだ。
狂化や精神汚染をもってしても回避不能である攻撃。何故なら狂うのは何かに価値を感じていて、大切だと思っているからである。自我のないもの、もしくは完全に自我を失った状態であるものならば無効となる。
心を殺すアサシン。
だそうだ。こういうのをこの時代ではゲーム脳っていうらしいぞ。何がレンジだ。
セイバーは上半身になってもまだ暴れていて煩かったのでとどめを刺した。殺し終わったセイバーの血がプレハブの中に広がり、腐臭に生臭がミックスされて目が眩む程の空気になる。
さてどうしたものか。やることが完全になくなった。仕方がないのでバーサーカーを見て、時間が過ぎるのを眺めていた。
こういうことには慣れている。何日かが過ぎ、何週間かが過ぎ、何ヶ月かが過ぎ、もしくはただの数分かだったかもしれない。
バーサーカーが何十度目かの腐敗を開始したところで小屋のドアが開く。マスターによって。
最終更新:2018年01月22日 02:25