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サクジョTOP/ストーリー/8 - (2011/05/06 (金) 17:57:07) の編集履歴(バックアップ)



ストーリーモードに書かれているストーリーをまとめたページです。

ネタバレ含みますので、純粋に攻略を愉しみたい人は見ないほうがいいです。




8限目


プロローグ

今日は桜ヶ浦学園の体育館で、
卒業式が行われていた。
学園長
「卒業、おめでとう」
卒業生
「ありがとうございますっ」
……式は、とどこおりなく進み
無事に終了した。
しかし、桜ヶ浦学園の卒業式は、
ここからが本番だと言っても
過言ではなかった・・・・・・。
体育館から退場した美春たち在校生は、
卒業生が出てくるのを待ちわびていた。
涼風 美春
「柚木い、柚木い、
   さくらがきれいだよねーっ」
神名 柚木
「そうねっ。天気もよくて、
   ポカポカしてるし…」
月見里 愛華
「これから一体、
   何をしようというの?」
諸星 舞
「卒業生から在校生に送る
“お別れバトル”があるそうです」
及川 春香
「あらあら。だから私は、
   この姿で待機なのねっ」
弥生
「3年生とのバトルは、今日で最後じゃ。
   逃げるでないぞいっ★」
美春
「――ええっ!?」
柚木
「頑張りましょう、美春。
   私が付いているからっ」
美春
「うんっ! じゃあ柚木のことは、
   私が守るよーっ」
弥生
「わしら1年A組の相手は、3年A組。
   アビロン代表が2人ほどおったかのぅ…」
体育館の正面扉が開かれると、
卒業証を手にする3年生達が出てきた。
兵藤 真央
「前途有望なエンジェル
   候補生は居るかな~」
桃頼 和
「えっとぉ~、これが新2年生あてで、
   これが卒業生のB組ぃ……」
柿原 夕葵
「気性の荒いヤツから、
   相手になってやるっ!」
柚木
「なんかもう、臨戦態勢に入ってる
   卒業生もいるみたいね」
弥生
「ならば、バトル開始じゃな。
   刻限は日暮れまでだそうじゃ」
弥生
(さてさて、これが終われば、
   わしらも早晩2年生か………
   いよいよじゃのぅ)
こうして、卒業生から在校生に望みを託す、
最後のバトルが始まろうとしていた!
????
「…………」

1人目 池田御幸

【Chapter1 池田 御幸】

卒業式を終えた3年生が、体育館から解き放たれた。
各クラスが2~3チームに分かれて、各々が在校生1クラスと対決する。

そこかしこでアビリティストが変身し、激しいぶつかり合いが始まった。
アビリティストの集う学園では恒例となる、卒業生 VS 在校生の『アビロン卒業大祭』である。

涼風 美春
「柚木ぃ、こっちにも来たよおっ、がんばろーねっ」

神名 柚木
「ええ。…どうか、お手柔らかに願いたいわ」

アビロン本戦に出場した美春たちは、恰好の標的になっていた。

1年A組を狙う3年A組のアビリティストが、こぞって襲いかかってくる。

美春
「ぅええっ!? みんなこっちに来るよぉ」

柚木
「美春っ、青い髪の長い人に気をつけてっ」

少し未来のことを予測した柚木が、美春にアドバイスする。

美春
「とりあえず、いっぺんに相手するのなんて無理だよおーっ」

美春が絶対領域の力を解放すると、群がった3年A組の生徒が宙に浮かび上がった。

柚木
「やったわ、今のうちに逃げましょう! 囲まれたらアウトよ」

美春
「よっし、行こう柚木っ」

柚木
「ええ…でもちょっと待ってっ」

ふわふわと浮かび上がる3年生の背後から、遅れて駆けつけた生徒が一人だけいた。

池田 御幸
「うわー、なにこれ。みんなどうしたの? ちょうどいいわ、記念撮影っとっ」

周りの光景を次々とカメラに納めていく彼女が、美春たちに目を付けた。

美春
「柚木が予測した青い髪の長い人だねっ」

柚木
「そっか…遅れてくるなんて思わなかったわ」

御幸
「邪魔が入らないなんてラッキーね。私の相手をしてもらうかなっ」

彼女はデジカメをポケットにしまい込んで、こちらへと身構える。

美春
「一人ずつなら平気だよねっ、柚木」

柚木
「わかったわ、サポートは任せてっ!」

御幸
「それじゃあ、遠慮なく思い出を残させてもらうからっ」

いよいよ『アビロン卒業大祭』の幕が開く。


2人目 桃頼和

【Chapter2 桃頼 和】

池田 御幸
「おかげでイイ写真が撮れたよ。なかなかキレのある動きしてたじゃない」

けろっとした表情の御幸に対して、美春と柚木はひざに手のひらを押し当てた恰好のまま、肩で息を切らせていた。

涼風 美春
「はあ、はあ、なかなか捕まえられなかったよお」

御幸
「これぐらいでヘバッてたら、アビロンで勝ち上がれないぞ? もっと基礎体力を養いなさいな」

美春
「うっ…うへぇええぇ…が、頑張りますっ」

御幸
「ま、このぐらいで勘弁してあげるわっ、それじゃあまたねっ」

柚木
「は、はい…」

息も絶え絶えの美春と柚木を残して、御幸は次の標的へと走っていく。

柚木
「美春だいじょうぶ? 今のうちに校舎の中へ逃げましょう。外だと目立ちすぎるみたいだから」

美春
「うんっ、行こう」

宙に浮かんで身動きがとれなくなっている3年生を尻目に、ふたりは校舎の中へと逃げ込むことにした。

桃頼 和(ももより なごみ)
「ちょうど良かったー。郵便ですよー!」

校舎に飛び込んだのもつかの間、目の前に新手が現れた。
すると美春の顔に、何かがべしゃっと貼り付いた。

美春
「むにゃあっ、な、何これぇ!」


「卒業生から在校生に宛てたお手紙ですっ。後で読んでね。美春さんと柚木さんは有名人なので、いろんな人からお便りが届いてますよっ」

柚木
「私たちに?」


「えっと、実は口答でもお預かりしてまーす。お返事も口答で結構ですよ。お手紙を届けながら、ついでに伝えておきますからっ」

美春
「口答って…なんかスゴイかもっ」


「それじゃあ、1件目のメッセージでーす。拝啓、神名柚木さま。私は年上の身でありながら、ずっとあなたのことを影ながら応援してきました。とっても大好──」

柚木
「えええぇぇっ!? ウソやめてぇー。何それ、らららラブレター」


「続きますよー。機会があればぜひ一度──」

柚木
「それ後で個人的に聞かせてくださいーっ、ちゃんと返事も考えますからっ、ここで告白しないでくださいーっ!」

顔を真っ赤にほてらせた柚木は、和の口元をふさいでしまった。

柚木
「くっ……美春、これは戦いよっ!」

美春
「う、うんっ、頑張るよぉっ」


「むにゅむにゅ、わかりましたっ、それではお便りの方をどうぞっ」

和はポシェットから、次々と便せんを取り出した。


3人目 向月衛香

【Chapter3 向月 衛香】

桃頼 和(ももより なごみ)
「これで手紙は全部でーす。お預かりしている口答メッセージは、後でケータイの留守番メッセージに吹き込んでおきますよーっ」

涼風 美春
「わはっ、ありがとーっ! 手紙もこんなにいっぱい」

神名 柚木
「ううっ…。ラブレターっぽい留守番メッセージばかりじゃない事を、祈るしかないのね…」


「それじゃあ、またねぇー」

新たに手紙を取り出した和は、アビリティストのごった返す校庭へと出て行った。

美春
「…あれ? この手紙、私あてのじゃないや。…3年生の人? 若桜 心美(わかせ ここみ)さん宛みたい」

柚木
「便せんを閉じたときの糊で、貼り付いてたのね」

美春
「届けてあげなくちゃっ! 探してみようよっ」

柚木
「…でもぉ……そうねえ…見つかるかしら?」

校庭に消えた和の方を振り返った瞬間、空が急に薄暗くなった。
曇り空よりも遙かに暗く、まるで皆既(かいき)月食でも起きたような薄暗さだ。

美春
「柚木っ、外みてっ!」

柚木の会話をさえぎった美春の声に、彼女はろう下の窓から天を仰いだ。

柚木
「これって……竜巻?」

真っ黒な雲が空一面に広がっていて、大きく渦巻いている。
その中心からは灰色な柱が地面まで伸びていて、色々な物を巻き上げていた。

美春
「ちょっとコワいかもっ、どーしよっか、柚木ぃ」

柚木
「いくらなんでも、これはちょっとやり過ぎじゃない!?」

この風圧では、流石に誰も身動きがとれそうもないようだ。
追っ手がかからないのはいいけれど、美春と柚木も身動きがとれない。
若桜 心美を、探し歩けないのだ。

向月 衛香(こうづき ひろか)
「平気よ。私がちゃんと管理してるから」

びゅうっと風が吹き抜けると、その風上に、ひとりの少女が立っていた。

柚木
「今度は一体、何者なのっ!?」

美春たちは、アビロン本戦の予選の時よりも過酷なのではないかと思い始めていた。

衛香
「勝負しましょう」

雷鳴がとどろいて、激しい雨が降り始めた。


4人目 兵藤真央

【Chapter4 兵藤 真央】

涼風 美春
「うぇーん、無茶苦茶だよおっ!」

神名 柚木
「もう、いやぁーっ!」

ふたりは、風圧で開かれた教室の扉にしがみついている。

向月 衛香(こうづき ひろか)
「私がバトルに参加すると、手も足も出ないわね。やっぱり全知全能すぎるのかなあ…けど、それなりに追い込まれた感はあったわね」

強風と豪雨がパタリとやみ、真っ黒だった渦巻き雲が徐々に解けていった。

柚木
「ううっ…こんなスゴイ人が、サクジョにも居たなんて」

衛香
「私、地球の環境を自在に操れるの」

そう言って彼女は、手のひらサイズの地球儀のような物を生み出した。

美春
「それが、地球なんですか?」

衛香
「そう、リアルなミニチュアね。たとえ巨大な隕石が地球へ降ってきたとしても、私が指でつまんで退かす事ができたりするわ」

柚木
「ホントに、無茶苦茶な先輩だわ…」

──ふたりは一度、校舎を出ることにした。

竜巻と豪雨に見舞われたにもかかわらず、辺りではバトルが続いていた。

兵藤 真央
「そんなところに隠れてたのねっ★ アビロン代表なら正々堂々と勝負を受けなさいっ!」

美春
「あっ、なんか、目と目が合っちゃったかも…」

相手は、朝礼台の上に立っていた。

柚木
「次から次へと、今日は災難続きだわあっ!」

先ほどとは打って変わり、空からまばゆい光の柱が伸びてきた。
朝礼台の上に立つ女子学生を包み込むと、彼女の背中から真っ白に輝く翼が伸びていく。

美春
「エンジェル・フォールだあっ! よーし、私も変身するよっ!」

真央
「ふたりまとめて、相手になってあげるっ」

柚木
「こうなったら、あとは野となれ山となれ、だわっ。一番大切なのは、勢いよっ!」

ブレザーの内ポケットに手紙をしっかりとしまい込んで、美春と柚木は、真央に立ち向かっていった。


5人目 子渡川詩稀

【Chapter5 子渡川 詩稀】

真央
「まだまだ甘ちゃんだけど、この辺で勘弁してあげるわっ」

兵藤 真央とのバトルによって人目を引いた美春と柚木は、その後も連戦を重ねてクタクタになっていた。

追っ手を振り切ったふたりは、正門前で背中合わせに座り込んだ。

美春
「そういえば、この手紙…どうしよっかあ」

柚木
「届ける相手が敵対してる側の人なんて、信じられない」

美春
「訪ねていくと、みーんなバトルになっちゃうんだよねーっ」

柚木
「美春は疲れないのぉ?」

美春
「疲れてるけど、すっごく楽しいよんっ!」

校庭の喧騒は、やっぱり耳障りだった。
だが、──ポロンっ、と。
弦楽器の奏でる音が響いた途端に、辺りがしんと静まりかえった。

美春
「……?」

柚木
「・・・・・・・・・・・・?」
(どこから聞こえるのかしら?)

ハープのような音が、奏で続けられている。
驚いた事に、ふたりは声が出なくなっていた。
ノドは確かに震えているのだけど、まったく声にならないのだ。

美春
「・・・? ・・・?」
(あれっ? 柚木ぃ?)

柚木
「──っ!?」

子渡川 詩稀(こどがわ しき)
「私の声と、奏でるリラの調べだけの世界」

「リラ」とは恐らく、彼女が手にしている弦楽器の事だろう。

戸惑いを隠せないふたりだったが、やがて身振り手振りで、相手を倒さなくては状況が改善されない、という結論に至る。

美春
「・・・・・・・・・・・・、・・・・・・・!」
(私が相手をするから、柚木は待ってて!)

美春のジェスチャーと口パクに、柚木はこくりと頷いた。

詩稀
「降参するなら素直に言ってね。読唇(どくしん)術は心得ているから」

リラの奏でる音だけの世界での、静かな戦いが幕を上げた。


6人目 柿原夕葵

【Chapter6 柿原 夕葵】

子渡川 詩稀(こどがわ しき)
「降参するのね、いいわ」

柚木の未来予測がいくら正確でも、言葉による伝達を遮断されては美春に知らせる事ができなかったのだ。

リラの演奏が止むと、再び校庭の喧騒がよみがえってきた。

美春
「ふうっ…あっ、声が出るようになったあっ」

柚木
「ごめんね美春っ、ぜんぜん力になれなくてっ」

美春
「ううん、平気だよぉ。私だって声でなかったもん。言葉で相手に意志を伝えられるって、とっても素敵なことだったんだねぇ」

柚木
「ホントね。私も予想だにしなかった事態だったから、ビックリしたわ」

詩稀
「ふふふっ…これからも仲間を、大切にしていきなさいよねっ」

彼女は柔らかく微笑むと、校門をくぐり抜けて学園を後にしていった。

美春
「あっ、あのえっとぉ~、ありがとうございましたぁ!」

????
「いえいえ、どーいたしましてっ!」

柚木
「い、いつの間にっ!?」

柚木の背後には、真っ赤なマントをまとった剣士風の女子学生が立っていた。

柿原 夕葵(かきはら ゆづき)
「お前ら、耳に頼り過ぎじゃないのか? 気配を感じ取るようにした方がいいぞ?」

美春
「近くに誰かが居たなんて、ぜんぜん気づかなかったよぉ」

夕葵
「鼻息が荒いだけじゃあ、闘牛と何も変わらないぞ? それじゃあいつまでたっても、相手の思うツボだっ」

柚木
「油断していたわ…確かに、もっと周りを警戒するべきよね」

夕葵
「と、偉そうな事を言ったけどな。アタシだって牛を捕らえるには目と耳に頼りっぱなしさ。だからお前らには、相手のスキを突いた攻撃方法を即席でたたき込んでやるっ」

そう言った彼女は、白金に輝くサーベルを引き抜いた。

夕葵
「ひとつ、サーベルを貸してやろうか? うん? どうする?」

美春
「いらないよぉ。だって使い方分からないもん★」

柚木
「私たちはこのままで戦います」

夕葵
「そうか…まあ、今までもそうだったのだからな。ならば、負い目を感じることなく、相対できるという物だ。いくぞっ!」

白刃が煌めいて、鋭い突きがふたりに襲いかかってくるっ!!


最終決戦! 本間理恵

【Chapter7 本間 理恵】

夕葵(ゆずき)を校舎前まで追い込むと、彼女はサーベルを納めて真っ赤なマントを正した。

柿原 夕葵
「うぐくっ…降参する。これだけ強いのに、アビロン本戦のトーナメントで敗退したっていうのか…」

涼風 美春
「本戦に出てきた選手は、みんなすっごく強かったよぉ」

夕葵
「来年のアビロンで雪辱を果たせるといいな。がんばれよっ!」

美春と神名 柚木
「はいっ」

夕葵と別れたばかりの美春と柚木に、新たな相手の声が響いた。

本間 理恵
「新2年生になるキミたちに、伝えておきたいことがあるんだ」

そこは、1階の空き教室だった。
色とりどりのチョークを握りしめて、ひとりの卒業生が黒板の前に立っている。

美春
「あの、どんなご用ですかっ?」

理恵
「今年の春に入学してくる新入生を、温かく迎える方法を教えてあげるよ。新3年生は、色々と忙しいからね」

そう言った彼女は、美春と柚木にチョークを手渡した。

柚木
「これで新入生を、温かく迎える…ひょっとして」

あごに指を添えた柚木をよそに、美春が元気よく手を挙げる。

美春
「わかったーっ、“入学 おめでとー”って描くんだねっ」

理恵
「お、その通りだっ。楽しいぞぉ~」

美春
「わーいっ、一度は描いてみたかったんだっ」

柚木
「黒板で、おもてなし……なんだかワクワクしてきちゃった」

理恵
「それじゃあ、アタシの言うとおりにやってごらん。ヘタレた絵なんて描いたら、容赦なくチョークが飛ぶからねっ」

理恵の指の股にはさまれたチョークの角が、キラリと輝いた気がした。

柚木
「ひょっとして、これもバトルっ?」

美春
「えっと、はじめて教室に入ったときには…確かこんな感じで描いてあったような……」

柚木
「ちょっとぉ、美春ったらいきなり、大胆っ…」

理恵
「それじゃ、アタシも描くから技を盗むんだぞっ」

黒板にチョークの先がこすれる、軽快な音が響き始めた。


エピローグ (1周目)

2週目へ続く


最終決戦! 若桜心美

【Chapter8 若桜 心美】

柿原 夕葵
「ぐぬぬっ。1度ならず2度までも…ホントに強いなあ」

納刀して歯がみする夕葵に、美春は駆け寄って手紙を差し出した。

涼風 美春
「あの、この手紙の名宛て人を探しているんですけど…」

夕葵
「ん? 誰だ…若桜 心美(わかさ ここみ)? 3年連続でアビロンの代表選手やってた子じゃないか」

美春
「ええっ!? でも、見かけたことないかも…」

夕葵
「あのなあ…そうだな。知り合いのデテクター(探知)能力のある子に頼んで、探してもらうか。チョット待ってな」

神名 柚木
「ありがとうございますっ。…やったわ、美春っ」

夕葵は携帯電話を取りだして、誰かと話し始めた。
そして、若桜 心美の居場所を突き止める。

美春は柚木を抱きかかえると、絶対領域の力で校庭から舞い上がる。
そのまま2人は屋上のフェンスを跳び越えて、見事に着地した。

そこには、2人の卒業生がたたずんでいた。
風を自在に操れるという心美は、空を自在に飛べるのだという。
屋上へ続く扉にはカギがかかっている。
だけど、そんなものは関係ないのだ。

美春
「若桜 心美さんはいらしゃいますか? 郵便を届けに来ましたっ」

心美
「私あてに手紙? ありがとうっ」

手紙を受け取ったのは、ストレートの髪をした子だった。
もうひとりの子はメガネをかけていて、シャボン玉を作る道具を手にしている。

日高 知美
「私たちがここに居るって、よく分かったわねっ」

柚木
「デテクターの人に、探してもらえたんです」

知美
「あ、なるほどっ」

そう言って彼女は、シャボン玉を飛ばした。

心美
「あなたも空が飛べるのね? 確か、1年生でアビロン代表の子」

美春
「涼風 美春ですっ! この子は親友の、神名 柚木ぃ」

心美
「私が若桜 心美ね。そして彼女は、幼なじみの日高ともちゃん」

知美
「ふふっ、日高 知美です」

心美
「手紙を届けてくれたお礼に…私たちとバトルしてみる?」

美春
「はいっ! もちろん。受けて立ちますっ!」

柚木
「ええっ!? ちょっと美春ったら!」

心美
「いいわ。どこからでもかかっていらっしゃい」

美春と心美が対峙すると、ふわふわとただよっていたシャボン玉が、遙か高みへと舞い上がっていく──

エピローグ (2周目)

?限目へ続く・・・


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