284 名前:fusianasan[sage] 投稿日:2010/10/08(金) 21:03:12
ソファーへと押し倒したアルトの上に跨ったシェリルはそのまま自分の下で横たわるアルトを見つめた。
目の前の男は頬を真っ赤にしながら慌て、自分を見上げている。
必死にもがき、逃げ出そうとするくせに、ジタバタとさせる手は一切シェリルに触れようとしない。
それに心底腹が立った。
この男は自分を好きだといってくれた。
芸能人としての"シェリル・ノーム"も素のままのドジなところも好きだと言ってくれた。
自分が危険な時は守ってくれたし、イケナイことをした時は叱ってくれたりもした。
口にした言葉を違えることなく、素のままを見せても受け入れてくれたからこそ、
その言葉の全てに真実を感じたからこそ、自分はこの男を好きになったのだ。
この男に、好きだと言われて泣きそうになってしまうくらい嬉しかったのだ。
だから、恋人として受け入れてほしいと願ったのに。
馬乗りになったシェリルの思考が真っ赤に染まっていく。
目頭が熱くなり、視界が歪んでいく。
それがシェリルの心をさらに苛立たせた。
この男を好きだという気持ちは募るばかりで、留まるところを知らない。
傍に居たいと思ったり、その器用な手に触れたいと思ったり、キスしたいと思ってしまう。
隣にいるだけでもドキドキしてたまらないというのに、この男は自分に触れようともせず、
頑なに距離をとろうとする。
それが、悔しくて、悲しくてたまらなかった。
好きだというのなら、愛していると、自分と同じ気持ちで居てくれるなら、触れて欲しかった。
「アルトのバカッ!!」
心のままにそう叫び、涙が零れるのを隠すように、シェリルは奥手な目の前の男の唇を奪った。