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「っ・・・・・・」

 
部屋に響くのは思わず漏れそうになった声を飲み込んだ、震えるような吐息だった。
どうしてこんなことになっているのか、熱に浮かされた頭ではもう思い出せない。
二人とも休みであることをいいことに、昨日交じり合ったけだるさ引きずりあいながらベッドの上で戯れているうちに"そういう状況"になったのだ。
 
カーテン越しに差し込む光は暖かく、部屋の気温を徐々に上げていく。
完全な闇のおりない白夜のように白く染まった部屋の真ん中に置かれたベッドの上には、乱れた二人の裸体があった。
 
見るからに柔らかな白い肌にはしっとりと汗が浮かび、美しいストロベリィーブロンドがところどころ蔦のように絡み付いている。
頬はバラ色に染まっており、薄く開かれた唇からは熱を帯びた吐息が絶えず零れ落ちていく。
腕や頬と同じく真白なはずの胸元には無数の赤い印が刻まれていた。
 
もう一方は、先ほどの体と違ってしなやかで美しい。
さらりと流れ落ちる黒髪は乱れることを知らないのか、どこまでもさらさらとその肌の上をなぞり、裸の太ももの上でたわみながら身体をくすぐる。
身体が動くたびに、筋肉が浮き上がる様子すら美しく、壮麗な絵画のようだ。
綺麗な指先でもう一つの肌を撫でるたびに、綺麗な琥珀色が妖艶に微笑んだ。
 
「あっ・・・・ぁ・っ・・・はぁっ・・ん」
 
言葉になりきれぬ声が部屋に満ちる。
男の指が蜜の海に沈むたび、悩ましげな様子で女の眉根に皺が刻まれ、行き場のない衝動を堪えるように握られたシーツに波が走る。
空色に染まる瞳は今にも溢れんばかりに潤んでいた。
 
「足、閉じるなよ。お前が、いいって言ったんだからな」
 
熱を孕んだそれでも冷静さの混じる男の声が部屋に落ちる度に、女は膝をこじ開けられその秘部が光の元へと晒される。
琥珀色のまっすぐな瞳で己の痴態を見つめられているのだと思うだけで、女の中の炎は燃え上がり、体は勝手に反応してしまう。
己の淫らな本心を暴かれ、見せ付けられているかのような恥ずかしさといたたまれなさが女の身を焼いた。
 
「も・・・・やぁ・・・っ」
 
もう何度赦しを男に乞うたことだろう。
けれど、男は色欲に浮かされた瞳で優しく女を見るだけで、決して願いを聞き入れようとはしてくれない。
それどころか、もっと乱れて見せろというかのように女の秘部を煽るのだ。
理性を弾き飛ばしてしまえぬことが、女をさらにもどかしくさせる。
 
それでも、男は女の中に沈んだ指を優しくゆるゆると動かすだけだ。
緩慢な動きは決定的な刺激には程遠く、達することはできないけれど、その刺激が与える波は一つ残らず飲み込んでしまいたくてたまらない。
一粒たりとも取りこぼさぬよう受け止め、男に許された範囲で女は喘いだ。
 
光の元に晒された秘部からはとろみを帯びた透明な液体が零れ、シーツへと落ちてくる。
差し込まれた2本の指には飴が絡んだように濡れ、妖しく光を反射する。
ピンク色の鮮やかな襞に隠された入り口は、その奥に広がる空間を隙間なく埋めてくれるであろう男根を求めてゆっくりとその口を開こうとしていた。
 
「・・・シェリル、閉じないで。」
 
先ほどの口調とはまた違った優しい言葉。
構ってほしいと訴えるネコの瞳に映るような寂しさが覗く言葉が女の心をくすぐる。
生まれる罪悪感から言葉のままに足を解けば、また満足そうな息が聞こえた。
 
男の指が動く度に、くちゅり、くちゅりと水音がする。
そこに濡れた女の吐息が混ざり、重なる音が男の耳へと注ぎ込まれていく。
指に感じる内の熱さが、男にその口端をもたげさせた。
 
男が初めて見た彼女の性器は、それを隠す茂みがなかった。
少女のようなその姿に最初は驚きもしたのだけれど、同時にその姿に興味が涌いたのも事実だ。
だから、彼女に見せて欲しいと頼んだのだ。
 
まるで何も生えたことのないまっさらな下半身を見られることを女は恥じらったけれど、最後には男の願いを受け入れた。
それは、男の興味を満たすと共に男の支配欲を満たしていった。
 
それまで触れていた肌とは違う、ピンク色の肌。
いくつもの襞の中に触ると膨らむ小さなしこりと指先が沈む場所があるのだ。
男はそれらをじっと観察し、時には指を入れて自分とは違いすぎるそれを確かめるようにして触れた。
 
撫で上げれば、身体全体が跳ね上がる。
指先を押入れ、外とは違う熱い粘膜を丁寧に擦りあげれば、どこからかとろみを帯びた水が溢れてくる。
それを舌先で舐め取ってやれば堪えきれなかったのか、女から甘い声が上がった。
 
恥ずかしがり、足を閉じてしまおうとする彼女を宥めながら、そうやって触れてもうどれくらいになるだろうか。
正確な時間は分からなかったけれど、彼女を苛めていると捕らえられても仕方がないかもしれないと思えるくらいには、時間が経っていることは彼女の様子からなんとなく感じることができた。
 
「・・あると。・・ね・・ぇ・・。」
 
甘えた声。
助けてと懇願する甘い女の声。
何を求めているか分かるからこそ、焦らせて惑う姿を見たくなる。
男は内を撫でていた指をくるりと返すと、触れてやらなかった壁へと指を這わせその腹で優しく撫でてやった。
 
ビクンッ、と女の体が震える。
胸元を見れば、その胸の先端はぷっくりと立ち上がり、男の舌に摘まれるのを待っているかのように見える。
男はふっと息を吐き、女の秘部へ風を当てると埋めていた股の間から顔を起こした。
 
体の起伏に沿いながら、ゆっくりと顔を女の胸へと近づける。
しっとりと汗に濡れた女の身体からは男を誘うような匂いが立ち上り、触れてほしいというように男の鼻腔を刺激する。
豊かに膨らんだ胸を前にして男が静止すれば、女の瞳が泣きそうに歪んだ。
 
「・・・ある・・とぉ・・・」
 
切ない声が男を呼ぶ。
同時に、シーツを掴んでいた手がその首元に絡み、胸元へと引き寄せられる。
されるがままに抱き寄せられ、望みどおりにその乳房の先を口に含んでむしゃぶれば、女から歓喜に満ちた声があふれた。
 
柔らかい周りの肉とともに口内へ飲み込み、舌先で先の蕾を潰してやる。
一瞬綻んだ蕾は、再び舌を押し返すように膨れ上がり、さらなる刺激を求めてくる。
そのまま舌先で転がせば、首元に絡んだ腕から女が快楽に溺れ始めたことが分かった。
 
唾液を絡ませ、よく滑るようにしてやりながら嬲ってやれば女の体が弓のようにしなる。
手探りでもう片方の乳房に触れ、先端の蕾を指先で弾けば、女の体がビクビクと痙攣する。
緩急を付けて擦り上げ、優しく吸い上げてやると共にもう片方の乳房の先を指先で摩り、潰してれやれば泣いたような短い叫びが部屋に響いた。
 
「ゃ、・・ぁーーーッ・・」
 
長時間、男に弄ばれた女には強すぎる刺激だったらしい。
男が留める間も持たず、オーガズムを迎えた女はくたりと身体から力を失い、男の胸に倒れこんでくる。
男はそれを優しく抱きとめてやると再び女をベッドへと横たえてやった。
 
下腹部に指を這わせば、とろとろと雫が溢れてくる。
人差し指と中指で掬い取り、親指と擦り合わせてその粘度を確かめた男は、力を失ってベッドへと沈んだ女の上に覆いかぶさった。
 
先ほど舐った乳房のもう片方へ顔を近づけ、その先端を口に含む。
優しく舐めてやりながら、揉みしだいてやれば女の体が震える。
ゆるゆると閉じられていた空色の瞳が開いていくのを目の端で確認した男は、もう一度女の下肢へと指を這わせる。
その指に抵抗するように女の太ももが震えたが、それもすぐさま男によって解かれた。
 
「あっ・・・、あ、あ・・・っ・・」
 
一度達したせいか、女からはすぐに声が上がり始める。
心地よいその声を聞きながら、男は先ほどまでの言葉を忘れたように優しく身体を愛撫する。
 
すぐに熱を取り戻した女の感触を楽しむようにして、男は声の上がる場所を指先で探る。
甘い喘ぎが耳をくすぐる度、腹の奥が疼くのがたまらなく気持ち良い。
 
中へと差し込んだ指を曲げたり、蠢く内壁を擦れば、組み敷いた身体が逃げるようとする。
女の足の間に身体を置いていたおかげで、楽に女の自由を奪うことができた。
再び逃げることを封じられた女は再び男の指先に翻弄されるしかない。
その従順な様子に男は笑うと、誉めてやるように唇を合せた。
 
女は溺れるようにその口付けを受け、男から注がれる唾液を必死に飲み込む。
舌先が触れ合う度に、優しく引かれ、溶けるような口付けに酔えば、また心地よい感覚が女を支配していく。
指先で弄ばれる感覚は再び彼女を快楽の海の深くへと落としていった。
 
「・・・気持ちいいか?」
 
女の身体が跳ねる場所を執拗にこすってやりながら男が問えば、女がコクンと頷く。
男は嬉しそうに笑うと彼女の額に優しくキスをした。
 
そのキスを合図にゆるゆると女の腕が持ち上がり、先ほどの荒々しい抱擁とは対極にあるかのような穏やかさで2本の腕が男の背中に絡みつく。
大切そうに抱きしめられた男は幸せそうに笑うと、胸を嬲るのを止め静かに女の乳房に頬を寄せた。
 
心音を聞くようにも、
母の胸に抱かれた子供のようにも見える不思議な光景。
 
女は優しく男を抱き返すと優しく男に笑い、位置をくるりと入れ替える。
そして、今度は女が男の足の間に顔を埋めた。
 
ぴちゃ、ぴちゃという動物が水を舐め取るような音が部屋に落ちる。
熱い舌が絡むと流石に男の口からも息が零れた。
 
胎児のように小さく、丸くなりながらして男のモノに一心に舌を這わせる様子は、何度見ても男を興奮させていく。
淫らな行為だとは知らないかのような女の表情が、男に背徳感をもたらすのだ。
丁寧に、丁寧に舐めあげられる度、言葉にならない痺れが男の背中を這い上がっていく。
 
先端やくびれを何度も擽られた。
時には、口内の奥まで咥えられた。
指を埋めていた解きと同じくらい彼女の口内は熱かった。
 
「うっ・・・・ぁ、・・」
 
男が堪えきれず、声を漏らすと女は嬉しげに笑う。
そんな彼女は誉められて得意になる子供のように素直だ。
もっと、もっとという気持ちが伝わってくるかのように、彼女は男を高めていく。
 
つけ根を唇が柔らかく挟まれた。
口内では舌がぎゅっと絡み付いてきた。
先端の割れ目をちゅっと音が出るくらいの強さで何度も優しく吸われた。
 
腹の中で蠢く欲は段々と膨れ上がっていく。
唾液と先走りで濡れた彼女の唇は、たまらなく淫乱だった。
 
「アルト・・・の、・・おっ・・ひ、ぃ・・・あ・・ちゅ・・・い」
「んっ―――――・・・・欲しいか?」
 
先に耐え切れなくなったのは女だった。
男のモノを口に含んだり、見せ付けるようにして舌で舐めあげながら男に強請る。
そんな小さな刺激さえも起爆剤にして弾けようとする波を必死に押さえ込みながら、男は女に問うた。
 
「・・・ほし・・い」
 
返ってきたのは嬉しそうな返事。
ようやく、待ち焦がれたものを与えてもらえるのだという期待に満ち溢れたようにも、ようやく救われる先を見つけたように見える瞳に思わず、達して白濁をその口の中に注いでしまいそうになる。
一瞬の差でそれをなんとか押さえ込むと、男はゆっくりと女と位置を入れ替えた。
 
正確な時間は分からないけれど、前戯には多すぎるくらいの時間をたっぷりとかけてあるし、昨晩のこともあるから、このまま挿入しても問題はないだろう。
そう男は考えると、再び女の足の間へと座り込む。
そして、女へ向けて言葉を発した。
 
「シェリル、自分で足開いて。」
「えっ・・・・。」
「さっきは、自分で上手にできただろう?」
 
男の言葉に女が惑い、その空色の瞳が揺れる。
困惑する女に救いの手を差し伸べることなく、男は言葉を続けた。
 
先ほどしたように、もう一度足を開けと男は言う。
秘部が見たいからと女に言い、両足を抱えさせ光の元に晒した時のようにやれと言うのだ。
男の言葉に女は躊躇う素振りを見せたけれど、それも数分と持ちはしなかった。
 
2本の足がゆっくりと持ち上がり、女が太ももを胸に寄せるようにすれば、秘部が男の視線に晒される。
さらに足を開けと命じる男の言葉通りに女が従えば、男は優しく微笑み、自分に晒された秘部へと唇を寄せた。
 
「・・・もっと、ちゃんと見せて。」
「・・・・・・。」
「・・・教えただろ?」
 
男の言葉が女をさらに辱めていく。
その恥ずかしさに耐えながら、女は男の求めに応じる。
震える指で自分の性器へと触れ、そしてその入り口を男の視線へと晒した。
 
「ぁ、・・・っ」
 
男に見つめられているという考えが頭を過ぎるだけで、頭が真っ白になってしまう。
だらしなく開いているであろう入り口から、己の愛液が零れ落ちてくるのが分かる。
淫奔な自分を浅ましいと思いながら、それでも色欲に従属してしまう愚かな自分が恥ずかしくてたまらなかった。
 
「・・・あると・・の・・・おちんちん・・・あたし・・に、ちょう・・・だい?」
 
恥辱に染まった女の表情。
とぎれとぎれになりながらも紡がれた隷属のはしたない言葉。
そして、埋めて欲しいと口を開く入り口。
全てが男を興奮させていく。
知らず知らずの内に、男の喉がごくりと音を立てた。
 
おそるおそる伸ばされていた手は途中から乱暴になり、女をベッドへと縫い付ける。
そのまま噛み付くように唇を奪って、喉元を強く吸って、開かれていた蜜つぼへと己を突きたてた。
グジュッというその日一番の水音を立てながらズブズブと己を埋めていくとたまらなく気持ちがよかった。
 
一日中男によって弄られたソコはまるで底なしのようにどこまでも己を受け入れてくれる。
同時に、熱く絡み付いてくる内壁が男に息つくことさえ許さない。
すぐにでもイってしまいそうな感覚に頭の奥が沸騰しそうだった。
 
太ももを抱え上げ、繋がれる最奥まで押し込んだ後でゆっくりと律動を開始する。
熱くとろけた内壁は程よくしまり、なんともいえない波を男へと寄せてくる。
波が割れ、泡が海面へと浮かんでくるように快楽の粒が男の背筋を這い上がろうとする。
己を引き抜き、また奥へと打ち込む度に、熱い息が零れた。
 
「やぁ・・・・っ、あ・・・・あ・・・あぁ・・ぁ・・・」
 
ガクガクと何度も身体をゆすられたことで、理性はとうとう吹き飛んでしまったらしい。
女からは絶え間なくしどけない声が上がり、愛液と汗と男の先走りに下肢が濡れる。
内壁が強く擦られる度に身体が跳ね、シーツの端がぎゅっと握られる。
ベッドが軋めば乳房はぷるるんっと揺れ、男の目を愉しませた。
 
「はっ・・・・・っ、ぁ・・・あっ・・・も・っ・・」
 
息が段々と浅くなり、男の肌から離れた汗の粒が女へと降りかかる。
ベッドへはいく筋もの愛液が零れ落ち、淫乱な水の後を残していく。
ズグズグに崩れ落ちてしまいそうな感覚が気持ちいいのと同じくらいこの果てを迎えることが少し怖かった。
 
「・・シェリ・・ル・・ぁ、・・気持ち・・・っ・・・い、い・・・か?」
 
荒い息とともに吐き出された声に、女がぎゅっと閉じていた瞳を開ける。
その瞳に映った男の表情になんとも言えない幸福感が身体中を駆け巡っていく。
目の前の男を抱きしめたくてたまらなくなった。
 
「・・・もち・・い、い・・・気持ち、・・いっ・・・・ぁ、っ・・アルトッ・・・・っ、あッ・・・」
 
快楽の波に翻弄されながら女が必死に紡いだ言葉は、最後まで音にされることはなかった。
きっと、表情一つで女の限界が近いことを悟ったのだろう男が最後の箍を外したのだ。
女を攻め立てるスピードが上がり、その速さに内壁を抉る強さが跳ね上がる。
 
強すぎる悦楽の波が二人の意識を攫おうと押し寄せ、引いては再び返してくる。
いやいやをするように女が頭を振り、強くシーツを握り締める。
男が女の太ももを片方だけ解放したその手で、女の勃起したクリトリスを軽く刺激した瞬間、彼女の身体が緊張し、彼女が達したのが分かった。
 
同時に、今までとは比べ物にならない甘やかな締め付けが男に届く。
堪えきることができない波だということは本能的に理解していた。
 
膨れ上がった欲望はその締め付けに抗うことなく弾け、その熱塊を熱い内部へと注ぎ込む。
トクトクと吐き出される度に男の腹は軽く震え、何度も何度も熱を吐き出した。
 
ドクン、ドクンっと心臓が大きな音を立てていた。
体中が熱くてたまらなくて、気が付けば全身が汗に濡れていた。
荒い息は整う様子すら見せない。
男は女の中を全ての欲で満たし終えると、そのままベッドへと倒れこんだ。
 
 
「・・・アルト。」
「・・・なんだ、シェリル?」
 
優しい声に瞳を開ければ、穏やかに微笑んだ彼女が優しく男の額に張り付いた前髪を払ってくれた。
その礼にと男が女の額にキスを返せば、女は幸せそうに笑った。
けだるい倦怠感が押し寄せるのも構わず、男は女をその胸に抱き寄せる。
二人は、穏やかな眠りの誘いを静かに受け入れた。
 
 
 
 
 
 
 
 
END
 
 
最終更新:2010年11月06日 06:53