行くぜ
1投
敷かれた布団の上にペタリと座るシェリルと向かい合うように腰を下ろすと、アルトは彼女の潤んだ瞳を見つめ、照れたような笑みを浮かべた。
「シェリル…」
吐息混じりに名を呼び、シェリルの華奢な身体をそっと抱きしめる。
抱き込まれた腕の中、シェリルは驚いたようにビクッと肩を震わせると短く悲鳴を上げた。
「いやっ」
「…え」
シェリルの反応に、アルトは反射的に抱いた腕を離してしまった。
え、嫌なの?
ガーンと硬直してしまったアルトをよそに、シェリルは怒ったように眉を上げる。
「ちょっと、あんたなんでこんなに身体冷やしてるのよ!お風呂入ってきたんじゃないの?」
「あ、え…?」
あれ、嫌なわけじゃないのか…?
「んもう。あったまってこなかったの?」
心配そうな青い瞳に覗き込まれ、アルトはようやく我に返って愛想を崩した。
シェリルの反応を取り違えるなんて、余裕な振りをしたが、思った以上に緊張していたようだ。
あぁ先ほどまでの甘い雰囲気はどこへ行った…。
「あー…。水風呂?」
いろいろ鎮めるのに苦労してね、と心の中で呟く。取り繕うのもらしくないかと苦笑した。
「はぁ?やだ、なにやってるのよ。風邪引いちゃうじゃない!」
何かを誤魔化すように苦笑めいて言うアルトに、シェリルは心底呆れたような声を上げる。
「まったく…水風呂なんて。なんかの修業でもするつもり?」
馬鹿なんだから…と困った顔をして呟くと、シェリルはアルトをその豊かな胸に抱き込んだ。
「シェ、シェリル…!」
薄物の布越しの、ふにゃりと柔らかい感触を頬に感じ、アルトは上擦った声を上げる。
「ほら。こうすれば、少しはあったまるわ」
あんたの身体、氷みたいだったわよ、とアルトを胸に抱き込み、彼の絹糸のような黒髪を優しく梳きながらシェリルは言う。
2投
不器用なシェリルの、髪を梳く指先が優しい。
とても大切なものに触れるように動く、その白い指先から愛情が伝わってくる。
「シェリル…」
途端に愛しさが溢れてきて、アルトは唇に名を乗せた。
顔が見たい。その瞳に映るのが自分の姿であると確かめたい。
「なぁに?」
震える声で名を呼ばれ、シェリルは髪を撫でる手を止めると、アルトの顔を覗き込んだ。
なんて慈愛に満ちた優しい瞳をするのだろう。
その優しい瞳に写った自分は、なんと情けない顔をしているのだろう。
アルトは胸が苦しくなって、喘ぐように息を吐いた。
体中から溢れ出る想いに、溺れてしまいそうだ。
「アルト?」
どうしたの?と首を傾げるシェリルを、彼女の胸の中から見上げていたアルトは、首を伸ばしその唇にそっと口付けた。
「……んっ」
アルトからの口付けに、シェリルは鼻から抜けるような吐息を漏らす。
ちゅっちゅと音を立て、角度を変えてシェリルの唇を吸うと、ゆっくりと唇を離し、アルトはその青い瞳を覗き込む。
お互いの瞳に、お互いの情欲に濡れた顔が映っていることが、ひどく心を満たし、二人見つめあったままそっと唇を合わせた。
「シェリル…、好きだ」
唇を触れ合わせたままアルトは告げる。
間近に見つめた瞳は、涙の膜を張って青が滲んでいる。
それが美しいと、愛おしいと思いながら、アルトはゆっくりとシェリルの身体を布団に押し倒した。
3投
真っ白な布団に、シェリルの豪奢なストロベリーブロンドがふわりと広がる。
白くなだらかな頬を撫で緩く顎を固定し唇を開かせると、アルトは己の舌をそっと差し込んだ。
ぎこちないながら、二人舌を絡めあう。
「……ん…ぅ」
シェリルが深い口付けに懸命に応えている隙に、アルトは手馴れた様子で彼女の浴衣の帯を解き、抜き去った。
本当に和装で良かったと思う。不本意だが、シェリルに浴衣をすすめた糸目の兄に感謝した。
ちゅっと音を立てて唇を離すと、アルトはシェリルの浴衣の袷に手を掛け、ぐいと左右に広げる。
「えっ…あ、…っ」
浮かび上がる白く清らかな裸体に、アルトはごくりと喉を鳴らした。
「シェリル…」
熱を孕んだ声で名を呼ばれ、シェリルはぞくぞくと身体の奥を駆け抜ける感覚に身体を震わせた。
アルトはシェリルのひざを割り、己の身体を割り込ませると、胸元を隠そうと持ち上げられた彼女の両腕を取り、布団に押し付ける。
「隠すなよ」
自分には全て隠さずに見せて欲しいと、唇を尖らせてアルトは言う。
ついうっかりその細腕をきつく押さえつけてしまいそうになって、逸る気持ちを落ち着かせようと深く息を吐いた。
『シェリルさんの真っ白な肌にーなにするのー!』
以前浴びせられたランカからのお小言を思い出し、思わず苦笑いを浮かべる。
シェリルの肌に跡をつけるな、と。残念、それは無理な話だ。
むしろ積極的につけてやるよ、俺だけの証を。
4投
「…あ、ると?」
自分の手首を押さえたまま、苦く笑うアルトに、瞳に熱を宿したままのシェリルは不安そうに問う。
「跡、つけていい?」
「え?」
アルトはシェリルの手首を押さえつけていた手を離し、そっと左腕持ち上げると、しっかりと指を絡め、その指先に口付けを落とした。
一度、捕まえられずに離れてしまったこの手を、もう二度と離すものか。
「ダメって言われても…無理」
「えっ」
アルトは子供のようにそう言うと、シェリルの返事を聞くことなく、彼女の豊かな胸元に顔を落とす。
柔らかく、しかし張りのある白い乳房に唇を寄せると、ふと考えて左の乳房の上をきつく吸い上げた。
「あっ…ん」
くっきりとついた所有の証に微笑みを浮かべ、それでも足りず白い首筋にも唇を寄せ吸い付いた。
強く、弱く重量感のある乳房を揉みしだくと、それは面白いようにアルトの手の中で形を変える。
ツンと尖った頂を指先で捏ね回し、もう片方は唇で挟んで吸い上げる。
シェリルから紡がれる声が熱を帯び濡れている。
アルトは身体を起こすと、散々胸元を弄り回していた手を、そっとシェリルの秘所へと滑らせた。
「……っあぁ!」
くちゅっと下着の上からでも水音を立てるそこへの刺激に、シェリルは高い声で鳴いた。
「……すげ…、濡れてる…」
感嘆したように目を丸くして呟くアルトの言葉に、シェリルはカァと赤面するとギュッと目を閉じる。
「も…バカ!言わない、で…よっ…」
こんな自分の拙い愛撫に応えてくれたシェリルが、可愛くて仕方ない。
両手で顔を覆ってしまったシェリルをチラと見、アルトはそっとシェリルの下着に手を掛けた。
サイドストリングのそれは、思いのほか脱がせやすく、アルトはほっと胸をなでおろした。
5投
ふ、と有り得ない場所に吐息を感じ、シェリルは驚いて顔を上げた。
視線の先には、シェリルの秘部を凝視するアルト。
「…うそ、や…。アル、ト、見ちゃダメ…」
シェリルは顔を真っ赤に染め、力の入らない足を閉じようとする。
だが、アルトはそんなシェリルの弱々しい抵抗を、両太股に手をかけ、閉じられないよう固定することで阻む。
そして、アルトは何の戸惑いもなく、まるで花の蜜を求める蜂のように、シェリルの愛液に塗れたスリットに顔を埋めた。
シェリルの身体が、弓なりにしなる。引き攣ったかかとが布団を蹴った。
「………あ、…っあぁ!」
アルトの唇が、シェリルの下の唇を食む。じわりと溢れ出る蜜を夢中で吸い上げた。
もっと、もっとだ。全然足りない。
ぷくりと充血した花芯をひと舐めすると、アルトは蜜が湧き出す秘所に舌を捻じ込んだ。
「…ひっ…あ…、っ」
舌の動きにつられるようにあがる、シェリルの高い喘ぎが耳に心地よい。
散々舌で愛撫したそこから顔を上げると、シェリルの愛液と己の唾液で濡れた顔を手の甲でぐいと拭った。
アルトは身を屈めると、いまだ両手で顔を隠したままのシェリルの額にそっと口付け、ふぅっと息を吐く。
「シェリル……力、抜いて…」
宥めるように言いながら、アルトはその長い指を彼女の中に潜らせた。
6投
「……ぅっ、っく…」
とたんに上がる苦悶の声。
きつい。
「シェリル……」
思わず、情けない声が零れてしまった。
シェリルは顔を覆っていた手をそっと退けると、痛みに引き攣る頬を誤魔化すようにニコリと笑ってみせる。
「あ、ると…。平気、だから…」
「でも……」
それでもなお躊躇するアルトに、焦れたシェリルが声を張った。
「…もう!このあたしがいいって、言ってる…の!アンタ、だけ、なんだか、ら…!」
「……っ、お前…。そんなこと言って、やめてやれない、ぞ?」
シェリルの言葉に、アルトは頬を染める。
「のぞむところよ」
先に進みたいのはお互い様と言うわけか。
涙に濡れそれでも強い光を湛える空色の瞳を見つめアルトは、ふっと笑った。
こいつには敵わない。
「…覚悟しろよ、妖精さん」
7投
ようやくシェリルの中がアルトの指を二本受け入れたところで、二人大きく息を吐いた。
すでに脱がせてしまったシェリルとは逆に、アルトは浴衣を寛げただけなので、布地が汗で張り付いて気持ちが悪い。
さらに、下着は先走りで濡れている。
こりゃあんまり持たないかもな…とアルトは腹に力を込める。
「ある…と…」
「ん…」
「も、だいじょうぶ、よ」
シェリルの言葉に、彼女の顔色を伺うと、頬がうっすらと上気している。
「……うん。挿れる、ぞ…?」
「あ、まって。その前に、アルトも脱いで…」
あたしばっかり裸でずるいわと、頬を膨らませて言うシェリルに、アルトは眩暈を起こしそうになった。
壮絶な女の色香を放っているくせに、ふと見せる表情がどうにも無垢な子供のようなのがいけない。
くらくらしながら浴衣を脱ぎ捨て、ついでに下着もおろしたところで、こちらを凝視しているシェリルに気付きアルトは動きを止めた。
「……シェリル?」
「…えっ、あ…。あの、それ……?」
「それ?」
それと指差されたものは先走りを滴らせるアルトの屹立。
「……それが、入る…の?」
「……うん」
8投
あれ、何かおかしい?俺の…。
「入る、の?」
「え。う、うん…」
とたんにどこか及び腰になるシェリルに、今度はアルトが焦れる。
「やめてやれないって、言った」
むっとしたようにそう言うと、アルトはシェリルの細い腰を両手で捕らえる。
「えぇぇ…無理、よぉ…」
泣き言を言うシェリルにずいと顔を近づけると、アルトも眉を下げ言う。
「…って言うか、ホント、ごめんな。もう、さすがに我慢できない…」
最後は唸るように言うと、アルトは自身をシェリルの入り口に宛がい一気に押し入った。
「………ひっ…あぁっ…!」
挿入と同時に、シェリルが高く掠れた声を上げる。
途中、何かを突き破るような感覚がして、アルトはハッとして結合部に目をやる。
白い布団に散った赤。
そうなんだろうな、とは思っていたけど本人に聞くことでもないし、でもやっぱり、これは破瓜の…
「…シェリ、ル」
気付いたとたんに、頭に血が上るのが分かった。
俺が、シェリルの初めての…改めて認識したと同時に、ドクリと大きく脈を打つ。
「ヒッ…、バカ…なんでもっとおっきくなるのよ…」
「え、あ…ごめん。ちょっと、うれしくて…」
泣きながら睨むシェリルに、悪いと思いつつもアルトは頬がにやけるのを止められない。
「俺が、初めてなんだ…な」
嬉しくて思わずそう口に出すと、シェリルはカァと頬を染めた。
それと同時に、シェリルの中がキュッと締まる。
「ちょっ……!く、ぅッ…」
「…キャッ」
9投
………いやいや、早すぎだろ、俺!
シェリルのきつい締め付けに、限界まで挿入を堪えていたアルトの欲はあっけなく弾けてしまった。
いきなり最奥に、熱い飛沫を注がれたシェリルは目を見開いている。
うわ…そりゃ、そうだろ。アイツは挿れられて痛いだけで…俺は気持ちよかったけど…。
情けなくてシェリルの顔を見られず、アルトはがっくりと項垂れた。
「…ごめ、ん」
「……なんで、あやまるの?」
「いや、だって…」
「あたしは、嬉しかった、わ」
やっと繋がれたんだもの、といまだ涙が滲む瞳を細めてシェリルは言い、アルトの頬を両手で包みチュッと唇を寄せた。
はにかむような表情が可愛くて、シェリルの中に埋めたままのアルトがまた熱を上げる。
「えっ…あ、なんでっ…」
シェリルがそれを敏感に感じとり、身体を震わせる。
10投
「あんま、可愛いこと言うからだ…」
熱に掠れた甘い声で言うと、アルトはシェリルの身体を抱き起こしひざの上に乗せる。
「…ぅ…あぁっ…」
自重でアルトが最奥を穿ち、シェリルはアルトの背中に腕を回ししがみ付いた。
触れ合った胸が早鐘のように音を刻んでいる。
「シェリル…」
唇から零れる声が甘い。
ひざに乗せた身体を上下に揺さぶりながら、アルトはシェリルの頬を撫でる。
「シェリル…」
「…あっ、る…と」
切れ切れに悲鳴のように喘ぎながら、シェリルはうっすらと瞳を開けてアルトを見た。
情欲に濡れた瞳すら美しい。
「シェリル、好きだ…。好きだ、愛してる」
吐息のように囁いて、薄く開いたままの唇に口付けると、そのまま彼女の身体を揺さぶり続けた。
「あ、…アル、ト…もう…」
すすり泣くようなシェリルの声に、自分の限界も感じていたアルトはさらに奥を穿つ。
搾り取ろうとするかのような中の動きに、アルトは息を詰めシェリルの最奥へと欲を放った。
引き摺られるように、シェリルは身体を痙攣させると、目の前のアルトの肩に噛み付きながら果てた。
二人しばらく抱き合ったまま息を整えると、ふと目を合わせ、照れたように笑いながら唇を合わせた。
「愛してる、シェリル」
甘えるように、首筋に鼻先を寄せて囁くアルトの言葉に、シェリルは幸せそうな笑みを浮かべた。
11投
体中が軋むような痛みに、夜中にふと目を覚ましたシェリルは、自分を抱きしめる腕に気付き、そっと眠るアルトの顔を伺い見た。
気の抜けた、あどけない顔。シェリルはふっと笑みを漏らす。
「……寝てても綺麗な顔、ね。でも、男の人なのね…」
女よりも綺麗な容貌をしているくせに、抱きしめられた腕は力強く、頬を寄せた胸は思った以上に広かった。
男のくせに肌理の細かい白い肌を羨ましく思いながら、眠るアルトを見つめ、彼の肩口についた歯のあとに気付いたシェリルはカァと赤面する。
「あたし、とうとうアルトと……」
幸せな痛みだった。泣きすぎたのか、目元が腫れている気さえする。
いつだか、シェリルの入院中に、雑誌のウェディングドレスを指差し『それも夢で終わらない』と言ってくれた。将来を約束するような言葉はなかったが、それだけで充分幸せだった。
愛している人と身体を繋げる悦びを知ることなく、恋心を抱いたまま死んでいくのだと思っていた自分に、憧れだけで終わると思っていた『夢』を見続けていいと。
そんな彼が、好きだ、と。愛している、と言ってくれたのだ。これ以上の幸せを望むのは欲張りすぎだろうか。でも。
「ねぇアルト。……大好きよ」
でも、ね。出来れば、これからもずっとそばにいて。
シェリルは眠るアルトに口付けると、そっと彼の腕の中で再び目を閉じた。
以上です。なんか、途中で眠くなって、変なとこで投下したとことかあるかもしれない、けど確認してない
ノリと勢いだけで書いたから、アルトとか誰これ状態ですが…
っていうか、滝なんて初めてだよ!こんなんでいいの?
書く側じゃなくて、読む側なんだよ…
かなりひどいお目汚し失礼しました…
最終更新:2011年06月02日 11:52