梅で没シーン のろけアルト
倒れた後から緩やかなスケジュールになっているせいか
シェリルの調子もそう悪くないようだが、
元気になった分、もっと歌いたいシェリルの焦燥が感じられた。
シェリルには申し訳ないが、俺はほっとしていたし、俺と過ごす時間も増えていて、少し嬉しかった。
といっても、歌詞を書いたり曲を作ったりで、歌尽くしな時間がほとんどだったが、
それでも、手に届くところにシェリルがいるのは嬉しかった。
「ねえ、アルト。今度、船・・・ボートに乗りに行きたいの」
「ん、調べておく。他にリクエストは?」
「静かな手漕ぎの小舟がイイの」
「漕ぐの俺だな?」
「当たり前デショ?」
「ったく」
歌のアイディアか何かだろう。
シェリルのひらめきや集中力は天才的で、もと芸人としてはその才能と情熱に嫉妬を覚えるほどだ。
羨望と尊敬を抱かせるようなこいつは
何気ない会話をしてみると、クレバーだけどちょっと抜けてたり
可愛い反応を返したりして、かわいくて愛おしくて。
「で、そのボートの取材、いつになりそうなんだ」
「えっと」
ピンク色の鯛焼き型ケータイなんてかわいいものを弄っている。
「あ…」
「どうした?」
「ううん。ちょっと待って」
「別に、スケジュールさえ合わせられれば、俺は護衛じゃなくてもいつでも」
「なかなか、予定がつきそうにないわね」
「さっきも言ったけど、お前、働きすぎだろ」
「ううん、まとまった時間がないだけ。最近はゆったりさせられてて、退屈なくらい」
「少しはお前もゆっくりしたらいいよ」
今日はお許しが出るといいな、と、シェリルの顎に手をかけてゆっくりと顔を近づけた。
何をするのか悟ったシェリルの瞳がフルフルと閉じられた。
軽く戯れについばんで、シェリルが受け入れてくれている事を確認して、深く口付けた。
最終更新:2011年07月05日 08:34