374 名前:秋の小話(非エロ)[sage] 投稿日:2011/10/09(日) 08:11:20.72
「アルト! 遅いわよ!」
「お前が飛ばしすぎなんだ」
今日はシェリルのオフ。
すっかりシェリルのお気に入りとなったアイランド3に来ている。否、連れて来られた。
リベンジライブ以来、オフともなれば俺が引っ張り回され、食事代から何から全て俺が支払わされている。
勿論、今乗っているジャイロバイクのレンタル代も。
…嬉しそうにしているシェリルを見るのも満更ではないが。
「このアキっていうのもいいわね。鮮やかな緑が温かい色に変わるなんて不思議だわ。落ち葉が舞う音だって全部ハーモニーになって…きゃっ!」
突然シェリルが悲鳴をあげて急停止した。
「アルト! 遅いわよ!」
「お前が飛ばしすぎなんだ」
今日はシェリルのオフ。
すっかりシェリルのお気に入りとなったアイランド3に来ている。否、連れて来られた。
リベンジライブ以来、オフともなれば俺が引っ張り回され、食事代から何から全て俺が支払わされている。
勿論、今乗っているジャイロバイクのレンタル代も。
…嬉しそうにしているシェリルを見るのも満更ではないが。
「このアキっていうのもいいわね。鮮やかな緑が温かい色に変わるなんて不思議だわ。落ち葉が舞う音だって全部ハーモニーになって…きゃっ!」
突然シェリルが悲鳴をあげて急停止した。
「(あれは何の木の実? あの子のごはんなのかしら? ねえ、アルトったら聞いてるの? )」
シェリルの好奇心一杯の笑顔が俺に向けられ、視線がぶつかった。
そこでようやくシェリルは自分の行動と状況に気付いたようで、途端に頬を染めた。
かと言って身を離す訳でもなく…少しの沈黙のあと、桜色のふっくらとした唇が何かを求めるように薄く開いた。
ーーーダメだ。このままでは俺の理性が吹き飛ぶ。野外でなんて以ての外。獣のすることだ。
早く『なぜなにシェリル』の疑問に答えて身体を離さなければ…!
「シェリル」
「アルト…」
気持ちを引き締め、今一度シェリルの潤んだ瞳を見据えた。
「クリとリスだ」
気づいた時には俺の体は数m飛ばされていた。
後から頬がじんじん痛んで、頬を張られたのだと気づいた。
「アルト…最低ね」
シェリルは顔を真っ赤にしながらも俺を冷たく睨めつけ、ジャイロバイクで元来た道を戻ってしまった。
俺は何が起こったか理解できず、そこに座り込んだままだった。
何故かリスが俺の目の前に栗を一つ置いて行った。
これを土産にしたらリスの可愛い仕草を思い出して機嫌を直してくれるだろうか?
ホテルに向かうと、意外なことにシェリルは扉を開けてくれた。
「…何よ…」
むくれたような、バツの悪そうな顔をしている。
「俺、何が悪いことしたみたいだな…悪かった。詫びと言う訳じゃないが…受け取ってくれ」
袋を押し付けるようにして半ば強引に渡した。
「…ありがとう…」
シェリルの強張った顔が笑顔に変わるのを見て、安心した。
「おやすみ」
気恥ずかしさもあって、それだけ言ってそそくさとその場を去った。
エレベーターに乗り込んでちらりと振り向くと、シェリルが袋を大切そうに胸に押し抱いてるのをみて胸が温かくなった。
しかし、翌日からシェリルへの電話もメールも梨のつぶて、唯一俺に届いたメールは「変態」の一言。
グレイスさんからも「護衛は少しの間ミハエル君に代わってもらうことになったわ」と言われてしまった。
袋の中には栗と共に手紙を添えた。
古い恋文の文句を引用してもシェリルの心には届かないだろう。
だから自分の心を正直にしたためた。
ークリだ。艶やかで綺麗だろ?
ーこれを見てあの時のことを思い出してくれ
森で見た、クリを運ぶリスの可愛い仕草を思い出せば、機嫌を直してくれるとおもったのだが。
俺が一体なにをしたってんだ?
最終更新:2011年10月21日 19:46