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566 :段階ならshort cut[sage] 投稿日:2011/11/15(火) 00:18:15.62
アイディア貰ったのに、エロ分と分裂しちゃって結局エロくないのですが、
プロバイダー規制で萌えスレには投下できないのでこちらで投下させてください。
連投規制はおそらく大丈夫ですが、万が一の場合は通常運転へお願いします。
護衛期間の日常の一コマ。


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やっとまとまったオフらしい。
護衛について初めて聞いた気がする。
SPたるもの、護衛対象のオフにも付き添い護衛するのは当然だ。
「さあアルト、しっかりついてきなさい?ぼやぼやしてるとおいて行っちゃうんだから」
大口をたたく護衛対象は、昨日の遅くまで仕事だったらしく、ようやく朝食を済ませたところだった。
仕事の合間や移動時に、調べていたものはこれだったのかと、アルトは納得した。

「じゃあ早乙女君、シェリルの監視、お願いね」
「そうよ、アルト。しっかり仕事なさい。あんたがはぐれたせいで監視できませんでした、じゃ話にならないわ。
残念だったわね。今日はいつもよりハードかもね?」
(監視…護衛じゃないのかよ)

うきうきとした瞳を見ると、お守りをダシに連れまわされた時のことを思い出した。
あの時みたいに、二人きりで、シェリルが俺を見て、笑いかけてくれる。
何気ない話をして、いろんなことをして、いろんな表情をシェリルが見せてくれる。
柔らかな手や髪が触れて…頬に触れた唇はもっと柔らかかったのを覚えている。
何ともいえない切なさと嬉しさが込み上げてくるのを、アルトはおぼろに感じた。
(何を浮かれてるんだ。いつどんな危険があるか分からないんだぞ)
それこそ、隙をついてのスパイ活動だってあるかもしれない。
SMSの中でも経験の浅い自分の隙を突くことだって十分にあり得る。
冷静になろうと自分にそう言い聞かせると、シェリルがスパイのために自分に近づいたと思った時の心の痛みが甦った。

フォルモでのシェリルとの思い出を時々思い出しては、なんとなく浮き足たったり、
電話がかかってくるのを期待してみたりしていた気持ちが
隊長の命令で重く暗くなり、ランカを追いかけるシェリルを見たときに強い痛みになったあの時だ。

(俺はお前が何者か知らない…。でも、寂しくて泣いたりしてほしくない…)

「アルト、聞いてるの?」
シェリルがケータイに出した場所はフロンティアパークだった。
フロンティアの名を冠しているだけあって、フロンティア最大の遊園地だ。

こんなことろに二人でいくなんて、まるでデートみたいじゃないか。
「今日はちゃんと変装しろよ。見つかったらすぐ出るからな」
「は~~い。じゃああんたも、遊園地っぽい格好しなさいよね」
そんなんじゃまるでデートみたいじゃないか。
「服なんて持ってきてないし、ちゃんと護衛が出来る格好じゃなきゃだめだ」
「余計に目立っちゃうでしょ。仕方ないわ。せめて、そのSMSの方に着替えてらっしゃい」
「事前に言ってれば、ちゃんと準備して来たさ」
ちゃんとデートらしくて、武器も隠せる機能性のある服を準備したのに…。
「はいはい。ほら、早くなさい。30分後には出るわよ」
「俺はそんなにかからないからお前が急げよな?」


「ねえ、アルト!次はアレに乗るのよ!」
袖を引っ張ってシェリルが指差した先はコーヒーカップ。
アルトの心配を余所に、今のところは園内の客にシェリルの存在が悟られた様子はない。
「おい、待てよ」
はしゃぐシェリルを見て自然と笑みがこぼれたアルトは、銀河の妖精シェリル・ノームよりも
目の前の彼女の方が妖精のようだと思った。


「うえええ。お前回し過ぎだろ」
「あら、パイロットさん、大丈夫?」
「言ったな!」
降りようとするシェリルにアルトが手をさしだすと、シェリルは自然にその手を取った。
ただ、支えるだけなのに、柔らかな手にドキドキした。
どうせこいつはエスコートされ馴れてるんだろうけどさ。

「おい、そろそろ飯にしようぜ」
シェリルに引っ張りまわされて、一息つきたいアルトが提案する。
「ん。ちょっと待って」
園内地図を真剣にチェックするシェリルがかわいらしい。
いろんなことを余裕でこなすようでいて、何事にも一生懸命だ。
「いいわ。もちろん、あんたのおごりよ?」
「ったく。護衛に来てなんで俺のおごりなんだよ」
デートじゃあるまいし。
「その給料私が出してるんだからいいでしょ」
「いや、おかしいだろ」
護衛らしくないが、カモフラージュのために、向かい合って食事をして、
カップルみたいに笑い合って、なんだかこそばゆかった。
戦略上仕方ないのだが、スーパーパック分と思えば許せるかなと、結局俺の財布から出した。
これじゃまるで、普通にデートしてるみたいじゃないか。

カップルらしく腕を組んだりした方がイイのか、いやそこまでしなくても、とアルトが悶々としているうちに、
いつの間にか、日も沈んできた。
人工の空は、自然を摸して色を変える。
空の色に気づいたシェリルに釣られてアルトも目をやる。
吸い込まれそうなほどに複雑に鮮やかにその色を変える空がシェリルのようだと思った。
変装のためのサングラスが外せないため、正確にはその色が分からないだろうが、その変化を感じ取ったシェリルはかんでつぶやいた。
「きれいね」
破天荒なようで、シェリルは約束通りサングラスを外さずに1日回ってきた。
二人きりならサングラスも外せるだろう。
「パレードまであと少しだ。観覧車行くか」
「ええ」
観覧車に乗り込む頃には二人はごく自然に乗降時に手をとるようになっていた。
狭い箱の中、膝が触れあいそうになりながら、座った。
高いところはむしろ好きなはずなのに、アルトはなんだかそわそわとして落ち着かない。
観覧車が高度を上げると、シェリルがサングラスを外した。
「今日は、ありがとね」
遊園地に来てからようやく見れた細められたシェリルの青い瞳が、アルトの胸を貫いた。
「いや、仕事だからな」
アルトは動揺を悟られまいととっさに外を見る。
「空、きれいね」
「ああ」
人工の空でも、眩しく美しく見えた。
ちらりとのぞいた夕日に照らされたシェリルの頬はバラ色に染まっていた。
そして、アルトが動けなくなった長いようで短い時間を終えて、二人は地上へと戻った。

黄昏の闇にまぎれて、パレードのために二人は人込みにもぐりこんだ。
暗くなったのを確認してシェリルはサングラスを外す。
そこにいる人たちを照らすのはに賑やかなパレードの電飾だけ。
二人は肩を並べあって、毎日巡るであろうパレードを眺めた。
もう二人で見ることはないかもしれない。
そう思うと、別段パレードを楽しいとは思っていなかったが、かけがえのない一瞬に思えた。



「さあ、帰りましょう」
まだ、パレードの中盤と言ったところだが、珍しくアルトが言いだす前に、シェリルが切り出した。
アルトは現実に引き戻される。
「意外だな」
「みんなが帰りだす前に出た方がイイでしょ?」
「それはそうだが」
シェリルは、意外に冷静で一歩引いたところがある。
それで、つい、手を伸ばしたくなるのだ。
「あら、もっといたかった?」
「いや、それはない。何事もないまま一刻も早くホテルに帰り着きたいな」
「ふふ。グレイスもそろそろ迎えに来るから、出ましょ」
パレードを背に門へと歩くシェリルを追った。
ぴたりと立ち止まったシェリルの真後ろでアルトが様子をうかがう。
「なんだ?やっぱり…」
くるりと振り返ったシェリルが、アルトの頬にキスをした。
そして、再び門へをずんずんと歩みを進める。
惚ける間もなく、アルトはシェリルの後を追わざるを得ない。
後ろを追うアルトに、シェリルがぽつりと言った。
「お仕事お疲れ様。ボーナスよ」
シェリルの感触が残る頬に手を添えて、アルトがくすりと笑う。

まるでデートだったみたいじゃないか。


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終わり
ちっともショートカットせずに、恋を育むアルトのお話でした。
最終更新:2011年12月10日 23:52