アットウィキロゴ
624:震えながら世界の入り口に立つ[sage] 投稿日:2011/11/26(土) 00:16:44.41

プロとして尊敬と憧憬、嫉妬すらも感じていた彼女への愛欲が強くなってきたのはいつだっただろうか。
素のあいつを見れば見るほどに、俺に気を許してくれているように感じて、
女としての魅力に囚われ、欲が膨らんだのかもしれない。
そして、あいつが隠している心の奥底の本当の気持ちを感じ、垣間見れば見るほどに、
自分なら、あいつを一人ぼっちなんかにしないのに、と手を伸ばしたくなるのだ。
けれど、あいつは俺の手を取ったりはしなかった。
もし、あいつも俺を欲してくれるのなら、俺はなんだってしてやるのに、と空想が欲を加速させた。


随分と距離が近づいた頃、シェリルからおずおずと差し出された手を、俺は迷うことなく取った。
シェリルを抱いた。

翌朝、護衛を終えてシェリルの滞在するホテルを後にした時には、街がいつもと違って見えた。
思い出すまいとしても、昨夜の反芻してしまう。
あんなに煽情的なパフォーマンスをするシェリルが、実はプライベートでは初心な事は知っていたが、
おれの願望そのままにベッドでは恥じらい、破瓜の痛みに耐える彼女を見たとき、初めてなのだと確信して喜びが溢れた。
苦しそうな彼女に申し訳ないほどに、快楽と喜びで体が満たされた。
また一つ大切なものをくれたのだ。
こんなに与えてもらっていたのに、彼女を疑わなければならないと自分に言い聞かせていたのがバカみたいだ。
自分が感じていた通り、シェリルはシェリルなのだ。
そう確信し、胸元のイヤリングを握って見上げた空は、彼女の瞳のように眩しかった。


グレイスに咎められることもなく、その後も以前と同じように護衛業務が回ってきた。

日毎夜毎にシェリルの事が気になるようになっていった。
隙あらば、手や肩に触れようとしてしまうのを、ぐっと我慢したりして。
特に理由なく近づいたり声をかけたりして、自分の方を向いてくれる些細な事に喜びを感じたり。
台所に立って、彼女に自分の得意なことアピールしてしまったりして、案外自分にも可愛いところもあるもんだと
ベッドの中で思い出して恥ずかしくなったりもした。

シェリルは相変わらずだったが、どことなく甘さが加わったのは俺の気のせいだろうか。
エスコートで手を握った時に震える睫毛やふと目が合った時の微笑み。
いつも何気なく無防備に近づいてきていたシェリルにも恥じらいが感じられるようになって、
夢じゃなかったんだ、こいつにとっても「特別」だったんだと危うく頬が緩みそうだ。
そんな可愛らしい彼女が俺に想いを向けてくれていると思うと、一層愛しさを募らせていった。

けれど、やはり彼女は俺がさりげなく差し伸べる手に気づかない振りをしていた。
凛と立つシェリルは誰の手も必要としないようでいて、ふと見せるあどけない笑顔が決してそうじゃない、と教える。
俺は、無理やり握りしめる性質じゃないが、彼女が手を伸ばしたときに、いつでも握ってやりたいと
握るのは俺でありたいと、彼女を見つめ続けた。


************

今日のスケジュールは比較的早く終わり、夕食を済ませたシェリルはゆったりと本を読んでいる。
結構難解で概念的な詩を書くシェリルは意外と本を読む機会が多いことに気づいた。
始めはもの知らずな面が目についたのだが、案外日本の古典なんかも知っていたりして、感心したものだ。
グレイスの英才教育がうかがえて、子供のころから芸を仕込まれていた俺は少し親近感が湧いたりもする。
どおりで、話が合うので、シェリルとの会話は小気味よく心地よいのだろう。

そんなことを考えながら、雑誌に目を滑らせていると、グレイスも去って久しく、
気が付けば、いつの間にか、部屋に二人きりだった。

ふと本から目を離したシェリルが部屋を見渡してつぶやいた。
「アルト、何か飲む?」
「何をご所望でしょうか? シェリル様」
「ぷっ。似てるわ。ブレラのマネでしょ? じゃあ、いつもの。あんたもなんか飲みなさいよ」
「ああ、いただくよ」

もう慣れてしまったキッチンで湯を沸かし
シェリル用の喉にいいらしいハーブティと俺用の梅こぶ茶を持ってシェリルの部屋へ戻った。

二人きりという状況を意識したアルトは手を伸ばせば触れる位置に近づきやや緊張していたが、
促されるままにシェリルと並んでいざソファーに座ると、シェリルの顔が見づらくて少し残念に思った。
「うん、おいしい」
シェリルの些細な一言が嬉しくてたまらないのを誤魔化すように俺は話を振った。
「ミシェルなんかも茶を入れたりするのか?」
「ミシェル? ないわね。彼は隣の部屋にいることが多いから、飲むこともそうないかしら」
ミシェルがリビングにあまりいないと聞いて少し安堵した。
「キッチン入ったことあるのはあんたくらいよ」
「俺だけこき使ってるのかよ」
不平な顔を作りつつも、優越感に心躍る。
いつの間にか二人はお互いの体をひねり、顔と顔を向きあわせて笑い合っていた。
心地良い空気が二人を包む。
「あんた、自分からやりだしたんじゃなかった?」
集中しがちなシェリルの体を気遣って、休憩を入れさせたい時に、飲み物を差し入れたのだった。
人にやらせるよりも自分でやった方が早いとついキッチンに行動領域を広げてしまった。
「適材適所よ。ミシェルにはあんたに出来ないことやってもらってるわ」
「…なんだよ」
「ひ・み・つ」
面白くない顔をしているアルトの鼻をつついて、シェリルがいたずらっぽくほほ笑んだ。
「気になるんだ?」
「別に…」
気になるとはもちろん言えず、アルトはぷいとそっぽを向く。
そのまま追い打ちをかけるようにシェリルは楽しげにアルトを弄りはじめた。
「仕事の情報交換とかしないの? SMSでは先輩なんでしょ? ちゃんと先輩には教わった方がいいんじゃない? 万年2位のア・ル・ト・ひ・め?」
「あいつめ…」
舌打ちするアルトをみて、シェリルはにこやかにフォローを入れる。
「でも、2位なんてなかなか優秀じゃない? さすが空を飛ぶプロになるだけあるわ」
「すっかり、銀河の妖精のお茶汲みのプロだけどな」
「ええ、さすがね。おいしいわ。濃さが私好み!」
シェリルが茶化してカップをすする。
「それに、空っていうより、今はむしろ戦場だしな。今はそんなご時世なんだ」
「…私も、力があれば銃をとったかもしれないわ…」
テンポの良い心地よい応酬から二人は現実に引き戻された。
「すまない」
アルトはギャラクシー難民船がバジュラに沈められた時のことをまざまざと思い出して、シェリルとともに悼んだ。
「あんた傲慢ね。あんなのあんたのせいな訳ないじゃない」
「しかし…」
「言ったでしょ。あんたは出来るだけの事をしたわ。だから、私もそうするの」
ギャラクシーの事を想っているのだろうか、シェリルの瞳は深い色をしている。

「俺が、お前の分まで銃を握る。それに、俺はお前の護衛だろ。絶対、守る」
(俺は大切なものを守りたくてSMSに入ったんだ。)
入隊した時は、守りたいものはひどく大きくて漠然としていた。
それが今、形になりつつあるのを、アルトは感じていた。
「アルト…」
アルトはシェリルの応えを待って見つめるが、
シェリルは何かを言いかけて、アルトに目も向けずそのままカップに目を落した。

シェリルは他人に言えない何かを抱えている。
アルトはそう直感した。

(それでも、そんなお前ごと、抱きしめたい)
今捕まえなけば消えてしまいそうなシェリルをアルトは半ば衝動的に抱き寄せた。
胸いっぱいに抱きしめたシェリルの香りを吸いこんだ時、
アルトは、その甘い感覚の奥に泣きそうなほどの切なさを感じていた。
あの謹慎処分の中、シェリルのコンサート会場に走った時に強く感じた気持ちだ。
泣かせたくなくて、そばに行きたい気持ちが、全てを乗り越えて俺を走らせる。


「私は大丈夫よ」
そしてシェリルもまたあの時の様に、距離を取ろうとアルトの胸板を手を押すが、
あの時と違って、二人を邪魔するものはいなかった。
アルトはシェリルが突き放そうとするのもお構いなしに腕を緩めず、それどころかふわりとした金髪を撫でた。
ずっと触りたいと思っていた、桜の溶けた黄金色だ。
どうかシェリルの孤独が溶けていきますように、そんな思いを込めて、滑らかな感触を手になじませた。
観念したシェリルがアルトの胸に納まった。
「アルトは、死んじゃ、ダメよ…」
「死にたくて戦場に出る奴なんていないさ。それでも俺は戦場に出る。もう、あんなことはさせない」
沢山の人が犠牲になった。シェリルだって襲われた。
それを止めるためなら、自分の事は顧みない。
そんな英雄的な決意を持って、守りたいものの形を再確認するかのように抱きしめた。

シェリルの腕もそっとアルトの背へと回された。
「あなたは、生きて」
シェリルが祈るようにアルトに訴える。
「ありがとう、シェリル」
彼女が本当に願ってくれていると感じると、大切に思ってくれているのが嬉しくてアルトはぎゅうっとシェリルに密着した。
「あの時、お前の歌が聞こえてきて目が覚めた。ありがとう、シェリル」

************

シェリルにも、まずはフロンティアがギャラクシーの轍を踏まないためにも防衛が必要であることや
アルトが守りたいもののために戦う勇気と力を持っていることが分かっているが、
アルトのメサイアが撃ち落とされたのもまた目の当たりにしていた。

(通じ合えば、バジュラとの争いは、きっと止められる。
それなのに、今も無益どころか憎しみが募るだけの多くの犠牲が払われている…。
もしも、歌が少しでもバジュラに通じるのなら…私はやっぱり最期まで歌うわ)

震える声を抑えて、戦いを決意するアルトに応えた。
「また落とされたって知らないわ。あんたに言われなくったって、私はいつでもどんな時でも精一杯歌うだけ」

(私は、この命を削り尽きるまで歌う。なのに、アルトが命を懸けるのは耐えられないなんて自分勝手ね。
それに、アルトの意志を否定するなんて、出来ない。
そんな勇気も権利もないもの)
例え命を落とさずとも、アルトが戦場で戦い傷つく悲しみを想うと、シェリルの瞳は潤んでしまう。
優しいアルトを困らせたくないと、シェリルは顔を見られないようにぎゅっとアルトの縋りついた。

しかし、アルトは、シェリルの震える様子を感じてか、またシェリルの髪を心地よく優しく梳いてくれた。
「俺がフロンティアを守るから」
優しく言い聞かせるように、アルトはシェリルを慰めてくれた。
だから、心配するな、と。
(違うの。あなたの立つ世界は、優しいあなたが無益な戦いに身を投じなくても、平和的に守られるかもしれないのよ)
内心を告げることも叶わない宿命にシェリルは涙をこらえることしかできなかった。


************

シェリルの息遣いを感じていたアルトはふと、我に返り、シェリルと長く抱き合っていることに気づいた。
(俺、調子乗りすぎたんじゃないか?)
恥ずかしくて、シェリルと体を離すタイミングすら計ることが出来なかったが、
シェリルがもぞもぞとしだしたのを機に、名残惜しいが身を離すことにした。
シェリルの柔らかさで甘く痺れたアルトの体が初心なアルトの心を誘惑した。
(どうせなら、もっと調子に乗ってやる)
明日は戦場に出るかもしれない。
幸運の女神のご利益をちょっとくらい承って行ってもいいよな、
ちょっと大胆かなと思いつつも、シェリルの額に唇を落として身を離した。

シェリルがキスされたことを確認するように、自分の額に手を当てて、
見惚けながら照れた様子でアルトを見上げた。

彼女の恋する表情に背中を押された。
今なら乗り越えられるかもしれない。
アルトは跳ねる鼓動感じながら、シェリルの額に当てた手の首を握ってそっとよけると、
もう片方の手を肩にあてて、そのまま唇を重ねようと傾けた顔を近づけた。

************

バジュラとの戦いも止められない。
あなたが戦うことも止められない。
何も話せないのに、そんな私を、あなたは何も言わずに抱きしめてくれた。

その温かさで、シェリルは悲しみや焦燥感が溶かされていくのを感じた。
(もうあと少し、このハリボテの羽根で飛べそうな気がしてきたわ)
涙が外に流れることなく、体内に還ったのを確認してシェリルは身を離した。

今度はアルトも腕を緩めてくれて、淋しいようなほっとしたシェリルは
ふいに、額にアルトの吐息と柔らかな感触を感じた。

見上げた先には目の前には優しくて精悍な彼の柔らかく切ない笑顔。
彼は私を求めている。
シェリルはそう感じると、頬が熱くなった。

彼の体温でふわりとしたカラダは正直だった。
顔を近づけてくるアルトが何をするのか悟ったシェリルは、なけなしの意地を捨てて、
彼に習い目をゆっくりと閉じて唇を差し出した。

今この一瞬で良い。
彼の望みと私の望みは同じなのだ。

吐息が近づいて、ふわりと唇が重なった。


その先まで溶け合うこと知っている二人の体はただ触れ合うだけで止まりはしなかった。
激しい衝動が込み上がって来て、奥へ奥へと絡み合うように口付けあった。
「ふっ」
「ん」
時折唇が離れるのみで、深く唇を重ね合う。
くちゅくちゅと、二人の舌が交わりあう唾液を鳴らす。
肩に置かれていたアルトの手は後頭部に回りシェリルを支え、
シェリルは息をつくこともままならない程に抱え込こまれてアルトに翻弄される。
手首を握っていた手は、手のひらに重ねられ、しっかりと握り合っていた。
キスだけでこんなにも満たされることをシェリルは初めて知った。

唇がようやく解放されて、ぼんやりと甘い余韻に耽っていたシェリルの耳元に
アルトがただ一言、絞り出すように囁いた。

「お前を抱きたい」


(私、アルトに抱かれたい)

アルトの告白を聞いたシェリルは自分の中に疼く欲望をまざまざと感じた。
もっと深く、アルトを感じたい。
アルトの汗と吐息を浴びて、この瞬間だけでもアルトにこの身を捧げていたい。
彼の腕に閉じ込められて、痛みの中で感じたあの一体感をもう一度味わいたい。

耳元でうなづいたシェリルをアルトは無言で抱き上げた。


************

彼女の声を聞いて、姿を見て ほっとするようになった。
会えない時に、彼女の事を思い出すことが多くなって、彼女に出会うまで感じた事のなかった淋しさを知り、
会話をして、笑いかけてもらえば、なんだか満たされるようになった。

欲深い俺がそれだけで終わるわけがなかった。
彼女の心が少しでもこちらを向いていると思えば、腕の中に閉じ込めてまるでむさぼるように口付けた。
甘い甘い彼女の唇だけで飽きたらず、全てが欲しくて、恋の深みにはまっていくのを止められない。

いつの間にこんなに好きになっていたのだろう。
初めて抱いた時よりも、もっと切実に、シェリルが欲しい。
笑っていてほしいのに、めちゃくちゃにしてしまいたい。
あの時よりも少しだけ思い出が増えて、シェリルの事を知っただけなのに。
シェリルといる時の心地よさと高揚を、もっと深いところで感じたくてたまらない。

せめて、今だけ、スパイの事やバジュラの事、何もかも忘れて、自分だけを見てほしい。
二人だけの時間を、溶けあう感覚を、共有したい。
いつの間にそんな大それた欲望を抱くようになってしまったのか。

ただ一度体を許してくれただけなのに。
忙しく機会がなくて、たまたま初めてだっただけとか。
俺が彼女のただ一人だなんて、彼女を信じたい自分の思い込みかもしれないのに。
彼女が向けてくれる親しさなんて、成行きのただの気まぐれかもしれないのに。

それまで押し殺していた妄執が溢れて身を焦がす。
会えない時間ですら日々募っていく愛しさが、自分を変えてしまうのが怖い。

いっそのこと、この恋に盲目的に全て懸けてしまえれば楽になるのかもしれないが、矜恃がそれを許さない。

********

彼女の白い肌を前にして、手を伸ばさずにいられない男の矜恃など世迷言でしかなかった。
押し倒した彼女の香りを胸いっぱいに吸いこんで、胸の突起を舐めると、ぐだぐだとした思考も、飛んでいった。
滑らかな背を撫でながら、ずらしたブラジャーとめくり上げたシャツの隙間から覗く桜色の蕾を一心不乱にしゃぶった。
手に触れる白磁の感触もまた、股間にダイレクトに響く。
もっと感じたくて上着を脱がせて、ブラジャーも無心に取り払った。

隠そうとする彼女の手も、有無も言わせずどかし、両手で包むと、
全貌をあらわにした滑らかな白い双丘は手にあわせて柔らかに形を変える。
ふわりと優しくこねてみたり、弾力に任せて揺らしてみたり、
その魅惑的な感触を味わっていると、やはり丘の頂上にある桃色の突起を弄りたくなる。
くりくりと指先でこねるのは何とも楽しいが、やはりなぜか口に含みたくなるのだ。
音を立てて吸ってみたり、舌で転がしてみたりすると、なぜこんなに興奮するのだろう。
熱に浮かされるようにアルトはシェリルの乳房を弄んだ。

「アルト…もっと優しくさわって?」
甘い感覚に没頭していて、つい、荒々しくなってしまったようだった。
「すまん」
はっと、顔を上げると、色情を帯びながらも少々不安そうなシェリルがアルトの瞳を覗いてきた。
そうだ。彼女もまだ二回目なのに、自分勝手に彼女の体を良いように扱ってしまった。
女を大切に扱うこともできないようでは男の矜恃も何もあったもんじゃない。

「ごめんな」
ふがいない自分を詫びると、シェリルが額にキスをしてくれた。
「痕なんて残したら、ただじゃおかないんだからね?」
シェリルが鼻をつついて、優しく叱ってくれた。
自然と笑みがこぼれた。
「分かった。その時は奴隷になってやるよ」


「シェリル…足を…」
なんとか下着とスカートも脱がし、もじもじと閉じている足の隙間から中の割れ目を弄り倒していたが、閉じたままでは行為に及びにくい。
恥ずかしいのだろうと思っていたが、もしかして、この先を拒まれているのだろうか。
「…いやなのか?」
ぎゅっと目を閉じていたシェリルの頬を撫でると、シェリルが目を開いた。
「ごめんなさい。ちょっと力が入っちゃっただけ」
「痛かったのか?」
アルトが心配そうにのぞきこむ。
「そうじゃないわ」
「ならいいんだが…」
シェリルも上体を起こし、やや気落ちしたアルトの胸に飛び込むと頬にキスをした。
そして、意地を張る余裕もないままに、黒髪の張り付いた耳元に囁いた。
「キモチイイの…」
その一言で理性が飛んだアルトは、そのままシェリルを押し倒し、足の間に顔を埋めた。

「や!ちょっとアルト」
さっきまで手で潤して割れ目を舐め上げると、媚薬のようにアルトの体温をさらに上げた。
「シェリル、足はそのまま」
アルトに言われて、シェリルはとっさに閉じようとした足を、恥ずかしさに耐えてぐっと開くと、
言うことを聞いたシェリルにご褒美を上げるように、アルトは肉芽にキスをした。
割れ目を指で開くと、色の白いシェリルのぬかるんだ陰部は、血色のいいピンク色をしていて、淫猥で可憐だった。
「きれいだな」
「そんなトコ…!」
シェリルの恥ずかしがる声を肴に、アルトは中の熟れつつある肉を舌で味わった。
桃色の肉がひくひくと反応し、淫泉の水が溢れてくる。
シェリルはふと股に力が入りながらも、甘い声を上げて耐えている。
悦楽に身をよじるシェリルを堪能してアルトも熱が体の中心へと集まってくるのを感じた。
びくんとシェリルが痙攣して、花弁の奥もぎゅっと締まったのを確認して満足したアルトは
シェリルの愛液と自分の唾液で濡れてしまっている唇を無造作に拭って顔を上げた。
中心に集まって張りつめた熱が噴出しそうだ。
「シェリル、もういいか?」
声を聴いて、シェリルは快楽に翻弄されて力の入った体を弛緩させた。
「ん」
意味が分かっているのかどうか、とろりと理性も体も溶けきったシェリルが儚げにほほ笑んだ。
自分の凶暴な欲望が、この華奢な体を壊してしまうんじゃないかと思ってしまうほどに、彼女は可憐だった。

シェリルの唇に軽く触れるキスをすると、慣れない手つきで欲望をスキンに包み、シェリルの中に押し入った。
さっきイってから時間がたっているので、絶頂の締め付けではないはずだが、
やはりまだ慣れていないシェリルの内路は狭かった。
やはり限界まで膨張したそれの圧迫感があるのか、シェリルは苦しそうに息を吐いた。
それまで丹念に潤したつもりだったが、動きに合わせて吐息をこぼす彼女の眉根は寄っている。
温かい彼女の中を動くたびに、気持ち良くてたまらなくて、まだ馴れない彼女を労わる余裕もない。
なんとか動きを止めて目下のシェリルに声をかけた。
「大丈夫か?」
「…うん」
つむっていた青い瞳がけぶる睫毛の縁から覗いてアルトはほっとした。
にこりとほほ笑む健気な笑顔が切なく胸を締め付けるが、
柔らかな抱擁に包まれた安堵感と駆け巡る衝動でアルトは身の置き場がない。
「シェリル、凄く気持ちいい」
アルトがせめてもと伝えた言葉でシェリルが花のように笑った。
彼女の反応に与えられる幸せな感覚を一心に受け止め、
こうやってまた彼女にとらわれていくのかと思いながら、動きを再開した。


裸で触れ合う彼女の肌は極上の心地で、中はめまいがするほど気持ちが良かった。
気持ちが重なりあっていると思えば、空を舞うような幸福感に包まれた。

絶頂感に駆り立てられて、全てを彼女の中で解放した。






************


「もう一度、舞って見せて!早乙女アルトの、真実の舞を!」
シェリルは誰よりも、俺を理解し、想ってくれていた。
たった一言で、目の前が開け、羽根が軽くなった俺は、
俺が惚れた女の凄さを痛感した。

彼女が解放してくれた俺の翼は大気の中を翔ける。
全てを燃やし尽くさんとする喉から心から紡がれる祈命が沁み渡り、心が震えた。

俺が選んだ、役。俺が選んだ、未来。
俺も全てを懸けて、舞ってみせる。

「それが俺の、翼の舞だ」

だから、シェリル。
歌ってくれ。
そして、最後まで見届けてくれ。
この舞台が終われば、俺はこの手でお前を抱きしめに行くから。








おわり
以前最後に投下したものより時系列的に前になるので、アルトの考えが少しさかのぼってるつもりですが、
ちょっとおかしくても気にしないでくださいorz
おわりとか言ったものの、なんか降りてきてしまって書き進めたものの、
時間も経ってしまったりなどで、文体なんかも統一できずすみません
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
最終更新:2011年12月10日 23:49