780 名前:fusianasan[sage] 投稿日:2012/01/21(土)
06:19:14.62
流れトン義理スマソ。
ダラダラと書き続けていたんだけど、途中で頭こんがらがって来たので、適当に逃げた。
後悔も反省もしている。ゴメンネorz
"この胸最高じゃね?!あーもうたまんねー!"
"お前バカだろ?女は尻に決まってんじゃんか!見ろよこのむちむちのだらしない尻!!"
"俺は胸だな!ぜってー胸!!ちなみにC以下は認めねーよ?"
"はぁ?!ロリ最強だろうが何言ってんだよ!!みろよこの純真さ!!"
"お前例の彼女とどこまでいったわけ?"
"あーアレだろ?コイツの彼女ってあのすっげぇ胸デカイ・・・"
"バカ!!お前声でかすぎだし!!"
"コレだから童貞君はぁ~"
"あっ、てめっ!!お前もそうだろうがよっっっ!!"
"あー女欲しー、マジ女ほしー誰か俺に紹介しろよー"
"お前それただヤリたいだけだろ?"
"あ、バレた?!"
"お前の頭ん中そればっかじゃん?"
"ソープでも行けよ!この前、××らが行ったトコ可愛い子入ったらしいぜ!"
"おぉ?!それマジかよ!!ってか、行くなら誘えよっっ"
"つか、現実的に考えて横に女いんのに勃たねえとかありえなくね?"
"ぎゃはははははは!!お前どんだけ溜まってんだよ!!"
"女なら誰でもいいってかwお前まじ最低だなw"
"あぁ?!ならお前相手いんのかよ?"
"相手いねーのお前だけじゃねーの?"
"うっわっっっ!ムカツク!!"
教室の片隅や部室の端、格納庫だけに飽きたらず、集まってしまえば女子隊員らも利用するPXや下手をすれば様々な客がいるファーストフード店でも
嬉々としてそんな話をしだす彼らのことを早乙女アルトは内心嫌悪していた。
決して猥談に興味がなかったというわけではない。
年頃の男の子として好みの自分の好みの女性像を考えたりしたこともあったし、鏡を見た時やシャワーを浴びた時には、
自分が毎日演じていたはずの性別の違う身体の線や雰囲気をひどく遠く、不思議に感じたこともあった。
スカートから除く素足や白く細い腕や胸元に思わず目を惹かれたことだってある。
けれど、本人の"そういった"嗜好を積極的に話す必要性というものはまったくといっていいほど感じていなかったし、
それ以前に、一般的な男子高校生やSMSの男性隊員が好む『外聞もはばからずに繰り広げられる猥談』は、
"伝統"と"礼儀"を重んじる世界の中で育ち、"恥"という独特の文化に培われたアルトの清廉潔癖な観念の前では、
ただただ下品で、品性の欠片もない行為してとしか映っていなかった。
加えて、早乙女アルトは『男女が結ばれる行為は自分が心から好きな人と結ばれ、望みあった時でなければ意味がない。』と本気でそう信じていたのだ。
ある意味幼いとも純粋とも言える幻想を抱いた潔癖な少年にとって、エロ本やAVという名のエサを与えられる度に舞い上がり、
猥談自慢を繰り返す彼らの行為は、盛りの付いた犬のような、ひどくみっともないことのように思えていた。
そしてその嫌悪感からか、本人も知らぬ間に自身は理性的でない彼らとは違うのだという自負を持ち始め、
本気になれば己の理性に御せない欲望などないのだと思い込むようになっていた。
だからこそ、経験のない男子高校生が一度は夢見る甘やかな理想と抗うことの難しい現実の欲と好奇心に翻弄され、
全力で数十時間悩めるだろう選択をも早乙女アルトは軽く一蹴してしまえたのだ。
"遊び"や"お試し"という概念すら完璧に抜け落ちてしまっているような無垢さ故に、
狙撃手の友人はからかい混じりに彼を姫と呼んだのだった。
そうやって17年程堅実に生きてきたというのにある夜を境にしてその鉄壁だったはずの理性が吹き飛んだ。
溢れる涙に胸が苦しくなり、抱きしめた肢体の柔らかさと細さに、今まで感じたことのない感情が体中を駆け抜けた。
腕の中にある身体を抱く加減が分からなくて、ひたすらしがみつくように抱きしめるしか出来なかった。
そして、おそるおそる握られた服の裾に頭の中で何かが弾けた。
絡んだ濡れた感触。
混じる吐息と熱。
くちゅくちゅという水音。
嬌声。
止めどもなく溢れてくる何かに感情が追いつかない。
優しくしたい、大切にしたいと思う側から、名も知らぬ何かにそれらが飲み込まれていく。
まるで水に溺れるようだった。
水に溺れるようなのに、身体は勝手に熱を上げ、熱に侵された部分は制御を失っていった。
熱。
声。
感触。
感情。
初めて触れたそれら全てが渦のように押し寄せる。
それが何かを理解することなど出来なかった。
それを受け止めるしかできなかった。
指に触れたもの。
それは全てが繊細で柔らかかった。
唇を滑らせるその度に。
その滑らかで温かい感触に溺れた。
肌は、汗と唾液が混じり合った液にしっとりと濡れていた。
部屋へと入り込んだ月光に照らされ、艶めかしく、淡く、光っていた。
ビリビリともゾクゾクととも取れる感覚が背筋を這い上がり、脳天を震わせる。
鼻で感じる肌の匂いや恥じらう姿、肉体に感じる気持ちよさが、思考をさらにずぐずぐに蕩かしていく。
掴んだその瞬間から溶けて消えていく感覚を夢中で追った。
繰り返し、何度もぬめる指先で嬲る。
反応を返して震える肢体の至る所に印を残す。
愛しさと下肢からの欲が交互に脳内を攻め立てた。
それから、痛みとどうしようもないほどの熱を感じて、最奥で爆ぜた。
一瞬のような、随分と時間を過ごしたような不思議な感覚。
幸せそうに潤む瞳に目を奪われ、今度はゆっくりと静かに唇を重ねた。
穏やかな、風が凪いだ空に浮かぶような、そんな随分と久しく優しい夜だった。
「アルト、貴方何難しそうな顔をしてるの?」
「いや、なんでもない。」
かけられた声にはっと我に返ったアルトは、自分の横にぽすんっと収まったシェリルに軽く笑ってみせた。
どうやらぼうっとしている間に風呂から上がり、手早く手入れやその他もろもろを済ませてきたらしい。
もうほとんど風呂上りの日課にとなったカップアイスが、すでにその手に握られていた。
「この時間胃袋に入れるのはミネラルウォーターだけじゃなかったのか?」
「今日は特別よ!ト・ク・ベ・ツ!レコーディングはエネルギー使うってアルト知ってるでしょ?!」
すでに一口目を食べようとしているシェリルはよく冷えたアイスにご満悦のようで、
その期待を表すかのように片手に握られたスプーンがくるくる回っている。
そんなシェリルの様子に一瞬どうするか揺らいだもののアルトはゆっくりと口を開いた。
「そう言ってもう3日目だぞ?カロリーコントロールはしてるから問題ないが、肌に何かできたって俺は知らないからな!」
「うんもうっ!アルトの意地悪!!せっかくのデザートなのに台無しになっちゃうじゃない!」
「俺は事実に基づいて忠告しただけだ。・・・後で泣くのはお前なんだぞ?」
「・・・ッ・・」
上機嫌だったシェリルがみるみる凹んでいく。
もうちょっと言葉を選ぶべきだったかとアルトが後悔するもすでに後の祭りだ。
どうしようかとアルトが悩む間も、シェリルの握ったアイスクリームは端からゆっくりと溶けていく。
「はっ、」
「は?」
「半分だけにするわっっっ」
そうきたか。
半ば叫ぶようにして宣言された『半分』にアルトが苦笑する。
相手は、~牛からわずかしか取れないミルクや超高級材料をふんだんに使っているというブランドアイスでも、季節限定、数量限定のアイスでもなく
そこらのスーパーで売ってる家庭用アイスクリーム(お徳用)だ。
平たく言ってしまえばそんなに必死にならなくても常に冷蔵庫にある、いわば常備品だ。
それを食べる食べないと決めるのにこんなにも決意がいる人間がどれだけいるのだろう?
しかもこの妖精は望めばありたいていのものを手に入る力も財力も有り余るほど持っているのだ。
「別に今食べなくてもいいんじゃないか?」
「何言ってるのよアルト!夏にクーラー付けて鍋、冬に炬燵でアイスって言うじゃない!」
「・・・誰だそんなのが庶民の贅沢とか言う都市伝説をコイツに教えたのは」
「それと同じで家でのアイスはお風呂上りに食べるのよ!!」
「どういう理屈だそれは・・・というか、どうでもいいけど早く食わないと溶けるぞ?」
「あらあら」
言うが早いか、シェリルは溶け始めたアイスクリームを掬い嬉しそうに食べ始めた。
一口食べる度に打ち震えるその心情を表してみるならば、『おーいしーい♪』『もう最ッ高!!』というところだろうか?
よくもまぁこんな安物のアイスクリームでここまで幸せになれるものだと、アルトは苦笑する。
ここまで喜ばれるとまるで自分が丹精込めて作った料理が市販のアイスクリーム同じ位置に並んでいるようではないか。
「・・・・アイスクリームもいっそ自家製にするか。」
「ん?ヒャルト、はにはいっは?」
「いや、別に何も。」
小さな決意を含んだ言葉の意味を幸せそうにアイスを頬張る彼女は知らない。
そして、その言葉がシェリルにお家用アイスクリームというものを教えた狙撃手の小さな彼女へのやきもちが含まれていることも。
彼女の意識はそのほとんどが変わらずカップの中のアイスクリームにだけ注がれていた。
「あぁっ、ひゅめたくておいしーい!お風呂上りのアイスはやっぱり最高ね!」
「そろそろ半分だぞ?蓋して戻してこいよ」
「ん、分かってる!」
アルトの指摘にシェリルは素直に頷くと残ったカップから特大の一口を掬い上げ、口の中に放り込む。
そしてそのままアイスクリームに蓋をし、スプーンを持って流しに向かった。
無事にお風呂上りの儀式は終わったようだ。
やれやれというようにアルトは再び見るともなく広げていた新聞へと視線を戻した。
別段面白いような記事はない。
誰それが結婚しただの、離婚しただのというアルトからすれば興味もないものばかりだ。
もっと他の話題をを取り扱えばいいのにと芸能面に愚痴りつつ、紙面の中で微笑むシェリルを軽く弾いて、アルトは紙面を閉じた。
同時に再びソファーが弾む。
「ちゃんとスプーン水に浸けたか?」
「・・・・・」
無言の返事にアルトがシェリルを見ると、彼女は渋い顔をしていた。
口元が窄み、眉間にしわが寄っている。
今度は何だ?とアルトが思った瞬間、シェリルが両頬を温めるようにして手のひらで覆った。
『お前は何歳児だ。』思わずそう突っ込んでしまいそうそうなアルトの眉間にも同じように皺が寄る。
彼女が感じているだろう感覚が自身の頭にも同じように響くのを片手で抑えるとアルトは深く深くため息を付いた。
「ったく!」
「ーーーーーッ!!!」
手早く首に手をかけ、顔を上向かせるとアルトは噛み付くようにしてシェリルの唇を塞いだ。
いつもとは違う甘く冷たい感覚。
呼吸にバニラの香りが混ざり、肺へと流れこんでいく。
口端から無理やり押し入るとその香りがますます強くなった。
融けたアイスクリームと唾液の混ざったぬるい液体を舌先で舐めとりながらアルトは最も香りの深い部分を探る。
舌で触れた口内は温度を失われてどこも冷たくなっていた。
それなのに、シェリルはその元をなかなか渡したがらない。
この強情っぱりがっ!っとアルトは心内で毒づくと、逃げられないようにと顎を掴んだ手をしっかりと固定し、
身体と体重を使ってシェリルをソファーの背へと縫い付ける。
上向かせてしまえばこっちのものだ。
防御の薄くなった口内へと無理やり潜り込み行き場を失ったアイスの欠片を見つけた。
懸命に掬い上げようとするものの、アイスは滑るばかりで捕まらない。
何度やってもシェリルの舌の上で蕩け、逃げていくのだ。
「ッ、ンッ!」
うまくいかない苛立ちを抑えながら執拗に舌先で触れるていると、だんだんとシェリルの身体に力が篭っていく。
どうやら、融けたアイスと飲み込めない唾液のせいで限界が近いようだ。
これ以上堪えさせるわけにもいかないとアルトがゆっくり身を引くと、半ば涙目になった空色の瞳が悔しそうにアルトを睨んでいるのが見えた。
同時に、シェリルの喉元がコクリと小さな音を立て、飲み込めなかった液が一筋シェリルの口元を伝った。
「急に何するのよ!びっくりするじゃない!!」
「お前があんなことするからだろ?」
「だって、最後の一口だったのよ?なのにあんなにすぐ融かしちゃうなんて・・・・」
「シェリル、人間に頬袋はないんだぞ?」
「でもちょっとなら・・・」
「口の中に凍傷作る気がないなら止めとけ」
いいすがるシェリルに対してアルトは冷たい。
言葉では勝てないと悟ったシェリルが言い淀んで俯くと、アルトは優しく髪を撫でてやった。
怒っていたシェリルの肩から力が抜けすぐに大人しくなったとこ頃を見ると、自分に非があるのは分かっているのだろう。
いつもこんなに素直なら可愛いのにと苦笑しながらアルトはシェリルをぎゅっと抱き寄せた。
抵抗せず抱きしめられてはいるものの、こうなったシェリルは自ら抱きついてくることをはしない。
嬉しさ半分、整理のつかない気持ち半分といったかんじなのだろう。
そんなシェリルにやる気なく尻尾の先をぴよんぴよんさせる猫の姿が重なって見え、アルトは思わず吹き出した。
「・・・何よ?」
「いや?なんかお前って猫みたいだなって思ったんだよ。」
「それ褒めてるの?」
「どうだろ
「もうっ!」
アルトの言葉に拗ねたような声を上げると、シェリルはアルトの胸元へと顔を押し付けてきた。
その様子がたまらなく可愛く見えた。
「シェリル?」
「・・・・・」
「シェーリル?」
「・・・・。」
2度ほど呼んでタンクトップから顔をひっぺがす。
面白くなさそうな唇に優しいキスをしてやると、今度はタンクトップの裾をぎゅうっと掴まれた。
「アルトはずるいわ。」
「何がだよ?」
「ホント、ズルいんだから・・・・。」
悔しさが滲んだその言葉は、甘い余韻を残してふわりと消えていった。
シェリルが顔を上げるのを合図にしてもう一度唇を啄んでやる
先ほど香ったバニラがふわりと唇と鼻先へと蘇ってくる。
深追いはせず、気ままにキスを繰り返した。
軽く合わせて下唇を食めば、隙を見て逃げる。
舌先をねじ込んで優しく吸えば、唇が音を立てる。
戯れに何度も繰り返せば、その度攻守が入れ替わった。
仕掛けたのは自分からだったはずなのに、気がつけば溺れていた。
逃げる唇をいつの間に追い詰めて、服従させたくてたまらなくなった。
そんな欲を背徳心が煽る。
「んっ・・・アルッ・」
不意を突かれて荒々しく塞がれた唇から漏れた声と熱にアルトの脳天が微かにしびれた。
驚きに緩んだ僅かな間をついて潜り込み、舌を絡ませるとシェリルの身体が強張るのが分かる。
怯えともとれるそれすらをも糧として、湧き上がった情動は膨らんでいく。
先ほどとは違う温かくなった口内を思うままに蹂躙しながらアルトはゆっくりとシェリルに伸し掛かっていった。
水音を立てて、二人分呼吸と唾液が混じり合う。
息をするのさえもどかしく思えて、夢中でシェリルの唇を追った。
唇に馴染んだ柔らかな感覚。
それが引き金となって、次々に身体が覚えた記憶が蘇ってくる。
熱い身体。
荒い息遣い。
肌の匂い。
細い骨格。
柔く、丸みを帯びた肢体。
潤んだ瞳と火照った頬。
どうしようもなく可愛くてたまらないのに、もっと苛めたくなってしまう感覚。
もっと、もっとという言葉ばかりがドクドクという脈拍と共に頭の中を巡っていく。
求めるように伸びてくる腕が自分だけのものなのだと思わせる時の嬉しさは、言葉にならなかった。
「はッ・・・ぁ・・」
さすがに酸素なしではいられなくなって解放すると、シェリルが大きく息をついた。
戯れが突如として本気へと変わったのだ。
翻弄されないでいられるはずがなかった。
「あ、その・・・悪い。」
謝罪の言葉を口にしながら急いでアルトが立ち上がり、距離を取る。
ソファーの上でぐったりとなったシェリルにほんの少しの罪悪感を覚えながらもアルトの熱は治まらない。
それどころか、次はどうしてやろうかという凶悪な感情が肌の下で蠢いているのだ。
御しきれない感情を隠すようにアルトは熱い息を吐いた。
余裕がなさすぎると我ながら思う。
歯止めをかけなければいけないと思う瞬間はいくつもあったのに、己を突き動かす感情に簡単に飲まれてしまう。
このままではいつかシェリルに嫌われてしまうかもしれない。
そこまで考えが巡った瞬間、思い出したのは強張ったシェリルの身体だった。
そして、一方的に盛る男をみっともないと思う心と不快感。
一瞬にして頭が冷えた。
シェリルの気持ちも考えず、一方的に組み敷こうとしたのは誰だろう。
そんな自分に対し、シェリルが昔の自分と同じ感情を抱かないということもない。
むしろ、そんな自分への拒否感から身体を強張らせていたのかもしれない。
そんな不安に心が震えた。
『男女が結ばれる行為は自分が心から好きな人と結ばれ、望みあった時でなければ意味がない。』
過去にそう軽々と言ってしまえたのは、幼い自分の驕りだった。
道理や理性の箍を簡単にふっ飛ばしてしまえる感情を知らないが故の言葉。
恋をするということ。
愛するということ。
愛されるということ。
そして、その心地よさ。
嬉しさ。
愛しさ。
血肉を得た感情や感覚が持つエネルギーを知った今なら、信じていたことを貫くことの難しさが分かる。
適度に何かで息を抜いたり、意識的に興味を逸らさなければ、男はそれだけでいっぱいいっぱいになって、勝手に爆発してしまう。
表に出して騒がないだけで、結局中身は彼らと何一つ変わらない、色恋に溺れる普通の男なのだ。
「これを抑えるのはたしかに・・・・キツい・・な・・」
「・・・アルト?」
それくらい子供だったんだなと自嘲気味に笑ったアルトにようやく息の整ったらしいシェリルが不思議そうな視線を向ける。
その瞳に非難の色がないことに少し安堵しながら、アルトは床に膝を着きソファーに座るシェリルを見上げた。
「・・・お、俺に、キスされるのって・・・嫌、か?」
「?!」
突然の疑問に今度はシェリルの瞳が揺れる。
少し前にキスの応酬をしていたというのに、今になってそんなことを聞かれたのだから飲み込めなくても当然だろう。
分からないという疑問そのまま瞳に写してアルトを見つめるシェリルの手をアルトは優しく握り締める。
きゅっと握り返された手にその先に進む勇気をもらったのはアルトだった。
「その、・・キスする時お前ガチッて音するくらい見事に固まるだろ?だから・・・」
「~~~~~~~~~!!!」
アルトの指摘にシェリルの顔が朱に染まる。
そのことにさらにうろたえたシェリルがとっさに顔を隠そうとするけれど、両手はアルトに捕まったままだ。
2,3度手を引き抜こうした後で、アルトに離す意志がないことを悟ったシェリルは最後の抵抗とばかリに急いで俯いた。
どうやら身体を固くしていたのは無自覚ではなかったらしい。
その事実にアルトがわずかに緊張する。
そのくせどんな答えが返ってくるかはまったく想像がつかなくて真っ白で、ヤバイ、ヤバイという単語だけが頭の中を回る。
降りてきた沈黙に先に耐え切れなくなったのはシェリルだった。
「・・・・・からよ。」
「わ、悪い聞こえなかった!」
「!!!!」
今にも掻き消えそうなシェリルの声にアルトが慌てる。
慌ててもう一度と言えば、今にも溢れそうなほど涙を貯めたシェリルがアルトを睨み返してきた。
「しょうがないじゃない!頭がおかしくなるんだもの!!へ、へんになるんだもの!!
あんたにキスされると勝手にお腹の辺りがきゅうってなって、背中がゾクゾクってっっっ!!」
「・・・・・・・」
「身体がおかしくなるの自分じゃ止められないんだからどうしようもないじゃない!!アルトのばかぁ!!!鈍感!!朴念仁!!変態!!何言わせるのよもうっ!!」
一気にまくし立てたシェリルの中でも何かが弾けたのであろう。
ぼろぼろと大粒の涙がこぼれ落ちてきた。
あっけに取られたのはアルトの方だ。
うまく飲み込めなかった最初の方の単語をなんとか理解しようとしている間に告白が罵詈雑言へと変り、
掴んでいた手はシェリルの瞳からあふれる涙に濡れていく。
立ち上がりかけの端末のようにノロノロとしか頭は動いていなかったけれど、身体は勝手に動いていた。
口をへの字に曲げ、うぅ~と呻るように泣くシェリルの顔を胸に押し付け、抱きしめる。
開放した腕が暴れようとする前にぎゅううっと思いきり力を込めた。
・・・・とりあえず、嫌がっているっていうわけではない・・んだよな?・・・・間違いじゃないんだよな?
シェリルに聞かれでもしたら渾身の一撃をくらっても仕方のないことを心内で思いながらアルトは片手でゆっくりとシェリルの頭を撫でてやる。
今無理やり顔を上げさせたらきっとすごい惨状になっているはずだ。
涙で髪が両頬に張り付いて、頬は真っ赤に違いない。
グシュグシュと音を立てて洟をすすり上げているから、ティッシュも必需品だ。
そんなことを考えていたら、いつの間にか口元がにやけてしまっていた。
久しぶりに聞いたシェリルの裸の言葉。
繕う余裕さえない言葉が、じんわりとアルトの心へと染み入ってくる。
そんな不思議な感覚が気持ちよくて、嬉しくてたまらない。
泣かしてしまった罪悪感を感じるよりも先に喜びが立つのだ。
ポトン、ポトンとコーヒーのドリップが下の容器に溜まっていくように心を満たすものがかさを増す。
渡したそばから丸まっていくティッシュをゴミ箱へと放り込みながら、アルトはもう片方の手で何度も何度も背中をさすった。
「シェリル?」
「・・・っ・何よ。」
返ってきた声は涙のせいで、少しおかしかった。
もう涙は湛えていなかったいなかったけれど、潤んだ空色はまっすぐ自分を見ていた。
取り乱したのが恥ずかしいのか、まだ頬はピンク色だ。
それを可愛いと思った瞬間、それが引き金になった。
急速に込み上げてきた愛しさをどうしたら良いのか分からなくて、胸のあたりの苦しさが増した。
深く息を吸い込むことさえ出来なくなった。
「ア、アル・・・・」
押し黙ったアルトをシェリルが見上げた瞬間、強い力がシェリルの腕を捕まえる。
驚きに目を見張った瞬間、腰のあたりを抱き寄せられ、あっという間に寝室へと連れ込まれた。
押し倒されたのはベットの上。
自身の上に覆いかぶさったアルトは、先ほどまでの強引さが嘘のように優しくシェリルの頬に触れた。
互いに言葉はない。
アルトのキレイな指先がシェリルの頬を滑る。
すでに涙の後はないというのに、それを消すように優しく頬を撫でられた。
「・・・身体がおかしくなるって言ったよな?」
「!!」
「それって、"そういう"ことか?」
リビングからの光で微かに見えるアルトの表情にシェリルの身体が震える。
直接的な言葉を用いたわけではないけれど、艶を含んだアルトの声が何を意図しているのかは明白だった。
ここで答えを返したら、アルトに嫌われてしまわないだろうか。
そんな疑問がシェリルを怯えさせる。
それでもその瞳の前で嘘は付けなかった。
コクリとシェリルが頷いた瞬間、生温い舌がシェリルの中へと入り込んでくる。
その感触に身体を硬くする前に、アルトの足がシェリルの足の間へと差し込まれる。
両手は頭の上へと縫い付けられ、それとは別の手が顎へと添えられる。
大きい獣か何かに組み伏せられているようだった。
強引に中へと入ってきた舌は、目的の物を見つけるとねっとりと絡み付いてくる。
戸惑うように逃げる内に何度も舌先が口内をくすぐる。
その度に首のあたりがゾワリと音を立てて毛羽立つようだった。
その感覚が下肢に響くのを止めようと、堪えるけれどそう長くはもたない。
太ももを擦りあわせたいのに、間にある足が邪魔で上手くいかないのだ。
何度も何度もこらえようとしたけれど、その度に呼吸や舌先がその邪魔をする。
繰り返す小波のように広がる感覚に、いつしか身体が保てなくなった。
熱くざらつく舌に擦られるだけで、思考が蕩けていく。
キツく吸われるだけで、全身の産毛が逆立つ。
そんな感覚が気持ちよくて、気づいたら自ら舌を絡めていた。
離れることがもどかしい。
もっともっとキスをして、トロトロに溶かして欲しかった。
唇に降りていたキスは首筋へと位置を変え、ゆっくり下へ降りていく。
首筋へと頬が寄せられ、愛しそうに身体に擦り寄られたかと思うと、キャミソールの肩紐が外される。
先程からのキスによって先端は痛いほどに膨らんでいた。
裸に剥かれた胸が外気へ触れたそのすぐ後で、温かいものに優しく吸われる。
待ち望んだ感覚に一瞬背中が反るけれど、十分でない刺激にもどかしさが募る。
先端をチロチロと舐られる度に身体が疼き、もっと強い刺激が欲しいと足の指が何度もシーツを掻いた。
刺激を与えてもらえるのは片方の乳房だけ。
もう片方は触れても貰えずに、その先端を立ち上がらせている。
触ってほしくてたまらないのに、それが伝わらない。
「もっとシて・・・。もっと、激しくシて・・・・」
思わず零れた言葉。
淫乱なその言葉に発したシェリルの身体がカッと熱くなる。
その言葉に一瞬息をつまらせたあとで、カリリッと胸の先を噛まれた。
下腹の辺りがじりじりと疼く。
鋭い痛みを感じた後に優しい舌滑り、感覚を上から塗り替えていく。
イタズラに弄ばれる感覚が気持ちよくてたまらない。
それだけで羞恥心など飛んでいってしまった。
もっと触れて、もっと乱して欲しい。
そんな勝手な期待ばかりが募り、端から熱へと変わって肌の下に潜り込んでいく。
「・・・・・ぁ、ッ・・・」
大きな手が左胸に触れられただけで、思わず歓喜の声が上がる。
それだけで"どう"して欲しかったのかを理解したのか、囚われていた腕が解放させられた。
唇は右胸にむしゃぶりついたまま離れない。
左胸には手のひらが押し付けられる。
「あぁ、もうこんなに硬い。」
囁くように言われた一言に、耳元がゾクリとする。
濡れた胸元に当たる息の感覚がむず痒い。
そんなになるまで彼を欲していたのだと、改めていわれると恥ずかしくなる。
自由になった腕を背中に回したら、余計に欲情した。
ゴツゴツと筋肉が隆起した背中。
かつての魅せるため身体ではなく、戦い、空を駆けるために創られた身体だ。
出会った時は女のことも男の子とも分からぬ姿をしていたというのに、今はその腕に抱かれることが何よりも嬉しいと思っていることを、きっとこの朴念仁は知らないのだ。
たくましい腕。
大きな肩。
ゴツゴツとした無骨な骨格。
甘くない肌の匂いは、肩口に顔を埋めると何よりも安心できた。
優しい瞳に見つめられる度に胸は勝手に高なった。
身体は段々と男臭くなっていくのに、その流れるような所作で変わらずキレイで人の目を引く。
時間を重ねるごとに、
抱かれる度に、
この男の全てが好きなのだと自覚させられる。
それがほんの少し悔しい。
好きになっているのは、自分ばかりのように思えるのがもっと悔しい。
そしてそんなことを思われていることに、この男は気づきもしないのだ。
「・・ッとに、・・ズル・・ぃ・・・」
零れた恨み言。
それが耳に届いたのかは分からなかったけれど、今度は左胸を食まれた。
ぷっくりと立ち上がっていただろう先端は鋭敏になっており、触れられただけでも痛いくらいだ。
何度も何度も舌先で転がされ、吸われ、潰される。
右胸には指先が走り、濡れた肌の上をつーっと滑っていく。
優しく揉まれたかと思えばまさぐるように触られ、より身体が反応する場所はないかと丹念に調べられる。
ピクン、ピクンと身体が跳ねる度に、触れていた場所を執拗に攻められた。
「あ・・・っ、あぁ・・・」
息を詰まらせるようだった呼吸に嬌声が混じりだすと、アルトの下肢の間の存在感が増す。
ドクドクと脈打ち、昂ぶっていく。
もう少しだけ、もう少しだけと必死になって唱えながら、組み敷かれた白い肌に再び顔を埋めた。
唇を乳房から離し、腹部へと下る。
そのついでにキャミソールを脱がし、上半身を裸にした。
何処までも柔らかい胸とはまた違った感触に喉が鳴る。
試しにぺろりと舐めてみると、微かに塩の味がした。
良い肌の匂い。
しっとりと吸い付くような感触。
この誘惑に勝てる男など存在するのだろうかと思ってしまうくらいに心地いい。
自分が何かする度にビクビクと震える様子もまた可愛く、愛しかった。
腹部に唇を落として、何ヶ所がに印を施した後で、ゆっくり、焦らすように降りていく。
下肢を覆う短い夜用のホットパンツを取り払いショーツに触れると、そこはすでにぐっしょりと濡れていた。
一番最初に膝と膝の間に自分の太ももを押し込んでおいたから、いつもより感じたのかもしれない。
「シェリル、・・・濡れてる。もう下着もぐちゃぐちゃだ。」
わざとそう言ってやるとまた身体がぴくんっと震える。
シェリルと身体を繋ぐ前は、言葉で誰かを虐めることや性的な行為には淡白な性格をしていると自身でも思っていたのだけれど、
相手が彼女になると、そんなことを思っていたのが信じられなくなる。
虐めて、我慢させて、強請らせて、
自分を欲する姿を見せて欲しくてたまらなくなる。
そして、それに余裕がないほどに自分の感情は満たされていくのだ。
キスをしてとせがむ姿。
全てを晒され恥ずかしさに頬を染める姿。
もっと強い刺激をちょうだいと腰を揺らめかせる姿。
世間一般の連中が永久に知ることのない自分だけが見ることのできる姿だ。
「足立てて。」
そう言葉にするだけで従順に従う。
濡れていると言われたことが恥ずかしいのだろうか、緩慢な動作はアルトを焦らす。
そんな行為が箍を外す一役を買っているとは夢にも思ってないのだろう。
言葉のままにゆるゆると立ち上がった膝に手をかけ、アルトは一番染みが濃い場所へ舌伸ばした。
濡れたショーツがしっかりと秘部にくっつき、そのカタチを露わにするように舌を走らせる。
幾日ぶりかに触れたショーツを濡らす液体は、いつもより少しとろみを増しており、彼女の汗より濃い海の味がした。
「ッ・・・そこ、やぁ・・・」
ぴちゃり、ぴちゃりと音を立てて、何度も上下に扱いてやると、言葉とは裏腹に腰が揺らめく。
微かにベットが揺れたのが分かったから、いやいやと頭を振ったのかもしれない。
だが、それをされたかといってやめてやるつもりなど毛頭なかった。
次々こぼれ落ちてくる甘い蜜を舐めとるようにして舌を走らせる。
一枚の濡れた布を境にして感じる彼女の秘部は熱い。
過去の経験からその奥の熱を思い出すと、再び下肢の間の昂りが大きくなった。
ショーツを引っ張り、布の面積を小さくしていく。
端から性器が露わになるにつれてそこをチロチロとくすぐった。
重なりあった襞に舌を這わせながらその中心へと進む。
ちゅっと音を立てて吸い上げると、一段と大きく彼女が身を捩った。
重なりあった数はもう覚えていないくらいなのに、こうして戯れる度に興奮する。
仕事で離れる前の日にはお互いふらふらになるほど貪るくせに、次の日にはもう飢えている。
そればかりかじっと待つのを耐え切れなくなる日もある。
まるで獣だなと苦く笑ったあとで、アルトは重くなったショーツを剥いだ。
隠すもののなくなった秘部に指を差し入れると、すぐに温かな液体に触れる。
とろみを帯びたそれは、水で薄められた水飴のようだ。
アルトはそれを指に絡め、奥へと埋めていく。
一本目は軽く飲み込まれた。
二本目を差し込むと水の膜を割くような音がする。
中を押し広げるように、内側の肉を掻けば、シーツが引かれる音がした。
「いつからこんなにしてたんだ?」
アルトの冷静な声に応える声はなく、返ってくるのは荒い呼吸音だけだ。
指を中に押し込んだまま、アルトは体を起こしシェリルの顔を覗き込んだ。
額にはうっすらと汗が滲み、再び潤んだ瞳がアルトを見上げる。
瞳の端に優しいキスをした後で今度は口元を塞ぐ。
舌を押し込み軽く吸い上げた後で、指先を動かせば白い身体がしなった。
「最初にキスした時からか?」
アルトの問いかけにシェリルは答えない。
答えを強請るように熱い粘膜をこすり上げれば、再びビクビクと身体が震える。
耐えられなくなったシェリルが首を振るとけれど、アルトは指の動きをやや緩慢にしただけだ。
「頭と身体が、"どう"おかしくなるんだ?」
感情をもたないような問い。
同時にもう2、3度中が泡立つようにかき回してやる。
「ぁ、・・っ、ぁんッ・・・・ぁぁぁ!!」
悲鳴にも似た嬌声が上がる。
ガクガクと腰が震え、逃げようと身を捩る。
唇を塞ぎ、舌で攻め立ててやれば限界近くまで彼女を追いむことができるのをアルトは経験から知っていた。
それでも絶頂を向かえることは許さない。
達してしまいそうになるその一歩手前で手を緩めるのだ。
絶えることのない快感と達せないもどかしさに、恥ずかしさも何もかもを取り払ってしまいたくなる。
全てはシェリルの口から具体的な言葉の意味を引き出したいがためのアルトの我侭だったのだが、
追いつめられたシェリルにはそれを考えるだけの余裕はなかった。
「・あぁ・・っ、・シ・たく・・なるのぉっ!!・ッ、ん・・・アルトッ・・と・・はぁっ・・もっとえっ・ち・・なコ、ト・・したぃ・・のぉっ」
アルトが執拗に許さないのは、自身のついた嘘のせいだと思い込んだようだ。
叫ぶような告白はアルトの口元を緩ませ、アルトの箍を外した。
掻き回していた指を抜き、手早くズボンと下着を取り払い、昂った己を入りだらしなく愛液を零す口へと押し当てる。
突き刺すだけでポタポタと染みを作らんばかりになった愛液に先端が浸った瞬間、思わず腰が引けそうになった。
衝動的に解放しそうになるのを堪え、奥へ奥へと己を埋めていく。
飲み込まれた先から熱い内壁がねっとりと絡みつき、さらなる刺激を求めてくる。
長い時間弄ばれたせいか内側はいつもより熱く、蕩けていた。
待ち望んだ感覚に背筋は震え、身体中の血が沸騰する。
下肢から脳天までビリビリする何かが駆け上がっていく。
気を抜いてしまえば、一瞬にして持っていかれてしまうような感覚の中で迫り来る吐精感を堪えるのは、かなりの気力を要した。
思うままに腰を進め、後は気の済むまで貪るだけだというのに、解放を許されない熱塊が疼く。
きゅうきゅうと絞めつけてくる内壁の隙間を見つけて押し開く度に、全てを搾り取られそうになる。
それだけでも大変だというのに、視覚や聴覚がそれを煽るのだ。
薄暗い視界で跳ねるのは、赤い印をいくつも残された白い裸体。
穿つ度に貫かれた背中は反り、豊かな乳房が輪を描く。
赤く熟れた先端は、摘んでもらえるのを待つ果実のようにぷっくりと立ち上がり、アルトの視界で揺れた。
メロディーを紡ぐはずの唇からこぼれるのは、甘い嬌声。
恥じらう声に溶けるのは、解放を望む女の欲。
切なげに名前を呼ばれだけで独占欲が満たされていく。
いつも素直でないくせにこんな時ばかり素直でなおさら可愛くなるのだから困ったものだ、っとアルトは小さく笑った。
「ぁ・・・あっ・・・も・っ・やぁ・・」
ビクビクと震えながらも必死に背中でしがみ付いてくるシェリルはもう長くは持たないだろう。
今までの経験からそう悟ったアルトは動きを大きくする。
太ももを抱き上げ、開き、より接合部が見えやすいように持ち上げると、あふれた愛液が足の間を伝った。
「シェリル・・・・気持ち・・いい?」
「・ッ・・・もち、ぃ・・いぃ」
「・・・・俺の、コトは?」
「・・ぁ、・・・・・。」
イタズラ心で仕掛けた問いかけは不発に終わった。
こんなギリギリでも理性を完全に手放している訳ではないらしい。
畜生、肝心なことは言わないのか!と毒づきながらアルトは恥ずかしさを押し流すように、奥を攻め立てる。
擦り上げる度に生まれる悦楽の波は、引くことを忘れたように幾重にも重なって全身を巡った。
波状に広がる波に溺れそうになりながら、その感覚に縋りつく。
限界まで溺れまいと必死に呼吸を繰り返した。
最奥を絶え間なく探り、より深い場所へと己を届ける。
細い腰が震えるのに合わせて内壁も痙攣しているようだった。
共に溶けてしまえるように、共に達することの出来るように
思うことはそれだけだ。
何度目かの波の余韻を引きずるようにして一層深く内を穿った瞬間、
シェリルの呼吸が止まり今まで以上の強い力が己を包んだ。
いくつもの熱い手が争うように絡みつき、全てを吐き出させようとする。
抗う余裕などどこにもなかった。
限界なのだと分かっていた。
一瞬の緊張の後、熱塊が弾ける。
吐き出された白濁は痙攣の度にその最奥へと注がれていく。
ようやく許された解放に息を付けば、腹がビクビクと震えた。
顫動する度に、新たな欲が吐き出される。
その全てが腹へと注ぎこまれるのを待ってから、アルトはベットへと転がった。
先にベットへと沈んだシェリルが気だるげに身体を起こし、アルトの側へと寄り添う。
柔らかな微笑が自分を見つめていることに、嬉しさを感じながらその頭を抱いてやると、
満足そうな吐息が聞こえたような気がした。
長時間使役された身体は熱を帯び、未だに引かない汗がその表面を濡らしている。
独特の倦怠感と眠気で朦朧とする中で、意地悪な言葉を囁く声の主を抱いたままアルトは意識を手放した。
目覚めた後でもう一度聞いてみようと思いながら、今はただ朧気な記憶の「あいしてる」をそっとリフレインさせる。
アイスクリーム分のカロリー消費代としてねだるのもいいかもしれない。
そう思って笑った。
END
803 名前:fusianasan[sage] 投稿日:2012/01/21(土)
06:47:00.13
長レスすみませんでした。
結局毛嫌いしてた男どもと自分の本質って一緒だったんじゃないかな~と気づく野獣あるとさんが書きたかったのです。