今日(6月の第1日曜日)が「プロポーズの日」だと聞いたので…オリンピア出向前のプロポーズ話を…
えぇっと、前スレ帰還その後SSの補完補足…って言うか、そんな感じです
こうだったらいいなって言う、脳内妄想ダダ漏れ、誰これSS
話を短くまとめることが出来ない自分にorz
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「お前、変わった訓練やってるみたいじゃないか」
「…オズマ隊長」
訓練を終え一息つこうと向かったカフェスペースで、アルトは休憩を切り上げるところだったらしいオズマに声を掛けられた。
「あぁ…変わった訓練って言うか。VF-25のフライトコントロールをエミュレートモードにしてEXギアの補助なしでマニュアル操縦してみたらどうだろう…って。昔の戦闘機乗りの操縦感覚ってのを知りたいと思って」
そう話すアルトはどこか子供のようにわくわくとした表情を浮かべていて、オズマは肩を竦める。
「相変わらず、この空バカは研究熱心だな」
「…空バカってなんだよ」
ムッとした顔をして、小声で呟くアルトにオズマは笑いながら言う。
「お前、アグレッサー目指してみたらどうだ?」
「………アグレッサー?」
キョトンとした顔で聞き返すアルトに、オズマは頷きながら話を続けた。
「そうだ。SMSの教導部隊だ。各船団の基地をまわって、現地のパイロットたちに実践に近い訓練を受けさせ戦技指導を行うのが、まぁ大まかな仕事内容だな。アグレッサーは、なりたいからって誰もがなれるわけじゃないが、やる気があるなら推してやるぞ」
「はぁ」
いきなり振られた話題に、アルトは目を瞬かせると間の抜けた返事をした。
そんなアルトに、オズマは笑って彼の肩を叩く。
「お前は、賢くて向上心のあるパイロットだ。まぁ…無鉄砲なのが玉に瑕、だが。悪い話じゃないはずだ、考えておけ」
そう言うと、オズマはアルトに向かって軽く手を上げると、カフェスペースをあとにした。
残されたアルトは、思案顔をしてオズマの背中を見送った。
「ねぇ…」
「ん…?」
情事のあとのシェリルの気だるげな声に、ベッドサイドに腰掛け、自身の後始末をしていたアルトはそっと彼女を振り返る。
「なにか、あった?」
じっと空色の瞳に見つめられ、アルトは驚いたように目を見開く。
「え…」
「いつもと違ってちょっと乱暴だったわ」
続くシェリルの言葉に、アルトは気まずそうに頬を赤らめる。
「…ご、ごめん。痛かったか?」
「うぅん。たまにはこう言うのも、刺激的で悪くないけど」
そう言ってシェリルは猫のように瞳を細め笑う。
その空色の瞳の奥に、自分を心配する色を見つけたアルトは苦笑した。
「なんでお前にはすぐに分かっちまうんだろうな…」
呟くように言うと、アルトはベッドに潜り込みシェリルを腕に抱きこむと、昼間のオズマとの会話を彼女に話した。
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「アグレッサー??」
アルトの話に、シェリルはキョトンとした顔で小首を傾げる。
昼間の自分と同じ反応に苦笑しながらアルトは続ける。
「そ。簡単に言うと……『鬼教官』?」
「はー?なにそれ。簡単に言いすぎじゃないの」
そう言って笑うシェリルに、アルトは「いや案外的を得てると思うけど」と呟く。
「………で?アルトは目指すの?その鬼教官…『アグレッサー』」
ひとしきり笑うと、シェリルはじっとアルトの目を見つめ問う。
「…迷っては、いる」
「ふぅん。でも、やりたい、でしょ?」
「…ん。そう言う道もあるのか、と思った。そう言う道に進むのも悪くないかなと、思った」
遠くを見つめるように、己の内側を見つめるようにして話すアルトに、シェリルは瞳を伏せ微笑む。
「そうね。誰もがなりたいからってなれる職種じゃないんでしょ?せっかくオズマにも認めてもらったんだし、目指す価値、あるわ」
こういうときは、たいていアルトの中で答えは出ているのだ。
だからそっと背中を押してあげるだけ。
だって、空に焦がれるあんたを地上に繋ぎとめる足枷にはなりたくないもの。
「空バカなあなたが好きよ」
そう言ってシェリルが笑うと、アルトは顔を顰めた。
「昼間、隊長にも言われた…」
「え、好きだって?」
あらモテモテね、と囃し立てるシェリルに、アルトは眉を上げ言う。
「ちょっ、なんでだよ!そうじゃなくって、空バカって」
「あらやだ。あたしオズマと気が合うわね」
いやーん、と黄色い悲鳴を上げるシェリルに、本気で機嫌を損ねたアルトは腕の中の彼女を再び組み敷くと、その身体に乗り上げ言う。
「お前がアイツと気が合ってたまるか!お前は俺との相性が抜群なだけでいいんだよ!」
無自覚で凄いことをさらっと言ってのけるアルトに、シェリルは頬を染め、眉を下げる。
「分かってるわよ。あんたのことは、あたしが誰よりも…。あんたが何を目指しても応援するわ」
優しい光をたたえる空色の瞳に、アルトは細く息を漏らす。
いつだって敵わない。たったこれだけの会話でも、シェリルは自分の心の深部を見抜いてしまう。
シェリルが自分の一番の理解者だ。これまでも、これからもずっと。
「シェリル……」
吐息のように名を呼び、アルトは再びシェリルの身体に沈んでいった。
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それから、アグレッサーを目指すアルトは、これまで以上にVFに関する知識や技術を身に付けるため、時にSMSに缶詰になりながら、試験対策に追われていた。時間はいくらあっても足りない。
仕事を再開していたシェリルとの生活も、擦れ違いも多くなってしまったが、それでもお互いどうにか時間を見つけては、貪るように二人の時間を大切にした。
そんな生活が続いたある日、シェリルの携帯に、無事アグレッサーの資格を取ったとアルトから連絡が入った。
仕事を終え、急いでマンションに戻ったシェリルは、リビングのソファに座っているアルトの思い悩むような表情に、ドアを開け立ち尽くす。
お祝いにと買って帰ったシャンパンのボトルが、鈍い音を立て床に転がった。
「どうしたのアルト……」
アルトに近づくことも出来ず、思わず唇から零れたシェリルの呟きに、彼はそっと顔を上げると徐に口を開いた。
「早速アグレッサーとしての、出向先が決まったんだ。オリンピア船団のガイノス3って言う惑星だ」
「出向……オリンピアに?」
シェリルの言葉が震える。
「そうだ」
そう答えて、アルトは再び顔を俯かせると、ひざの上で組んだ両手を見つめる。
たったそれだけで、シェリルは気付いてしまう。ガイノス3への出向はアルト自らが願い出たのだろう、と。
「………そう、ガイノス3かぁ。フロンティアからは遠いわね」
「…あぁ」
「……でもそこなら、飛べるわね。大気のある空」
そう言うシェリルの声は優しい。
「いいじゃない、素敵じゃない!あたしなら大丈夫よ、心配しないで行ってらっしゃいよ」
努めて明るく笑うシェリルに、アルトは顔を上げる。
「シェリル、俺は………」
「……いいから行きなさいよ!」
言いよどむアルトに、焦れたようにシェリルは声を張る。
「っなんだよ、その言い方!」
そんなシェリルの態度に、アルトはムッとして声を上げる。
「…あたしは、あんたの翼にはなりたくても、足枷になんてなりたくないの!」
アルトの声の強さに、シェリルはビクリと肩を跳ねさせるが、それでも負けじと言葉を続けた。
「シェリル!」
「……アグレッサーの任務なんて、目指したときから知ってたはずだわ。他の船団に出向して、現地パイロットの指導にあたるって、聞いてたはずだわ」
大きく息を吐いて、まるで自身に言い聞かせるように力無く呟くシェリルに、アルトは口を噤む。
「だったら、いまさらよ…。だって……あんたが、どれだけ頑張ってたのか、あたし知ってるもの」
そう言うシェリルの青い瞳が涙で滲む。
「………ごめんなさい。素直におめでとう、って言うつもりだったのに…」
笑おうとして、それが無理だと判断したシェリルは唇をかみ締め俯いた。
シェリルの空色の瞳から、堪え切れなかった涙が零れた。
「シェリル……」
痛みを滲ませるアルトの声色に、シェリルは慌てたように口を開く。
「ち、違うの、引き止めたりしない。ここで待ってるから。……だから、別れるとか言わないで…」
「えぇっ?」
驚いたように声を上げるアルトを見ていられず、こんなこと言うつもりじゃなかったのに、と呟くとシェリルはその場に座り込んで泣き出してしまった。
「ちょっ…ちょっと待てシェリル、なんでわか、別れるって…」
「あんたがガイノス3への出向願い出たんでしょ?分かるわよ、それくらい…。そしたら、あたしが居たら邪魔になるじゃない。邪魔なんて、しないから……」
離れてても我慢するから、さよならなんて言わないで、としゃくり上げるシェリルに、アルトは大慌てで駆け寄る。
鬱積した不安やストレスで、抑えきれなくなった心が爆発すると、シェリルは時々こうして子供のように泣き出してしまうことがある。
シェリルの性格を分かっていたはずなのに、アグレッサーの試験に忙しく、それに気付いてやれなかった自分に舌打ちをした。
きっと、アグレッサーの話を聞いたときから、いつか告げられる別れに怯えていたのかもしれない。
他人の心の深部は敏感に感じ取るくせに、そこに自分自身が関わっていると途端に頼りなくなってしまうのだ。
「シェリル……そうじゃなくて……」
座り込んでしまったシェリルの前に向かい合うように腰を下ろし、その顔を覗き込みながらアルトは言う。
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「…一緒に、行ってくれないのか?」
「え…」
告げられた言葉に、泣き濡れた瞳を見開くシェリルを見て、アルトは「あー」と声を上げた。
「ダメだ。ごめん、泣かせるつもりなんてなかったんだよ。ちゃんと言い出せなかった俺が悪い。ちょっと緊張してて…あぁ、もう。カッコいいことなんか言えやしない」
ぶつぶつと早口に捲くし立てると、アルトはガシガシと髪を掻き毟り、大きく息をつく。
「……シェリル」
「えっ、はい」
涙に濡れた青い瞳を、琥珀が真摯な光をたたえ見つめ返す。
「ずっと、そばにいてくれ、これからもずっと。………俺と、結婚して欲しい」
いつか告げた言葉と共に、やっと今口に出来た言葉をシェリルに。
「……っ」
再び涙を滲ませるシェリルに慌てながら、アルトはボトムのポケットをごそごそと漁る。
「あっ、や…。お前の仕事の都合もあるだろうし、結婚…今すぐは、無理かもしれない、けど……。一緒にオリンピアに来てくれないか?離れたくないのは、俺のほうだよ」
頬を染めて早口にそう言うと、アルトはシェリルの左手を取って、その手の平に取り出したシルバーのシンプルなリングをのせる。
「これ…」
「ん…。婚約指輪。……本当は、ずいぶん前から用意してあったんだけど」
「え…」
アルトの言葉に、シェリルは驚き弾かれたようにアルトを見る。
「…なんでそんなに驚いた顔するんだよ。前に言ったじゃないか。俺のためにお前に着てもらうって。ウェディングドレスも白無垢も」
頬を染めて拗ねたように言うアルトに、シェリルはさらに瞳を潤ませる。
「……アル、ト」
「なんせ相手は『銀河の妖精』だ。俺も自分に自信が持てるようになったらと思って…。結構時間かかっちまった」
そう言うとアルトは苦く笑う。
「アグレッサーになって、パイロットとしての自分に少しは自信が持てるようになった。お前と対等とまではいかないかもしれないけど」
指輪の内側に彫られた『#727→#1123』の数字に気付いたシェリルは顔をくしゃりと歪ませる。
「アルト………っ」
「シェリル。俺と結婚してくれませんか」
そう言うと、アルトはシェリルの手の平にのせたリングを手に取り、そっと彼女の左薬指に填めた。
「ばかっ…いろいろ、遅いんだから……!」
キラリと輝く左薬指のリングを見つめ、嬉し泣きの涙を零したシェリルは、勢いよくアルトの首に抱きついた。
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「父さん。シェリルと婚約、しました。シェリルは身寄りがないから、結納とか形式ばったことはしませんが…」
緊張に頬を引き攣らせ言うアルトの隣で、美与の振袖を身に纏ったシェリルが居住まいを正す。
「うむ」
「やっとプロポーズですか」
揶揄するような矢三郎の言葉に、アルトは唇を尖らせる。
「やっとって……。時期を見てたんだ…」
「あの…不束者ですが、よろしくお願いいたします」
畳にそっと指をつき、美しい所作で深く頭を下げるシェリルに、嵐蔵は表情を緩めた。
病気療養のためしばらく滞在していた早乙女家で、シェリルは少しでもアルトのルーツを知りたいと思い、着付けや日本舞踊を習っていた。
元々の勘がよかったのか、今では立派な腕前である。
そんなシェリルを、嵐蔵は息子のアルト以上に可愛がっていた。
「シェリルさん。あなたが娘になってくれて、本当にうれしく思う」
「お義父様…」
「頼りない息子だが、支えてやってください」
穏やかな声色で言うと、嵐蔵はシェリルに向かって頭を下げる。
「もちろんです!」
「父さん…」
思いがけない嵐蔵の父親らしい言葉に、アルトは一瞬言葉を詰まらせる。
「で、いつ式を挙げるおつもりで?」
相変わらずの笑顔のまま、それでもどこか嬉しげに矢三郎が問う。
「それは……まだ。俺の準備が整い次第、SMSのオリンピア支部へ出向、ガイノス3でアグレッサーの任務に就く。そっちでの仕事が一段落ついたらってところかな…。シェリルには、仕事の契約とかもろもろの手続きが全部済み次第、オリンピアへ活動拠点を移してもらうつもりなんだ」
「はい。アルト、さん、から出向の話を聞いて、すぐにあたしも動いたので、2~3ヵ月後にはオリンピアへ移れる予定です」
「婚約の発表は?」
二人の話を聞いて、矢三郎は頷きながらも矢継ぎ早に尋ねる。
「婚約に関しては内々で済ませる。マスコミに騒がれるのは好きじゃない。まぁ…結婚のときは、見せびらかしてやってもいいけど」
「おや、じゃぁオリンピアへついていってもらっても、堂々とは一緒にいられないのですか。寂しいですね、アルトさん」
笑いを含む矢三郎の声色に、シェリルが頬を染め言う。
「あたしの個人専用のVF護衛部隊を雇おうと思っています。SMSのオリンピア支部と雇用契約を結べばツアー中はSSとしてそばにいられるし…。専用のVF機も発注したの」
2機も!と笑うシェリルに、恐るべし銀河の妖精の財力、とアルトは苦笑いを浮かべる。
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「あの、お義父様…。お式はまだ先なんですが…是非、お義母様の白無垢をあたしに着させてください」
豪奢なストロベリーブロンドをゆるくまとめ、頬を染め微笑むシェリルの姿に、ふっと美与の姿がだぶって見えて、嵐蔵は目を細める。
短い結婚生活だったが、それでもお互いを必要とし慈しみ合っていた。
「あぁ、是非。きっと美与も喜ぶでしょう」
アルトにとって嵐蔵は父親と言うより芸の師匠なのだろう。父親らしいことは何もしてやれなかった。
それでも、たった一人の息子が、銀河一の嫁を連れてきた。
それを嬉しく思う自分は、やはり人の親なのだと、嵐蔵は笑う。出来れば、この光景を美与にも見せてやりたかったと思いながら。
「あ…っと、いけね。これからまたSMSに行かなきゃいけないんだ。父さん、兄さん慌しくて申し訳ないですが、俺はこれで失礼します」
慌てた様子で立ち上がるアルトを仰ぎ見てから、シェリルは嵐蔵と矢三郎に視線を移す。
「あ、あたしは今日こちらに泊めていただこうと思うのですが…」
「えぇいくらでも。あなたの実家になるのですから」
嵐蔵がそう言うと、シェリルは嬉しそうに笑みを浮かべる。
「じゃ、シェリルのこと頼みます。」
ジャケットに腕を通しながら、座敷を出て行こうとするアルトに、嵐蔵が声を掛ける。
「アルト」
張りのある声に、アルトは姿勢を正すと嵐蔵を見据える。
「…はい」
「全身全霊を持って、シェリルさんを幸せにしなさい」
嵐蔵のまっすぐな瞳に、親としての情を見つけて、アルトは一瞬目を見開き、ふっと愛想を崩した。
今なら分かる。離れの座敷で臥せっていた母は最期の瞬間まで、父を心の底から愛していたし、家庭を顧みないと思い込んでいた父は、母が亡くなった今でも忘れられずにいるのだと。
チラとシェリルを見、柔らかく微笑むと、アルトは嵐蔵に向き直り笑う。
「あぁ、もちろんだ。銀河一、幸せな花嫁にするよ」
照れくささを隠すようにそそくさと部屋を出て行くアルトに、座敷に残された三人は顔を見合わせて微笑んだ。
ひょいっと座敷から顔を覗かせ、足早に廊下を渡るアルトの背中に向かってシェリルが声を掛ける。
「いってらっしゃい、だんな様!」
子供のように無邪気な、嬉しげなシェリルの声に、アルトは盛大に赤面した。
END
毎週のように妄想垂れ流してすみませ…
ネタが尽きたと思ってもいくらでも沸きあがってくるんだ、アルシェリってすげぇ
最終更新:2013年08月27日 16:37