2スレ322 幼馴染1 リコーダー
322 名前:fusianasan 投稿日:2009/01/09(金) 08:36:37
幼馴染の人じゃねーが。
洗いざらしの髪を無邪気に拭きながら、
シェリルが近寄ってきた。
アルトはなぜか直視できずに、
コットンネグリジェの裾から見える、可愛い足元を見ていた。
「アルト、寝る前にトランプしよう」
風呂上りのシェリルの小さな手が、肩に触れた瞬間、
アルトの身体は電流が走ったように、びくんと震えた。
急にアルトが強張った顔で飛びのいたので、
シェリルは驚いてまばたきをした。
「アルト?」
眼をそらしたまま、アルトは怒ったように言った。
「俺、これから宿題するから」
そう言い捨てて、脱兎のごとく部屋を飛び出して行ったので
残されたシェリルはぽかんとしたまましばらく佇んでいた。
「な、なによ…」
ようやく不満の声を漏らすと、くるりと踵を返してとぼとぼと部屋を出る。
後には、シャンプーのほのかな香りが残った。
一部始終を、矢三郎が見ていた・・・。
朝起きたアルトがまずしたことは、風呂場に飛び込んで
下着を洗うことだった。
とても人に言えないような夢を見た。
自分の中にある、あさましい欲望、しかもそれを幼馴染の
シェリルに抱いていることをはっきりと自覚して、
アルトは眼の先が暗くなる思いだった。
「アルト、おはよう」
昨日のことはすっかり忘れているのか、
ガチャガチャと学校鞄を揺らしながら、いつもと変わらず
シェリルが声をかけてくる。
妙に後ろめたい気持ちで、アルトは「はよ…」とぼそぼそ答えた。
「最近暗いわねー」
ドーン、とシェリルが体当たりを仕掛けてきて、
不意打ちをくらったアルトはよろける。
「わっ、と」
今、柔らかい部分が当たらなかったか?
途端に耳までかっと熱くなって、アルトは叫んだ。
「ばっ、バカヤロウ!危ねーだろ」
「何赤くなってんの?変な…」
からかうように頭に触れようとしたシェリルの手を、
激しく振り払う。
パシっと音がして、はっとアルトはシェリルを見た。
手の甲を押さえて、シェリルは眼を丸くしてこっちを見ている。
「あ…」
ばつが悪くなったアルトが
謝ろうとしたそのときに、昔より女らしく曲線を描くシェリルの肢体を
もろに見てしまった。
いきなり背を向けてずんずんと歩き出したアルトに、
シェリルは追いかけるタイミングを無くしてただその背中を見ていた。
「アルトのバカ!!!!」
大声で叫んでもアルトは振り返らない。
シェリルの眼にうっすら涙が浮かんだ。
シェリルは何も分かっていない。
アルトはそれが腹立たしかった。
喉仏を触ってみる。父のようにぼこっと突き出ていない、滑らかな喉。
声だって、他のクラスメイトと比べるとまだまだ高いような気がする。
それなのに、あんな夢を見ている自分が浅ましく思えた。
どんどん女になっていくシェリルが、
自分よりも先に行かれているようで憎しみすら感じる。
憎いのに、愛しい。
アルトは苛々と道端の石を蹴飛ばした。
今朝のシェリルとのやりとりのあとの罪悪感と、後味の悪さに、
アルトは授業になかなか集中出来なかった。
俺が悪いんだよな、とさすがに反省の二文字が頭をもたげる。
シェリルに謝ろう、と思う。しかし今の自分でシェリルと対峙するのは、
もやもやしたベール一枚隔ててあるようで気持ちが悪かった。
あいつだって、悪いんだ。
むくむくと反発心も湧いてくる。
シェリルは綺麗になりすぎた。正直、このクラスの、いや学校中の女子全てだって
比較対象にならないだろう。
そのことがさらにいまいましい。
小さな子供が蝶を捕まえて、粗雑に弄びたがるように、
綺麗過ぎるものはつい、反発してしまう童臭さが、まだアルトには残っていた。
昨晩夢に出てきたシェリルが、ふいに生々しい映像でよみがえって、
アルトは慌ててお腹に力を入れた。
授業中にまで思い出すなんて、俺変態だ・・・
めまいを覚えながら、それでもそっと、こっそりと、
イケナイ映像の切れ端を、ゆっくり脳内で再生する。
シェリルが女子高で良かった、とアルトは心底安堵した。
男子なら、シェリルを見れば必ず淫情を抱くだろうと、アルトは子供の直感でそう思った。
その日の夜、アルトは宿題があるからと誰も部屋に入ってくるなと家の者に言い、
鍵をかけて一人篭もっていた。
入ってきて欲しくないのは、ようするにシェリル一人だけなのだが。
宿題はとっくに済ませてしまったので、
アルトは紙飛行機を折るしか他にすることがなかった。
黙々と作業に没頭していると、ふいに窓の外に人の気配がした。
見ると、シェリルがベランダの手すりを乗り越えて、こちらに来ようとしているではないか。
ここは二階だ。ぎゃっと悲鳴を上げて、アルトは窓を開けた。
「なっ、な、」
手すりに全身でしがみついているシェリルを唖然と見る。
「たぁっ」
シェリルがコットンネグリジェから伸びる足をばたつかせて、下半身をねじった。
「ばかっ、見えてるぞ!」
白いパンツが丸見え状態のシェリルを、アルトはむちゃくちゃな思いで抱きとめた。
見えてる、とはっきり言われて、シェリルは少し赤くなりながらも、
つんと横を向いた。
「平気よ、あんたしかいないでしょ。ありがと」
「何しにきたんだお前・・・」
呆れ顔のアルトに、シェリルはにっこり笑った。
「リコーダーの練習しようと思って」
どこに隠し持っていたのか、ソプラノリコーダーを取り出した。
「そんなの自分の部屋でやれよっ」
くわっと口を開けてアルトが言うと、シェリルは「いやよ!」と当然のように言い返す。
「聞いてくれる人がいないと、上達する気がしないの」
昨日の今日でこいつは・・・、とアルトは頭を抱えたくなった。
「だめだ」
きっぱりと言い放つ。「俺は宿題をしなくちゃいけないから」
「うそ、宿題なんかしてないくせに」
シェリルが指差す先には、机の上に散乱する大量の紙飛行機。
「・・・うっ」
「ね、別にいいでしょ。聞いててくれるだけでいいんだから」
覗きこむパジャマ姿のシェリルは、直視するにはあまりに眩しすぎて、
アルトは眼をそらしながら、深い溜め息をついた。
「エーデルワイス」を縦笛で吹くシェリルを横目で見ながら、
アルトはものすごい居心地の悪さを感じていた。
こいつが横に居て、居心地が悪いと思う日が来るなんて。
昔一緒にいた頃からは想像も出来ない。
中学にあがるまでは、シェリルは空気みたいな存在だったのに。
つとめて見ないようにしているが、ボタンで留めてあるパジャマの隙間から見える白い肌が、
気になってしょうがない。
この奥はどうなっているんだろう、知りたいという激しい衝動にかられた。
「ドからファ、が上手く切り変えれないのよねぇ」
ぼう、と一点を見つめていたアルトは、シェリルの声で我に返った。
「ああ?」
「ド、から、ファ」
「こうだろ」
リコーダーを取り上げてアルトが吹いてみせる。
「この指とこの指が届きにくいもん」
なぜか頬を赤らめてシェリルが言う。
「おまえの手が小さいんだよ」
「アルトの手が大きいのよ」
大きくなったんだよ、とつぶやいて、アルトは自分の口がついた笛を、
もぞもぞと服の袖で拭った。
なんとなく、自分の顔が熱くなったのを感じる。
もじもじと、妙に二人とも気まずくなって下を向いた。
「な、なあ・・・」
「なによ・・・」
「おまえ、これからもこういうふうに、こういう時間に、俺の部屋に来る気か?」
慎重に言葉を選びながら、アルトは考え考え言った。
「こういうふうに?」
いぶかしげに、シェリルが聞き返す。
「だから、風呂入った後で、つうか寝る前の時間に。・・・・・・男の部屋に」
「男の部屋ぁ?!」
すっとんきょうな声をシェリルが上げたので、アルトは憮然とした。
「そうだろ。俺は男だし」
「男だけど、アルトでしょ?」
その言葉の意味することを考えると、深い闇の中に吸い込まれてしまいそうになったので、
アルトは踏ん張った。
「常識的に考えろよ!もう俺たち中学生なんだぜ、
女子と男子が夜一緒の部屋にいちゃまずいだろ!!」
あいまいな道徳を振りかざすアルトに、シェリルは猛然と言い返した。
「まずいって何がまずいのよ!今あたしたちが一緒にいること、誰か非常識だとでも思ってるっていうの?
あたしが居ちゃ、非常識?おかしいわよ何にも悪いことしてないのに!」
だから、これから悪いことが起こりうるかもしれないんだろ!とは言えず、アルトが
次の説得法を模索していると、
パァン!! と乾いた音が鳴って、アルトは自分の右頬がじーんと痺れるのを感じた。
「シェ、」
が、泣き出したのは、ひっぱたいたシェリルのほうだった。
「言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ!!」
ぶわっと涙を青い眼からこぼしながら、シェリルは言い募った。
「学校で好きな子が出来たんでしょ、 分かってるんだから、あんた最近おかしかったもの」
はぁ?とアルトは痺れる頬を押さえて泣きじゃくるシェリルを見下ろした。
「触ったらだめなの?近寄ってもだめ?人前で喋ってもだめなのね。
けどそんなのろくな女じゃないんじゃない…」
「ちょっと待て、ちょっと」
「嘘、ごめんなさい。アルトが好きになった人悪く言いたくなんかないのに」
「いやいやいやいやいや、お前何か勘違いしてるから。落ち着け」
しゃっくりあげながら鼻をすすったシェリルが、「そうね、落ち着くわ」
と息を吐いたので、ひとまずほっとしたアルトはティッシュで少女の濡れた頬を
拭いてやった。しかし、シェリルの言及は止まっていなかった。
「この際だからいっておくけど」
腫れた眼でアルトを睨み付けた。
「あたし、アルトのこと好きなのよ」
ゴミ箱に、丸めたティッシュを放ろうとしたアルトの手が、止まった。
「好きって、どのすき?」
神妙な面持ちでアルトが聞き返してきたので、シェリルは意味が分からず返答に詰まった。
「どのって、好きは、好き、よ。あんたも好きな子いるんなら分かるでしょ」
「そんなの居ないって、いや、俺の好きな奴はおまえだし、つまり…」
アルトは思い切ってシェリルの唇に唇をくっ付けた。
「…こういう、好き?」
数秒の間を置いて、真っ赤になって固まったシェリルが見れた。
「そういう、好き」
唇をもう一度、くっ付けた。やわらかくて、湿った感触に感動する。
続けて輪郭を確かめるように、何度も何度もついばむ。
離さなきゃ、と思うのに、おとなしく口を差し出すシェリルが嬉しくて、
アルトはキスに夢中になった。
こいつ何か口の中に入れてるのかと思うくらい、シェリルの唇が甘く感じたので、
確かめるために、口内に舌を入れる。
何も入っていなかったが、気が付けばアルトは、シェリルを床に押し倒して
必死に舌を絡ませていた。
ようやく離すと、シェリルが口の周りに付いた唾液を、
ぺろんと猫のように舐めた。
ふふ、と恥ずかしそうに笑うと、「キス、しちゃった」と囁く。
うん、とアルトも照れくさく頷いた。
このまま、起き上がって笛の続きを練習出来る穏やかな雰囲気にもなりかけたが、
アルトはこのまま終わるのはもったいない気がした。
シェリルの胸に、顔を埋めてみる。
ふんわりと温かく、石鹸の香りがした。
シェリルの胸に、顔を埋めてみる。
ふんわりと温かく、石鹸の香りがした。
「アルト…?」
不思議そうにシェリルが名を呼ぶ。
アルト自身もどうしていいか分からず、
ただ顔をぐいぐいと胸の膨らみに押し付けるしかできない。
夢の中ではどうしていたっけ。
肝心なところで思い出せない。
パジャマの上から、シェリルの乳房を探って、控えめに揉んだ。
夢で見たシェリルの胸はマスクメロンのように豊満だったが、
実際はまだ控えめで弾力があり発展途上の乳房だ。
しかしそれでも充分アルトは興奮した。
やわやわと揉んでいるとシェリルが小さく「何してるの?」
と聞いてきた。
「胸、揉んでる」
何当たり前のことを、とアルトは思ってから、ふいに不安にかられた。
夢の中のシェリルなら、ここで声を上げて身をよじり、
アルトの繰り広げる三千世界にあられもない姿をさらけ出すのだが、
今腕の中にいるシェリルは、ただただ奇妙な表情でアルトを見つめ返すばかり。
愛撫とも呼べぬ稚拙な手付きで、ひたすらシェリルの身体をまさぐり続けながら
アルトは焦った。
自分の下半身はどんどん高ぶっていくのに、シェリルの熱がどんどん
手の中から離れてく気がした。
「シェリル…」
もう一度、甘い雰囲気に戻りたくて、再びキスをしようとしたら、
「眠たくなってきちゃった…」
ふあ、とシェリルが欠伸をした。
アルトは絶句して、動きを止めた。
ううーんとシェリルが腰を伸ばす。アルトは次の行動を固唾を呑んで見守った。
「今日はなんだか疲れたわ…色々あって。もう戻るのめんどくさいから
ここで寝てもいい?」
肘で、シェリルがアルトを退けようとしたので、仕方なく
のろのろと身体を起こす。
アルトの下半身の異常に気付きもしないで、シェリルは横の
ベッドにもぐりこんだ。
小さな寝息が聞こえ始めてから、アルトはしばし虚空を見つめながら
考え始めた。進んだと思ったのに、振り出しに戻ったのか。
明日からのこと、それよりも明日の朝のこと、今日俺どこで寝るんだろう、
問題は山積みだ。そして、なぜこんなにも打ちひしがれうな垂れているというのに
自分の下半身は、しっかりと上を向いているのだろうと。
おわり
最終更新:2009年03月29日 00:09