4スレ50 250物語3
50 名前:fusianasan 投稿日:2009/01/25(日) 03:39:43
250物語。行き当たりばったりで書いてます。エロくない。
部屋に通されたアルトは膝まづいてシェリルとの面会を待った。
「あら、ほんとに来たのね。まあ、面を上げなさい」
顔をあげたアルトは、初めてシェリルの清楚な美しさのシェリルを
一瞬見るなり赤面し、再び顔を下げた。
この声はまぎれもなく女王陛下だが…。
「へ、陛下は、ベールは召されないのですか」
「なんで私が隠さないといけないの。お前が目隠ししなさい。」
驚いた様子のアルトを見て、シェリルは屈託なく笑った。
「あはははは、冗談よ!
母が異国の出身で私はずっと離宮で育ったから、
ベールやマスクは慣れないのよ。
あなたたちからすると、『はしたない』のよね?
あなたが気にするなら、本当に目隠しをしてもらうしかないわね。」
「いえ、私はこのままでよろしゅうございます、陛下。
私が異国の文化に憧れ、理解しておりますのは、
先も申し上げたとおりでございます」
アルトの言葉をきき、満足そうにシェリルは頷いた。
「表情を見られないのは、公務には悪くないのだけれど、
自室でくらいは楽にしたいわ。
だから、あなたも楽になさい、アルト。ここでは無礼講よ。
言葉も普通にして、私のことはシェリルでいいから、
良い物語を語ってちょうだい」
シェリルの屈託のなさを通り越した無防備さにアルトは混乱した。
(若さに似合わず冷徹な女王って評判だったんだが、
ホントに大丈夫なのか…?)
シェリルは繊細な美しさをもったうら若い少女で、
アルトにはこの国を治めている女王陛下だとは到底思えない。
「本当に、250話語れば、家督の件は、許可してくれるんだな」
「私を誰だと思ってるの?私の言葉を疑うなんて無礼にもほどがあるわね。
もちろん、その間に調査はさせてもらうけど、
問題なければ取り計らいましょう」
「ただ話すだけなんて話がうますぎる。
女なら宝石とか欲しがるんじゃないのか」
「私の安寧は国の安定に繋がるものだもの。
あなた、人の想像力を甘く見すぎね。
文化は愛よ。物や金も文化と言えば文化だけど…私は今更いらないわ。
折角あなたの地歴バカを生かしてあげようって言うんだから、存分に発揮しなさい」
シェリルからいやらしさを感じなかったため、すっかり失念していたが、
やはり納得がいかないアルトは、
自分が女から見ると魅力的であるらしいことを思い出した。
「先に言っておくが、俺は、『夜の相手』はしないからな!」
「な、アンタこそ、私に指一本でも触れてみなさい!死罪なんだから!」
若い男を自室に招いておいてそれもどうなんだと思いつつも、
シェリルの様子を見て、本当に自分は話すだけなんだな、とアルトは悟った。
シェリルに連れられアルトは薄明りの寝室へ入った。
楽にして聞きたいというのは名目で、これはもしや、
シェリルは自分の忠誠と理性を試すつもりなのか、とアルトは疑ったが、
考える間もなく、先ほどまでいたリビングだけでなく
寝室にも置いてある、贈り物らしき異国の物品に、ついつい目移りする。
そのうち好きに見るといいわ、と言いながらシェリルがベッドにもぐりこんだ。
闇をまといベッドに髪を散らすシェリルを見ると、さらに鼓動が速くなった。
「ちょっと、お前楽にしすぎなんじゃないか?」
「なんであんたの話をかしこまって聞かなきゃならないのよ。
私が寝てしまったら、静かに帰りなさい。
ヘンな気起こすんじゃないわよ、すぐ女官が飛んでくるんだから」
(俺を試しても、俺はこの国を去るはずなんだがな…。
俺は陥れるほどの利用価値も無いはずだし。弄んで楽しんでいるのか?)
女王の意図が見えず、アルトは不審に思うが、
特にこれといった害もないので、しばらくは様子を見ることにした。
当初、アルトは寝台の隣に置いた椅子に座り話をしようとしたが、寝台が大きく声が遠い。
声を上げると耳触りだとシェリルが言う。
上から見下ろすのも気が引けるので、
シェリルの横で掛け布団の上に臥して、話すことになった。
臥するシェリルは薄明りの中でも抜けるように白く美しく、
けぶるまつ毛を伏した可憐な女王を目前にし、
自分の動揺をいやというほど感じるアルトは、
これから250夜の困難にため息をつき、語り始めた。
無事に250話話し終えて、旅に出れるんだろうか。
「これはこの都の200年も昔の話で――
7話目を語り終えたアルトは、自室で続きの構想を練りつつ、悶々としている。
溜まっているのだ、性欲が。
つい、妄想が走る。シェリルのことを考えてはいけない。
使うなら他のにしろ、自分。今後困るのは自分だ。
しかし、妄想は止まらない。
今日も端正で無防備な寝顔を見てきてしまった。
薄い寝間着であらわな肢体も、弧を描くやわらかそうな唇も、
ふわりとした肌も全て目に焼き付けてきてしまった。
近づいた時の甘い香りや澄んだ声も、忘れられない。
気の強い生意気な女王が、自分を求めて体をくねらせる。
いつもの凛とした空気が和らぎ、優しくも情熱的に包み込んでくる。
いつも谷間が覗いていた豊かな乳房揺れる。
華奢な四肢を伸ばし、絡みついてくる。
その気性を映した太い眉を悩ましげによせ、
いつもは真摯な瞳を震わせている。
見てきた光景をつなぎ合わせると、なんとも扇情的で、
そこに持ち前の想像力を加えるとそれは立派な…。
精を放ったアルトはその満足感とともに
翌夜、女王に逢う時のことを思い遣り、後悔したのだった。
(やっぱり、我慢させて楽しんでるんじゃないのか?)
昨夜の悪戯を仕掛けてきた時の女王の顔の自慢げな様子を思い出し、
明日も振り回されるのだろうと、眠りについた。
おわり
最終更新:2009年12月31日 19:13