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5スレ23 St.Valentine Day


23 名前:St.Valentine Day 投稿日:2009/02/01(日) 23:00:03

「たっだいまーーー!!」
「・・・・・お前、何時だと思ってるんだ?」

玄関先で響いた上機嫌な声に、アルトの眉根が寄る。

時刻はAM1:20
通常なら誰もが夢を見ている時間だ。
外の世界の照明は落とされ、頼りになるのは街灯の光だけという静かな夜の世界。
歩く人どころか、数台の車さえ走っていないような夜には実に似つかわしくない声だ。
ふらふらとなんとか歩を進める様子から彼女が正気でないことが見て取れる。
まっすぐ歩こうする努力は見られるものの、身体が左右に大きく揺れるためその歩みは遅い。

酔っているな。
それも、結構ひどく。

言葉にこそ出さないが、アルトは顔を顰めたまま心の内で悪態をつきたくなる。
空けておいてっと言われた日に軍の訓練が入ってしまったことは確かに申し訳なかったと思う。
申し訳ないと思ったから、訓練の終了と共に急いで帰り支度をして、遊びに行こうという同僚からの誘いを振り切り、ほとんど飛ぶようにして家に帰ってきた。
侘びのつもりで夕食にはシェリルの好きなものを並べたし、きちんと謝罪もしようと思っていた。
全ての準備を整え、帰ってくるのを今か今かと待っていたというのに、当のシェリルが帰ってくる様子はなく、連絡を取ろうと携帯端末をコールしても返ってくるのは『ただいま、お返事できません』という自動端末の声ばかり。

待てども、待てども連絡はなく、何かあったのかと心配し、警察に連絡しようかと悩んでいた時に
ようやく届いたメールには『遅くなる。』っというたった一言のメッセージがあるだけだった。
時間もどこにいるのかも、何にも書いていないそのメールに『待ってるから、急いで帰って来い』
とメールを返しすでに5時間が経過していた。
ちなみに、その間の連絡は一切なしだ。
自分が悪いのは分かっていたのだが、それでもこの仕打ちは理不尽だと思う。


アルトは盛大に顔を顰めたままで、シェリルを出迎えるとそのままさっさと先ほどまで自分がいた
寝室まで戻ることにした。
が、それも阻まれることとなる。
ドサッという音に振り向けば、見事にシェリルがしゃがみこんでいた。
どうやら家に帰りついたことで安堵し、力が抜けたらしい。

心の中でもう一度理不尽だ!!っと呟いた後、アルトは仕方なく目の前の女王様を抱き上げた。
お姫様抱っこと呼ばれる方法で寝室まで運び、動かないように言いつけてから酔い覚ましの薬と水を台所まで取りに行く。
戻るころには落ちている可能性の高さを感じ、その行為の無意味さに軽く息を吐きつつ戻ると、
予想外なことに、シェリルは自分を同じ姿勢のまま待っていた。

「ほら。」
「ん。ありがとう。」

勢いよく突き出された冷たい水に律儀に礼を返し、受け取ろうとするシェリルの手が震えている。
その様子にもう一度深くため息をつくと、アルトは自らもベットへと上がり、シェリルを背後から支えてやる。
コクッという音と共に薬が流されたのを見届けるとアルトはコップをサイドボードへと移した。

「あると」
「何だ?」

酒のせいで呂律が回っていない。
空色の瞳も酒の為に潤み、先ほど水を飲んだせいで唇もキラキラと輝いている。
抱いたむき出しの肩は熱く、肌からは甘い香水が香る。

なんとも魅力的な姿だ。
ワンピースの胸元から覗く白い肌から視線を引っぺがし、頭の中で宇宙物理学の難しい公式をいくつも
思い出しながらその誘惑に耐え、アルトはシェリルに寝るように言う。
すると、シェリルがフルフルと頭を振った。

「・・・・シェリル?」
「んっ!!」
「??」
「ん~~~!!」

シェリルの言いたいことが分からず、戸惑うアルトにシェリルが先ほどまで持っていた鞄を指差す。
不思議に思いながらそれを拾ってシェリルに渡すと、シェリルがすぐに中から小さな箱を取り出した。
そして、それをアルトへと突き出す。

「・・・・くれるのか?」

そう訊ねるアルトにシェリルがにっこりと笑い、頷いた。

「・・・・ありがとう。」

そう言い、取りあえずサイドボードにそれを置きなおすと、シェリルが再びそれを取ってアルトへと押し付けてくる。
開けろということだろうか?

「・・・・明日の朝の楽しみにするから、今日はもう寝ろ。」
「・・・・・・・」

正直言って眠かった。
だから、シェリルにそう言い、もう一度それをサイドボードへ置いた。
ベットの脇についているランプに灯りを点し、部屋の電気を消して戻ってくると、先ほどアルトが置きなおした箱をシェリルが再び手にしている。
それだけじゃなく、勝手にリボンも解き始めていた。

おいおいおい。
俺宛じゃなかったのかよ。

心の中で突っ込み、額に手をやる。
いったい何がしたいのかと、半ば呆れながら目を開くと、目の前には小さく丸い物体を摘んだシェリルの白い指があった。

「・・・・・チョコレート?」

自らが呟いた言葉に、アルトの肩がピクリっと震え、一つの可能性が頭を過ぎった。
慌ててベット脇に置かれたカレンダーを確認すると、日付は2月15日となっている。
どおりでシェリルがこの日をあけておけと言ったわけだ。
そして、急に軍の訓練が入ったり、同僚がしきりに声を掛けてきたわけも分かった。
バレンタインデーだったのだ。

ようやく繋がった真実にアルトは急いでシェリルの膝元に置かれた先ほどの箱を取り上げる。
中身が零れないように、注意してその箱の裏書を見ると、その製造場所が『マクロス7』だということが分かった。
朝早くからシェリルがいなかったのは、コレが原因だったのだ。

「お前・・・・」

呟くようにしてそう言ったアルトとシェリルの視線が交わる。
アルトの呟きにふんわりとシェリルが微笑んだ。

「ハッピーバレンタイン。あると」

そう言って差し出されたチョコレート。
落としてしまわないようにとシェリルの手首を掴み、顔を近づけた瞬間、シェリルの手からチョコレートが滑り落ち、
シェリルの胸元を滑ってベットへと転がった。
シェリルの肌の熱に、チョコレートが解けたのだ。

「あっ・・・。」

転がったチョコレートを拾い上げたシェリルの指ごと口に含み、舌の上で蕩けていく感触を楽しむ。
口内に広がる甘ったるい香りは、本来アルトが好きなものではないけれど、今日のそれは不思議とおいしく思えた。
チョコレートが消えてしまうと、アルトはチョコレートの後が残るシェリルの指先捕らえ、今度はそれに舌を這わす。
指先から舐め上げてやると、くすぐったいらしくシェリルが身をよじった。
意地悪のつもりで、丹念に何度も何度も舐め上げてやると、徐々にシェリルの口から熱い吐息が零れだす。
それを頬に感じたアルトは両腕を捕らえたまま、今度はシェリルの胸元へと唇を寄せた。

先ほど転がったチョコレートが残した後を舐め取ると、いっそう潤んだ空色とアルトの視線がぶつかる。
そのままそっと唇を啄ばむと、今度はシェリルが軽いキスを返してくれた。
お返しにと、アルトが再び唇を合わせるとシェリルも同じように返してくる。
小さい子供のイタズラのようなキスを戯れに何度も、何度も繰り返すうちに、だんだん深いものへと変わっていく。

舌と舌が絡まると、口内に少しアルコールの苦味を感じた。
大方、このチョコレートに合うシャンパンでも探して、色々飲み比べていたのだろう。

もともとそんなに強くないシェリルが自分の為にそこまでしてくれたのが嬉しくて、アルトの口元が知らず知らずのうちに緩む。
そのままシェリルをベットへと押し倒し、馬乗りになりながら何度も何度も舌を絡めた。
貪るアルトの”熱”がゆっくりと上がりだす。

荒く息継ぎを繰り返しながら、深く、深くもとめ、シェリルの着ていたワンピースの小さなボタンを外してゆく。
腹の辺りまで一気に外し終えると、一瞬の沈黙が部屋へと降りた。

部屋に響くのは、互いの呼吸だけ。
瞳に映るのは、互いだけ。
求めるのも、たった一人だけ。


「アルト。・・・・・シ、て」

静寂を破ったのは、熱に侵された甘い声。
アルトはゆっくりと目の前で上下する白い胸元へ顔を埋めた。
柔らかな肌の丸みと感触を楽しみながら覆う下着を外す。
それから、アルトはその首筋に優しく噛み付いた。

口付けて、舌を滑らせて、軽く吸って赤い花を咲かせる。
乳房を煽り、口に含んで愛撫すると、シーツにいくつもの新たな波が引かれる。
滑らかな肌に触れ、茂みに舌を這わせ、零れてくる愛液を丹念に舐め取った。
中へと押し入った指が中の熱さをアルトに伝える。

「シェリル。」

耳元で囁かれた甘い声に、シェリルの背中がぞくりとした。
押し当てられた"熱"に貫かれる感覚が思い出され、腰が震えた。

「ちょう、だい。・・・・アルトの。」

自らが口にした言葉に、シェリルの熱が上がる。
けれど、それを止める理性なんてもう、どこにも残っていなかった。
ゆっくりと身体を下へと動かし、自ら"アルト"を飲み込んでいく。

「・・・・大胆だな。今夜は」

シェリルの行動に、アルトが笑う。
そして、自分もその感覚を追うために、一気に腰を進めた。
零れ落ちるたくさんの愛液が潤滑油に代わり、中へ侵入するのを助けてくれる。
自分を包み込む熱い身体に、アルトが詰めていた息をゆるゆると吐き出す。

「シェリル。動くぞ?」
「う・・ん。きて・・・」

甘い誘いの言葉。
アルトはそれに優しく微笑み、なめらかな額に軽いキスを送った後、律動を開始する。
ぐちゅりっという淫乱な水音と嬌声が部屋を満たしていく。

「…んっ………あ、…ふっ、あっ」
「シェリ、ル・・・」

突くたびに身体が跳ね、声が生まれる。
極限まで潤んでいたシェリルの瞳からは、涙が零れ落ちる。
扇情的なその光景が、アルトをさらに熱くする。

組み敷き、何度も何度も揺らしながら、そっと頬に触れると濡れた双眸が開いた。
そのまま優しく唇を吸い、溶かしていく。
自分の頭を大切そうに抱きこむ腕に一度身を寄せ、逃げ出してもう一度その喉元に舌を這わす。
自分を追い詰めようとする快楽の波から逃げるようにいやいやと首を振る様子に、アルトが笑う。

「シェリル。」
「ん・・・きゃぁ!!」

名前を呼んで抱きしめ、繋がったままでくるりと身体を入れ替えると、シェリルから小さく悲鳴が上がった。

「シェリル。動いて?」
「・・・・っ//////////」

耳元で、いつもの甘い声が響いたと思ったら、目の前にアルトの顔があった。
先ほどと違うのは互いの位置。
いつの間にか、自分がアルトの上にいる。

アルトの胸に手をつき、慌てて身体を起こしたシェリルの身体が大きく跳ね、背筋が反った。
同時に、今まで感じたことのない感覚に襲われ、シェリルから一際高い声が漏れる。
そして、くたりっとアルトの上へと倒れてきた。
それを抱きとめた状態のまま、アルトが優しくシェリルの髪を梳く。
何度も、何度も優しく撫でてやりながら、アルトはシェリルを揺り起こす。
2,3回名前を呼ぶと、シェリルがうっすらと目を開けた。

「・・・アルト?」
「おはよう。」

まだとろんと蕩けた視線にアルトが苦笑し、唇をゆっくりと合わせて絡めてやると、徐々にシェリルの瞳が光を取り戻していく。
それを間近に見ながらアルトはシェリルの右手を取り、その甲に見せ付けるようにキスをした。
慌てて起き上がろうとするシェリルの手を掴み、それをゆっくりな動きに変えてやる。
目の前で苦笑するアルトの表情と裸に、ぼんやりとしていたシェリルの頭から一気に靄が引き、状況をようやく把握させた。

自分がアルトの上に"乗って"いる。
そして、アルトに見られている。
顔が、一瞬にして熱くなった。



「動いて。」

掛けられる言葉は前と同じ。
そして、それは甘く響き、シェリルの脳をくらくらとさせる。

下から、自分を見上げるアルトの視線が恥ずかしくてたまらない。
顔を隠そうにも、片手はすでに捕らえられ、片方は自身を必死に支えているから無理だ。
恥ずかしさに、目頭まで熱くなってくる。

「シェリル?」

優しい声がシェリルをさらに追い詰める。
情けなく、へにょりと歪んだ口元と潤んだ瞳のシェリルからはいつもの強気な感じがしない。
急にいつもの数倍可愛らしくなってしまったシェリルに、アルトの口元が緩んだ。
掴んだままのシェリルの手に唇を寄せて軽く甘噛みし、空いているもう片方の手でピンクの髪をそっと引く。
視線を捉えたままの状態で小さく『大丈夫だ』っと伝えると、シェリルの唇がきゅっと引き結ばれた。
アルトの胸に両手を当ててバランスを取りながら、ぎこちなく腰をゆるゆると動かしだす。
不安そうな瞳に、気持ちいいことをアルトが伝えるとシェリルがくしゃりと笑った。

徐々にシェリルが成れてきたらしく腰が大胆に動き始める。
片肘で身体のバランスを取りながら、もう片方の手や唇でシェリルの胸をアルトが愛撫し、煽る。

「んんっ。」

時々キスを交わしながら互いを愛した。
シェリルから零れ落ちる愛液がアルトを伝い、シーツを汚す。

「シェリル、交代。」
「・・・・イヤ。」

どうやら、自分がアルトをイかせられないのが嫌らしい。
熱い吐息を零しながら、腰を動かし続けるシェリルを止めるべく、アルトが下から突き上げる。

「ゃんっ!!」

深く、深く打ち込まれたアルトの"熱"に、シェリルの身体が力を失う。
倒れてきた身体を受け止め、自分との位置を入れ替えると、アルトは優しく前髪を梳いてやる。

「続きは、今度な。」
「・・・・バカあると。」
「・・・・・・・・」

返って来た悪態に苦笑しつつ、アルトはゆっくりと律動を早めていく。
すぐにシェリルにも快楽の波が迫りだした。

「やだ!!アルト、ゆっくり!!・・・まっ・・」
「待てないっ・・・」

アルトの声にも余裕が感じられない。
激しさを増していくアルトの腰に、シェリルの思考が蕩けていく。
自分が何を言っているのかももう、分からなかった。

熱い肌に、時々走るシーツの冷たい感触が心地よく、アルトから落ちてくる汗がシェリルを濡らす。
無我夢中で手を伸ばし、アルトの背中に腕を回すだけで、もう限界だった。

「シェリルッ!!」

熱い吐息が首筋をなぞった。
一気に引き抜かれたと思ったら、今度はその逆。
最深部を突いたアルトに、シェリルが熱い声を上げた。
そして、熱がシェリルの中へと注がれる。

自分の中に広がるいつもの感覚に、シェリルはうっすらと微笑んだ。
自分の横には肩で荒く呼吸を繰り返すアルトが転がっている。
その閉じられた瞳が見たくて、シェリルは優しくアルトに触れた。

額と鼻先にキスをして擦り寄る。
瞳を開けたアルトが笑い、シェリルを腕の中へ閉じ込めた。
独特の倦怠感が二人を取り巻くけれど、それを嫌だとは思わなかった。


部屋の空気は静かで、甘い。

「HAPPY VALENTINE, ALTO」

独特の発音で紡がれた言葉に、アルトは優しいキスを返す。
そのまま二人は、ゆるやかな眠りへと落ちていった。

St.Valentine Day
それは、甘い愛の日。



以上です。ありがとうございました!!
最終更新:2009年03月28日 23:22