92 名前:fusianasan[sage] 投稿日:2009/12/22(火) 04:11:05
「シェリル」
ベットに戻り、アルトがすっかり顔を隠してしまったシェリルを呼ぶ。
促すようなアルトの声におずおずと顔を上げたシェリルにアルトが笑った。
真っ赤になった頬は変わらず、瞳は潤みを増し、そして口元が情けなくへの字に曲がっている。
狽えていることがありありと分かる様子に、シェリル自身もまだ戸惑っていたのだということを感じた。
「シェリル」
もう一度名前を呼んで、唇に口付けるとシェリルの口元がほっとしたように綻ぶ。
まるでこれから繋がる行為を知らないようなシェリルにアルトがほんの少し戸惑い、シェリルに問うとシェリルは応えず、プイッと横を向いてしまった。
それにアルトが慌てて謝ると、何度目かでシェリルがようやくアルトに向き直った。
ゴメン。という気持ちを込めてもう一度蕩かすように唇を貪れば、再び身体の中で渦まいていた衝動が鎌首をもたげてくる。
アルトはコトを急いてしまわぬよう何度も自分に言い聞かせながら優しくシェリルに触れる。
胸元を滑りながらワンピースを引き下げて、露になっていく肌の感触を覚えこもうと顔を埋めると、温かい体温と肌のいい匂いとが混ざり合ったような、日向に乾されたふかふかの布団のような優しい香りがアルトを包み込んでいった。
身体を浮かせて、下着の外し方を教える代わりにシーツに半分だけ包まることを許されたシェリルが懸命に肌を隠そうとする。
それを所々で妨害しながらアルトは教えられたとおり、下着の端を引っ張ると下着が緩み柔らかい膨らみが零れ落ちてきた。
丸い、自分にはない膨らみにアルトがおそるおそる触れると、シェリルがぴくりっと跳ねる。
「寒い?」
違うと分かっているのに声が聴きたくてわざとそう尋ねたけれど、シェリルはふるふると首を振るばかりだ。
その姿に愛しさを感じながらアルトはゆっくりと触れていく。
先ほど唇に感じた肌の滑らかさと、先ほどとは段違いの柔らかさに思わず息を飲んだ。
包み込めば、触れたことのないような柔らかさがアルトの手のひらに伝わる。
オレンジ色の炎にほんのりと染まった乳房のどこまでも沈んでいきそうな感触をおそるおそる確かめながら揉みしだいていると、指先に違うふにふにとした感触が伝わる。
桜色の突起を確認するとアルトはそれをゆっくりと口に含む。
ぞくりと背筋が泡立つ感覚にシェリルから声になりきらない悲鳴のようなものが上がった。
「!!」
始めて聴いたシェリルの声がアルトの耳を刺激する。
艶やかなそれをもっと聴きたくてアルトは執拗に何度も何度も先端を舐り、煽る。
その度にシェリルの身体が震え、いやいやと頭が振られるけれど、それはアルトに何の躊躇いももたらさなかった。
いやという言葉は聞こえても、それに拒絶の音は含まれていない。
上がる悲鳴は甘く、アルトの下腹部に熱をじっとりと溜めていく。
シェリルに声を上げさせようとする自分は、まるで新しいオモチャを与えられた幼子のように思えたけれど、それで止まれるはずもない。
嬌声をもっともっと聞きたかった。
唾液を絡めて粘度をあげ舌先で何度も擦りあげて高ぶらせていく。
口内へ乳房を吸い込み、丹念に揉み解しながら濡らした後で念入りに捏ねくっていく。
ぷくっと立ち上がったそれを軽く噛んだり、その後に丁寧に舐め上げるとシェリルの身体が反応を返してくる。
耳に心地よい声とかすれながら自分を呼ぶ声を引き出すためにアルトはシェリルに触れていった。
「ぁ、んんっ・・・ッ!」
片方が終われば、もう片方をという風にどんどん愛撫を重ねてシェリルを溶かしていく。
滑るあとを指先で擦りあげるのが気持ちいいのか、内で荒れ狂う快楽の波に攫われぬよう必死になりながらシーツや枕の端を握り締めている。
感じてくれているのだと分かると、アルトの心に嬉しさが満ちた。
膨れ上がる感情に任せて、アルトが胸と胸の間に吸い付く。
唇を放すとそこには一輪の赤い花が咲いていた。
「ッ」
「・・・あっ、痛かったか?」
「大丈夫・・・・違う、違うの。」
息を飲んだシェリルにアルトが慌てるけれど、アルトの問いかけにシェリルは頭を振った。
潤んだ瞳からとうとう膨れ上がっていた水の玉が溢れ、頬を滑り落ちてシーツに染みこんで行く。
それを見たアルトがもう一度視線で問いかけるとシェリルは再び頭を振り、そして表情をくしゃりとさせて笑った。
「なんでか分からないけど、涙が止まらないの。」
生まれ来る熱によってほんの少しだけ汗を浮かべながら、幸せそうに嬉しそうに微笑む姿にアルトの心が苦しくなる。
愛おしくて、愛おしくてたまらなくなる。
いつの間にか胸が熱くなり、自分の瞳にもこみ上げてきた。
穏やかな色を宿した瞳がアルトを見つめ返し、両手がそうっとアルトの頬に触れる。
柔らかく微笑んだ口元がやがて元の形を取り戻し、ゆっくりと開きながらアルトの唇に重なった。
溶けるように優しい口付けが、アルトを包み込んでいく。
うっとりと絡んだ舌先がアルトの口内をなで上げ、くすぐる。
心地よい愛撫にアルトがだんだんと溺れていく。
煽られるだけだったアルトが慣れないシェリルの愛撫にじれったくなり、攻守がくるりと入れ替わった。
口内をかき回しながら肌に手を滑らせ、シェリルの身体に宿った熱をじわりじわりと上げると共に、もっと深くで繋がりたいという欲が脳内を染める。
その欲望に忠実なアルトの手がシェリルの下腹部へと触れた。
「ぁ、やっ!・・んっ・・」
足の付け根の隙間から手を押入れ、下着の上から秘部を擦利上げるとシェリルから羞恥の声が上がる。
身体をくねらせ、アルトの指先から逃れようとするけれど、それを上にのしかかるアルトの身体が邪魔する。
言いようのない恥ずかしさが身を焼き、その間もアルトの指は止まらず強い刺激を与えてくる。
必死に噤んだ唇からも自分ではないような声が漏れ出し、思い通りにならない自分の身体にシェリルが軽いパニックを起こす。
アルト以上に予備知識が少ないのだからそれも当然だった。
シーツをぎゅっと握り締めたり、足先を突っ張ったりして耐えるも、感じたことのない恥ずかしさがシェリルを襲う。
再び涙目になり、目に見えて狽えだしたシェリルを察したアルトは顔を上げると目じりに唇を寄せ、零れそうになる涙を吸い取ると大丈夫だと言うように頭を2,3度撫でてやる。
子供のような扱いをされたことが悔しかったのか一度安心したようになったシェリルの唇がつんっと尖り、視線が一度交わった後で気まずさを感じたのかそそくさと逃げ出した。
彼女らしいその態度にアルトは心内で笑いつつ、涙の粒が消えたことに安堵する。
一呼吸置いてからシェリルの方を見ると、頬を真っ赤に染めながらぎゅっと目を閉じてじっとしていた。
どうやら、そうして恥ずかしさをなんとか乗り越えようとしているらしい。
ガッチガチになったシェリルの緊張を解すようにもう一度軽く唇を啄ばむとアルトはゆっくりと身体を下のほうへとずらした。
上着とタンクトップを脱ぎ捨て、カーゴパンツだけの姿になったアルトは、身をかがめると胸の下から腹の辺りまで、舌や唇を這わして塗らしてゆく。
チュッと音を立ててキスを落とすたびにシェリルの身体が跳ね、その後静かに力が抜けていく様子は何度見ても可愛くて、わざと繰り返したくなる。
指を滑らせ、やわやわとした感触を楽しみながら、シェリルが慣れてきたところでアルトは下肢への愛撫を再開した。
無防備になった足の間に身体を割り込ませて閉じられないようにしてから、再び指で擦りあげる。
先ほどとは違う感覚を感じながら指を上下させているとやがて堪えきれなくなったシェリルから嬌声が漏れ始める。
それと共にシェリルからとろりと零れだした愛液が下着から染み出し、アルトの指を穢した。
「あぁっ、あっ、あっ、・・・っ」
ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が部屋に零れてくる。
シェリルの口から滑り落ちる声は意味を持たず、ただアルトの聴覚を刺激していくだけだ。
シェリルの身体から余計な力が抜け落ち、されるがままにベットに沈みこむようになると、下着の縁からそうっと中へ指を入れた。
ぬるま湯のように温かいとろとろとした海がそこには溢れており、アルトの指を包み込む。
確かめるように指を上下させれば柔らかい皮膚に指が触れる。
アルトは傷つけてしまわないようにそうっと指を這わせていく。
なだらかな流線。
くゅにゅくにゅとした襞に沿い、ゆっくりと降りていくと小さく閉じた入り口らしきものを見つけた。
2、3度確かめるように指を動かせばシェリルの身体がぴくぴくと震える。
そっと指を差し入れようとしたけれど、それはまだ硬く閉ざされた蕾のようで受け入れるには早い気がする。
アルトはシェリルを小さく呼ぶと、腹の辺りに残っていたワンピースと下着を剥ぎ取る。
一気に引き剥かれる感覚にシェリルの膝が持ち上がる。
アルトの視線から秘部を隠そうと必死なのは分かるのだけれど、閉じるには間にあったアルトを超えなければならないから高く腰をあげなければならない。
シェリルは気づいていなかったけれど、丸裸になったシェリルの腰は逆にアルトに見せ付けるようになってしまう。
コレ幸いとばかりに高く掲げられた足を持ち上げ、アルトは濡れたシェリルの秘部に唇を這わせた。
触れる指とは違う熱く、ねっとりとした感触にシェリルから小さく声が上がる。
咄嗟に逃げようとするけれど、太ももをがっつり抱えられたしまい、逃げるどころか隠すことも許されない。
触れられたことが一番の恥辱だと思い込んでいたシェリルは、アルトの感触がもたらす恥ずかしさにに泣きたくなってきた。
「もっ・・・・や、ぁ・・・・」
ぺちゃ、ぺちゃと響く水音がシェリルの耳を侵していく。
何が起きているのか分かるのだけれど、恥ずかしさが勝り、どうしても想像することが出来ない。
なんどか、『やめて』と呟いたのだけれど、アルトからの返事はなかった。
熱い舌が丁寧に丁寧にシェリルを溶かしていく。
時々優しく吸い上げられ、その後をゴメンネというかのように舌先が優しくくすぐっていく。
いつの間にか恥辱の中に悦楽が混ざりだしていた。
寄せては返す波のようにシェリルにゆるゆると迫る感覚は気持ちいい。
寄せるときは飲み込まれ、溺れてしまいそうそうなくらいに荒々しいのだけれど、引いていく時には名残惜しさを感じてしまうのだ。
シェリルの口から、零れる音にいつしか違う音が混ざりだしていることにアルトが気づいたのはもう少し経ってからだった。
ほんの少し口を開けだした入り口に舌先をねじ込み、壁面を撫でていく。
何度か抜き差しを繰り返していると蕾が綻んでくる。
アルトはそうっとそこに指を差し入れた。
「っ、あっ・・・はっ・・・あんっ、・・」
始めは一本。
下着を剥いて触れた秘部とは比べ物にならないくらいの熱が一気に指先に絡み付いてくる。
蠢く内壁がアルトをぎゅうぎゅうに締め付け、外へ押し出そうとしてくる。
中に入れた指先を軽く曲げたり、出し入れを丁寧にしながらアルトはゆっくりと奥を解していった。
襞をなで上げ、時々強く擦りあげながらシェリルを高めていく。
吸い付くような感覚とぎゅうっと締め付ける感覚が指を放さず、しきりにアルトの後を追う。
自分の下で盛大に乱れるシェリルの様子をじっと見つめながらアルトは何度も確かめるように執拗にシェリルを追い詰める。
生理的な涙で盛大に潤んだ瞳が、必死にアルトを見つめ、アルトによって熱を与えられた肌にはほんのりと汗が浮かび、ストロベリーブロンドの髪が所々に張り付き、覆い隠す様はたまらなくエロティックだ。
指の動きに耐えかね、シーツをぎゅっと握り締める度にシェリルの胸がぷるんっと揺れ、ツンッと立ち上がった胸の蕾がアルトを誘惑する。
たまらずアルトが吸い付くと、シェリルから悲鳴が上がる。
それが気持ちよくてたまらなかった。
もっと、もっと狂わせて、執着させてみたいような、
自分だけを瞳に映させたいような、
ひどく凶暴な感情がアルトの中に生まれる。
こんな時でなければ生まれないであろう感情を知り、ひやりとしつつも、その誘惑はアルトにとって魅惑的だ。
自分だけ。
そんな優越感。
乱れるのも、それを眺めるのも、
こんなに切なそうに名前を呼ばれるのも、
自分だけ。
それがたまらなく嬉しい。
アルトによってさんざんに弄られたシェリルからは息が上がっている。
そんなシェリルのハダカの胸に自分の身体を重くならないように気をつけながら重なり、抱き寄せるとシェリルがうっすらと瞳を開けて嬉しそうに笑う。
伸びてきた腕を背中に回ししがみ付かせるとアルトは秘部へと這わす指を2本へと増やす。
いきなり増えた質量にアルトの首に回った腕がきゅっと締まった。
同じように中を蕩かしながらアルトは中を探っていく。
2本埋めたといっても、自分を押し入れるには狭すぎる。
シェリルの負担を考えるととても怖かったけれど、それでも繋がりたいと思う気持ちがアルトを揺らす。
「ア、ルトッ・・・。」
自分本位すぎるのではないか、と考えたアルトに何かを感じたのかシェリルがアルトの名前を呼ぶ。
思わず顔を上げると、シェリルがにこやかに微笑んでいた。
自分ひとりの感情のお仕着せではないのだと、自分も求めているのだと告げてシェリルがちょっと恥ずかしそうに笑う。
「ちょうだい?・・・アルトを、ちょうだい?」
その言葉にアルトが笑った。
中が解れたことを確認した後で、一度シェリルから身体を放し、カーゴパンツと下着を取り払う。
シェリルをハダカに剥いたくせに、自分がそうなるとやっぱり少し恥ずかしくて照れた。
ミシェルから昔冗談交じりで投げられた避妊具をベットの傍の箱から取り出すと、それが何か理解したシェリルが気まずそうに視線をそらす。
ここまできても照れる自分達がおかしくて、ちょっと噴出すとシェリルが慌てる。
その様子が可愛らしくてたまらなかった。
そんなシェリルの額と頬と唇に軽いキスを落としながら手早くつけ、終わると同時に入り口へと宛がうとシェリルの腰が戸惑うように揺れる。
一瞬アルトにも迷いが生まれたけれど、先ほどのシェリルの言葉がそれを打ち消した。
投げ出されていたシェリルの手に自分の手を重ね、そうっと自身を挿入していく。
「っ、た・・・・。」
シェリルから辛そうな声が上がると同時にアルト自身も思いもよらないくらいの狭さに驚く。
自身を締め付けるというよりは食いちぎろうとするかのように絡み付いてくる感触に一瞬怯みながら、アルトがシェリルの顔を見ると苦痛に顔をゆがめながらも大丈夫だと首を振ってみせる。
本当に大丈夫なのだろうかと不安になったけれど、すがり付くようにぎゅっと握り締められた手がアルトの背中を押す。
シェリルの言葉を信じようと、アルトはゆっくりと腰を進めた。
押し入れば、押し入った分だけ外に押し出そうとするくせに、内側に燻る熱と絡みつく感触は溶けてしまいそうに気持ちいい。
なるべくゆっくりとアルトは自分自身を刻んでいく。
ともすれば完全に散ってしまいそうなアルトの意識をかろうじてシェリルの手が繋ぎ止めていた。
「んっ・・・・・っ、・・・」
キツそうなシェリルの声が耳に辛い。
先ほどまでの艶やかなものとはまったく違うのだ。
アルトはこれ以上傷つけてしまわないようにと何度も何度も言い聞かせながらシェリルの中へと入っていく。
ようやく全てを収めるとアルトはほっと息を付いた。
「大丈夫か?」
そう声をかけてやるとシェリルがゆっくりと瞳を開き、アルトを認めると小さく頷く。
嘘つきめっと、心の中で呟きながらアルトは乱れた息を整える。
狭い中を突き進むのは思った以上に重労働だったし、まだ余裕の生まれていないシェリルを待ちたい気持ちもあった。
「ね、大丈夫だから、動い、て・・っん」
動かないアルトを気遣ってか、そう言うシェリルの唇をアルトが無理やり閉じさせる。
無理をするなというよりかは、キスで思考を変えてやろうと何度も口内をくすぐってやる。
くちゅくちゅと舌を絡めて遊べるようになる頃には、自然とアルトの腰が揺らめきだしていた。
ほんの少しの出し入れがだんだんと大きくなり、中をかき回すようになる。
流石に唇を重ねていられなくなって、最後に強く吸い上げてから解放しそのまま両方の太ももを握った。
抵抗感しか感じなかったというのにいつの間にかそれが薄れ、アルトを程よく締め付けていく。
熱い内壁が絡み、壁にある襞を擦りあげる度にアルトにビリビリと波が走る。
自身に熱がたまり、弾けるために膨れ上がっていくのが分かった。
ぐちゅ、ぐちゅっと押し込む度に水音が上がる。
追いすがってくる感覚が気持ちよく、それを感じたいがために中をもっとかき回す。
何度も何度も繰り返す内にシェリルからもとろとろに蕩けた声が零れだし、それがアルトをさらに刺激した。
ギリギリの間を懸命に駆け抜けながら、アルトはシェリルを追い詰めていく。
角度や強さを変えてシェリルを擦り上げ、高め、唇から甘い声を上げさせる。
すがり付くように伸びる腕を絡ませてやり、より深く繋がるために太ももをもっと抱え込む。
奥に触れるたびに、きつい場所を見つけて押し広げるたびに、目の前で火花が散るような感覚がする。
このままどこかに飛んでいってしまえそうな感覚。
このままずぐずぐに溶けて、熱の海にどこまでも沈んでいってしまえそうな感覚。
このまま互いの放つ熱に溶けてシェリルと一つになってしまえるのではないかとさえ思わせる感覚。
衝動のままに熱を吐き出したいけれど、もう少しだけ堪えてこの感覚を味わっていたい。
けれど、もうそんなにもたないかもしれない。
そんな狭間で揺れ動く。
腰を進め、溶かし、かき回し、泡立つくらいに翻弄してやる。
もう、自分でこの感覚を追っているのか、慣性で追わされているのか分からなくなってしまいそうだ。
アルトはすぐにでも弾け飛びそうな思考をかき集めながら必死に山を登っていく。
もうだめだと、ぎゅっと目を瞑る際に微かに見えたシェリルの表情にくすりと微笑んだのと、全てが弾けたのとが同時だったように感じた。
痙攣を繰り返しながら、とろとろと吐き出される熱塊をシェリルに注ぎ込みながら、アルトは荒い息を吐く。
ぐったりとしながらシェリルを見ると、彼女もまた意識を飛ばしてしまったようでベットに深く沈んでいた。
無防備にさらけ出された裸の肢体をアルトは静かに見つめる。
落ち着いた、性的な意味のない視線からシェリルの裸を見るのは初めてだった。
そうっと自分をシェリル自身から抜き出し、後処理をしてからゴミ箱へ放り込んだ後でアルトは眠るシェリルをじっと見つめる。
オレンジ色の光に染まった身体は優しい印象をアルトに与えた。
丸みを帯びた身体だったけれど、腕や腹部は鍛えられて引き締まっている。
これらとは反対に、胸はどこまでも柔らかそうだ。
先ほどは淫らに見えた胸の先端の飾りも今見るとちょこんとしていて可愛らしい。
同じように引き締まった足。
けれど、程よく柔らかく、その肌も触れるとすべすべと心地がよい。
アルトは誘われるようにそうっと手を伸ばした。
未知の感覚だった。
さんざん触れたはずなのに、心を落ち着けて触れるとやはり違う感覚がする。
美術品に触れるように、
その質感を確かめるようにアルトはそうっと手を触れさせる。
そして、唇で触れる。
優しく、優しく触れている内に何箇所か違和感を覚えた。
小さなしこりのようなものと、ほんの少しだけれど色の違う箇所、そして、ちょっとした傷のようなもの。
確かめるように何度も触れていると、閉じられていたはずのシェリルの睫が瞬く。
少し待つと、その瞳が開いた。
「・・・おはよ。」
「まだ、夜だよ。」
「ん、そう?」
「あぁ。」
ぼんやりとしたシェリルの声にアルトが応えると再びシェリルがベットへと沈む。
その頭をくしゃくしゃと撫でてやると、こそばゆかったのかシェリルがくすくすと笑った。
そして、自分の格好に気づいたのか慌ててくるりと身体を反転させアルトを振り返りながら見つめる。
「乙女の裸を勝手に見るなんて、いい度胸ね?」
「いや、きれいだなって思ってな。」
シェリルの言葉に返ってきたいたって素直な感想にシェリルが目を丸くすると、アルトが小さく微笑み、隣に転がる。
じゃれあったせいでまだ熱かったからシェリルはシーツだけを被ると、中にアルトを誘った。
白い布で出来た世界の中に二人して転がる。
その中で静かに向かい合うと、アルトがそうっとシェリルの手を攫った。
「お前、ここ・・も・・?。」
「あぁ、もう直りかけよ。大丈夫。」
「・・・・・・」
「いろいろあったんだもの。怪我をしてない人間の方が珍しいでしょう?」
手を確かめるように触るアルトを不思議そうに見ていたシェリルがそのわけを知ると小さく笑う。
複雑そうにそれを見つめていたアルトがゆっくりと口を開いた。
「悪かったな。・・・突き飛ばして。」
「アレは・・・・。でも、もう大丈夫よ。」
「でも、痛かっただろう?」
「まぁ、ね。」
アルトの言葉にシェリルが少し困ったようにして笑う。
アルトを困らせたくはなかったのだけれど、嘘をついてもばれてしまうのだから仕方ない。
シェリルの表情にアルトの表情が歪んだ。
「ねぇ、もう大丈夫って言ったでしょう?」
「でもっ・・・・」
「ちょっとは、信じなさいよ。・・・・それに、」
「それに?」
「アルトだって、こんなに怪我してるわ。」
「俺のは、訓練のだから。」
「・・・・・・怪我は怪我よ。傷つくという意味では同じだわ。」
「・・・・・・」
言葉を返せないアルトにシェリルがくすりと笑う。
大切そうにアルトの胸に重ねられたシェリルの手が仄かに温かかった。
「ねぇ、アルト。今、すごく私幸せなのよ?」
そう言って、シェリルがくしゃくしゃにして微笑む。
アルトがじっとシェリルを見つめると、嬉しそうに笑って、そしてもう一度口を開いた。
「そして、それを与えてくれたのが、貴方よ?アルト。」
「・・・・・・・」
「ありがとう。」
優しい、優しい言葉。
アルトの心に何かが込み上げてくる。
それをなんとか押し込もうと、アルトは胸に添えられた手を大事そうに包み込むと、ゆっくりと自分の唇へと宛がった。
押し付けられるようにして施されたキス。
それが僅かの間を置いて、腕へと移っていく。
それを真似するようにシェリルがアルトの傷跡にキスを落としていく。
アルトが一つ。
シェリルが一つ。
交代、交代にキスを落としあう。
時々、チロリと舐め上げて。
時々、甘く噛んでみて。
時々、大切そうに触れて。
「しょっぱいな。」
アルトがそう呟くと、シェリルがくすくすと楽しそうに笑った。
END
最終更新:2009年12月31日 09:36