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929 名前:fusianasan[sage] 投稿日:2010/07/13(火) 23:17:51
そんなに気にしなくてもいいと思うんだけど、直接的な単語が出てくるので苦手な人はフォールドしてください。
あと、ちょいSMチック?かも。

 

 

 

 

 

 


急いで家中の家事と戸締りを終えて、ベットルームへとやってきたアルトは次の瞬間に見た光景に思わずその場で動きを止めた。
ベットの側の灯りだけが小さく点けられた薄暗い部屋の中では、数週間にも渡るコンサートツアーを終えて帰ってきた銀河の妖精が自分を待っていてくれているはずで、これから自分はその彼女と一緒に久しぶりの二人の時間を過ごすはずだった。
だから、無理やり家事を終わらせ、いそいそとこの部屋へやってきたのだ。

 

と、いうのに。
肝心要の彼女は、彼女の帰りを今か今かと待ちわびていた相手と甘い言葉を交わす前に一人夢の中へと旅立っており、残された純情可憐な青年を出迎えたのは気持ち良さそうな彼女の寝息だけだった。

 

いくつもの船団や惑星を巡るツアーだということは分かっていたから彼女が疲れていることも重々承知していたし、そう"がっついて"は男としてみっともなさ過ぎるということも分かっていた。
だから、少なくとも今日"は"という配慮を自分の理性との戦いになるだろうことを予想しながらも強いたのだ。

 

なのに、この仕打ちはあまりにも酷すぎるのではないだろうか?
せめて、もう少しくらい自分を待っていてくれてもいいんじゃないだろうか?

思考を停止し、真っ白になった頭にぷかぷかと浮かぶ疑問に早乙女アルト(18)は、力強く何度も頷いた。

 

いつもは見ていると笑みが零れてくる寝顔や寝息も今夜ばかりはむなしさを煽るだけで、同時に腹ただしくもなってくる。
なんとか気力を振り絞りベットの端までたどり着いたアルトは恨めしそうにシェリルを見つめると大きな溜め息を吐いた。

 

会いたいと思っていたのは自分だけだったのだろうか?
キスしたいとか触れたいとか"そういう"欲を抱くのは自分だけなのだろうか?
自分と同じくらい彼女も自分のことを想っていてくれるのだろうか?

 

女々しい考えだということも分かっているのだけれど、こういう状況下でこういう感情の渦に揉まれた時にすぐさま抜け出せるほど早乙女アルトは大人ではない。

それに確かめたい相手が目の前にいるということがなおさらアルトを焦らせ、追い詰める。

目を開けてくれたら。

その青色の瞳に自分を映して、そして、一言でもいいから言葉を交わして笑ってくれたら。

そしたらこんな不安もかき消すことができるのに。

叶わない願いだと分かっていてもそう考えてしまう。

 

なかなか煮え切らない自身に焦れ、諦めのつかないままに触れたシェリルの髪からは甘い匂い立ち上り、アルトの胸をぐっと締め付ける。
込み上げてくる衝動を必死に押さえつけながらアルトは眠るシェリルを見つめた。

 

ベットの上に散らかった髪
無防備に投げ出された手足

シェリルの普段着にしては珍しく短いシャツのせいで、お臍のあたりまで肌が露になっている。
これを挑発的といわなければ、何をそういうのだろう。とそんな疑問が湧いてきそうなシェリルの姿にアルトが焦れる。

今すぐ覆いかぶさり、ぐっとシェリルを抱きしめたかったけれど、それをやってしまえば止まれなくなってしまいそうな気がして、少し怖かった。

 

「・・・・・・・・」

 

生殺しとはよく言ったものだ。
"武士は食わねど高楊枝"なんて言葉を作った奴の顔が見てみたいと恨みがましく呟くと、アルトは唸るようにしながらぎゅっとシーツを握り締める。

 

我慢だ。
シェリルだって疲れているのだからこちらの都合に任せた無体なまねができるわけがない!

そう割り切ってしまえたらどれだけ良いだろう。
だが、若干18歳の青少年にしてみれば後ろ髪を引かれるほうが強いに決まっている。

 

それでなくとも2週間ぶりに会えるのだから、再会自体を随分と前から楽しみにしていたし、"もしかしたら"というような青年らしい淡い夢も抱いていたのだ。

疲れて寝てしまいました-はい、そうですか。などと簡単に諦めきれないのも致し方ない。

 

「・・・チクショウ・・」

 

勝手に期待した自分も悪いのだから、と呪文のように必死に言い聞かせていると、口から滑り出る恨み言にも流石に勢いがなくなってきた。

 

これが惚れた弱みというやつなのだろうか?
それなら、俺だって惚れられたい。
いや、待て待て俺は惚れられていないというわけはないだろう。

 

遠くシェリルから視線を外したアルトの脳内では、いつの間にかボケとも言えないボケと突っ込みという名のフォローが代わる代わる行われる一人漫才が始まる。

どこまでも流れていくそれらに突っ込み、打ち切る気力すらも無くしたアルトは、思考が麻痺しだした今の内に眠ってしまおうとノロノロと身体を起こすとシェリルを踏んでしまわないように気をつけながらベットの上へと上がり込む。
アルトの重さにスプリングゆっくりと沈んだ。

 

シェリルからなるべく離れたところに陣取り布団を被って眠る体勢を整えるけれど、むなしさが押し寄せてくるのは止められない。
本当ならば、今頃はシェリルを腕に抱きながら久しぶりの感触を確かめているはずだったのだ。

久しぶりと笑って、会えなかった時間を埋めるように話をして、戯れにキスをして、互いの存在を確かめながらゆるやかな眠りに落ちていくはずだったのだ。

やりきれない気持ちに押され、ごろりを身体を回転させて再びシェリルのいる方を見れば、幸せそうな寝息が聞こえてくる。
寝転がったままでにじり寄り、少しくらい仕返しをするくらいは許されるだろうとほっぺたを軽く摘んでやるとシェリルの眉間に皺が寄った。

 

起こしたかもしれない!っと慌てて手を離すけれど、そんな緊張むなしくシェリルの呼吸は変わらない。
それどころか、シェリルがコロリと寝返りを打ちながらアルトのスペースさえも占領しようとやってくる。
アルトは自分の行動の代償を思い知った。

 

温まったシーツを道しるべにしているのか、シェリルは確実にアルトへと近づいてくる。
可能な限り逃げてみたけれど、その健闘もむなしく数分後にはシェリルの腕がアルトを捕まえ、続いてスカートから覗く素足がアルトの右足を掴まえる。
押し当てられる身体の柔らかさとシェリルの匂いにアルトの下半身が痺れた。

 

子猫が頬や身体をすり寄せているようにも見えるそれは見た目の愛らしさとは違って、すさまじい破壊力を持っている。
腕や上半身に触れるふにゅふにゅとした柔らかい感触や腕に当る感覚とはまた違った滑らかな柔らかさがアルトを必死に抱き込もうと奮闘する。

アルトは必死に無心を言い聞かせ、それらの正体を必死に考えないようにするけれど、それは禁欲を強いられていた少年には特に難しく、理性はすぐにでも焼き切れそうになっている。
はっきり言って限界だった。


好意を抱きあう相手が自分の隣で気持ち良さそうに眠っていて、無防備に自分を求め、甘えるようにして擦り寄ってくるそんな状況下で不埒なことを考えたり、期待や好奇心を抱かない高校生がこの世にどれだけいるのだろう。

もし、いるとしたらそれは不能な奴か変態か、もしくは色恋沙汰に目覚めていないただのガキだと貶しめながらアルトはその誘惑から必死に逃げ惑う。
いつかは自分も、と異性を付き合うことをぼんやりと考えるしかなかった頃は好きな相手を触れ合うことがこんなに自分を陶酔させるものだとは予想もしていなかった。

アルトにとってはいつか自分も経験するだろうただの行為で、きっとそれは心地のいいものなんだろうというくらいの認識だったし、相手の隙に付け込んでまでそういうことを"する"奴はとんだ卑怯者だと鼻で笑っていたのだ。

が、当事者となった今ではそれを振り切ることがどれほど難しいことかが分かる。

そして、男の単純さと少女の無防備さにいい思いを噛み締めながらも苦悩をもたらす両者が小憎らしくてたまらなかった。

 

「・・・・ん~~、・・ぁ、ふ、っ・・」

 

耳をくすぐる甘く気だるげな声。
それがスイッチとなり、アルトの中の甘美な記憶を弾き起こす。

 

濡れたように光りながら揺れる瞳。
押し当てると弾力に富んだ柔らかな感触を返す唇。
しっとりとした桜色に上気した肌と溶けてしまいそうに熱い壁の感触。
そして、その感覚に飲み込まれ、溺れた時の気持ちよさ。

 

「・ッ・・あ・・も、・・・む、りっ」

 

脳裏を微かに過ぎったシェリルの裸身と自分を包む柔らかく温かい存在にアルトがたまらず声を発する。
熱をあげた息と共に吐き出した声はアルトの理性を一気になぎ払い、理性の下で蠢いていた情欲が状況を逆転させようとするかのように押し寄せてきた。
慌ててシェリルの腕の中から逃げ出し両腕をベットに突いたというのに、自分はいつの間にかシェリルを組み敷き、その上にいた。

それを自覚した途端、一瞬遠ざかったドクドクと激しい音を立てて流れていた感覚が甦り、衝動が一気に臨界点を突破した。

 

マズイとか、
ヤバイとか、
もう感じる暇はなかった。
ただ、ただ、シェリルに触れたかった。

 

目の前で眠る少女を裸にして、
その真っ白な裸体を思う存分撫で上げ

組み敷き、舌をねじ込ませて声を上げさせ、
それから甘い痛みを与えて欲しい。

 

湧き上がる衝動のままに、アルトはシェリルのネクタイに手をかけて解き、慌しくシャツの前を寛げて行く。
ボタンの一段目を外すときは流石に指が震えたけれど、もう後には引けなかった。
手を止めようとする数々の不安を思いつく限りの理由を勢いよく並べることで打ち崩し、怯むなと必死に自分を追い立てる。

 

あれだけ時間があったのに夜着に着替えていなかったのは、まだ眠る気はなくて自分と戯れる気があったからだとか、挑発的な服をチョイスしているのも自分を意識しているからこそのチョイスだったんだとか、もし目が覚めたら寝苦しそうだったからとか着替えさせてただけとか言い訳すれば許してもらえるかもしれないとか、もう本当に色々だ。
もう脈絡なんぞありはしない。

冷静になったら負けだった。

アルトにとって都合の良すぎる考えに侵されている今だからこそできる行為だ。
一度、頭が冷えてしまえばすぐさま手が止まってしまうだろう本当に本能と衝動だけに突き動かされている行為。
それは全てを肌蹴させ、胸を覆い隠す薄紫の下着が露になったとこでようやく止まった。

 

すうすうとリズムよい寝息と同時に上下するシェリルの胸。
頼りない灯りに照らされたそれは、いつもと変わらずぬ白磁のように美しい。
下着から覗く部分にそっと触れるだけでも驚くくらい柔らかいことが分かる。
アルトの吐息が知らず知らずの内に震えた。

 

シェリルの身体を支えながら少しだけ浮かし、ホックを外した後で肩のストラップを外す。
締め付けられていた状態から解放されたそれらは蓮の葉に落ちた水滴のようなふっくらとした楕円を描き、シェリルの胸を形どる。

アルトはそれに顔を埋めようとゆっくりと身を屈める。
だんだんと顔を近づけ、触れるまであと数センチというところで不意に動きが止まった。

 

「?」

 

アルトも自分がなぜ引きとめられたのかは分からない。
ふっと顔をあげ、きょろきょろと周りを見渡すと、目を引いたものがちょうどベットに付いたアルトの左手の側で見つかった。


先ほど解いたピンク色のネクタイだ。
おそるおそるそれを持ち上げたアルトの脳裏に"イケナイコト"がふと過ぎる。

数秒迷っては見たけれど、一度ラインを超えてしまったアルトの天秤が片方に傾くのにそう時間はかからなかった。

 

すでに怒られるようなことに及んでいるのだし、悪事が1つ、2つ増えたからといって何がどうこう変わるわけではないだろうし、少しくらい"仕置き"をしてもきっとゆるされるだろう。
まさに毒を喰らわば皿までといったところだ。

 

アルトは取り上げたそれを一旦唇で噛むとシェリルを起こさないようにその両手を頭の方へと持っていく。
慎重に持ち上げた後でネクタイを使って一つに括りあげると、それをベットの端に繋いだ。
もちろんシェリルに痕が付かないようにとの配慮は怠っていない。

その辺がさすがというところだが、やっていることはやはり褒められたことでないのは確かだ。
アルト自身も己の暴力的とも言える行動に動揺しながら、それでも不用意な音を立てないようにと必死だった。

両手を縛り上げられ、豊かな胸をアルトに差し出すようにして眠るシェリルは扇情的で、その見慣れぬ姿にアルトの呼吸か思わず乱れる。

 

アルトが舞台で見せるような激情を胸の内に秘めたような大人のしっとりとした色香ではないけれど、そこにはまた色違いの艶かしさがあった。
大人びた肉体とプライベートで見せる無邪気な表情のアンバランス差がどこか儚げで危うく、何らかのフェティシズムを刺激する。

普段の彼女からはほとんど見ることはないけれど、和らげた表情の先に時折現れる薄幸がかった様子を思い出すだけで、今すぐにでも抱きしめてやりたいという衝動が溢れ出るくらいにアルトは彼女に魅せられてれていた。

 

ここまで来たら後には引けない。
むしろ、ここまでして逃げたらただの変態バカだ。

アルトはゴクリと喉を鳴らすと恐る恐るシェリルに指先で触れ、それから肩口に顔を埋めた。

 

「・・・・ッ・・」

 

間近で感じた肌の匂いに頭の中が一瞬にして真っ白になった。
同時に狂おしいほどの感情が胸を覆いつくして行き場を失い、外へ出ようと競りあがってくる。
苦しさが一瞬にして色濃くなった。

 

欲情している。
表現すればそうなるのだろうけれど、そんな簡単な言葉で済まされるほど感情は単純ではない。
触れたときの嬉しさや愛しさや温かさに泣きたくなるくらいの感情の渦が巻き起こり、全てを押し流していくのだ。

ともすれば、一気に歯止めを失い、雪崩れ込んでしまいそうなそんな感情の制御にアルトも手間取る。

けれど、そんな激情とは裏腹にシェリルに触れる手はどこまでも優しく繊細だった。

 

頼りない灯りの元では女性らしい線の細さがさらに繊細な印象を与える。
全てが柔らかく、光を帯びた白磁の肌からはよい肌の匂いが立ち上り、身体全体がうっすらと曖昧な光を帯びているようにも見える。
その様子に自らが触れることの怖さを感じながらアルトはもう一度静かに頬を寄せ、指を滑らせて行く。

 

しっとりとした肌の感触。
温かなヒトの匂い。
触れた部分が少しだけひんやりとしているのは、自分の手の熱のせいだろうか。

 

首筋を撫ぜ、胸元を撫ぜ、ゆっくりゆっくりと下ってゆく。
そしてその後を追うようにして唇を滑らし、所々に舌を這わせた。
アルトの唾液に濡れた部位は艶やかに光り、アルトの背徳感を煽る。

心のどこかにあるのだろう"自分なら"という小さな期待がアルトの心をさらに舞い上げていった。

 

「・・・・・んっ・・ゃ・・」

 

寝言とも喘ぎとも付かない声がシェリルから上がり、それがアルトをドキリとさせる。
あれだけ愛撫を与えているのだから、目覚めは近いのかも知れない。

アルトが丁寧に舌を這わせるごとにシェリルの産毛がぞわりと立ち上がる。

 

濡れた跡を人差し指と中指で愛撫してやればシェリルの身体が小さく震え、眉間にかすかな皺が寄った。
胸をゆっくりと揉みしだき、舌先や指先で先端を煽ると、たちまちそれらはぷっくりと熟れて立ち上がる。
眠っている様子を見ているだけでもシェリルが"感じて"いることが分かった。

 

いい子、いい子をしてやるように髪を何度も撫でてやり、眉間の皺を取り除く。
安心したように身体から力が抜けるのを待ち、それがいつもの状態に戻ってからまたゆっくりと愛撫を再開する。

ぴくん、ぴくんっと跳ねるようにして返って来る反応の全てが愛おしくてたまらなかった。

僅かに横になっていたシェリルを正面に向かせて顎を固定し、それから静かに唇を重ねる。
思えばこうやって触れ出してから初めてのキスだ。

 

いつもなら一番最初だったのにとはっとしたところで、自分がテンパッていたことが改めて思い出され、思わず笑いが零れてくる。

ひとしきり笑った後で、アルトはもう一度シェリルに優しくキスをした。

 

唇を軽く押し付けその感触を甘受した後で、そっと食む。
軽く引かれたそれはアルトの唾液に濡れながらぷるりと震えて元へと戻っていった。
そして、アルトはそれを楽しむようにもう一度繰り返す。

いつしかシェリルの唇の砦は崩れ、アルトの舌が容易に中を蹂躙できるようになっていった。

中に舌を進入させてシェリルの舌先と絡め、弄び、ゆるゆると吸い上げる。
いつもの夜のような挑発的な会話も舌先でのやりとりもなかったけれど、気持ちは勝手に高ぶっていった。

アルトは再び先ほどとは別の意味で興奮し、腰の奥の疼きを認識する。

 

「ん・・・・ふっっ、ん!!」

 

呻き声が聴こえたと思ったら、急に組み敷いていた身体が急に動き出した。
シェリルが起きたのだと分かるけれど、同時に本能がここは引けないと警告を発する。
一度シェリルに怯み主導権を握られてしまえば、後はただただ説教の時間が待っているだろうし、そこで恨み言を一言でも零したならば、さらにつよくねめつけられるに決まっている。

そう考えれば、ここはアルトにとっての正念場だった。
アルトは咄嗟の自分の判断に従い、左手で暴れる手首を押さえ、身体全体を使ってシェリルを押さえ込む。

それから、合間合間を見計らいキスを仕掛けた。
目覚めたシェリルからしてみればとんだ論理だろうけれど、アルトからすれば必死の行動だった。

 

シェリルが変に怯えずにすむように名前を呼んでやり、一瞬空気が緩んだ隙をこじ開けて再びキスを仕掛ける。
根気強く何度も何度も舌先で擽り、同時に空いた左手で胸を撫でてやれば自分がほとんど裸の状態だということに気付いたシェリルの身体が強張ったけれど、アルトが触り続けることで次第にそれも溶けてゆく。

一方的とも言えたキスはいつの間にかシェリルからも求められるものへと代わり、同時にアルトの緊張も解けていった。

互いに貪るようなキスを続ければシェリルから飲み込みきれなかった唾液が零れ、それが顎を伝って裸の首筋を濡らす。

 

生理的な涙を浮かべた瞳はひどく凄艶で悩ましげな表情がさらにそれらを引き立てる。

 

あぁ、ヤバイ

 

今日何度目かの暴走に駆られた情欲にアルトは苦しげに息を吐いた。
勝手に裸に剥かれても、縛られても、一方的なキスをされてもシェリルの瞳にアルトを拒絶する色は見られない。

 

澄んだ瞳は涙に潤みながらも変わらずアルトをじっと見つめてくる。
縋るようにも見えるその視線は、アルトの中の黒い感情を膨らませていった。

 

ダメだ 

 

そう何度頭の中で繰り返しているのに、凶悪な言葉は自分の口から出たがっている。
言葉だけでなく、それを生み出す思考さえもそれに染められてしまいそうだった。

 

「・・・シェリル」

「・・・ると」

 

乱れた呼吸の合間、合間を縫うようにして互いから零れた言葉。
ほんの少しだけ掠れたようなその声がもっと聞きたいと思った。

 

おもむろにシェリルの胸元へ顔を埋め、先端を口に含んで転がす。
嬲るごとにシェリルが振るえ、甘い声が上がる。
普段ならそこで止まるはずの獰猛な気持ちが今日は勝った。

 

「・・・あっ・・・ッッ」

 

十分に熟れた果実に歯を立てた途端、小さな悲鳴が上がった。
コリッとする弾力に富んだ歯ざわりが伝わり、微かに震えるシェリルの身体が怯えていることを伝える。
アルトはそれを目の端で捕らえると何も言わず優しく舌先で擦ってやる。

 

「ん・・・・・やっぁ・・・」

 

シェリルの声はやがていつもの嬌声へと戻っていく。
それを聞いた途端、このまま溺れさせたい気持ちと再び先ほどのような痛みを与えてやりたいような気持ちが生まれた。

アルトはそれに逡巡した後で、先ほどとは違うほうの果実へ歯を立てた。

生まれる痛みにシェリルが振るえ、苦悶の表情を浮かべる。
泣きそうにも見えるその表情をもっと見たいと思う自分は本当に変態なのかもしれない。

 

アルトはぼんやりとする思考の中でそう考えて小さく笑った。

好きな子だからこそ苛める。
小学生くらいの低学年ではよくある光景だ。
それと今の自分の行為が全く同じものとは思わなかったけれど、それに似通った感情の一つ

なのかもしれないとは思った。

 

結局、自分がガキだと言うことなのだろうか?
ガキだからこそ全てを晒させて独り占めしたいと思うのだろうか?

 

自分の言葉や行為に翻弄されて乱れるシェリルをもっと見たい。
それと同じくらい大切にして幸せそうに笑う顔が見たい。

相反する二つの感情が混ざり合い、アルトの思考をぐちゃぐちゃにしていく。
自分でも自分が本当に何をしたいのかは分からなかった。

ただ、分かることは今までにないくらいシェリルに対して抱いた感情が凶暴なものであるということだけだ。

 

「シェリル」

 

そう呼んで警戒を溶きつつ、指先を胸や腹に這わせてシェリルを高め、そして時々歯を立てる。
いつもの印とは違う少し柔らかい色をした朱がシェリルの身体の柔らかそうな部分に走る様は妖しく、美しい。
どんなものに蹂躙されたとしても何者にも触れられないような穢れない何かがあるようだった。

 

だからこそ穢してみたくなるのだろうか?

 

浮かぶ疑問の答えを得られぬまま、アルトはゆっくりと胸に下ろしていた手を下へ下へと下ろし

てゆく。
しっとりと汗ばんだ内腿をまさぐり、そっと下着の上からそこをなぞればそこはすでに潤みきっていた。

軽く抑えるだけでもぷちゅっという水音が弾けるような音が鳴る。
その様子にシェリルの顔が赤く染まった。
自分でもこんなことになっているとは思ってなかったに違いない、そんな表情だった。

 

「・・・シェリル、開いて?」

 

アルトのブレのない声にシェリルがぎゅっと目を瞑り、いやいやと言うように頭を振る。

腕を頭の上で縛られているためにシェリルの身体はいうことを聞かず、ぷるぷると胸がたわんだ。

恥じらいからそうなっていることは分かっていたけれど今のアルトにそれを止めてやろうという気はない。
それを強いられたシェリルがどんな表情と痴態を見せてくれるのか、どこまで自分を許してくれるのか、気になるのはそれだけだ。

ガチガチに身体を強張らせて必死に恥辱に耐える様子は、アルトの好奇心を存分に煽る。

 

「シェリル?」

 

諭すようなアルトの声にシェリルが恐る恐る目を開けた。
瞳を濡らしていたいくつかは既にその頬を滑り落ちたようで、痕が残っている。
アルトがベットの上を移動し、ペロリとその後を舐めてやるとシェリルがうろたえ、惑うのが見えた。

 

「あ・・・ると」

「ん?」

「・・・・・・」

 

困ったような声がアルトを呼ぶ。
それに優しく応えてやるとシェリルの顔が泣きそうに歪んだ。

今日を除いてだけれどシェリルの意志を確かめずに無理やり行為に及んだことはなかったし、今日のようにシェリルに自分を受け入れる行為を手伝わせたことはないのだからこの反応も納得だった。

 

愛撫を通して気持ちの擦りあわせ、頃合が来たことを互いに認識してからシェリルはアルトに身を任せるのだ。
それが別段良いとも悪いとも思わないけれど、それでシェリルが救われている部分があるのではないかとアルトは思う。

 

身を任せることで能動的立場から受動的立場へと摩り替わることができるために、その分淫乱な自分を認識せずにすむというのはやはり女性にとって心理的にも楽だろうと思ったのだ。
だからこそ、それを認識させてみたかった。

 

「・・・・止めるか?」

「!!」

 

我ながら底意地の悪い言葉だと思う。
自分だって限界で頭の血管がぶち切れそうなところにいるくせにそうやって一歩も譲らないところを見せて、シェリルの退路を断つのだから。

しょうがないやつだと心の中で自嘲しながらアルトはシェリルの反応を待つ。
ややあって、シェリルがようやく動いた。

 

ゆっくりと膝が持ち上がり、スカートの中が露になる。
しばらく膝ががっちりと閉じられていたけれど、それも徐々に解かれて行った。

 

「・・・・触るぞ?」

「・・ん・・。」

「・・・・閉じたら止めるから。」

「えっ?!・・・・はッ・・ぁ、んっ」

 

一方的な宣言にシェリルが揺らぐ暇も与えずアルトは下腹部に顔を埋める。
下着の横から指を差し入れかき回せば、そこはすでにとろとろに蕩けきっていた。
くちゅり、くちゅりと淫らな水音が立ち、同時にとろみを帯びた熱い水がアルトの指を覆っていく。

下着の上から舌を這わせば、すぐに溢れ出たシェリルを感じることができた。

 

「大分濡れてるな。」

「・・ッ!」

「下着ももうぐちょぐちょだ。」

 

アルトの声に片腕に抱いたシェリルの脚が強張る。
腕を縛られているために何も掴むことができないシェリルがただ、ただ、ぐっと手を握り締めて耐えるしかない。

アルトの羞恥を煽るような言葉に弾かれたようにシェリルの身体はしなり、零れ落ちる蜜の量が増していく。

それを指先で受け止めながら入り口を緩々と撫で付けていると、シェリルの腰が僅かに揺れる。

 

意識していないだろうその動きにシェリルの自戒が解けかかっていることを確認したアルトは緩やかにかき回しつつ、奥へと指を侵入させた。
中は指に絡んだものとは比べ物にならないくらいの熱く、柔らかい内壁がアルトを絡めとろうと迫ってくる。

ここ最近触れてなかったせいか、シェリルの中は随分と狭くなっているようだった。

最初の時のように何度も出し入れを繰り返しながらゆっくりと中の狭さを取っていく。
中を引っかかないように気をつけながら、アルトが指をまげて押し広げ、2本目を埋めていく。

 

アルトの言葉に膝をこすり合わせることのできないシェリルは押し寄せる快楽の波に今にも飲まれそうになっていた。

 

「も・っ・・・ゃ・・・ぁ」


何しろ今日は何かを掴んで耐えることも、膝を閉じることもできないのだ。
霧散しそうになる思考を繋ぎとめるには必死に足を緊張させるしかない。
だというのに、内腿に触れるアルトの手はひどく優しいから思うように力が入らない。

あっという間にシェリルの息が上がった。

切なげなシェリルの声に応える声はない。

アルトもまたシェリルから声が上がる度に、同じ速度で追い詰められていた。

欲情した男にとって、必死に懇願する女の声はこれ以上ないというほどに自身を昂らせる。すでに痛いくらいに張り詰め、熱を持って脈打っているというのに、なかなかアルトが愛撫を止めないのはシェリルに無理をさせたくないという気持ちがあるからだ。

 

「待っ、て・・ある・・・あッ・あッ・・んっ・・・・あ・るとぉ・・」

 

うわごとのようにシェリルが必死にアルトの名前を呼ぶ。
むしろ、それしか言葉が思い浮かばなかった。

ギリギリのラインで既に思考を飛ばしそうになるシェリルにはもう考える力も残っておらず、早く

アルトと一つになりたいという衝動しかない。
いつしか零れ落ちる嬌声に対する羞恥も消え、アルトにされるがまま、際限なく喘がされていた。

 

「欲しいか?」

 

どれほど時間がたったのだろうか?
永久にも思えたアルトの愛撫がようやく中断される。

一方的な愛撫に翻弄されることしかできず、解放されることもないままに弄られたことによってただ高められることしか許されなかったシェリルの身体には汗の粒が浮かんでいた。
全身を濡らしたシェリルを見つめるアルトがおもむろに指を伸ばすと、指先はぬるりと滑った。

 

指先に掬い取られた粒をアルトがそっと口に含む。
そのアルトの口元が濡れていることに気付いたシェリルは、その濡らしているものの正体にたたまれなくなりぱっと視線を反らした。

けれど、投げられた言葉の意味を理解したシェリルはすぐさま振り返り、縋るようにしてアルトを見つめる。

 

指だけでイってしまいたくなどなかった。
ドロドロに溶け、アルトの"それ"求め続ける自分の奥にアルトを埋めて欲しかった。

 

おそるおそるシェリルが頷けば、アルトがシェリルに馬乗りになる。
そして、耳元で甘く囁いた。

 


「ナニをどうて欲しいんだ?」

「ッ!!」

 

そのままアルトはシェリルの耳に軽く歯を立てる。
背筋に走ったぞくりとする感覚に思わず息を飲んだシェリルを今度は至近距離からアルトが捉える。
吐息がかかりそうなくらいの距離とまっすぐな視線の透明さには不似合い甚だしいアルトの要求にシェリルの頭が混乱する。

意味を理解したシェリルを今日一番の羞恥が襲い、同時に狂おしいほどの切なさが圧し掛かってくる。
懇願しようとした唇も震えるばかりで、音になってはくれなかった。

 

「言えよ?」

 

乱暴な言葉遣いのくせにはらむ音はどこまでも優しく魅力的で、戸惑うシェリルの心をぐらぐらと揺らす。
許してっと乞おうにも唇は動かず、抱きしめて欲しいと伸ばすはずの腕も今は動かすことができない。

自身の奥で燻り続ける熱を解放するためにシェリルができることはもう一つしか残っていなかった。

 

「・・・っ、あ・・・」

 

言おうと心に決めたのに、いざとなると言葉が出てきてくれない。
言ったら呆れられるんじゃないだろうかとか失望されるんじゃないだろうかとかそんな不安も生まれてくる。
身体の疼きと散々煽られた羞恥のせいでシェリルの頭の中はもうぐちゃぐちゃだった。

 

「・・あ、ると・・・あると・・」

 

泣き叫ぶようにしてアルトを呼べば、アルトは優しく髪を撫でてくれた。
けれど、それだけだ。

シェリルの望むようなことは決してしてくれない。
それが、どうしようもなく切なくて、悲しい。

 

「や・・だ・・。イジワル・・・しないで。・・ちょ・・・だ、い・・・」

「ナニを?」

「あ・・・るとの・・・」

「ん?」


「・・・おちんちん」

 

幼子のようにたどたどしく、甘くなった声。
それが彼女の本来のものなのか、一時的なものなのかは分からなかったけれど、それはアルトを微笑ませ、同時に発した言葉の卑猥さが状況を更なる局面へと駆り立てる。

すでに張り裂けそうになっていた情動を必死に押さえ込みながら、アルトは優しくシェリルにキスを落とし、髪を撫でると、自分の衣服を脱ぎ捨てる。
それから、シェリルのスカートとすでに意味を成さなくなっていた下着を取り去った。

 

十分に解れているかどうかを確かめるためにもう一度指を突き入れれば、とろとろに蕩けきった内壁がアルトを掴もうと蠢き、ヒクヒクと震える。
中を一掻きしてから引き抜くと指に絡んだ愛液がゆっくりと涙型になりながら滴り落ち、シーツを汚した。

すでに十分に昂ぶっていた自身をシェリルの願いのままに入り口に当てるとそれを待ちわびたようにシェリルの腰が揺らいだ。

 

「・・・・っ、あっ・・くっ・」

 

入り口に押し当て、愛液を絡めるように上下させて潤滑油に使い、シェリルの太ももを抱きこむとゆっくりと自身を進入させていく。
指先で感じるのとは比べ物にならないくらいの熱さと気持ちよさが一瞬にしてアルトを包み、纏わり付いてくる内壁の強さに声を堪えることができない。

息を堪えるようにしながら押し入れるだけで思考が吹き飛びそうになる。
こんなところで意識を飛ばしてなるものかとアルトは己の感覚を必死に手繰り寄せ続けた。

全てを埋めた後で大きく息を吐き出すと、アルトは勢いよく腰を引く。

 

久しぶりの鋭い感覚にシェリルの口から悲鳴にも似た声が上がり、それはアルトの耳の内でゆっくりと響き渡ると同時にアルトの意識を侵していく。
自分の背筋を這い上がった感覚にそれらが瞬時に溶け合うのを感じたアルトは腹の奥で蠢く欲を衝動のままに弾き出してしまおうとそのスピードを上げた。

 

押入れ、引き出す度に駆け上ってくる感覚はアルトの肌をぞわりと泡立たせ、官能をもたらす。
組み敷き、蹂躙されながらも唇を引き結び耐えようとするシェリルの苦しげな表情がさらにアルトを酔わせた。

 

「っ・ぁ・、あぁっっ・・ッ、んっっ・・ゃァっ・・はっ」

 

ぐちゅぐちゅという淫らな水音。
濡れた荒い息遣い。
翻弄される声。
ギシリとベットの軋む音。

それらが混ざり合った音が部屋中に響く。

 

耳に届くそれをどこか遠くのことのように感じながら、アルトは中を掻き回した。
アルトに絡みつく内壁はアルトの動きに合わせて形を変え、どこまでもアルトを掴まえようと貪欲に手を伸ばして来る。

 

擦りあげる度に腰の奥が痺れ、生まれる熱に汗が噴出し、思考が真っ白になっていった。

しっとりとした脚を深く抱え上げ、指先に解されていない深い部分を侵せば締め付けが増し、引きこまれようとしているのか、引き抜かれようとしているのか分からなくなる。

感じるのは熱の渦を思い切り掻き回すときに得られる快楽だけ。

何もかもぐちゃぐちゃにしてしまいたくてたまらなくなる。
アルトの額に浮かんだ汗はシェリルの腹へと落ち、胸へと滑っていった。

白い裸体が繋がり、情欲のままに相手を求めあえば、散漫に膨れあがるそれはいつのまにか大きな塊となり、更なる高みへと二人を誘う。

 

戻る術など知らず、急かされるままに駆け抜けるころにはもう腹に抱き続けた熱塊を吐き出すことしか考えられなくなった。

内壁を擦りあげる角度を変え、シェリルが強く反応を返す部分を執拗に攻めたてればシェリルの背中が反り返る。


これ以上ないくらいにピンッと緊張した身体に向けてもう一度自分を押し入れると、同時に中の締め付けがぎゅっとキツクなった。

瞬間、アルトの欲望が弾ける。
ようやく許された解放に、アルトの下肢が震えた。

 


トクトクと注がれる熱い液体の感覚に目を覚ましたシェリルは、肩で荒い息をするアルトを見つけると嬉しそうに笑った。
いつものように抱きしめたくて、抱きしめてほしくて、手を伸ばすけれど、手は動かない。

 

縛られていたからだ未だにぼんやりとする頭で考えていると、シェリルが目を覚ましたことに気付いたアルトが倒れこむようにして抱きしめてくれた。

大好きな腕が背中へと回り、ぎゅっと抱きしめられるとたまらなく幸せな気分になってくる。
汗に濡れた首筋を舐めてやれば、くすぐったいというようにアルトが笑った。

 

ややあって、ようやくシェリルの両手が解放される。
どう文句を言ってやろうかとも考えたけれど、少ししょんぼりとなったアルトの表情を見ていたら、叱るに叱れなくなってしまった。

 

シェリルはそのことに小さく苦笑すると、そのままアルトを優しく抱きこむことにした。

ドクン、ドクンと大きな音を立てて打つ心音に耳を寄せ、軽くキスをしてやればアルトが笑う。
シェリルは身体を動かし、仰向けになったアルトの上に乗り上げると愛おしそうに、裸の胸に頬を寄せた。

 

 

 

 

 

 

そして二人は幸せな倦怠感を感じながら穏やかな眠りへと落ちていく。

 

 

 

 

 

 

END

最終更新:2010年09月20日 23:39