明かりを8割ほど落とした寝室のベットの背にもたれながらぼんやりとしていたアルトの元に、ようやく支度を終えたシェリルがやって来ると勢い良くアルトの胸に抱きついてきた。
久しぶりのシェリルのオフに合せてアルトが休みを取っていてくれたのがよほど嬉しかったらしく、一緒に出かけないかと誘った夕食の時間からシェリルの機嫌がすこぶる良い。
普通にデートするだけなのに、しかも行き先はアイランド3のカバウシ牧場という色気もへったくれもない場所でのピクニックという健全極まりない企画だというのに、シェリルは話を終えたときから終始ニコニコ顔だった。
スタイリストから新しく買ったのだといって可愛らしい感じの白地に青のリボンがところどころに通されたワンピースを着て見せ、嬉しそうにしながらアルトに感想を聞いてくる。
誘って本当によかったなと、はしゃぐシェリルを身ながらアルトはほっと胸をなでおろし、優しく胸の辺りに顔を埋めているシェリルを優しく抱き返す。
柔らかい肢体の感触と巻き起こった小さな風に乗った甘いシャンプーの香りがアルトの鼻腔を刺激し、胸をぐっといっぱいにする。
ほんの少しだけ苦しくなる感覚をかみ締めながら、アルトはシェリルを大切そうにもう一度抱きしめた。
**************
「・・・・で、もう最高なんスよ!!」
「へぇ~。今度会わせろよ」
「いやっスよ~。大~丈夫ですって!先輩にもすぐに彼女できますから~そしたら”して”くれますってw」
「ッノヤロー!!!お前、ちょっとばかし可愛い彼女ができたからって調子乗ってんなぁっ?!」
「テテテテテテテテッ!!ギブギブギブ!マジギブですって!!!ッ、だぁ~死ぬぅ~!!!」
「何やってるんだ、お前達?」
「あぁっ!!たいちょーコイツ彼女が出来たからって自慢してるんですよ~」
「へへっ!でも、マジ可愛いんスよ!!潤んだ瞳で、こっち見上げて『キスして…っ』っとか言っちゃうんですよ?!
もう俺爆発しますって!!!隊長ならあの時の可愛さ分かってくれますよねっ!!」
「・・・・・・・」
「隊長?」
「えっ、あ、あぁ・・・まぁ・・って、俺まで巻き込むんじゃないっ!!!」
「だぁって、普段女王様なシェリルがどんなになるのか知りたいじゃないスかぁ~!つーことで、そこんとこ詳しくお願いします。」
「言うわけないだろっ?!っというか、お前たち訓練終わってそんなに騒ぐ体力残ってんなら明日からメニュー変えた方がいいな。」
「「げぇっ・・・・あーそうだ俺たち用事がまだ・・・・ってことで失礼しまぁすっ(するっス)!!」」
訓練を終え、シャワールームで汗を流していたアルトが脱衣所に戻ってきた時に繰り広げられていた会話がコレだった。
初めは一体何のことかと思っていたのだけれど、どうやら"彼女のキス"の強請り方についての自慢らしく、あまりの五月蝿さに注意に入ったはずのアルトは気が付けばその会話に巻き込まれでいた。
思わず流されそうになっていた自分にはっとし、うやむやなまま答えを与えたまま後輩達をシャワールームから追い出すことに成功したまでは良かったのだけれど、その時からアルトの中には一つの疑問が浮かんでいた。
"不安"と言ってしまえるほど大きなものではない。
けれどやはり不確かな"ソレ"は確かにアルトの心を揺り動かす。
自覚によって生まれた小さな寂しさにも似た感情にアルトは小さくため息をついた。
"早乙女アルトはシェリルと正式に付き合うようになってからというもの、彼女からのキスやキスのおねだりをされた経験がなかったのだ。"
シェリルからの"キス"はむしろ付き合う前にだけもらっていた。
ほとんどが不意打ちと言われるようなもので、きちんと付き合う前のキスはどれもそんな感じで一方的に奪われていたのだ。
けれど、最近を思い返すと自分からのキスだったり、挨拶程度に頬や額に軽くされることしかない。
唇同士を触れ合わせようとするのはいつも自分からだった。
***************
「なぁ、シェリル。」
「なぁに?」
アルトが呼べば、胸へ押し当てるようにしていた顔を上げてシェリルが笑う。
背中に回されたままの腕に捕まえられていることを少し嬉しく思いながら、アルトがそっとシェリルの輪郭を指でなぞればくすぐったいのか小さな声が上がった。
空色の瞳がまっすぐアルトを見つめ、どうしたの?と優しく問うように小首が傾げられる。
その様子に頬を緩ませながら、アルトはそっと言葉を紡いだ。
「その・・・・キス、してくれないか?」
「・・・・・・・」
ストンッと滑り落ちるようにして言われた静かな言葉に、シェリルの瞳が見開く。
何を言われたのか分かっていないようだった表情にゆっくりと色が生まれ始め、やがて頬が赤く染まった。
いつもしていることを改めて言葉にされると恥ずかしくなるのか、目に見えてうろたえ出したシェリルにアルトが笑う。
耳まで赤く染まった様子はどうしようもなく可愛くてたまらなかった。
相手の好意が本物なのだということを知ると嬉しくなる。
どんなに一緒に居ても、どんなに心を許しあっていても、そうやって好意を示されると嬉しくなる。
アルトはそれを伝えるように優しくシェリルの髪に触れた。
「・・・・どうして・・急に・・・」
「・・・ダメ、か?」
「だ、だめじゃないわよっっ!!そんなわけないじゃないっ!」
「じゃあ、シて?」
「ッ・・・・・」
アルトの言葉に僅かな沈黙が二人に降りる。
アルトのおねだりに恥ずかしさからかシェリルはぱっと瞳を反らしてしまったけれど、アルトの上から逃げたり、離れようとはしなかった。
着ている夜着を通してシェリルの熱が上がるのを感じる。
アルトはシェリルをそっと抱き寄せるとその肩口に顔を埋めた。
湯上りの良いにおいがアルトをくすぐる。
ふわふわの髪がアルトの吐息にゆらゆらと揺れる。
それをぼんやりと見つめながら、アルトはシェリルに甘えるようにしてすりよった。
こうして相手に触れることはとても気持ちいいのだということをアルトは初めてシェリルで知った。
肌や手を重ねるのとはまた違って、温かくひどく心地よいのだ。
触れる全てが優しく、自分を受け止めてくれるということは何にも変えがたい安らぎをくれる。
欲を言えば頭を預ける先がシェリルのふとももで、頭をなでてもらえればもっと嬉しかった。
「なぁ、シェリル。」
「・・・・・・・」
耳元で囁くアルトの声は甘く、シェリルの母性本能を刺激する。
滅多に見られないアルトの姿にシェリルの心がざわつき、思わず笑みがこぼれた。
抱き寄せられたままの状態からゆっくりと手を伸ばし、アルトの髪紐を手探りで探す。
日ごろから良く触れていることもあってか、簡単に見つかったソレの端をそっと引けばサラッという音を立てて髪が解けた。
いつ見ても雅やかだと思える光景にシェリルの口から感嘆の声が零れる。
そのまま優しく手を伸ばし、触れられる範囲で髪を撫でてやれば肩口に顔を埋めたアルトから漏れた満足そうな吐息が聞こえた。
まるで、警戒を解いて日向に寝そべる大きな犬のようだ。
一度心を許されればどんなに無防備な様子さえも自分に見せてくれる。
ありありと分かる自分への信頼がシェリルには嬉しかった。
いい子。
いい子。
と言うようにシェリルの手が優しく何度もアルトを撫でる。
アルトに触れている部分から心地よい体温がじんわりと伝わってくるのがなんだかとても幸せに思えた。
「なぁ、シェリル。キース」
「・・・・・・・。」
せっかくいい雰囲気だったというのに、それをなんとも無遠慮なアルトの言葉が見事にぶち壊してくれた。
シェリルの背中にまわされていたアルトの手はシェリルの髪の毛を一房ほど絡めとり、忘れないでというように2,3度引く。
無粋すぎるアルトの行動に少しだけ腹が立ったけれど、そんな感情もすぐにこみ上げてきた可笑しさに掻き消されてしまった。
トン、トンとアルトの背中を叩きアルトの体を起こさせ、アルトの腕の中から逃げ出してからそっとアルトの頭を両手で包み込む。
キスをしようにも高さがほんの少し足りなかったからアルトの足を跨いで膝で立った。
琥珀色の綺麗な視線がじぃっと子犬のようにこちらを見上げる。
その一途な様子が可愛くて、シェリルは小さく噴出すと同時にたまらず破顔した。
そのまま顔を近づけ、唇でアルトに触れた。
最初は額。
次に瞼。
それから頬。
大事な宝物を扱うように静かに触れながらその感触を確かめ、丁寧にキスを落としていく。
一つキスをするごとにアルトの視線が少しだけ恥ずかしそうに、そして嬉しそうに揺れるのが嬉しかった。
ほんのりと染まった頬を見ながらシェリルは自分から言い出したくせにっと心内で呟く。
けれど、思い返せば出会った頃のアルトはいつもこんなかんじだった。
何気ないことで頬を染め、ぱっと視線を反らしては動じてない振りをするのだ。
格好付けで、まっすぐで、時々妙に意地悪で、でもとても素直で可愛い男なのだ。
手を繋いで一緒にファンから逃げただけで真っ赤になっていた自分たちを思い出すと、なんだか微笑ましくなる。
そんなに昔のことではないはずなのに、あの時の記憶がなんだかとても懐かしく思えた。
照れるアルトをバレないように観察しながらシェリルはゆっくりとキスを落とし続ける。
こめかみや鼻先などいつもアルトがしてくれる場所に全て触れながら唇へと下っていくとバランスが取りにくくなってくる。
ぐらつく体をアルトの肩や胸に手を置くことで支えると、シェリルは最後にそっと唇を啄ばんだ。
ふるんという弾力のある感覚がシェリルの唇を押し返す。
しっとりとした口付けは甘美で、ただ唇を押し当てているだけなのに頭が熱に当たったようにくらくらする。
離れてしまうのがなんだかとても寂しかった。
「なぁ、もう一回。」
閉じてられていた琥珀色の瞳が開かれ、シェリルの空色と絡むと、アルトは幸せそうに笑んでからもう一回と囁いた。
名残惜しいと感じたのは自分だけではなかったのだと安堵したシェリルはそれを嬉しく思いながらアルトのリクエストに唇で応える。
触れ合っているだけのキスはいつの間にかとろけるように甘いキスへと変わっていった。
軽く開いた唇の隙間から舌先がねじ込まれ、もう一つを見つける。
愛しげに触れてくるそれに触れ返してやれば、途端に勢いを増して絡み付いてきた。
息苦しさと嬉しい感情が頭の中で互いを主張し合う。
シェリルの背中に回っていたアルトの腕がゆっくりと背中を這い上がりやがて首筋へと優しく絡みつく。
角度を変えて舌先で触れ合う度にくちゅくちゅという水音が零れた。
『もう一回。』
息が続かなくなって離れる度に、アルトがそう耳元で囁く。
少しだけ荒く、熱く火照った声が耳へと流し込まれる度にシェリルの背筋にぞくりっとする感覚が走る。
どれだけ長いキスをしてもアルトの想いは満たされないようで、濡れたように見える切なげな瞳でそう繰り返すアルトは独特の色香を放ち、その妖艶さはその命に従って喜ばせてみたくなる程にシェリルを虜にしていった。
二人分の唾液を口内に流し込まれながらシェリルは必死にアルトに応える。
時々擦りあわされ、きつく舌を吸い上げられるとジンッと腹の奥が疼いた。
もう何度目か分からない濃厚なキスに、体の奥で熱が燻り始めている。
アルトの指先が肌に強く押し当てられたり、硬い爪が当たるのを感じるたびに、もっと強く"ソレで"擦り上げられたいという欲求がシェリルの奥底で静かに生まれ始めていた。
息が上がるのにつられて体温も上がってゆく。
熱い息が肌にかかると、思わず先ほど放したばかりの唇を塞いでしまいたくなる。
頭が徐々に回らなくなり、思考がどろどろに溶け、唇をむさぼることしか頭の中に残っていない。
惰性のままに全身に広がっていくそんな感覚がひどく気持ちよくて堪らなかった。
口内をくすぐり上げ、舌先を舐め合い、ちゅっというリップ音を響かせながらもう一度口付ける。
唇の先で食んだ相手のソレがほどよい弾力を伝え、軽く吸い上げると今度は自分が絡め取られる。
攻守がくるくると入れ替わりながら、弄び時に本気になって相手を攻め立てる。
抜けそうになる力を必死に留めすがり付かせていた指先は流れ落ち、アルトの胸に頼りなく置かれたままだ。
すとんとアルトの太ももの上に堪えられなくなったシェリルが座り込むと、首筋に巻かれたアルトの腕が抱き込んだストロベリィーブロンドがふんわりと緩く撓んだ。
唇が離れた隙を狙ってアルトが膝を持ち上げ、シェリルの体を自身に持たれかけさせる。
体制を整えた上で再びシェリルを抱きしめれば、荒い呼吸を整えていたシェリルの瞳が少し嬉しそうに微笑む。
それに優しく笑い返しながら、アルトはシェリルの顎を持ち上げ再び唇を塞いだ。
さすがにこれだけ長いキスをしていると、疲れてきたのかシェリルが少しぐったりとしてくる。
アルトはゆるゆると手を滑らせると、今度は腰を抱き寄せた。
自分の太ももの上で僅かに体制の崩れたシェリルの背中はいつもより妖艶な曲線を描いていた。
アルトの胸に頭を寄せて体を支えているせいで胸元はアルトに近く、腰は胸元から少し遠い位置にある。
アルトは何度もそのラインを確かめるようになぞった。
「ッ、はぁっ・・・んんっ・・」
息も吐かせないアルトからのキスにシェリルの肢体の自由がゆっくりと奪われていく。
アルトに助けられなければ、体を起こしていることすらできないのだ。
酸欠と舌で弄ばれる感覚に溺れそうになりながらシェリルは必死にアルトを受け止める。
アルトに触れられているところが、異様に熱く感じた。
ドクン、ドクンと打つ心臓の音が酷く耳にうるさい。
熱い体温がもどかしく、火照った体が妙に疼く。
体の奥底でジリジリと燻る熱が、ゆっくり、ゆっくりとアルトの欲を飲み込んでいく。
熱と快楽にすでに溺れかけていた理性が己を飲み込んでゆく欲望に太刀打ちする力など、今のアルトには残っていなかった。
腰を抱き寄せていた腕が段々と舌に落ちていき、柔らかな双璧を撫でるとシェリルがぴくんっと反応を返す。
そのまま手をゆっくりと動かし、滑らかな太ももを擦って感触を楽しみながら足の付け根に這わせばシェリルの体が再び震えた。
下着の上から軽く爪を立てて秘部の上を滑らせる。
爪の硬い感触が柔らかな布を引っ張りながらその感触をダイレクトにシェリルに伝えた。
アルトの唇に塞がれたシェリルの口から、意味を成さない声が漏れる。
けれど、アルトはそれに気づかなかった振りをしながら何度も指先でカリカリと布を掻いた。
シェリルが震え、止めて、助けてと救いを求めるようにアルトの胸に置かれたままの手に力を入れようとするけれど、すでにアルトの力に抗うだけの力はシェリルに残っておらず、逃げようにも逃げられない。
アルトにしつこく触られるたびに、熱くなった体が勝手に反応して危うく腰が揺れそうになってしまう。
シェリルは羞恥と恥辱に焼かれながら、必死にアルトのイタズラが終わることを祈った。
が、アルトはシェリルが逃げようと腰を僅かに浮かした瞬間を見逃さずそのまま下着の隙間から押し入ってくる。
左手でがっちりと体を支えられ、唇を塞がれていたシェリルはアルトの指に犯されることを止めることができなかった。
細い、繊細な指がぐちゅりという淫乱な音を立ててとろとろの暖かな海へと沈む。
腰を下ろせばさらに奥へと指が突き立てられてしまうためにシェリルは腰を浮かせたままでいるしかなかった。
己を暴かれた恥ずかしさが身を焼くけれど、顔を背けることすら許してもらえず、シェリルはアルトにされるがままだ。
秘部を煽られる度にくちゅくちゅという水音と荒い息遣いが部屋に零れ落ちる。
まともな思考はすでにそのほとんどが奪い去られ、己の欲のままに突き進む男とそれを受け入れる女の色情にまみれていた。
長い口付けから開放された唇からは、しどけない声が上がりさらに男を煽る。
どこまでも情欲に溺れていく感覚が気持ちよくてたまらない。
「んぁ・・・・っ、はっ・・・あぁ、・ぁ・・ん」
漏れてくる甘い声をもっと引き出してやろうとアルトは指で掻きまわした。
ようやく顔を背けることを許されたシェリルは下を向いたままで、その表情が見えない。
いやいやと頭を振る様子は大変可愛らしくアルトの嗜虐心を唆す。
赤く染まった耳元に下を這わせ、ねっとりと舐め上げてやれば、びくっと体が震えた後で戸惑うような視線が僅かにすがり付いてきた。
「アッ・・・ルト・・・ん・・・あっ、やぁっ・・・」
『普段女王様なシェリルがどんなになるのか知りたいじゃないスかぁ~!』
ふっと頭の中にリフレインする声。
それに物騒に笑いながらアルトは心内で言葉を返す。
シェリルの"こんな"姿を誰が教えてなどやるものか、と。
俺だけが知っていればいいのだ、と。
俺以外は知らなくていいのだ、と。
最大限に潤んだ瞳や真っ赤に染まった頬。
荒い息と零れる嬌声。
敏感に反応を返す身体。
その全てを組み敷いてしまいたいという乱暴な欲求がアルトを満たしていく。
そんなアルトに翻弄され、乱れた服の隙間や裾からシェリルの白い肢体が覗く。
滑らかな石膏のような肌はところどころが浮かんだ汗にしっとりと濡れ、ほんのりと赤く染まっていた。
「んっあッ・・ァ・・ッ・」
アルトが中を掻きまわしていた指を止め、抜いてやるとこわばっていたシェリルの身体から力が抜ける。
まだ、軽くしか煽ってないというのにすでにとろとろのそこからは抜いた指にはたっぷりとシェリルの愛液が絡み付いていた。
倒れこみそうになる身体を支えてやりながらアルトはシェリルを胸に抱く。
肩紐は緩み、半分ほどあらわになっていた乳房は柔らかな光を受けてたまらなく艶やかだ。
アルトはそっとその肩紐を落とすと、すでにぷっくりと立ち上がっていた先端の蕾を口に含んだ。
寝る間際だったために下着を着けていなかったシェリルにとっては全てが刺激となっていたのだろう。
舌先でころころと転がしてやれば、気持ちいいのか再びシェリルが震える。
この期に及んでもまだ逃げようとするするシェリルをの右手を引き止めることで静止しながら、アルトは乳房を指先で弄り倒しつつ舐り、豊満な胸を揉みしだきながらシェリルを高めていく。
柔らかいふにふにとした感触も温かさも少しだけしょっぱい肌の味も全てが気持ちいい。
アルトはシェリルに夢中で触れた。
乳房や先端を指先で煽り、首筋にキスを落とす。
なだらかな膨らみに沿って舌を這わせ、所々に歯を立て吸い付く。
ビクビクとシェリルが震える様子を楽しみながら、気の向くままに唇を落とせば各所に赤い花が咲いた。
胸元を滑り落ちたワンピースは腰の辺りでを露にして止まり、ほのかな光の中に照らされた肌が浮かび上がる。
赤い所有印に染まった胸元と違い、下腹は滑らかなまま光を受ける。
アルトは大切そうにシェリルに触れると、捕らえていた右手をそっと離した。
開放されたことにほっとしたのか、シェリルがそっと息を吐く。
アルトはシェリルに優しく微笑みながら、言葉を発した。
「全部、見せて。」
口調だけは穏やかなもののそこには有無を言わせぬ独特の雰囲気がある。
それでも断ることはできるのだけれど、ここで放置されれば後まで辛いのは自分だということをシェリルは知っていた。
なんとか立ち上がろうとするのだけれど、うまく力が入らずその場にへたり込んでしまう。
どうしようかとアルトを見れば、綺麗な琥珀色がじっと自分を見つめていた。
「止めるか?」
すでにほとんど裸に剥かれ、身体を覆う布は下肢に落ちたワンピースと汚れた下着だけだ。
アルトの思うがままに翻弄され、今ですら行動の一つ一つまでを視姦されているというのに、さらに追い討ちをかけるかのようなアルトの声にシェリルが慌てる。
ここまでは好き勝手に脱がせてきたくせに最後は自分で脱がせようとしたり、引き返せないところまでこちらを高めていることを知りながら途中で放り出すかもしれないなどという可能性をチラつかせるこんな時のアルトは本当に意地が悪いとシェリルは羞恥に潤んだ瞳でアルトを憎らしげに見つめた。
けれど、そんな反応すらアルトにとっては楽しい見世物らしい。
シェリルの視線を楽しそうに受け止めながら、お前がいいならと言って今にも布団の中へと包まってしまいそうになる。
体中で燻る熱を開放させるための手段はシェリルにはもう他に残されてはいなかった。
ワンピースの裾に手をかけ、ゆっくりと持ち上げていく。
濡れた下着がアルトの視線にさらされることが何よりも恐ろしかったけれど、ここで止めたら本当にアルトは途中で止めてしまうかもしれないという恐怖心だけがジリジリとシェリルを動かしてゆく。
少しめくり上げるたびに、心臓がどくどくと五月蝿くなり、顔が火照った。
「そのまま、止まれよ。」
半分ほどワンピースが持ち上がり、ちょうど下着が全て露になりかけた頃にアルトから静止の声が掛かる。
愛液に濡れ、紫色の濃淡でその様子がありありと相手にも伝わるだろうということがシェリルをさらに辱める。
うろたえるシェリルにアルトは不敵に笑う。
不意に伸ばされたアルトの綺麗な指が再び濡れた下着に触れるとぷちゅっという気泡の弾ける音がした。
そのまま下着の上から執拗に触られ、シェリルの下着から愛液が染み出していく。
とろみを帯びたそれは潤滑油のように指のすべりをよくするばかりで、決定的な刺激を与えてはくれない。
緩急をつけて煽られる度にシェリルの身体にアルトに触れられる嬉しさと気持ちよさが広がっていった。
「・・やぁ・・っ ・まっ・、ふぁっ・・・ッある・、・と」
「もうぐちょぐちょだな。そんなに感じた?」
「んっ・・・んっ・・・・ぁ・・や・・はぁッ・・」
「シーツまで染み込みそうだ。」
倒れそうになるシェリルを左手で支えてやりながらアルトはそのままシェリルの秘部を煽り続ける。
そのままイってしまえない強さで次々に攻められる度にシェリルの口から嬌声が零れ、注ぎ込まれる艶やかな声がシェリルをさらに刺激する。
しがみ付くことを許されないもどかしさとともにシェリルはワンピースの裾をつかんで耐えるしかなく、布越しでしか触ってもらえないことに切なさが増した。
「ると・・・・あるとッ・・・・ぁ・・待・・っ・」
「っ、・・・何だ?気持ちいいんだろう?」
「・も・・だ・・めぇ・・・・・脱、がせ・・て・・・・もっと、・・・・シて」
シェリルがとうとう堪えきれなくなり、絶え絶えになりながらアルトに懇願する。
アルトは僅かに瞳を見開くと、愛撫の手を緩めた。
「そのまま体重を後ろにかけて。」
「足、閉じるなよ。」
「そう、いい子だ。」
アルトの言葉に従って、シェリルが体制を崩していく。
最初はなんとか支えていた身体も徐々に力をなくし、それを見越したアルトがベットの上へと押し倒した。
押し寄せる快楽の波から逃げ遂せておることで無防備になった身体にアルトが静かに覆いかぶさり、軽く胸を食む。
肌に再び優しく触れてやりながらアルトはシェリルの下肢から下着を静かに取り払った。
すでにアルトによってとろかされた秘部からは愛液が溢れ出し、シーツへと零れ落ちようとする。
アルトは身を屈めると愛液の溢れ出す秘部へ優しく口付けた。
くちゅという水音が跳ね、シェリルの身体が軽くしなる。
ぴちゃぴちゃと舐め取る音がシェリルを十分に辱めることを知っていたアルトはわざと聞こえるように音を立てながら舌を這わせた。
長時間のキスと愛撫によって弄り倒されたそこはすでに盛大に潤んでおり、このまま腰を薦めても十分受け入れられるように思えてしまう。
アルトは軽くくにくにと秘部に指を這わせた後で、ゆっくりと中に挿しいれていった。
シェリルのナカはすでに熱くとろけており、待ちわびた侵入に内壁がすぐに絡み付いてきた。
出し入れを繰り返しながらシェリルの準備ができていることを確かめると、アルトは着ていた服を乱暴に脱ぎ捨て、裸になる。
挿入する前にシェリルに覆いかぶされば、切なく潤み、熱に犯された瞳がアルトを誘った。
「くッ・・・・・」
狭さの取れきっていないナカへと己を押し込むと、先ほど指に絡みついたのとは比べ物にならないくらいの熱さが迫ってくる。
ナカに押し入れれば入れるほどキツく絡みつかれ、どれだけシェリルが自分を欲していたのかが分かった。
いじめ過ぎたのかもしれないっとアルトは小さく苦笑する。
けれど、そんな余裕もすぐに押し寄せてくる波に飲み込まれてしまった。
熱くうねる壁がアルトを逃がさぬようにと絡み、締め付けてくる。
息を吐く一瞬も気が抜けなくて、動けないもどかしさがさらに自分を辛くする。
力任せにナカを穿てば、擦れあう感覚に思考が飛びそうになってしまう。
アルトは必死に意識を繋ぎとめながら、シェリルを蹂躙した。
奥へ、奥へと侵入し、ギリギリのところで引き抜いてやる。
強く扱かれる感覚に背筋が泡立ち、一気に持っていかれそうになる。
それをやりすごしながら、アルトは何度もシェリルのナカを掻き回した。
溢れてくる愛液がアルトに絡み、動くのを助けてくれる。
奥へ自身を突き立ててやるとシェリルが震えながら何度も自分の名前を呼んだ。
自分だって限界だろうに、必死に自分にしがみ付いてこようとする様子は可愛くて堪らない。
もっと気持ちよくなりたくて、
もっと気持ちよくさせてやりたくて、
感じるままにアルトは腰を振った。
甘さを増した嬌声がアルトの耳を侵して行く。
空色の瞳から零れる涙も、上気した頬も綺麗で美しい。
ふるふると揺れる乳房を吸えば、自分を包むナカが一際強く絞まった。
「あっ・・・あっ・・・ぁぁぁッ!!」
強く、弱く擦り上げればシェリルが逃げる。
腕の中でシェリルが乱れる様子は、アルトをさらに高めていく。
シェリルが自分しか見ていないのだと分かるこの瞬間が嬉しくてたまらなかった。
名前が呼ばれるたびに幸福な感情が心に満ちていくのが分かる。
もっともっと激しくしてやりたい、乱してやりたいという感情と身体の奥底から生まれる愛おしい気持ちとがぶつかり合いたまらなくなる。
アルトは夢中でシェリルを揺さぶった。
額にキスをして、
瞼にキスをして、
頬にキスをした。
体中に触れて、
落とした赤い所有印を撫で上げて、
白い肌をまさぐった。
熱いところも、
しっとりとしたところも、
やわらかいところも、全てが気持ちよくて、大切に思えた。
髪の毛はいつの間にかくしゃくしゃに乱れ、
荒い息遣いと汗に濡れていた。
舌で触れると、ところどころが少しだけしょっぱかった。
シェリルの指が、時々背中に甘い痛みを植えつけた。
限界に近づくたびに頭の神経が焼ききれるような感覚が走る。
体中に乳酸がたまり、くったくたになっていくのが分かる。
アルトは優しくシェリルの唇に触れた後で、一気に己を追い詰める。
引き抜き、押し込むたびにシェリルの足がシーツに擦れ、白い波が広がった。
擦れるたびに生まれる摩擦の熱で解けてしまうような気さえした。
ジャンプ台までの距離が段々と縮まっていくのが分かる。
背中に走る感覚が徐々にアルトを限界へと押し上げていく。
とうとう限界だと感じた瞬間、遠くなっていたうねりが一気に押し寄せてきた。
シェリルがイったのだと感じると同時に、硬く膨らんだ自身が弾けた。
腹が震え、その度に白濁がシェリルの中へと注がれていく。
熱いほとばしりは何度もアルトを震わせ、そしてその全てを繋がったシェリルへと流し込んでいく。
強い波が起こる度に白濁が吐き出され、それを受け止めたシェリルは少しだけ嬉しそうに微笑むとアルトに向かって甘えるように手を伸ばしてきた。
細い腕が自分の首筋あたりに絡みつく。
それを甘んじて受け入れながら、アルトは肘を突いたままシェリルの上に覆いかぶさる。
荒い呼吸音だけが部屋を満たしていた。
「ねぇ、キスして?」
ふっと沈黙を破ったのはシェリルの声。
ベットに横たわったままアルトを見上げ、そして少し恥ずかしそうにしながらもう一度同じ言葉を口にする。
シェリルの言葉にアルトはあぁ、なんだっと苦笑した。
この女王様は素直でないときと素直なときとのギャップが激しいことを忘れていた。
だから、こうして妙に可愛くなってしまう時でないとあんなセリフが聞けるはずがなかったのだ。
アルトは自分の思い違いを苦く笑いながら、シェリルに優しく口付ける。
開いた唇に舌を差し込んでやれば、子犬のような仕草でぺろぺろと舐め返された。
誘うようなそれを思い切り、ディープなものに変えてやった後でアルトベットに寝転がり、シェリルを上にして抱きしめる。
アルトの胸の上に寝転がったシェリルは幸せそうに笑って言った。
ねぇ、アルト。ずっとそばにいてね ―――と。
END