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小ネタ-43 - (2008/04/01 (火) 15:05:50) のソース

私が儀式の上で召喚した使い魔はちょっと変わっていた。

人よりも記憶力が良くて
「これ、君が落とした物だよね………うん間違いない。確かに君が落とした物だ」
「ちっ違う僕のじゃない!」
そう言ってギージュが慌てたように私の使い魔に叫ぶ。
「いや確かに君のポッケから落ちたものだ」
そう言って私の使い魔はギージュに香水のビンを渡した。

人とは違った力を持っていた。
「決闘…………」
そう言いかけたギージュの顔が真っ青に染まり始める。
「おいおい、まるでたちの悪い風邪にかかったようじゃないか。気をつけたほうがいいぞ。
 昔似たような病気にかかった事がある……。ゆっくり養生した方が良い。」

「………ねえ、あんた文字読めるの?」
「こっちの世界の文字は読めないよ。でも憶えておけば後でゆっくり読み直せるだろう?」
そう言って私の使い魔はゆっくりと本をめくっていた。

彼は幽霊の書物を持っていた。それには色々な事が書かれていた。
「…別段大したことは書いてない。僕の体験した事を書いているだけだ。」
そう言って彼はその幽霊の書物に顔を下ろした。
「それにページが色々と抜け落ちている。人生の書としては不十分だろうね。」
彼はつまらなさそうにそう言った。

ガリア王[[ジョセフ]]との最後の戦い。
彼はゆっくりと幽霊の書物を体の中から取り出した。
「行くぞ【The Book】、デルフ」
そう言って彼は2つの相棒を持って私の前に立つ。
「ひでえな。俺が後かよ」
「愚痴らないでくれ。【The Book】は生まれてからずっと僕の傍にいるんだ」
そう言って【The Book】を開いて今までの記憶を振り返る私の使い魔。

「楽しかった?」
「楽しい事もあった。辛い事もあった。悲しい事もあった。
 それも全て【The Book】が記憶してくれている。」
そう言って私の使い魔は幽霊の書物に顔を下ろした。
「使い魔としての記憶はまあ悪くないって所かな?」

もし世界一素晴しい本があるのなら…………

きっとその本で世界が救えると私は信じている。

『“The Book”jojo's bizarre adventure 4th another day』 
  より  蓮見 琢馬 

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