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ナランチャ・アバ・ブチャ-1 - (2007/06/18 (月) 22:14:06) のソース

彼女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは 
自らの順番を落ち着いた気持ちで待っていた。 
いつもより目覚めは良く、使い魔の召還儀式に向けて精神は高揚していたが、 
普段のように「失敗するのでは?」という恐れも微塵も感じてはいなかった。 
そして彼女は自信を持って儀式に望み、呪文をとなえた。 
しかし、現実は非情である。彼女の気持ちに反し、二度の試みが既に失敗していた。 
しかし、彼女は困惑していた。うまく説明は出来ないが、 
二度の試みにおいてはいつもの様に爆発が起こっただけだが 
召還するべき「何か」につながった様な手応えを彼女は感じていた。 

だが、やはり何も現れないのでは失敗としかみなされない。 

「どうせ何度やっても失敗するだけだぜ」 
「これは魔力の無駄だな」 

外野の中傷が聞こえてきて、彼女は最後の試みのつもりで 
己の全身全霊を込めて精神力を振り絞り呪文を唱えた。

「宇宙の果てのどこかにいる私のシモベよ… 
神聖で美しく、そして、強力な使い魔よッ 
私は心より求め、訴えるわ 
我が導きに…答えなさいッ!!」 

ドッギャアアーーz___ン!! 

そして一段とハデに類を見ないほどの大爆発! 

そしてもうもうと立ち昇っていた煙が晴れると。 
そこには三人の男が倒れていた。 
(三人?)と彼女が疑問に思っていると 
突然群集から笑いが巻き起こった。 
「流石『ゼロ』! 平民を呼び出すとはな!」 
「俺たちにできないことを平然とやってのけるッ!そこにシビれる!あこがれるぅ!」 
「フハハックックックッヒヒヒヒヒケケケケケ、ノォホホノォホ、ヘラヘラヘラヘラ、アヘアヘアヘ」 

そして、その群集の笑いざわめく声で彼は目覚めた。 

「何なんだよォォオーッ。ウルセェェェナァァ。」

一方、召還をして見せたルイズの方はというと儀式の監督の教師 
コルベールに食って掛かっている真っ最中だった。 
コルベールは儀式の結果使い魔が平民の人間らしき事と 
さらに三人も現れた事に当惑しながらも、再度の挑戦は許さず、 
契約をするように彼女に諭していた。 


あくびをしながら起きた彼はやや寝ぼけ気味だったが 
自分が草原に寝ていることに気付き不思議に思い周囲を見回すと 
不思議な格好の自分と年の変わらない位の年頃の群集を見て奇妙に思った。 

(何だあの格好は?年寄りでもねえ癖に全員杖なんか持ちやがって?) 

疑問に思いながらも、笑いざわめく群集とコッパゲに食って掛っている 
小柄な少女とその少女を宥めながら何かを話している中年のハゲに視線を移すと 
その時、彼には思いもよらぬ人物が倒れているのを見つけ彼は急速に目覚めた。

「[[アバッキオ]]?何でだよッ!?ブチャラティまでッ!?」 

(自分たちはボスを追っていたはず。何故俺はこんな風に寝ていたんだ?) 
疑問は尽きなかったが彼は眠っている二人の方に駆け寄り、二人の状態を確かめた。 

(アバッキオは確かに死んだはず!夢か?それとも何らかのスタンド攻撃か?) 
アバッキオが始末されてしまった事を覚えていた事が、 
倒れている二人が敵のスタンド使いの何らかの罠である可能性を警戒し、 
二人の方へ無警戒で近づくのを躊躇してしまう所だが彼は躊躇わなかった。 

――『この世で一番大切なものは何か?』 

『信頼』か、『任務の達成』か、それとも『成長』だろうか? 

(アバッキオとブチャラティは仲間だ。もし二人が生きていて今、 
敵のスタンド使いがいるのなら起きて戦える俺があの二人を守らなくては!) 

ナランチャ・ギルガはこう考えるのだ。 ――『それは友情だ!』

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