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亜空の使い魔-3」(2007/07/09 (月) 00:12:16) の最新版変更点

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ヴァニラはどこに消えたのか? ルイズが壁の穴の前で思案に暮れている時 彼はまさにその穴を通り抜け外にいたッ 自らのスタンド、クリームの口内に潜り込みこの世界から姿を消す スタンドが小さくなったとはいえその口内に広がる亜空間の容量はヴァニラにすら判らないほど広大ッ 彼が潜り込む等造作もなかった 時折外を確認し、物を削って移動の痕跡を残さぬよう注意し やがて人気のない洗い場にたどり着いた 「どうすればいいのだ・・・・・」 とりあえずルイズの部屋からは抜け出したものの、エジプトに戻る方法も行く当てもないヴァニラはこの世界において完全に孤独ッ そもそもこの弱ったスタンドでは戻ったところで何の役に立つというのか 小さくなったクリームの口内から少々苦労しながら体を出し、腰を下ろそうとするが 「きゃっ!」 突然背後から上がった悲鳴と、それに続く何かの落ちる音に弾かれた様に振り返る 「誰だッ!」 クリームを飛ばそうと身構えるがそこにいたのは洗濯物を満載した籠を持った――正確には持っていた、メイド服の少女ッ どうやら何もないところから出てきたヴァニラに驚いたらしい 「も、もうしわけありません・・・・あの、ミス・ヴァリエールの使い魔になられた 方ですよね?」 少女は恐る恐る問いかける 「・・・・・・・・・・そうだ」 しかしヴァニラは目に見えて不機嫌になり、少女は更に恐縮してしまった 「も、もうしわけありませんッ!」 体が折れてしまうんじゃないかと心配になるほどに少女は何度も何度も頭を下げ その態度に流石のヴァニラも居た堪れなくなり 「もういい、頭を上げろ」 本当に申し訳なさそうに頭を下げる少女に仕方ないといった様子で声をかける 「はい、申し訳ありません・・・・ええと」 ようやく顔を上げた少女は困ったようにヴァニラの顔を見上げる 「ヴァニラ・アイスだ」 「あ、もうしわけありません」 ヴァニラが名前を告げると慌てたように頭を下げ 「ヴァニラ様ですね。私はここで貴族の皆様のお世話をしているシエスタと申しま す」 と、恭しく名乗り返した シエスタの態度はここへ来て傲慢な貴族しか見ていなかったヴァニラにとってとても好ましく思えた 「それでシエスタ、お前はここで何をしていたんだ?」 「あ、私は洗濯を・・・・」 シエスタはそう答えると今頃思い出したのか、慌てて落としてしまった籠を拾い上げる 「・・・・・・」 ヴァニラは無言で零れ落ちた洗濯物を拾い、籠に入れた 「え、あの、ありがとうございます」 再び少女は恐縮しもう一度恭しく頭を下げるがその弾みで洗濯物が幾つか零れ落ちた ヴァニラがまた拾い上げようと身を屈めると 「見つけたわよヴァニラッ!」 肩で息をしながらルイズと、その後ろから見るからにキザそうな金髪の少年が洗い場に駆け込んできた 「ミス・ヴァリエール、君の使い魔はなかなか手が早いようだね」 「うるさいわねギーシュ、もう見つけたんだから帰ってもいいわよ!」 ギーシュと呼ばれた少年はルイズの言葉にむっとしたようだが、これ以上面倒ごとに関わる気はないのか何もいわず帰っていった 「・・・・・」 しかしヴァニラはギーシュの台詞に些かむっとした様子、何か言おうとしたが 「ちょっとヴァニラ、どういうつもり?使い魔が逃げ出したなんて聞いたこともないわッ!」 わめき散らすルイズに阻まれ、それは叶わなかった 「うるさい、それよりもルイズ」 ヴァニラは面倒くさそうにそれを遮る 「大体・・・・何よ?」 平民如きに呼び捨てにされたのはムカついたが一先ずストップ、自分より遥かに背の高い使い魔の顔を見上げる 「お前如きに仕えるのは本意ではないが、使い魔とやらになってやろう」 スタンドも月までぶっ飛ぶこの衝撃ッ! ヴァニラが自分から使い魔になると言い出したッ!! (ここで癇癪を起こしたところでDIO様の元へ帰れるわけじゃない。ならばあの小娘の元で帰る方法を模索した方がましというものだ) 今一度冷静になり、己の身の振りを考えた結果だった 「は・・・・?あ、当たり前でしょ!アンタは私の使い魔でもう契約の・・・そのしたんだから!!」 契約に伴った行為を思い出し赤面するルイズ、そもそもヴァニラの知らないことだが サモンサーヴァントの儀式には使い魔に口付けをしなければならない 幸いにも『お前如き』といわれたのは耳に入らなかったようだ (DIO様、いつの日か必ずお傍へ参ります。どうかその時までご健在であられて下さい) こうして、ヴァニラの使い魔としての生活が始まった [[To Be Continued...>亜空の使い魔-4]] ----
ヴァニラはどこに消えたのか? ルイズが壁の穴の前で思案に暮れている時 彼はまさにその穴を通り抜け外にいたッ 自らのスタンド、クリームの口内に潜り込みこの世界から姿を消す スタンドが小さくなったとはいえその口内に広がる亜空間の容量はヴァニラにすら判らないほど広大ッ 彼が潜り込む等造作もなかった 時折外を確認し、物を削って移動の痕跡を残さぬよう注意し やがて人気のない洗い場にたどり着いた 「どうすればいいのだ・・・・・」 とりあえずルイズの部屋からは抜け出したものの、エジプトに戻る方法も行く当てもないヴァニラはこの世界において完全に孤独ッ そもそもこの弱ったスタンドでは戻ったところで何の役に立つというのか 小さくなったクリームの口内から少々苦労しながら体を出し、腰を下ろそうとするが 「きゃっ!」 突然背後から上がった悲鳴と、それに続く何かの落ちる音に弾かれた様に振り返る 「誰だッ!」 クリームを飛ばそうと身構えるがそこにいたのは洗濯物を満載した籠を持った――正確には持っていた、メイド服の少女ッ どうやら何もないところから出てきたヴァニラに驚いたらしい 「も、もうしわけありません・・・・あの、ミス・ヴァリエールの使い魔になられた方ですよね?」 少女は恐る恐る問いかける 「・・・・・・・・・・そうだ」 しかしヴァニラは目に見えて不機嫌になり、少女は更に恐縮してしまった 「も、もうしわけありませんッ!」 体が折れてしまうんじゃないかと心配になるほどに少女は何度も何度も頭を下げ、その態度に流石のヴァニラも居た堪れなくなる 「もういい、頭を上げろ」 本当に申し訳なさそうに頭を下げる少女に仕方ないといった様子で声をかける 「はい、申し訳ありません・・・・ええと」 ようやく顔を上げた少女は困ったようにヴァニラの顔を見上げる 「ヴァニラ・アイスだ」 「あ、もうしわけありません」 ヴァニラが名前を告げると慌てたように頭を下げ 「ヴァニラ様ですね。私はここで貴族の皆様のお世話をしているシエスタと申します」 と、恭しく名乗り返した シエスタの態度はここへ来て傲慢な貴族しか見ていなかったヴァニラにとってとても好ましく思えた 「それでシエスタ、お前はここで何をしていたんだ?」 「あ、私は洗濯を・・・・」 シエスタはそう答えると今頃思い出したのか、慌てて落としてしまった籠を拾い上げる 「・・・・・・」 ヴァニラは無言で零れ落ちた洗濯物を拾い、籠に入れた 「え、あの、ありがとうございます」 再び少女は恐縮しもう一度恭しく頭を下げるがその弾みで洗濯物が幾つか零れ落ちた ヴァニラがまた拾い上げようと身を屈めると 「見つけたわよヴァニラッ!」 肩で息をしながらルイズと、その後ろから見るからにキザそうな金髪の少年が洗い場に駆け込んできた 「ミス・ヴァリエール、君の使い魔はなかなか手が早いようだね」 「うるさいわねギーシュ、もう見つけたんだから帰ってもいいわよ!」 ギーシュと呼ばれた少年はルイズの言葉にむっとしたようだが、これ以上面倒ごとに関わる気はないのか何もいわず帰っていった 「・・・・・」 しかしヴァニラはギーシュの台詞に些かむっとした様子、何か言おうとしたが 「ちょっとヴァニラ、どういうつもり?使い魔が逃げ出したなんて聞いたこともないわッ!」 わめき散らすルイズに阻まれ、それは叶わなかった 「うるさい、それよりもルイズ」 ヴァニラは面倒くさそうにそれを遮る 「大体・・・・何よ?」 平民如きに呼び捨てにされたのはムカついたが一先ずストップ、自分より遥かに背の高い使い魔の顔を見上げる 「お前如きに仕えるのは本意ではないが、使い魔とやらになってやろう」 スタンドも月までぶっ飛ぶこの衝撃ッ! ヴァニラが自分から使い魔になると言い出したッ!! (ここで癇癪を起こしたところでDIO様の元へ帰れるわけじゃない。ならばあの小娘の元で帰る方法を模索した方がましというものだ) 今一度冷静になり、己の身の振りを考えた結果だった 「は・・・・?あ、当たり前でしょ!アンタは私の使い魔でもう契約の・・・そのしたんだから!!」 契約に伴った行為を思い出し赤面するルイズ、そもそもヴァニラの知らないことだが サモンサーヴァントの儀式には使い魔に口付けをしなければならない 幸いにも『お前如き』といわれたのは耳に入らなかったようだ (DIO様、いつの日か必ずお傍へ参ります。どうかその時までご健在であられて下さい) こうして、ヴァニラの使い魔としての生活が始まった [[To Be Continued...>亜空の使い魔-4]] ----

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