ゼロの奇妙な使い魔 まとめ内検索 / 「エレオノールの来訪者」で検索した結果

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  • エレオノールの来訪者
     ある日、私が勤める職場――  トリステイン王国が誇る王立魔法研究所(アカデミー)に、新しい研究員が来訪した。薄気味の悪い男だった。歳の頃ならば、私の両親よりも遥かに年上だろう老人だ。この世の全ての物を実験材料として見ているかのような、まるで獲物を狙う爬虫類を思わせる男。  彼に対する第一印象をはっきり言えば、私はその男が気に入らなかった。  確かに、私の所属するアカデミーの風聞は誉められたものでは無い。魔法技術の発展の為にはあらゆる犠牲を厭わず、非人道的な人体実験など日常茶飯事。そんな噂がまことしやかに流れる程に、世間からの評判は最悪だった。  だが、少なくとも私がこの職場に勤め始めるようになってからは、そんなことは一度たりとて行われていない。かつての『実験小隊』が行っていたような非道の行為など、到底許せる物ではない。そうでなければ、誰がそんなマッドサイエンティスト共の仲間...
  • ゼロの来訪者-37
    「彼をお願い」 タバサの言葉に、シルフィードがその巨大な頭を縦に振る。 「でも大丈夫なの?あなたがいなくても」 ルイズの問いに、タバサが頷く。 「シルフィードなら大丈夫だよ」 育郎の言葉に、シルフィードは前足で自分の胸をたたいて、まかせなさいと 一声きゅいと鳴いた。 晩餐が終わり、いざ帰ろうという時になって、タバサがシルフィードの疲労を 理由に、ヴァリエールの所有する竜で帰りたいと申し出た。シルフィードなら、 一匹でも学院に帰ることが出来ると言うので、ついでに育郎を乗せて学院に戻る という事になったのだ。 「えーっと…お父様、お母様それでは学院に戻りますね」 キュルケたちに続いて、ヴァリエール家の竜にのったルイズが広場に集まった 家族達に声をかける。 「うむ。身体に気をつけてな」 重々しく頷く父。 「先生のいう事は...
  • ゼロの来訪者-38
    「はい?」 エレオノールの言葉に世にもマヌケな声をあげてしまう育郎。 「だから、私の胸をもうちょっと大きくできないか聞いてるのよ!」 エレオノールは、いわば才色兼備を地で行く女性である。 魔法の腕は言うに及ばず、学問を良く修め、若くしてアカデミーの研究者として その非凡な才を発揮している。容姿に関しても、特殊な趣味の人間でもない限り、 彼女が美しくないと言う者はいないだろう。 無論、それは生まれついての才だけでなく、彼女自身の努力によるものも大きく、 それゆえに揺ぎ無い自信と誇りを培っていた。 だからこそ、とある事を成せぬ理由が     『 結 婚 で き な い 』 のが何故か、彼女にはわからなかった。 ただ単に性格が半端なくきついからだけなのだが、残念ながら彼女はその事に 気付いていない。 己を完璧とまでは言わずとも、そこらの淑女になど劣ら...
  • ゼロの来訪者-39
    「あの、大丈夫ですか?」 「…ほっといてよ」 育郎に一通りの殴る蹴るの暴行、さらには首を絞めようとしたり、最後には月に 向かって叫んでみたり、一通りヒートアップしたエレオノールであったが、酒が 抜けてきたのか、今ではすっかり部屋の片隅でうずくまる負け犬となっていた。 あるいは酒が回りすぎているのかもしれない。 「そう言われても…」 まさかエレオノールを部屋に鎮座させたまま寝るわけにもいかないので、正直 気は進まないが、とにかくエレオノールを説得というか、とりあえず話を 聞いてみる事にする育郎であった。 「あの、こんな事を聞くのは失礼だとは思うんですが…何故そんな頼みを?」 問いかけには答えず、しばし恨みがましい目で育郎をじっと見るエレオノール。 いっその事廊下で寝ようかと考え始めた時、エレオノールがやっと口を開き、 ボソリと一言呟いた。 「…結婚したいのよ」 ...
  • 短編
    ...才人の女性遍歴日記 エレオノールの来訪者 タバサと使い魔と吸血鬼
  • ゼロの来訪者-33
    「そういえば聞いてなかったけど…ルイズ、あなたは何しに実家に行くの?」 ワインを飲みながらキュルケがルイズに問いかける。 「それは…その…」 ハシバミ草のサラダを食べるタバサを見ながら、どこか後ろめたそうな声で答える。 「私のお姉さまが病気がちで…」 「ふ~ん…でイクローに治してもらおうってわけね」 朝食をとってすぐ、育郎達はルイズの実家に向かうべく出発し、昼過ぎには領地に つくことが出来た。ヴァリエールの領地は広いとはいえ、竜ならすぐの距離である。 しかし、そこで軽く食事をしたいというキュルケの提案があった。 「だってずっとシルフィードの背中でお腹が空いたじゃないの。  ヴァリエールの屋敷についても、すぐに食事というわけにはいかないでしょ?」 まったくその通りで、さらには自分もお腹がなり始めていたいたので、ルイズは 文句を言いながらも...
  • ゼロの来訪者-34
    旅籠から飛び立った2匹の竜、シルフィードとヴァリエール家所有の竜は、 一時間もしないうちに屋敷についた。もっとも屋敷と言うより、その威容は 城と呼ぶほうが相応しいものだったが。 「エレオノール姉さま、それにわたしの小さいルイズ、お帰りなさい!」 城の前庭に降り立ったルイズとエレオノールに、桃色がかったブロンドの、 ルイズと同じ髪の色をした女性が駆け寄る。 「カトレア」 「ちい姉さま!」 顔を輝かせ、ルイズがその女性の胸に飛び込む。 「あらルイズ、暫く見ない間に背が伸びた?」 「はい!ちいねえさま!」 「私には全然かわってないように見えるけど…」 そうは言うが、嬉しそうに抱きあう二人に、エレオノールの顔が弛む。 「ねえ…ひょっとしてあの人も、ルイズのお姉さんなのかしら」 エレオノールとルイズのやり取りの時以上に、唖然とした顔をするキュル...
  • ゼロの来訪者-36
    「…何も問題はありません。健康そのものです」 「本当か?本当なのか!?」 カトレアを診断した主治医に、ヴァリエール公が詰め寄る。 「はい…薬を使った形跡すら感じられません」 力なく首を振る主治医の姿に、がっくりと肩を落とす公爵。 「あらあら、心配しなくても私はほら、こんな事も出来るようになりましたわ!」           グオン    「「座ったままの姿勢でジャンプを!?」」 育郎の治療を受けてすぐに、カトレアはルイズが止めるのも聞かずに、 その健康体がどれ程のものかを試しだした。 「ブラボー!おお、ブラボー!」と叫びながら突如浮き上がったり、 「かけよトロンベ!」と叫びながら自分の愛馬で屋敷中を走り回ったり、 その他諸々、その様はミス・アンチェインとでも呼びたくなるほどだった。 「何故…こうなってしまったのだ?」 ...
  • ゼロの来訪者
    ゼロの来訪者-1 ゼロの来訪者-2 ゼロの来訪者-3 ゼロの来訪者-4 ゼロの来訪者-5 ゼロの来訪者-6 ゼロの来訪者-7 ゼロの来訪者-8 ゼロの来訪者-9 ゼロの来訪者・外伝 デルフリンガーの憂鬱 ゼロの来訪者-10 ゼロの来訪者-11 ゼロの来訪者-12 ゼロの来訪者-13 ゼロの来訪者-14 ゼロの来訪者-15 ゼロの来訪者-16 ゼロの来訪者-17 ゼロの来訪者-18 ゼロの来訪者-19 ゼロの来訪者-20 ゼロの来訪者-21 ゼロの来訪者-22 ゼロの来訪者-23 ゼロの来訪者-24 ゼロの来訪者-25 ゼロの来訪者-26 ゼロの来訪者-27 ゼロの来訪者-28 ゼロの来訪者-29 ゼロの来訪者-30 ゼロの来訪者-31 ゼロの来訪者-32 ゼロの来訪者-33 ゼロの来訪者-34 ゼロの来訪者-35 ゼロ...
  • ルイズがいっぱい!
    たいへんだ! 大統領が隣の世界からたくさんルイズを連れてきちゃったぞ! ヒロインがいなくちゃ話は続けられない! 彼女たちの話を聞いて元の世界へ帰してあげよう! (問題)次のルイズはどこの作品のルイズか答えなさい。 ルイズA「私の悩み? そうね、こうしていると時々、ひどく寂しくなるの。前はもう少し賑やかだったもの。      でもデルフもワルドもマチルダもいるから孤独とは思わないけれどね」 ルイズB「ねえ聞いて! 才人ともっと一緒にいたいのに、ううん、もっと身体も心も一緒になりたいのに、      ギーシュもエレオノールお姉さまも邪魔するの! 愛してる、私が欲しいって才人も言ってるのに!」 ルイズC「べ、別に大した事じゃないんだけど、最近、なんだかあいつタバサと仲良くしてるみたいなの。      惚れ薬のせいだけじゃなくて、それにタバサの方も少し変わっ...
  • ゼロの兄貴-40
    夏ッ!ムカつかずにいられないッ!この暑さに荒れているクソッ!! どこぞの吸血鬼一歩手前の英国貴族のような出だしだが、ここヴァリエール家領地も夏である。 それだけならまぁどうという事はないが、この前まで科学世界で居た方にはエアコンというものがないこの世界の夏は少々堪えてた。 魔法学院も夏季休暇があるということでルイズあたりが戻ってくるかもしれんとちと警戒していたのだが、どうやら戻ってはこれなくなったらしい。 ターゲットであるクロムウェルの事もそれとなく調べてみたが、現在のアルビオンの皇帝という事だけだった。 「できるなら能力…いや、属性か。そっちも知っておきてーな」 相手は一般ピーポーではなく、少なくとも魔法を使うメイジだ。 グレイトフル・デッドの汎用性が恐ろしく低いだけに、対象の属性を知っておくにこした事は無い。 火ならディ・モールトベネ。土や水ならまだしも...
  • 第十四話 『暴走! 惚れ薬バカップル!』後編
    ☆★  トリスティン魔法学院の本塔と門を繋ぐ石畳の上を、一台の馬車が進んでいく。  昼食も終わり、午後の授業が始まろうとする時間帯のため、目撃者はいなかったが……いれば、必ず眉を潜めたことだろう。  その馬車は、貴族の子女が集うこの学院に、表門から堂々と入ってくる種類のものではなかったのだ。  まず、タイプからして違う。平民が引越しに使うような、装飾の一切無い幌馬車なのだ。何度も修繕された後が痛々しく、かなりボロ臭い。  だからといって、平民が使う馬車とも一線を画するのだ……詳しいものがよく見れば幌や使用されている木材が、実用性重視で作られた値の張るものだという事が理解できるだろう。  引くのも見た目も雄雄しい軍馬。その牽引は荒々しく、貴族が乗ったら一発で酔う事請け合いだろう。  極め付けが、幌に設えられた紋章である。  それは、見まごう事なき騎士団の紋章...
  • 味も見ておく使い魔 第五章
    トリスタニアの街から離れた、ある森の一角に王立魔法研究所の第二研究塔はあった。 敷地は高い塀で囲まれていて、外からはおり中を見ることはできないようになっており、草原になっている広場の広さは、魔法球技『クィディッチ』ができるほどある。 その敷地内にて、ルイズの姉であるエレオノールはとある実験を行っていた。 研究員らしい白衣を着た、ややぽっちゃりとした体形の女性が、同じ格好のエレオノールに間延びした声を投げかける。 「エレオノール様ぁ。準備できましたよぉ~」 「いいわ、でも『そろそろ』ね。作業員に安全確保を徹底なさい」 エレオノールは考え事をしながら、彼女の近くにすえつけられている大砲を見ていた。 「はぁ~い。ではぁ、ごじゅうさんぱつめ、いきますぅ~」 あの助手有能なんだけども、やや間が抜けてるのよね。 あのピンクの髪が、どことなくカトレアを連想させるし。 そう思っているエ...
  • 仮面のルイズ-55
    「あ、牛がいる……」 シエスタが車の窓から外を見て、嬉しそうに呟いた。 「牛?」 モンモランシーは、何か珍しい牛でもいたのだろうかと思い、シエスタに聞いた。 「ええ、あんなに沢山。のどかで良いところですね」 期待した答えとは違ったので、モンモランシーは「どこにでもいるじゃない、そんなの」と言って両手を広げた。 だが、くだらないことでも、屈託のない笑顔で答えられるシエスタの笑顔に、少しだけ救われた気がした。 二人が馬車に乗り、ラグドリアン湖を目指しているのには理由がある。 ラ・ヴァリエール家でカトレアの治療に当たってから二日目の夜。 二人は大食堂で、巨大なテーブルを囲んで座っていた。 カトレアは大事を取って部屋で休んでおり、公爵と公爵夫人、そしてエレオノールの三名がシエスタとモンモランシーに向かい合って座っている。 カトレアは大事を取って部屋で休...
  • ゼロいぬっ!-98中編
    ラ・ヴァリエール公爵は落ち着かない様子でカップに注がれた紅茶を啜った。 魔法学院に入学して以来、顔を合わせていない娘が帰ってくるのだ。 悪い虫が付いていやしないか、悪い級友にいじめられていないかと不安だった彼が、 その帰りを今か今かと待ちわびるのは至極自然な事だった。 しかし、彼の心境はとても複雑であった。 彼に突き刺さるような視線を向ける二人の女性。 愛する家内と長女、実質的なラ・ヴァリエール家の支配者コンビだ。 「分かっていますね。けっして甘い顔はしないように」 「そうよ。あれだけ忠告したのに戦場に行くなんて! 今回は運が良かっただけ。調子に乗ったら次は間違いなく死ぬわ」 「わ……分かっているとも。ルイズには厳しく私から言っておこう」 その言葉が信用に足らないとばかりに、さらにジロリと鋭い眼が向けられる。 身体を縮こませるようにして公爵は再びカップに...
  • 仮面のルイズ-51
    「そんなに堅くならなくてもいいわよ」 「はっ、はい!」 シエスタは、エレオノールの気遣いに緊張して、かえって体を強ばらせていた。 モンモランシーはシエスタの隣に座り、馬車の窓から外を眺めている。 シエスタとモンモランシーの二人は、エレオノールの乗ってきた馬車に乗り込み、ラ・ヴァリエール領へと移動している最中だった。 シエスタとモンモランシーは魔法学院の制服姿、手持ちの小道具を入れた小さなバッグを脇に置いている。 エレオノールは飾り気のない白を基調とした服を着ており、魔法アカデミーの紋章が胸に刺繍されていた。 エレオノールは波紋についてシエスタに質問するが、緊張しているシエスタはうまく説明できず、そのたびにモンモランシーが説明を補足する。 だが、魔法学院では習わないような専門用語が出てくる度に、モンモランシーも狼狽えてしまう。 「オールド・オスマンの論文で...
  • アンリエッタ+康一-29
    皆が踊り、語り、ワインを飲んで笑い合う。 そんな舞踏会の主役の周りには、やはり人だかりができてしまった。 出席した者はほぼ全員が彼女に挨拶をし、変わらぬ忠誠の言葉を述べる。 それが内心はどうあれ、言葉にするだけで充分でもある訳だが。 「それでは姫さま、これにて失礼させていただきます」 「はい。それでは今宵は良い夜となりますようにお祈りしておりますわ」 アンリエッタは舞踏会が始まってから、あらかたの貴族と言葉を交わしていた。 多少時間は掛かったが、これで自分の仕事は大体は終了。 目の前の貴族と別れの言葉で離れて、誰にも見られぬ角度で小さく、少しだけ安堵の溜息を付いた。 (本当に面倒なお仕事ね…。マザリーニ卿が代わってくれないものかしら?) もちろん思うだけで、アンリエッタはそんな事を言うつもりはない。 ちょっとした意趣返しで言ってもいい...
  • アンリエッタ+康一-35
    康一達が居た部屋は、もはや大規模災害の跡地と化していた。 魔法による破壊は全てを薙ぎ払った上で粉微塵に砕いたのだ。 壁には幾つも風穴が空き、明らかに見通しがよくなっている。 バラバラと天井から塵のような物が落ちてきた。 まるで廃墟のようなその部屋に、この惨状の元凶等が姿を現した。 三人のメイジが、ジャリッと元が何なのかも分からぬ破片を踏み潰す。 会話は無かった。いや、そんな必要は無いらしい。 三人は何を言うでもなく、まるで一つの意思に統括されたかのように、行動している。 全員が全員を補完しあって行動している。一筋の乱れも無い、見事だった。不気味な程に。 そんな中、一人が「ディティクトマジック」を発動。 探知の魔法は、この場にある全てを使用者に教える効果を持つ。 康一達が今この部屋の何処に居るのか。全てを教えてくれる、ハズだった。 僅かに体が揺れた。それは...
  • アンリエッタ+康一-30
    マザリーニは舞踏会の会場を駆け足で去った。 その内では思考が静かに、激しく渦巻き、新しく見つけた可能性を客観的に考察している。 そして考察が深まれば深まるほどに、自分の考えの正しさが立証されてゆく。 広間を出て、廊下を駆けるときでも思考は止まらない。 そんなバタバタと、慌しく駆ける彼の背中に声が掛かった。 「マザリーニさーんッ!」 ハッとして振り向くと、そこには敬愛する姫殿下の使い魔が自分を追いかけて走る姿。 「コーイチ殿!」 康一は多少息を切らして、マザリーニの元に駆け寄ってきた。 「コーイチ殿、何故ここに?それにアニエス殿はどうされました?」 康一がどうして同行しているはずのアニエスを連れずに自分の元に来たのか。 そもそも突発的な行動をしている自分の居場所を見つけられたのかを尋ねるマザリーニ。 少し息を落ち着かせた康一は...
  • ゼロの来訪者-14
    「良かったじゃねーか相棒。とりあえず出てかなくても良いみたいだぜ」 「いや、そういう訳にはいかないよ、デルフ」 育郎が首を振って手の中のデルフに答える。 「なんじゃい?遠慮なんぞせんでもええぞ」 「いえ、違うんです。さっきの決闘で…僕は意識が無いまま闘っていたんです」 その話に怪訝な顔をするオスマン氏。 「しかし君は『力』を制御できるようになったと、さっきの話で言ってなかったかの?」 「………自分でもそう思っていました」 「君は傷ついたミスタ・グラモンを癒したじゃないか?」 遠見の鏡で決闘を見ていたコルベールが、その場面を思い出して言った。 「その時は」 育郎が説明しようと口を開いた時。 「それはだな、おっさん。あん時は相棒だったけど、その前は今の相棒じゃなかったんよ  ん?なんだよおめーら、なに呆けた顔してんだ?」 意外ッ! ...
  • ゼロの来訪者-32
    緊張した面持ちのペルスランが、目の前の扉をノックする。 「お嬢様、奥様のお食事をお持ちいたしました」 「入ってきて」 タバサの声に従い、部屋に入ったペルスランはタバサの母の姿に目を見開く。 その顔が喜びにほころびそうになった時、しかしその腕に彼女の狂気の証たる、 人形が抱かれている事に気付いた。 「……そうでしたか」 「すいません…」 「い、いえ、そんなお顔を上げてください」 謝る育郎に驚きながらも、すぐにペルスランは自分の頭を下げる。 「遠い場所からこられた方を、しかも奥様のお身体は良くなられたというのに、  お礼を申し上げる事も無く、失礼な態度をとってしまった私が悪いのです!」 「そんな、僕の力が足りないばかりに…」 「いえいえ、私がいたらぬばかりに…」 二人が五分ほどそのようなやり取りを繰り返すのを眺めた後、タバサは口を開いた。...
  • 第十五話 『三つのタバサ』(前編)
    ギーシュの奇妙な決闘 第十五話 『三つのタバサ』 「…………」  エレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエール……  ヴァリエール家の長女にしてアカデミーの優れた研究者でもある彼女の前で、狂気の沙汰は繰り返されていた。  それはまさに、狂気の具現。  始祖ブリミルをも恐れぬ大逆。音に聞いたアカデミー実験小隊のそれよりもなお非道! 「才人……やぁ! そこ触っちゃやだぁ……!」 「んー? 聞こえないなぁー」  半裸で馬鹿のようにいちゃつく、二人の男女。この空間における、狂気の体現者。  女の方は、男の膝の上で顔を赤くし、情愛に蕩けきった目で男を見る。  男の方は、女の反応が愉しくてしょうがないという風に、その手で女の体中を弄っていた。  ――ルイズと才人。  惚れ薬によって、痴情絶賛放映中な、バカッ...
  • アンリエッタ+康一-36
    大きなお城に住んでるというのは、こんな時デメリットにしかならない。 フロアごとに広大な面積をもつ城の中を移動するというのは一苦労。 今、康一は気を失っているらしいエレオノールを抱えているのだから更に倍だ。 「じゃあこの女の人、エレオノールさんって言うんですか?」 『ああ、そうじゃよ。君のご主人である姫殿下とは血の繋がりもある。 この国一番の大貴族の娘さんでの。いや、しかし…良いフトモモじゃぁ』 『コノジジイ、ネズミの体ヲ借リテ何見テヤガル…』 ACT3でエレオノールを抱えて、自分の肩にハツカネズミを乗せた康一。 その肩に乗ったネズミは宙に浮いたエレオノールの(スタンドのACT3を見る事はできない)、 スカートから覗く、いわゆる、美脚に目を奪われていた。 御足と呼んでもよかろう。色白な肌。そこには一点のくすみもない。 ほっそりとしながら、そしてその形を崩さぬ...
  • 忘れえぬ未来への遺産-4 後編
    「フフフ……」  それまでずっと私とカトレアのやりとりを見つめていたジョセフが、不意に笑い声を漏らした。 「やっぱりエレオノールの姐さんは俺の言った通りのキャラだったな。  いや、こーゆー時の俺の予想って絶対に外れたコトが無いんだよネ。  相手が次に何を言うのか全部わかっちゃう俺ってば、ひょっとして超能力者なのか・も」 「……ふん。何を他人事みたいに言っているの。まだまだ貴方にもその力を貸して貰いますからね。  これからもたっぷりとこき使ってやるんだから、覚悟しておきなさいな」 「わかってるさ。お美しいカトレアお嬢様の為ともなれば、このJOJO、幾らでもお手伝いさせて頂きますともさ」 「その言葉…努々忘れないで頂きたいものね」  迷いの無い口調で頷くジョセフに向けて、それでも私はいつになく強い口調で念を押しておく。  今、カトレアを本当の意味で治療してやれるのは彼...
  • 小ネタ-40
    エレ「カトレアが召喚して使い魔にした平民って貴女?     『女性に幸運を与える事が出来る』っていうけど、そんな嘘で妹は誑かせても     ヴァリエール家長女である私には通用しないわよ!」 辻彩「フ~~厳密には違いますわ。     私が出来るのは女性に、幸福になれたり愛されたりする人相を与える事ですわ。」 エレ「…ふざけないでほしいわね。     やはりただの詐欺師ね! そんな出鱈目で妹を騙して…」 辻彩「ところでエレオノールさん、貴女の人相は目と眉の形が良くないわね~~。                    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・     この形では男の人は、貴女が好きになればなるほど逃げていくのよね~~~。」 エレ「ふ、ふざけないで! そんなこと一度たりともないわ!!     ……...
  • ゼロいぬっ!-81
    大きな窓から取り込まれた陽光が、端が見えないぐらい長い廊下を照らし出す。 優雅な佇まいと荘厳さを併せ持った空間を一人の女性が闊歩する。 吊り上がった目は常よりも鋭さを増し、響く靴音は召使達を威嚇するようにも聞こえる。 通りがかった使用人達も端に退いて、震え上がりながら恭しく頭を下げるのみ。 この屋敷において実質的に二番目の地位にいる女性、エレオノールを見送りながら係わり合いを避ける。 触らぬ神に祟りなしと彼等は骨身に染みて理解しているのだ。 「どういうつもりよ! あの子にちびルイズの手紙を見せるなんて!」 そして彼女は目的の使用人を見つけると襟首を掴んで壁に叩きつけた。 その使用人は主に彼女の妹カトレアの世話を任されている男だった。 先日、屋敷に届いたルイズの手紙にはこれから戦場に向かうと書かれていたのだ。 アルビオンとトリステインの命運を賭ける一戦に、生き...
  • 仮面のルイズ-52
    シエスタとモンモランシーの二人は、ヴァリエール家に到着してすぐ、ヴァリエール公爵夫人カリーヌ・デジレの出迎えを受けた。 滞在する部屋を準備させてあるので、今晩は疲れを癒すようにと言われ、二人はそれぞれ別の部屋に通された。 シエスタにとって、ヴァリエール家は「有名な貴族」であり「大きなお屋敷」でしかない。 しかし、モンモランシーは家名の『格』を気にしてしまう、ヴァリエール家は自分より遙かに目上なのだ、よってモンモランシーは、シエスタ以上に緊張していた。 あてがわれたゲストルームは、二つのベッドルームがリビングで繋がっており、モンモランシーは片方のベッドルームに行くとすぐに寝間着に着替えて眠ってしまった。 モンモランシーは緊張のあまり疲れてしまったのだろう。 一方、シエスタはなかなか寝付けず、窓から空を見上げていた。 エレオノールから聞いた話では、カトレ...
  • 帰省! ラ・ヴァリエールから脱出せよ!
    帰省! ラ・ヴァリエールから脱出せよ! 従者が使い魔一人では情けないという事でシエスタを連れて、ルイズは実家のラ・ヴァリエールに帰郷していた。 というのもアルビオンへの侵攻作戦が発布され、遠征軍の編成が決まった。 貴族学生の多くが仕官として連れていかれ、教師も何人か戦地へと赴いた。 アンリエッタ直属の女官にして虚無の担い手であるルイズは戦争に必要な存在、しかしルイズが実家に「アルビオン侵攻に加わります」と文を送ったら大騒ぎになった。 従軍はまかりならぬと、長姉のエレオノールが迎えにきたのだ。 当然逆らえるはずもなく、仕方なしにと承太郎も同行している。 ヴァリエール家の者にとって、ルイズはまだ魔法が使えない『ゼロ』のままなのだ。 家族がそろったのは、ヴァリエール家の晩餐の場であった。 長女エレオノールは金髪の釣り目で、ルイズのツンを強化したよう...
  • ゼロの来訪者・外伝 デルフリンガーの憂鬱
    「…なあ、相棒」 「なんだいデルフ?」 早朝、ルイズの服&下着を洗濯する育郎に、傍に立てかけてあるデルフリンガーが 話しかけた。 「ちょっと俺を振ってみねえか?」 デルフリンガーはここ数日、不安で不安で仕方が無かった。 自分の今回の『使い手』は、彼を今まで手にしてきた人間達の誰よりも強力なのだ。 どれぐらい?と言うと 自分を使わなくてもいいんじゃない? そんな感じなのである。 そこで彼は考えた! ここで『使い手』、『ガンダールヴ』に選ばれた人間全員にプレゼントされる特典を 展開すっ飛ばして教えてしまおうと! 「かまわないけど…何故?」 「いや、ちょっと良い事思いだしてな。教えてやろーって思ったんよ」 そして育郎がデルフリンガーをつかんだ瞬間、彼の左手のルーンが輝きだした! 『ガンダールヴ』のルーンを持つ者が武器に触れた...
  • 味も見ておく使い魔 第六章-01
    アンリエッタの元に跪いた恰幅のよい男が、ぴくりと身を振るわせる。 「私は、今でもこの戦役は無益だと思っております。女王閣下。今からでも遅くはありませぬ。ぜひ出征をお考え直しくださいませ」 「それはなりませぬ。レコン・キスタと我々は、両雄あい成り立たぬ仲。どちらかが倒れぬ限り、どちらかの平穏はないのですよ」 この時期のトリステイン政府は、すでにレコン・キスタの征伐を国是江として掲げている。 「ヴァリエール公爵。いまさらあなた個人の兵役拒否をどうこう言うつもりはありません。ただ、確認したかっただけです」アンリエッタは続けて、 「その代わり、あなたの娘のルイズ。  あの娘を私に下さい」そう、一息に言い切った。 刹那の沈黙の後。 「なぜでございますか!」ヴァリエール公爵の怒号が王宮に響き渡った。 「あなたがたは、実の娘のことを本当に思っているのですね」アンリエッタは、ヴァリエール...
  • ゼロの兄貴-42
    猫の姿なぞ見えないのに猫の鳴声がするだのでプチ幽霊騒ぎが起こっているが、正体はもちろん猫草である。 その猫草がヴァリエール家に住み着いてから約二ヶ月。 「…マジか?」 「ええ、明日の夜ぐらいに着くって姉様がフクロウで」 「ウニャ!ニャ!ニャ!ニャ!」 ボールを転がして遊んでいる猫草の鳴声を背景に出た言葉が『マジか?』である。 覚悟はしていたが遂に来た。元ギャングをしてこれほどの反応を示す物。 つまり、遂にルイズがここに帰ってくるという事だ。 無駄に広い領地なので老化もあるし、まぁ大丈夫だとは思うが一応警戒態勢に入らねばならない。 「ニャギ!フギャ!ニャン!ニャ!」 「ルセーぞ」 何かヒートアップしてきた猫草の上に布を被せる。 しばらくもがいていたが、寝たようだ。自由奔放もいいとこである。 草だが猫。猫だが草。奇妙という言葉が最も似合...
  • ゼロの来訪者-3
    育郎が目を覚まし、窓の外を見てみると、どうやらまだ夜明けと言った様子である。 ベッドの方を見ると、ルイズがすやすやと寝息を立てている。 「こうしている、と普通の女の子なんだけどな…」 この少女が魔法使いで、しかも自分をこの世界に呼び出したとはとても思えない。 だが事実は事実。 「とりあえず洗濯でもしよう…」 昨日ルイズが脱いだ下着を、服でくるんで持ち、部屋の外に出る。 ちゅうちゅう(大佐、侵入に成功した) 「うむ、よくやった。そのままミッションを遂行するのじゃ」 職員用宿舎の、とある一室の前で、窓から部屋の中を伺う老人がいた。 その視線の先には、彼の秘書たるミス・ロングビルの部屋に潜り込んだ、 彼の使い魔のネズミがいる。 ちゅうちゅう(大佐、目の前に齧りかけのチーズがある。食べてもいいか?) 「ふむ、時間をかけたかけたくない、無視...
  • ゼロの兄貴-43
    明るくなってきた頃妙な重みを感じ目を覚ましたが、前。 「なんだこりゃあ…」 正確に言うと、視線の斜め下75°の先に黒い髪。 シエスタの頭があって本気でビビった。 おまけに顔をこちら側に向けているため、スーツの胸のあたりに思いっきり涎の跡が付いている。 普通に考えると、ちょっとばかりアレでナニな状況で人に見られたらモノ凄く誤解されそうだが 正直、今のシエスタさんには魅力もクソも何も無い。 素面でやってるのなら平均値を上回る胸が当たっているだけに効果はそれなりにあるかもしれない。 …が、ここに居るのは潰れた酔っ払いの成れの果て。 脱いだら結構凄いのにそれなりに重要な局面で悉く空回りしているのが勿体無い。 したがってプロシュートにとって、今現在のシエスタも手の掛かる弟分扱いである。不憫。 もっとも、この唯我独尊がデフォルトな元ギャングに目上...
  • アンリエッタ+康一-34
    「で、カッコつけてみちゃったものの、一体どーすればいいと思う。ACT3?」 若干気が抜け気味な声で康一が自らの精神の力、ACT3に尋ねた。 『非情ニヤベー感ジデス。何モ考エテイナカッタノデスカ?S・H・I・T。』 OH!とスタンドのくせにACT3が呆れて天を仰いだ。 「だからお前に何か考えがないか聞いてんじゃあないか。それと言い方が微妙にムカつくぞ」 自分の精神から生まれた存在に呆れられるというのは結構ムカついたりする。 何で自分に自分をバカにされなきゃあならないのだ。 普段こんな物言いはしない康一だが、ACT3に対しては多少荒っぽい言葉遣いにもなろう。 『ヤレヤレダゼ、ッテヤツデスネ。…ストップ!ソンナニ怒ッタ顔シナイデクダサイ』 「だったら、何か、いい手があるんだろうね?」 無かったらブチのめすぞ、と言わんばかりの康一が凄みを利かす。 そんな康一の問い...
  • 小ネタ
    承太郎 ジョルノ 仗助 露伴 ディアボロ ブチャチーム アブドゥル DIO様 プッチ神父 リンゴォ ジャイロ 吉良 ギーシュvs億康 荒木 ジョースター家 ギアッチョVSプッチ神父※ゼロ魔とは関係なし 世界の中心で愛を叫んだギアッチョ ツンデレギアッチョ ツンデレギアッチョ2 重天気A-GAIM: 仮面ルイズの違和感 魔少年ビーティーinハルケギニア ジョースター卿の新たな人生 ゼロ・ターボ 仗助なルイズ もし吉良のスタンドがルイズだったら ヤバイ「RUNE」がIN!! 伝説の使い魔 召還されたころの話 『トリステイン魔法刑務所』 懲りずに荒木ネタ エレオノールとシンデレラ フーケの魔法学院日記 続・フーケの魔法学院日記 The Book ブランドーの無駄話 氷 ラバーソール アレッシー ストレングス HTH ジョセフ ゼロの悪霊 ■ ファンタCM ...
  • ゼロの来訪者-12
    「…………」 「…………」 学院長室にて、オスマン氏とコルベールが遠見の鏡を呆然としながら眺めている。 「…………」 「………み、ミスタ・ココペリ」 「…………」 「…ミスタ・コエムシ、聞いとるのかね?」 再度オスマン氏がコルベールに呼びかけるが、まったく反応が無い。 「……おい、毛根全滅男」 「誰の毛根が全滅しているんですか!まだサイドは生き残ってます!」 「もういっその事、そっちも剃った方がすっきりするような気もするが…」 「私は諦めません!諦めは何も生まないという事を、私は知っています!」 「まあ、それは良いとして。見たの?」 「ええ見ましたとも!彼は…彼はやはり『ガンダールヴ』なんでしょうか?」 「どうじゃろうな…」 オスマン氏が口髭をいじりながら答える。 「それにしては……『ガンダールヴ』は始祖ブリミルが、呪文詠唱中...
  • ゼロの来訪者-8
    「少年よ、ある種の事柄は死ぬことより恐ろしい…」 闇の底から声が響いていた。 「お前の『肉体』やわたしの『能力』がそれだ………」 闇の一点が蠢き、人の形が現れる。 巨大な男の影、恐るべき力を持った魔人。 「わたしも、おまえも同じだ………」 男の姿が闇に溶け、そして次の瞬間そこには蒼い異形が立っていた。        『 化 物 』 だ ! ! 「……………ッ!!」 育郎が尋常でない勢いで飛び起きる。 「夢か…」 荒い息を整え、右腕の袖を肘辺りまで捲り上げると、そこには爛れた肌が見えた。 青い、そこは人間の肌にはありえない色をしている。 「どうした相棒?」 すぐ傍に立てかけてあった剣、意思を持つ魔剣デルフリンガーが育郎に声をかける。 「デルフ…いや、何でもない」 「そうかい?のわりには...
  • 忘れえぬ未来への遺産-4 前編
     最近、昔の夢を良く見る。  自分の生涯において決して忘れることの出来ない、大切な家族や友人達との思い出の数々。  激しい戦いの日々にあって、大勢の仲間達と出会い、共に戦い抜いたあの日々のこと。  その経験は自分にとって掛け替えの無い思い出であり、そして何物にも勝る誇りだ。 『若返ったことは我にとって至上の幸福だったぞ……ジョジョ!』 『オレだってなんかしなくっちゃあな…カッコ悪くてあの世に行けねーぜ……』 『悔いはない……心からおまえの成長が見れてよかったと思うよ……』  今日もこうして、懐かしい人達の夢を見ている。  共に戦った戦友や、敵として相見えながらも尊敬に値する魂を持った、誇り高き戦士達との別れ。  それは確かに悲しい思い出だが、彼らは皆、自らの生命の全てを賭けて戦い、散って行った。  だが、彼らから受け継いだ精神は、今もこうして自分...
  • ゼロの来訪者-15
    「ところで少年よ、君が来た魔kゲフンゲフン異世界の事なんじゃが……  実はワシに心当たりがある」 「「「「本当ですか!?」」」」 長い握手が終わり、オスマン氏が手の痺れを隠しながら、放った言葉で、その場にいる 全員がオスマン氏に詰め寄った。 育郎の場合 「まさかこんなに早く帰る手がかりが見つかるなんて!」 コルベールの場合 「魔法が無くとも使える技術がある世界…まさしく私の夢ッ!」 ミス・ロングビルこと土くれのフーケの場合 「感じる!お宝の気配をッ!」 ルイズの場合 「まさか…いや、でもひょっとして………このジジイついにボケちゃったの!?  だって異世界よ?うわーこの学院どうなっちゃうんだろ?」 「うむ、とりあえずついてきなさい」 そう言って部屋を出るオスマン氏についていくと、オスマン氏は一つ下の階の 鉄の巨大...
  • ゼロの来訪者-29
    「おや、君達どこかにでかけるのかい?」 広場にやってきたギーシュが、シルフィードに乗ろうとする育郎達を見つけた。 「この娘の家に遊びに行くのよ」 竜の背にのるキュルケが、タバサを指差して答える。 「それなら明日にすればいいいいじゃないか?虚無の曜日なんだし」 その言葉にニヤリと笑うキュルケ。 「それがね…タバサの家に泊まって、次の日はヴァリエールの家に行くのよ!」 「…確か君たちの実家は、宿敵同士じゃなかったっけ?」 「だから……… い い ん じ ゃ な い の !」 「なにがいいのよ…あんたどんな神経してるの?」 シルフィードの傍らに立つルイズが、信じられないと言う目をキュルケに向ける。 「あら、いくらラ・ヴァリエール家でも、客をいきなりとって食べるような真似は  しないでしょう?」 「当たり前じゃない。例え相手がツェルプストーでも…...
  • ゼロの来訪者-41
    「ほほう、東方産の品々をコレクションしとる貴族か。  君にそんな知り合いがおったとはのう」 「昔請け負った生徒が、そんな話をしていたのを思い出して。  彼の祖父がずいぶんと熱を上げていたとか。  なんでも本当に東方産なのか、よくわからない品も多いそうです」 コルベールの言葉にうなずくオスマン氏。 「そりゃ好都合じゃな。少年の求める掘り出し物がその中にあるかもしれん」 「では早速準備を…明後日にもイクロー君を連れて出発する事にします」 「あー、ちょっと待ちたまえ」 急いで学園長室を出て行こうとするコルベールを、オスマン氏が呼び止める。 「なんでしょう?」 育郎から聞かされた異世界の優れた技術の品を見てみたいのだろう、いますぐに でも出発したそうな様子の、コルベールに告げる。 「一緒にミス・ロングビルも連れて行ってもらえんかの」 「それはかまいませんが…何故ミス・ロ...
  • ゼロの来訪者-42
    「ここが私の研究室だよ」 そう言ってミスタ・コルベールが粗末な掘っ立て小屋の扉を開ける。 「ここ…コルベール先生の小屋だったんですか」 「ん?」 「あ、いえ。変わったにおいがする小屋があるなと思っていたもので。  てっきり薬か何かの倉庫だと」 確かに小屋の中は、コルベールが実験に使用する、薬品やら、実験器具やら古びた書物、さらには蛇やトカゲが入れられた檻までも、所狭しと置かれなんともいえない異臭を漂わしている。 「いや、実験に騒音と異音はつきものでね。最初のうちは自分の居室で研究していたのだが、すぐに隣室の連中から苦情が出てしまってね。  それにしても…そんなに臭うかね?  外にはそれほど漏れないように、気をつけているつもりなのだが」 「いやその、においに敏感な体質なんです」 育郎の脳に寄生するバオーには、聴覚や視覚は存在しない。その代わりに発達...
  • 奇妙なルイズ-6
    「使い魔品評会が開かれます!」 食堂に集まった生徒達は、コルベール先生による使い魔品評会の知らせを聞いて大いに驚いた。 使い魔の品評会は、簡単に言えば使い魔自慢だが、今回はアンリエッタ姫殿下が使い魔の品評を行うという。 アンリエッタ姫殿下はその清楚さと、幼さを見せない凛とした姿に人気があり、国民の憧れの的と言っても過言ではない。 他国からの留学生であるキュルケ、タバサはその逆で、姫には興味がないと言った感じだ。 わいわいと騒ぐ生徒達の中で、ルイズは、本日何度目か解らないため息をついた。 「皆さん静かに! …先ほども言いましたが、品評会は明後日、今日と明日しか猶予はありません。 しかし、トリスティン魔法学院の生徒達は皆、普段から使い魔の能力を熟知し、 パートナーとして最大限の力を活かせるものだと信じております! 尚、今日と明日はオールド・オスマン氏のはからいにより、 授業はすべて中止とな...
  • ゼロの来訪者-10
    「何考えてんのよ、あいつは!」 ルイズが廊下を走っている。 「私が…ご主人様が心配してあげてるっていうのに…」 いくら腕力が強かろうと、ギーシュの操るゴーレムの前ではひとたまりも無いだろう。 「何のために剣を買ったと思ってるのよ!」 剣を使えば勝てないまでも、一矢報いることが出来るかもしれない。 そうしたらあの使い魔も、臆病者と呼ばれる心配もなくなり、素直に謝るだろう。 「ボロ剣!あんたの出番よ!!」 勢いよく自分の部屋の扉を開けて、デルフリンガーが置いてある場所に向かって叫ぶ。 「あ~ん?出番…いいよ、相棒には俺なんていらねーんだ。もう実家に帰る!」 しかしデルフリンガーはすっかり駄目になっていた。 「実家ってどこよ!?」 「武器屋。だいたい俺が必要な相手ってなんだ?ドラゴンの大群でも湧いたか?」 「なに大口叩いてんのよ!貴族よ、貴族!...
  • ゼロの来訪者-30
    「と言うわけで、フォン・ツェルプストーは家は、代々ヴァリエールの領地を  治める貴族にとって、不倶戴天の敵なのよ!」 「ほら見てイクロー!あれがラグドリアン湖よ」 「なつかしーな…俺も昔あそこに10年ばかし沈んでたんだよ。  あの時漁師の網にひっかからなかったら、あともう10年はそのままだったな」 「それは大変だったね…」 「いや、あれはあれで結構楽しかったぜ。人の世界にあきあきしてた頃だったし。  それにそん時のあそこのヌシがすげー奴でな、サンペーって釣りキチとの勝負は」 「ってちゃんと聞きなさいよ!?」 学院を出発した直後、ギーシュがルイズとキュルケの家が宿敵同士と言ってた事が 気になった育郎は、早速ルイズ達にその事を聞いてみたのだが……… 今の今まで延々と両家の因縁というか、愚痴と言うか、まあそんな事を延々と 聞かされる事になったのだ。...
  • ゼロの来訪者-21
    「駄目かな?」 「そりゃ駄目って事は無いけど…」 昨夜タバサに母の治療を頼まれた育郎は、朝の食堂で、食事をとろうとするルイズに、タバサと供に、昨夜の事を話していた。 といっても、タバサが呼び出して襲い掛かった?辺りの話は伏せてだが。 「でも、あんたに治せるかどうかはわからないんでしょ?  えっと、タバサだっけ、貴方はそれでも良いの?腕の良いメイジに見せた方が」 「かまわない」 タバサが何時もと変わらない無表情で即答する。 「それなら良いんだけど………そっか…ひょっとして…」 しばらくブツブツとつぶやいたルイズが、一度育郎を見、そしてタバサの方に向き直る。 「ねえ…あなたの使い魔って風竜よね。家に帰る時は使い魔に乗ってくの?」 その質問に頷くタバサ。 「じゃあさ…帰りでいいから、私の家に寄ってくれない?」 「わかった」 「じゃあ家に連絡入れないといけないから、出か...
  • ゼロの来訪者-19
    「きゅい!そうなの、あの使い魔が死にそうなギーシュ様を治したのね!」 「そう…」 育郎とギーシュの決闘があったその日、魔法学園の上空でタバサが自分の使い魔の竜、 周りには風竜と説明してあるが、実は伝説とまで言われる、人の言葉や先住魔法まで操る風韻竜と呼ばれる種族のシルフィードに、決闘の顛末を聞いていた。 キュルケからほとんど同じ内容の話を聞いていたが、それでも彼女にとって、 最も重要な事が確認できたので無駄にはならなかった。 だがまだまだ確認すべきことはある。簡単に喜ぶわけにはいかない。 「先住魔法?」 「うーん、ちがうと思うの。精霊の力は感じられなかったの」 先住魔法とも違う力…彼女の瞳に小さな希望が宿る。それは彼女のもっとも大切な人間、先住魔法の薬で、心を狂わされてしまった母を治す可能性。 だが簡単に喜ぶわけにはいかない。相手が自分の頼みを簡単に了承するとは限らない...
  • ゼロの来訪者-6
    結局爆発がルイズの魔法の失敗による物とわかり、マリコルヌが呼んで来た先生達は ルイズに罰として教室の片づけを命じた。 当然の如くルイズは、平民であり使い魔の育郎におしつけようとしたのだが、 「怪我は無いみたいだけど、念のため休んでいた方が良い」 と先に言われてしまい、やることもなく育郎を眺めているのであった。 変な奴… なんで文句一つ言わないのよ? 魔法を失敗して教室をこんな風にしたのは自分なのに… 押し付ける気だったのに、ついそんなことを考えてしまう。 「ねえ、あんた…何か言う事は無い?」 「?」 声をかけられた育郎が、手を止めてルイズの方を向く。 「ほら、あれよ…その…私の魔法…」 「ああ、誰だって失敗ぐらいあるさ」 一瞬わかってて言っているのかと、頭に血が上りかけるが、この従順な使い魔が そんな事を考えるわ...
  • ゼロの来訪者-27
    「ではモット伯、私はこれで」 「へ?」 笑顔でそう告げるミス・ロングビルに、思わずマヌケな顔で返事をしてしまう。 「もう夜も遅いですし、学院に帰らないと…」 「いやいやいやいや!夜道は物騒ですし、是非我が館にお泊りください!」 モット伯も必死である、なにせおっぱいメイドに手を出せないだけでなく、秘蔵のコレクション2冊+2千エキュー相当の貴金属を渡すハメになったのである。 これでミス・ロングビルのおっぱいを堪能できないとあれば、もう泣くしかない。 「あら、護衛の実力は十分に理解されたと思ったのですが?」 「う…は、はい…」 しかし現実は非常である。 モット伯は自分の部屋に行き、2時間ねむった…そして……… 目を覚ましてからしばらくして、寂しさを紛らわすためエアおっぱいを揉み… もう、いろんな意味で悲しくなったので……泣いた…… 後日この時の虚しさを、オー...
  • ゼロの来訪者-9
    「ふんふんふーん♪」 食堂で食後の紅茶を楽しむ少女、ゼロのルイズはご機嫌だった。 今日のデザートは彼女の好きなクックベリーパイなのだ! なにやら食堂の一角が騒がしくなっている気もするが、彼女にとって今は誰にも 邪魔されたくない至高の時間なのである。 使い魔がそっちの方に行ったような気もしたが、当然無視した。 「まったく、あの馬鹿ったら…」 食堂で食後の紅茶を楽しむ少女、香水のモンモランシーは先日の事を思い出して 不機嫌になっていた。 「ギーシュ、ポケットから壜が落ちたぞ」 「おお!その香水はモンモランシーのものじゃないか!」 「つまりギーシュ、お前はモンモランシーと付き合っている。そうだな?」 「ち、違う!彼女の名誉の為に…ケ、ケティこれはその…  ヒィ!も、モンモランシー!?違う、違うんだ!」 「ヘイ!ケティ、マスク狩...
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