ゼロの奇妙な使い魔 まとめ内検索 / 「サンドマン」で検索した結果

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    サンドマン-1
  • サンドマン-1
    視界が際限なく明るくなっていく、オレは死ぬのだろう。 悔いも恨みも、砂粒一つほども無い、ただ姉を故郷にひとり残してきたのが気がかりだった。 ただ姉に幸せになってほしい、この祈りを最後に自分は祖先の元に行くだろう。 それとも、部族の土地を奪った白人達の言うように天国か地獄に行くのか? もう時間なのか、光以外に何も見えない…… 音を奏でる者の名で呼ばれた男が光に衝突して消え去る瞬間を見た者は、誰一人としていなかった。 そうして人知れず男は消えた、レース中に出た行方不明者の一人としてこの世からいなくなった。 「宇宙の果てのどこかにいるわたしのシモベよ!  神聖で美しく、そして、強力な使い魔よ!  わたしは心より求め、訴えるわ……我が導きに、答えなさい!!」 トリステイン魔法学校の一室、この快晴ともいえる天候の中行われている行事、それはサ...
  • 各部キャラ
    ... Ball Run サンドマンサンドマン ジョニィ歩き出す使い魔 Dioスケアリー・サーヴァント マイク・Oマイク・O ファニー・ヴァレンタイン(大統領)D0C 八部 〜ジョジョリオン〜 バオー 来訪者 橋沢育郎ゼロの来訪者 バオー犬ゼロいぬっ!
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    ... サンドマン 歩き出す使い魔(ジョニィ) スケアリー・サーヴァント(Dio) マイク・O D0C(大統領) バオー ゼロの来訪者(橋沢育郎) ゼロいぬっ!(バオー犬) 短編 小ネタ 完結作品 スターダストファミリアー(承太郎) スターダストは...
  • ワンポイントギーシュ
    ...界に目覚めた模様。 サンドマン未登場。ストーリーが進めば登場するかも? 爆炎の使い魔(キラークイーン)未登場。ストーリーが進めば登場するかも? 使い魔はゼロのメイジが好き(ストレイキャット)未登場。ストーリーが進めば登場するかも? 本気男(ホルマジオ)未登場。ストーリーが進めば登場するかも? 新世界の使い魔(プッチ神父)未登場。ストーリーが進めば登場するかも? 戻る
  • 歩き出す使い魔-1
    ...いかけたところで体にサンドマンのスタンド攻撃を喰らったときのような熱と痛みが走った。 あのとき体感した、まるで『燃える音』が血管の中を駆け巡り全身に運ばれるような感覚にジョニィは思わず声を上げてしまう。 「うおあああああああああ!?」 (やっぱりこいつ…スタンド使い!?) 「使い魔のルーンを刻んでるだけよ。すぐ終わるわ」 あまりの痛みと熱に『タスク』を出すこともできずにジョニィは転げまわる。 しばらくするとルイズの言葉どおり何事もなかったかのように熱と痛みは収まったが代わりに左手の甲に謎の文字が出現していた。 以前、左腕にラテン語が刻まれたことがあったが今、手の甲に現れた文字は自分の知る言語でも次の遺体の場所を示す物でもない。 「ふむ、珍しいルーンだな」 いつの間にか近づいてきていた中年男性がジョニィの左手の文字を見るとそう言...
  • 歩き出す使い魔-5
    ... ジョニィはサンドマンとの戦いを思い出す。自分もそう思っていた。黄金の回転なんか『できるわけがない』と。 「でも本当に出来ないのか?僕の意見を言わせてもらえば君はあんな爆発を起こせるんだ。だったら…君が気付いてないだけで…何か小さなキッカケで…それを見つければできるのかもしれない」 ジャイロが自分の身を犠牲にしてまで教えてくれた黄金長方形を見つけた自分のように。 「そのキッカケが『何か』はわからないけど…。『少しずつ』…少しずつ『生長』すればいいじゃあないか…。今はゼロでも…その『何か』を探して少しずつ『生長』して…そして、そうすれば…最後に勝つのはそうやって『生長』した人間なんだから…」 そう言ってジョニィは教室を出て行った。 自分の言葉が希望になるかはわからないが…それでも『何か』のキッカケになればいいと願って。 一人...
  • 使い魔は手に入れたい Le Theatre du Grand Guignol-4
    あの衝撃的な殺人から暫らくして、舞台はまた形を変えていた。 男は会社で働いていた。 真面目にそつなく仕事をこなしている。どこにでもある普通の光景の一部。 多くの一般群衆の中にいる1人。背景の一部。 そう思えるほど男は影が薄い。 周りの人間のそう評価していた。しかし、それは男の上辺だけに過ぎない。 しかし、舞台から見ている私にとっては男が恐ろしくて仕方がなかった。 影が薄い?背景の一部?一般群衆の1人? どれもこれも全く違う! 男は、奴は殺人鬼だ! この光景に移り変わるまでに何人の人間を爆破というありえない方法で殺し、その手首を奪ってきたことか。 私のように仕事で殺人を犯すのではない。ただ自分の欲求を満たすためだけに殺している。 何の恨みがあるわけでもなく、ただ殺したいから殺す。それを異常と呼ばずしてなんと呼ぶのだろうか? 少なくとも私は知...
  • 使い魔は手に入れたい-12
    朝食というにはあまりに重たい。 食堂の食事を見ながら改めてそう思う。これらを朝に食べるのは遠慮したいものだ。 どう見てもディナーだからな。 そう思いながらルイズの椅子を引く。 椅子にルイズが座ったのを確認して私も空いている椅子に座ろうとする。 しかし空いている椅子は無かった。前回座った場所にはマリコルヌが座っていたからだ。 「マリコルヌ。どうして朝早くから席に着いてたんだ?」 「べ、別にいいじゃないか」 マリコルヌは他の奴とそんな話をしていた。 そうか。昨日のことがあるから座られる前に座ってしまおうということか。 だからってそんなに早く座ろうと思わなくてもいいと思うがな。 しかしこれは好都合だな。なかなかいい言い訳になる。 そう思いながらマリコルヌの隣に立つ。 マリコルヌの体がビクリと震える。昨日のことを思い出したのだろう。 しかし今私は...
  • 仮面のルイズ-24
    「…!………!」 シエスタは混乱していた。 突然後ろから羽交い締めにされ、口を押さえられたのだ。 先ほどまでシエスタとギトーを案内していた男、アレキサンドルが、突然シエスタを押さえつけ、岩陰へと拉致したのだ。 後ろから羽交い締めにされたため、アレキサンドルの顔は見えない。 だが、獣のような呼吸音がシエスタの恐怖を煽っているのは確かだった。 「!……!…!」 身体を動かして逃げようとしても、アレキサンドルの腕はガッチリとシエスタを捕まえており、ビクともしない。 シエスタは、しばらく身体を動かしていたが、観念したように身体の力を抜いた。 だが、アレキサンドルは何もしない。 二秒、三秒、四秒……少し待っても何もしない。 服を脱がそうとする気配もないし、脱ぐ気配もない、何かがおかしい。 気が付くと、辺りには霧が漂っており、昼頃になるのに日差しが弱い。 ...
  • 使い魔は手に入れたい-27
    「ちょっと!何しようとしてんのよ!」 猫の尻尾を掴み持ち上げようとすると近くにいたルイズが慌てた様子で私の腕を掴んできた。 邪魔するなよ。 「何って、振り回して投げ飛ばす」 当然だろう。 私の食事を台無しにされたんだ。 私は生きているんだから、当然腹が減るに決まっている。 そして今、私は腹が減っているんだ。ありつけると思っていた食事を台無しにされたら誰だって腹が立つはずだ。 「ダメよそんなことしたら!」 ルイズは私の手を無理やり猫の尻尾から引き剥がし、猫を胸に抱きかかえる。 「あの、私もそれは可哀想だと思います」 シエスタも猫の尻尾振り回し作戦は反対らしい。 考えてみれば当然か。猫は有名な愛玩動物だ。 そんな動物の尻尾を振りまして投げるなんて反対されるに決まってるか。 「じゃあ遠くに投げ飛ばす」 「それもダメ」 「ダメだと思い...
  • 使い魔は今すぐ逃げ出したい-29
    「一体どういうことだ……」 彼が呟く。 「俺も聞きたいよ……」 わたしも呟く。本当にどうなってんだか。 見えるもの、聞くものすべて逆。唯一例外なのは彼と私自身だけ。彼には私が普通に見えるようだし、私にも彼が普通に見える。聞く場合も同じだ。 暫らくして私も彼も完全に落ち着きを取り戻す。 「考えてもわからないならしかたないな」 「そうだな」 彼はそう呟くとため息をつく。その言葉には賛成するよ。 「しかし何時まで我々はここにいるんだ?」 「……そうだったな」 ふとそんな疑問が頭を過ぎり呟く。彼は片眉をあげ反応を返してくる。 彼もそのことは失念していたようだ。 「しかしそんなもの考えていて結論は出るのか?」 ……そうだった。どうしてここにいるかもわからないのに、何時までここいるかを考えるなんて情報不足にも程があるな。 情報がないクロスワー...
  • 仮面のルイズ-23
    朝早くシエスタは目を覚ます。 使用人として働いていた時の癖が抜けないのか、彼女は魔法学院の生徒で一番早起きだった。 掃除洗濯をして身支度をしよう…と思ったところで、ここが魔法学院の寮ではないことに気づく。 来客用に作られた木組みのベッドは、この近くで採れる蔓草を編んで作ったクッションが敷かれており、寝心地は悪くない。 使用人の部屋にあったベッドより、ずっと柔らかく弾力もあるこの素材をこれから採取しに行くのだ。 シエスタは部屋を出ると、すでに起きていた村長の奥さんに井戸の場所を聞き、顔を洗いに外へ出た。 洗面用の桶を準備すると言ってくれたが、貴族の『立場』に慣れないシエスタは、それを断った。 森の奥にある村だけあって、早朝の空気はとてもよく澄んでおり、シエスタの故郷タルブ村とは違った心地よさを感じていた。 しばらくしてギトーも目を覚ます、どうやらあのベッドは...
  • 使い魔は手に入れたい-13
    私の視界に猫がいた。 目測で大体30㎝あるかないかくらいの子猫だった。 毛の色は薄茶色で少し白混じっており、子猫らしいもこもこした毛に覆われクリッとした目でこちらを見ている。 この世界に来て猫を初めて見たが、案外普通なんだな。 見る限り典型的な猫だ。何の変哲も無い猫だ。毛の色が変わってるだとか体のどこかが変わっているといったところも無い。 魔法が使える世界で変な生き物がいるからこっちの猫は変わっているものだと思っていた。 でも案外まともなんだな。見た目だけかも知れないが。 よく犬と猫、どちらが好きかという質問がある。 どちらかを選べと言われたら私は猫を選ぶだろう。 犬は好きじゃない。吠えるから五月蠅いしな。そして何よりいい思い出が無い。犬のせいで手足を失う危険性すらあったほどだ。 考えてみれば好きじゃないというレベルじゃなくて嫌いというのが正しいな。...
  • 絶頂の使い魔-9
    現在、時間で言うなら午前三時くらいの夜 「・・・もうちょっと寝かせてくださいよ。今日は授業も用もないはずじゃ?」 「お・お・あ・り・よ!!」 またも夢の世界に戻ろうと床の上で毛布をまた被ろうとしたものの無常にも剥ぎ取られてしまいます 剥ぎ取った本人のピンクのブロンドがかった髪を寝ぼけ眼で見つめようやく覚醒したドッピオは 「我が偉大なる主人ルイズ様。このようなお時間に何用で御座いましょう?ふぁー」 そのまま起き上がって床に座りなおし用件が何か聞きます 何故か寝巻きでなく制服を着ているルイズは腰に手を当てながらも神妙に答えます 「土くれのフーケを倒しに行くわよ」 「土くれ?また決闘を引き受けたんですか?明日にしてくださいよ・・・」 毛布を取り返そうと腕を伸ばすが叩き落とされてしまいます 「フーケよフーケ!!今巷で話題の泥棒よ!!」 「何で僕たちが...
  • 3 認識の境界線 前編
    3 認識の境界線  ザビエラ村は山間部に位置する人口350人ほどの小さな村だ。  林業と狩りで生計を立てる、典型的な寒村といえる。畑もあるにはあるが、あまり収穫は多くなく、村で全て消費してしまう程度だ。  しかし、山越えをする旅人にとっては都合の良い宿場になるため、完全に寂れるわけでも極度に発展するわけでもない、特徴の無い状態になっている。  事件は村の生活を支える森の入り口で起こった。  血を抜かれて乾いた少女の死体。首筋に残る噛まれた跡。そして、魔力の反応。  犠牲者が数人出た時点で、やっとそれが吸血鬼の仕業だと判明した。  これ以上の犠牲者が出る前にと、村の人間達はすぐに領主に直談判を行い、討伐隊の編成を頼んだ。  しかし、派遣された火の系統を得意とするトライアングルクラスの騎士は、村の中央で見るも無残な死体になって発見される。  並みのメイジでは対処は不可能。  そう判断されたため...
  • 使い魔は手に入れたい-18
    鳥肉を子猫の頭上で見せ付けるかのように振る。 猫はそれをじっと眺めている。と思ったら二本足で立ち上がり前足を伸ばしてくる。 あと少しで届きそうなところまで鳥肉を子猫に近づけてみる。 すると子猫は必死になって二本足を維持して前足を伸ばしてくる。 必死だな。このまま鳥肉を上にぶら下げておいたら何度もこんな風に挑戦するかもしれない。 しかしこう必死に二本足で立っているところを見るとこかしたくなるな。いや、そういうことはしたらいけない。したらいけないんだが…… ……いいや、限界だ。こかすね。今だ! 子猫の後ろ足を空いている左手で払う。予想通り子猫は面白いようにひっくり返った。 やはりこういったことは面白い。 そんなことを思いながら呆然といった感じでひっくり返っている子猫の口に鳥肉を突っ込む。 子猫は最初こそ暴れはしたがすぐに鳥肉だとわかったようで体勢を整え鳥...
  • タバサの大冒険 第6話 後編
     ~レクイエムの大迷宮 地下6階~ 『さて…残るはテメエの番だな?』 「ううッ…!」  意地の悪い口調で、デルフリンガーはハイウェイスターの本体である噴上裕也を見下ろして言う。 『どうするよタバサ?煮るかい、焼くかい?それともバッサリかい?』 「……………」  タバサは無言で、噴上裕也の前で再びクレイジー・Dを展開する。  ただそれだけで彼女の意志は明らかとなる。地面にへたり込んだままの噴上裕也は冷や汗を流しながら彼女の姿を見上げ、顎を指で弄ると言う彼特有の無意識下での恐怖のサインを示した。 「……参った。悔しいけどよ、あんたの勝ちだ」  しばしの無言の後、噴上裕也はふぅ、と嘆息して、タバサの姿を見据えたまま言葉を続ける。 「あんたのガッツは大したもんだ。俺と運命の車輪の二人掛かりでも倒せなかった……。  マジで強いヤツだと思ったよ。どんなピンチだろうと冷静な判...
  • マジシャンズ・ゼロ-14
    今まで見たことも聞いたことも無い世界。誰だってディ・モールト興味を持つだろう。 もちろん不思議に興味津々な『お年頃』のルイズだってご多分に洩れず、異世界が気になって仕方がない。 だが!そこはツンデレを持つ我らがルイズ嬢。使い魔のアヴドゥルに対し『教えて下さい』と言うなんてできるはずもなく。 (考えるのよルイズ!向こうから『この卑しい使い魔に、ぜひとも異世界のことを話させて下さい!美しいルイズ様』ってなるよう仕向けるの!) 素直になれば早いのに、表面はクールに保ち-必死なのが丸分かりだが考えるルイズと、ソレを微笑ましく感じながら眺めるアヴドゥル。 しばらく脳みそフル活用するが、ちっともいい考えが浮かばず。 「……う、む、ゥっきーーーー!」 ルイズは、爆発した。 「とにかく!ご主人様として使い魔のことを、よ~く知っておく必要があるの!さっさとあんたの世界に...
  • 発芽! 花開く明日のために
    発芽! 花開く明日のために 「ジョータロー。……今日の授業後、ヴェストリ広場に来てくれ。  君ともう一度決闘がしたい。受けてくれるかな?」 昼食時、承太郎がいつものように厨房で食事をしていると、ギーシュが先日のように同席してきて、食後の一服中に頼んできた。 彼の言葉を聞いたシエスタは、驚いて下げに来たお皿を落としてしまい、割れる寸前で承太郎のスタープラチナがお皿をキャッチしシエスタの手に戻す。 「……どういうつもりだ? ギーシュ」 承太郎は静かに問い返した。ギーシュは真剣な面持ちだった。 「……別に。ただ、最近よく荒れ事に巻き込まれるからね。  だから模擬戦をしたいというのが本音さ。僕は実戦経験がほとんど無いからね」 「なるほど……だが俺は『スタンド使い』だ。  俺と戦ったところで、メイジとの戦いの参考にはなりゃしねーぜ」 「いいんだ。強い...
  • 『Do or Die ―5R―』後編
    ◆  夏も盛りだというのに、月さえ黙してしまったかのような静かな夜。人々は本能的に何かを感じ取ったのか極力外へ出てこようとはしない。  そんな中、道を駆ける一人の男がいた。幻獣マンティコアの刺繍の施されたマントを翻し、とある建物の扉を開いて中に駆け込む。 「ゼッサール隊長、各拠点の包囲完了いたしました」  男は入ると同時に敬礼を取った。視線の先には机に向かっているマンティコア隊隊長ド・ゼッサールの姿があった。机の上に広げた街の地図から視線を上げて隊士を労う。 「ご苦労。引き続き警戒しておけ。くれぐれも住民に不安を与えるなよ」  それに答えた隊士は、しかし沈黙した後でゼッサールに尋ねてきた。 「しかし隊長、敵は素人に毛の生えたチンピラとは言え、敵の本拠地での戦闘です。数も相当だと報告もありますし……本当に援護はいらないのでありましょうか」 「ヒポグリフ隊がすでに行ってい...
  • 狭間に生きるもの-1
     暖かな陽射しが射し込む中庭で色とりどりの花が咲き誇り、花弁から沸き立つ芳香に頬を緩ませて  目的地へと歩いていると、程なくして薄桃色に包まれた小さな宮殿に辿り着いた。  門を守護する衛兵に小宮殿の主への取次ぎを願い、許可を得る間もう一度中庭を眺める。  美しい花園に蝶が舞い、小鳥たちが楽しげに囀る中で静かに本を読めたらどれだけ幸せだろうか。  そうして暫しの間空想に耽っていると、近寄ってきた衛兵から許可が出た事を告げられる。  少々名残惜しいが、衛兵に案内されて私は宮殿内へと足を踏み入れた。 「まったくつまんないねぇ、ガーゴイルだってもう少し愛嬌があるよ」  相変わらずのつまらない嫌がらせした張本人が、捻じ曲がった古木のような眼つきを向け嘆息する。  髪の色よりやや深い、青を基調とした品のあるドレスに身を包んだ端正な顔立ちの目つきの悪い宮殿の主...
  • タバサの大冒険 第7話
      ~レクイエムの大迷宮 地下6階~ 『それじゃあ何か?オレ達にお前さんの探し物とやらを手伝え、と言う訳かい?』 「マ、結果的にはそうなるね」  ツェペリ男爵と名乗った男から詳しい事情を聞き終えた時、開口一番に口を開いたのは不満げな態度を隠そうともしないデルフリンガーだった。先程ツェペリにしてやられたばかりの噴上裕也は未だに仏頂面を浮かべたまま、タバサはいつも通りのぼんやりした無表情でツェペリの話を聞いていた。  お互いに敵意が無いことを確認した一同は、まずタバサ以外の満場一致で彼女を休ませることにした。  誰もが先程のハイウェイスターや運命の車輪との戦いによる消耗が激しいタバサを無理させたくはなかったと考えていたし、特に今まで散々ハイウェスターをけし掛けて来た張本人である噴上裕也は自責の念もあった為か、この場にいる誰よりも強くタバサの休養を主張していた。  その為に、今...
  • 第二話 サーレーの受難と魔法少女
    『第二話 サーレーの受難と魔法少女。』 「いった――い!!」 「っつ・・・・」 サーレーとルイズはサンドイッチのように折り重なっていた。 「!!お前!!」 サーレーが自分の上にいるルイズに気が付いた。 サーレーが逃げようと立ち上がる。おお!?ずっこけた!! 「何してんのよ・・・。」 「死にたくない!死にたくない!死にたく・・・」 「誰もあんたを取って喰ったりしないわよ・・・。」 サーレーがピクッと止まった。 「ここはパッショーネのスタンド使いの養成機関じゃないのか?」 「スタンド?パッショーネ?」 ルイズがハァ?と呆れた顔をした。 「何それ。頭イカレてるの?この状況で。」 そう言っているとサーレーとルイズの周りを生徒達やコルベール先生が取り囲む。 「!なんだァ!まだヤンのか!」 コルベールがサーレーの目の前に来た。 「ミス・ヴァリエール。彼と契約し...
  • 使い魔は手に入れたい-14
    「ほれ」 「ニャン♪」 「ほら」 「ニャウ!」 「パンくずを口の中に突っ込んで、飲み込ます!」 「ミーーーーーーーー!?」 「逆立ちでも食えるのか?」 「ケフッ!?」 「食べてる最中に鼻を塞いだらどうなる?」 「ミュ……!」 「鳥を食べている最中に、苦い葉っぱとすりかえる!」 「エヒッ!?」 「サンドイッチだぁ!」 「ニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャ!」 そんなこんなで色々していたら結局サンドイッチを全て子猫に食わせてしまっていた。 色々してみたが結局最後には普通に食べさせてしまった。変な食べさせ方に飽きたというのもあるんだが。 さすがの子猫も腹が一杯になったのか丸くなってあくびをしている。あれだけのことをしたのによく逃げずに食べきったものだ。 それだけ腹が空いていたのか、それともマゾの気でもあ...
  • 発明! コルベールエンジンとタバ茶三号
    発明! コルベールエンジンとタバ茶三号 長い円筒状の金属の筒に金属のパイプが延び、パイプはふいごのようなものに繋がり、円筒の頂上にはクランクがついていて、そしてクランクは円筒の脇に立てられた車輪に繋がっている。 という文を写していてよく解らない形状の物体を見て生徒達は首を傾げた。 何だこれ? と。 それはコルベールが持ってきたカラクリであった。 「これは私が発明した装置で、油と火の力を使い動力を得る装置です」 意味不明な説明を聞きまたもや首を傾げる生徒達。 油と火で動力って何よ? どういう理屈で何の役に立つものですか? つかこれ本当に魔法の授業? おもちゃ遊びするなら授業料返せ。 そんな冷たい視線を浴びてもコルベールはそしらぬ顔をしていた。 というか自分の発明品に酔い、生徒達の眼差しに気づかなかった。 自信満々に装置の説明を続ける。 「...
  • 19 静かな猛り、静かな滾り
    19 静かな猛り、静かな滾り 今日も抜けるような快晴だ。夜の残り香を含む春風が吹き込んでくる。まぶしい朝日が入ってくる。壁に空いた大穴から、この宝物庫の中に。 他の建物と同じ石造りの室内を、オールド・オスマンが一人歩く。後ろでは学院の主だった教職員が、一様に緊張感を浮かべた表情で見守っている。付き従おうとした一人が手振りで制され、全員が入り口に固まっている。 無言のまま検分を進める。盗まれた物は他にはないようだ。 壁以外の被害は少ない。足跡の土と、杖が一本。壁に彫られた短い文章。内心の憤りを胸のうちに隠す。 『破壊の杖、確かに領収しました。土くれのフーケ』 選りによってそれを盗むか。無意味に二度繰り返し読み、嘆くように大きく息を吐く。 宝物庫に収められた杖にも、様々な種類がある。 一振りで一面を凍らせるほどの冷気を放つものや、差し向けられた相手を...
  • 4 目的の迷宮 前編
    4 目的の迷宮  軍港ロサイスはアルビオン王国の空軍の大部分を擁する一大基地である。  世界樹を用いない人工の発着場は中心の塔から桟橋が四方に伸び、桟橋は一つで大型の船が両側に5隻ずつ並べられるほどの大きさを持つ。今でこそ、内戦に駆り出された船や各地の港の警戒に当たる船でやや寂しくはなっているが、その全てが揃い集まったときの最大で40隻にも上る船が並ぶ様は、この地を踏む者たちの心を掴んで放さない。  空軍だけに着目すれば、アルビオンはガリアに匹敵する戦力を有している。地理的な優位も合わさって、空の戦いにおいては無敵を誇る、とまで言われているほどだ。  ロサイスの規模もそれに見合ったもので、発着場の傍には造船所や兵舎、司令塔といった基地に必要な建物が並び、小さな森を挟んだ内陸側にはそれなりの規模の町が形成されていた。  世界各国に誇れる、巨大基地。それがロサイスである。  だが、...
  • 使い魔は手に入れたい Love
    愛せよ。人生においてよいものはそれのみである  byジョルジュ・サンド 「かくかくしかじかうしうしうまうま、というわけだ」 え……そんな、 「えっと、簡単にまとめるとミス・ヴァリエールも一緒に行くことになって明日学院を出発するってことですね?」 「ああ」 ヨシカゲさんをタルブの村へ誘った次の日、ヨシカゲさんから行ける許可が取れたのだと聞かせてもらった。 物凄く嬉しかった。 本当は実現することは無いだろうなと思っていたからだ。それが叶うのだから嬉しくないわけがない。 しかしそのあとミス・ヴァリエールも一緒に行くというのを聞いた。 なんでも自分も行きたいと駄々をこねたらしい。それでしょうがなく連れて行くことにしたそうだ それで私たちの休みの日では都合が合わないからと明日出発するようにとのことらしい。 突然のことなので驚いてしまう。 「で、で...
  • 歩き出す使い魔-4
    ルイズはジョニィを連れて学園の敷地内で一番背の高い、真ん中の本塔にやってきた。 「ここが『アルヴィースの食堂』よ。メイジは皆ここで食事をするわ」 驚いた顔のジョニィに満足したルイズは三つならんだテーブルの真ん中のテーブルの椅子を引いて座る。 「ホントなら使い魔は外なんだけど。私の特別な計らいでテーブルを使わせてあげる」 そういって自分の隣の椅子を引く。ここに座れという意味だ。 ───なんだ結構いいやつじゃあないか。 思えば朝から雑用といってもやらされたのは着替えの手伝いだけである。 脚のことを考えてあまりキツイ仕事は頼まないんだろう。 ジョニィはそう思った。 (ベッドの足を壊したのはやりすぎだったかな。それにしても…) ジョニィは目の前の豪華な料理に視線を移す。 この間のシュガーマウンテンの泉のとき...
  • 第十二話 『香水の乙女の誇りに賭けて』後編
    ギーシュの奇妙な決闘 第十二話 『香水の乙女の誇りに賭けて』後編  緩慢な動きで振り向けば、廃屋の入り口で、肩で息をする少年が一人たたずんでいた。  途中で転びでもしたのだろうか? 頬やヒラヒラした飾りのついた服には汚水がべったりと張り付いていたが……その相貌に、クラウダは見覚えがあったのだ。  確か、以前に父親と一緒に参加したパーティで見た覚えがある……!  少年は、廃屋に踏み込みながら息を整え、ポワチエの傍らに立つと、朗々と告げた。  先程、『J・ガイル』と因縁のある人物から教えられた、痛烈な皮肉の効いた台詞を。 「敵を討つときは、こういう台詞を口にするべきです。  『我が名はギーシュ・ド・グラモン。我が愛しき人の姪の安らぎのため、志半ばで散った若い薔薇の無念のため! J・ガイル! 貴様を地獄へ叩き落してやる!』とね」  ギーシュ・ド・グラモン...
  • ゼロの来訪者-6
    結局爆発がルイズの魔法の失敗による物とわかり、マリコルヌが呼んで来た先生達は ルイズに罰として教室の片づけを命じた。 当然の如くルイズは、平民であり使い魔の育郎におしつけようとしたのだが、 「怪我は無いみたいだけど、念のため休んでいた方が良い」 と先に言われてしまい、やることもなく育郎を眺めているのであった。 変な奴… なんで文句一つ言わないのよ? 魔法を失敗して教室をこんな風にしたのは自分なのに… 押し付ける気だったのに、ついそんなことを考えてしまう。 「ねえ、あんた…何か言う事は無い?」 「?」 声をかけられた育郎が、手を止めてルイズの方を向く。 「ほら、あれよ…その…私の魔法…」 「ああ、誰だって失敗ぐらいあるさ」 一瞬わかってて言っているのかと、頭に血が上りかけるが、この従順な使い魔が そんな事を考えるわ...
  • 絶頂の使い魔-5
    「ハハハハハッ!いつまでもつのかな?」 左右から人形が迫る 「くっ」 エピタフで予知していたので一体を右腕で殴り破壊。二体目の攻撃を回避 「エピタフ!」 次の予知、その予知は 「後ろ三体!」 右腕のチョップで一気に三体倒す。だがこのままだと 「・・・消耗戦になってしまう・・エピタフ!」 事実、本体であるギーシュに詰め寄れない。詰め寄ろうとしても何体もの人形が邪魔をするのだ 「右二体前一体・・ここ!」 左後ろに下がり瞬時に 「エピタフ!」 未来予知を使う。その結果 「・・・囲まれた?!」 「こうも簡単にその敷地に来るとはね。今まで君を相手にしていたワルキューレたちは陽動さ」 「まずい・・・!」 周囲の土から現れた人形、数にして八体 ドッピオは右腕を使い回転して周囲の八体を薙ぎ払う様に倒す 「エピタフ!」 次の...
  • おれは使い魔になるぞジョジョー!-0
    ディオは追い詰められていた。――いや、機を伺っていたという方が正しいだろう。 酒を飲んでは暴れ回る父、ダリオを毒殺して七年間、生前ダリオが恩を売っていたジョースター卿の 養子となったディオはジョースター家の財産を乗っ取って世界一の男となるため、卿に気に入られるように 努める一方で卿の一人息子ジョナサンを徹底的に追い詰めて堕落させようとした。 しかしジョナサンは持ち前の前向きでどんな事にも諦めない性格により太く逞しく成長した。 だがディオは計画を変更し、ジョースター卿にダリオと同じく遅効性の毒を飲ませて殺害を謀る一方 『石仮面』と呼ばれる謎の仮面によってジョナサンを闇に葬ろうと考えたのだ。 しかし偶然見つけたダリオの手紙によりダリオの病状と父のそれとが同じ事に気づいたジョナサンは ディオの陰謀を未然に防ぎ、毒薬の入手元である中国人を捕らえて動かぬ証拠を握ると、何も知らないディ...
  • 外伝~オスマンの過去~-1
    『土くれ』のフーケが破壊の杖を強奪していった夜の夜明け前、トリステイン魔術学院の教師であるコルベールは、大慌てでその大事件を学院長である、オールド・オスマンに報告に来ていた。 「学院長、一大事ですぞ!!!」 「なんじゃ、そんなに慌てよって。この世に大事などない。 全ては小事じゃよ」 ドアを開けざまに叫ぶコルベールに、オスマンは半ば呆れながら返した。 が、次のコルベールの言葉でオスマンは仰天した。 「『土くれ』です!!学院長!!『土くれ』のフーケが、ゴーレムを用いて、宝物庫を襲撃、 破壊の杖以下、その他数十点の秘宝が強奪された模様です!!!」 「な………なんと…!!」 オスマンは椅子を蹴倒しながら立ち上がった。 そうとう慌てている様子のオスマンに、コルベールは萎縮した。 「今夜の当直は、ミス・シュヴルーズだったのですが...
  • 第二十章 タバサと小さなスタンド使い-2
     アニエスとリゾットは無言で城の廊下を歩いていく。二人がすれ違った貴族たちが何か小声で囁いていた。「平民」という単語が聞こえてきたため、リゾットは最初、自分について言われているのかと思ったが、よく聞くとやがてアニエスのことを言っているらしいと解った。アニエス本人は陰口などないかのように平然と歩いていく。  その陰口によると、アニエスは平民でありながら、アンリエッタの特別の引き立てで城内を出入りできるらしい。 (なるほど……。それで俺に対して敵意を抱いているわけか)  おそらくは主人の意思を汲み取っているのだろう。アンリエッタが直接、リゾットへの敵意を示したことがなくとも、その感情というものは臣下に伝わるものだ。  アニエスに案内された場所は中央に大きなテーブルのあるだけの、窓もない石造りの部屋だった。  中央にテーブルが設置されており、その上に布をかぶせられた、岩のような形の何か...
  • S.H.I.Tな使い魔-12
    前ページ次ページS.H.I.Tな使い魔 ルイズと康一は、素直にコルベール先生のところへ行くことにした。 ルイズが手に怪我をしてしまったことを話すと、コルベール先生は片付けはもういいから医務室で治療してもらいなさい、と言ってくれた。 「でも、その『スタンド』っての。人前では使わないほうがいいわね。」 治療してもらった帰り、ルイズは思いついたようにいった。 手は水属性のメイジによる治療の後、包帯が巻かれている。 これで、一日もすればほとんど傷はふさがるのだそうだ。 「え、なんで?」 康一はびっくりして尋ねた。 「その『スタンド』のことがあんまり広がると、多分まずいことになるのよ。」 ルイズは歩きながら考えた。 「あんたは知らないかもしれないけど、ここでは『系統魔法』は絶対なの。あんた『スタンド』を杖も詠唱もなしで呼び出せるじゃない。『先住魔法』だと思われ...
  • 見えない使い魔-20
    特に何も無い毎日が過ぎていった。大盗賊が襲撃してきたりすることはなく、王女が訪問してきたりすることもなく、どこぞに冒険に出かけるようなこともない。極めて平和な日々が続いていた。それに不満があるわけではない。 しかし、そこに大きな満足もない。いや、ほんの数ヶ月前までなら彼はそれに満足していたのだ。授業を適当に聞き流し、昼休みや放課後には女子にちょっかいを出してみる。本命にばれやしないかというスリルにゾクゾクしながらなんてことのない日々を送っていた。 だが、もう以前の彼ではない。世界はそんな生ぬるいものではなく、いつか襲い掛かってくることを知っている。それなのにどうして学院という籠の中にいられるというのだ。時間はあるようで、ない。戦わなければいけないときは、前兆なくやってくる。そのときのために強くなりたい。 敗北を知り、彼はそう思うようになった。 「決闘だ!」 「あん...
  • L・I・A 第09話
    第09話 イタリア料理を作らせにいこう!⑦ 「良い匂い・・・・」 本当に良い香りであった。 体力的にも精神的にも疲れきった体は、安らぎを求めて本能のままに足を運ぶ。 門を抜け、本塔に並ぶ程の大きな建物、アルヴィーズの食堂方面に向かっていく。 その過程で何が起ころうとも彼の者達が出会うのは必然か? 伝説は引かれ合う・・・・ 「取リ敢えズ、今回はコレで終ワリにシヨウかと思ッテいましたガ、ソウデスネ、何かデザートでモ作って来マショウ」 それを聞いてオスマンとマルトーの二人がベネッ!と言わんばかりに歓声をあげる。 「ア、仗助サンや他の方々の分モ作りますヨ」 微笑みを浮かべながら戻っていくトニオ。 「トニオさん。俺の分もスか?」 仗助が訊ねる。以前、億泰と共に彼の店を訪れた時(恐らく彼らがトラサルディー開店後初の客)は億泰だけがウマいモノ...
  • 第二十章 タバサと小さなスタンド使い
    早朝のヴェストリ広場、朝の霧の中を二つの影が目まぐるしく動き回る。 リゾットは土中から相手を取り囲むように刃物を出現させ、一斉に相手に向けて放つ。それに対して相手は跳躍すると同時に『レビテーション』を使って浮き上がり、刃物の囲みから抜け出した。 宙に浮いた相手に駆け寄りつつ、リゾットがなおも刃物を射出するが、出現した無数の刃物はその一つ一つが相手が飛ばした氷の矢によって撃ち落された。 朝の薄い光の中で砕けた金属と氷の欠片が乱反射し、煙幕のようにお互いの視界を遮る。 視界が晴れた時、リゾットの姿は消えていた。 きょろきょろとリゾットを探すが、その間もなく砕かれた刃物が空中で再構成され、容赦なく襲い掛かる。それらをマントや杖で叩き落し、身のこなしで回避しつつ、口元を隠し、素早く呪文を詠唱し、杖を振る。 途端に周囲の温度が下がっていく。だが、人間にすぐに害になる温度ではない。リゾットは気にせず、...
  • ねことダメなまほうつかい-9
     アルビオン大陸の青空を一匹の竜がルンルン気分で歌いながら、どこかに向かって飛んでいました。  その背中には一組の男女の姿があります。  「きゅい!子爵さま本当にお肉たくさん食べさせてくれるのね?」 「モチロンだとも!貴族は嘘はつかないさ」  竜はうれしそうにきゅいきゅいと鳴くと、また歌を歌いはじめました。  背中に乗っている魔法衛士隊の隊長風の貴族はバスケットからさくらんぼをひとつ取り出すと、  それを口に入れて舌でレロレロと転がします。  その様子を魔法学院の学院長秘書風の女性は呆れたように見ています。  女性の視線に気づいたのか、隊長風の貴族はほほ笑みながら女性に問いかけました。 「マチルダ、きみもどうだい?」 「アタシは遠慮しとくよ。行儀悪いしね」 「子爵さま!シルフィもさくらんぼ食べたいのね!」  竜がお願い...
  • 第二十章 タバサと小さなスタンド使い-1
    早朝のヴェストリ広場、朝の霧の中を二つの影が目まぐるしく動き回る。 リゾットは土中から相手を取り囲むように刃物を出現させ、一斉に相手に向けて放つ。それに対して相手は跳躍すると同時に『レビテーション』を使って浮き上がり、刃物の囲みから抜け出した。 宙に浮いた相手に駆け寄りつつ、リゾットがなおも刃物を射出するが、出現した無数の刃物はその一つ一つが相手が飛ばした氷の矢によって撃ち落された。 朝の薄い光の中で砕けた金属と氷の欠片が乱反射し、煙幕のようにお互いの視界を遮る。 視界が晴れた時、リゾットの姿は消えていた。 きょろきょろとリゾットを探すが、その間もなく砕かれた刃物が空中で再構成され、容赦なく襲い掛かる。それらをマントや杖で叩き落し、身のこなしで回避しつつ、口元を隠し、素早く呪文を詠唱し、杖を振る。 途端に周囲の温度が下がっていく。だが、人間にすぐに害になる温度ではない。リゾットは気にせず、...
  • 第八話『「土」との遭遇』
    トリステイン魔法学院の本塔がそびえる中庭。 そこで巨大なゴーレムがその本塔にパンチをかましていた。 しかし頑丈な塔の壁にはヒビも入っていない。 「こんだけぶん殴ってんのに・・・どんだけェー」 ゴーレムの肩に乗っている人影がぼやいた。 彼女は『土くれ』のフーケ、今トリステイン中の話題となっている怪盗である。 貴族のみをターゲットとし、時には華麗に忍び込み、時には大胆にぶち破る。 そんな神出鬼没、凄腕の怪盗のフーケだったが、彼女の頭の上でふよふよ浮いている、 前回全く出番のなかった変な帽子にはまだ気づいていなかった。 『変な帽子みたいな使い魔』 ルイズは宝物庫へと力の限り、全力で走っていた。 「うおえ、ちょっと休憩」 わき腹を押さえ、へたり込む。貴族はそんなに体力がないのだ。 そもそも勢いで会場を飛び出してきてしまったが、さっきの...
  • 第二話 使い魔暗殺者(ヒットマン)メローネ!
    「ない。ありえない。ディ・モールト(本当に)ありえない。」 高価そうなアンティークが飾られた部屋。 メローネはルイズとこの部屋で二人っきりであった。 しかし!事もあろうにメローネは!こんなディ・モールト(とっても)いい状況でッ!  ・・・現実逃避の真っ最中であった。 普段冷静で理屈で動いている者ほど、自分の理解の範疇を超えた物事に遭遇すると それを認めることはできないものである。 「ないないないないナイナイナイナイナイナイ  こんなバカなことがあってたま・・・・」 そのとき彼の目に飛び込んできたのは・・・二つの月であった。 ゼロの変態第二話 使い魔暗殺者(ヒットマン)メローネ! 部屋に帰ったメローネがルイズから聞かされたのは、だいたい次のようなことであった。  ・ここはハルケギニア大陸トリステイン王国のトリステイン魔法学院。  ...
  • 9 そこに成功は無い 後編
     空に映る黒い影。  普通の人間には鳥の影にしか見えないそれは、先日の風雨で完全に崩れ果てた小屋の残骸を前で退屈そうにしていた地下水の目には、はっきりと船の形として映っていた。  帆船の胴体に鳥のような翼が生やしたそれが、菱型の陣形を形成して宙に浮かんでいる。  恐らくは、軍艦だろう。民間の船でも複数で固まって行動することはあるが、規則的に整列することなど、まず無いといっていい。  訓練でもしているのだろうか。  そう思って様子を見ていると、さらに西から別の艦隊が近付いてくる。トリステインの西にはアルビオンしか存在しないのだから、あれはアルビオンの艦隊なのだろう。  しかし、こんな時期にアルビオンがトリステインを艦隊で訪問する理由が分からない。アルビオンは内戦を終えたばかりで、他国にちょっかいを出す余力は無いはずなのだから。 「なあ、ウェールズの兄ちゃんよ。この時期って、余所...
  • 白銀と亀な使い魔-8
    ギーシュとの決闘から一週間が過ぎた。次第に落ち着いてきたポルナレフの生活は一週間前想定していた最悪のそれとは著しく異なっている物となっていた。 まず食事だが、決闘の日の夕食前に使用した無断貸借のテーブルクロスを律義にも洗濯し、返しに行くと マルトーがポルナレフを『我らの剣』と呼び、無断で持ち出したことを許して貰えたばかりか食事の面倒も見てくれることになった。 次に、ドットとはいえメイジを倒した平民として学園中に噂が広まり、決闘を挑まれるようになってしまったのである。 迷惑この上ないと思い、ルイズに了承を得た上で、見せしめとして 1番最初に挑んできたマリコルヌを容赦無く『針串刺しの刑』に処したのだが、それでもまだ収まらなかった。 ちなみにマリコルヌは今日も医務室で寝ている。(全治二週間) そして、これがポルナレフにとって最も大切な問題なのだが、とうとうルイズに亀の『ミスター...
  • ゼロのスネイク-2
    「ナルホド…ツマリコウイウ事カ? 『オ嬢サンハ私ノ新タナ主人ダ』…ト」 「『新たな』ってどういう事よ? あんた、前に別のメイジの使い魔だったわけ?」 「イヤ、私ノ以前ノ主人ハメイジデハナイ」 「じゃあ何よ?」 「『スタンド使イ』ダ」 「スタンド…使い?」 ゼロのスネイク 2話 時刻は既に真夜中。 窓の外では月が淡い光を放ち、その光はルイズの部屋にも注いでいた。 で、何故こんな真夜中になってまでルイズとホワイトスネイクが話し込んでいるのかというと―― 「だから『スタンド使い』って何よ!?」 「文字通リ『スタンド』ヲ使役スル者ダ。私ハ『スタンド』ダカラナ」 「『スタンド』? 何の種族よ? そんな系統の亜人なんて聞いたこと無いわ!」 「無理ハ無イ。私ノ予想ガ正シケレバ、私ガ『以前』イタ場所ト『今』イル場所ハ根本的ニ異ナ...
  • 使い魔波紋疾走-8
    ** 数日が過ぎると、生徒達のジョナサンへの印象は二つに割れていた。 一つは貴族に歯向かう不埒な平民、というもので、面と向かってジョナサンに勝負を挑んだり罵声を浴びせる者こそ いなかったものの、ルイズと一緒くたに厄介者を見る目を向けられるようにはなった。 もう一つは平民ながら天晴れ、という評で、周囲が驚いたことにギーシュはこの側に立っており、それどころか 「身分の差こそあれ僕達は友人だ、なぁジョジョ?」と公言して憚らなかった。 とはいえ彼自身の女癖の悪さは決闘後も一向に直る気配を見せなかったが。 一方で使用人、つまり学内の平民達からの評価も微妙なものだった。 「魔法が使える平民」「貴族を圧倒した平民」…つまり「評価はするが得体の知れない奴」というのが大勢の意見で、 その中で「貴族サマに一泡吹かせたってだけで俺ぁ痛快だ」と大笑した厨房長のマルトーと、先の決闘の一件で ...
  • ジョジョとサイトの奇妙な冒険-1
    土と芝生の大地の臭いを感じ、目を覚ましたジョナサン・ジョースターの視界には一面の青空が広がっていた。 透き通るような青空に素直に綺麗だという感想抱く。 しかし、直ぐに朦朧とする意識の中で疑問が沸き上がる。 (ここは……どこだ?) 自分はエリナとのハネムーンで船に乗っていたはずだ。 それが何故陸にいる? 次第に鮮明になっていく記憶。 首だけとなったディオとワンチェンに襲われたこと。 ディオの攻撃を受け呼吸が出来なくなり波紋を練れなくなったこと。 体に残る僅かな波紋エネルギーをかき集め、最期の波紋をワンチェンにぶつけたこと。 それによって体組織を狂わされたワンチェンがシャフトに取付き、船は爆発の道を辿ったこと。 エリナを母親が死に泣き声を上げる赤ん坊と共に脱出させたこと。 ディオが逃げ出さぬように捕まえて船の中に残ったこと。 そこまで思い出し、驚愕し...
  • L・I・A 第07話
    第07話 イタリア料理を作らせに行こう!⑤ ついにッ!ついに始まってしまったッ!『トニオ・トラサルディーの料理』がッ!!! 彼の腕はかなりのモノだ。不味いモノなど出す訳が無いッ!だがッ!オスマン達は知らないッ!アレを『食べたらどうなるか』をッ! 厨房にはメイドの少女とコルベールもいた。仗助達が話をつけている間、別室で待っていたのだ。別に戻っても良かったのだが、この使い魔の青年と謎の料理人に興味があった。 「どのようなモノが出てくるか楽しみですな学院長。あの態度からするに少なくとも下手なモノは出さんでしょうが」 コルベールがオスマンに言う。 「ふむ。しかし、コック長のマルトー君まで唸らせるとなると相当じゃぞ?伊達に長きに渡って料理人をやっている訳じゃあないからのぉ」 そう言いながら出されていたグラスに一口つける。 「ンおッ!?」 オスマンが目を見開き...
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