ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

DIOが使い魔!?-7

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匿名ユーザー

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四方八方から襲いくる触手に、キュルケは辟易していた。
もともとこんなチマチマした闘い方は、彼女の流儀ではなかった。
『微熱』の名の通り、周囲もろとも焼き尽くしてしまいたかったが、ルイズがいる手前、そうもいかなかった。
1つ1丁寧に確実に触手を捌いてゆくキュルケだったが、徐々に枯渇してゆく魔力が彼女を焦らせた。

(~~~ッッッ反則じゃないの……!!)

再生能力。
いくら魔法で焼こうとも、焼いてる側から復活してしまう触手に、ウンザリしつつも、ジリジリと下がってゆくが、ハッキリした後退のチャンスを掴めずにいた。
そうこうしていると、先に痺れを切らしたルイズが、前に出た。
キュルケが聞いたのは、レビテーションの詠唱だった。
こんな状況ではあまりに場違いなルイズの選択に、一瞬怒声をあげようとしたが、それよりもルイズの詠唱が終わる方が早かった。
何しろレビテーションの呪文は基礎の基礎。
詠唱の短さは1、2を争うシンプル魔法だった。
---瞬間、爆発。
続く爆風がキュルケを襲った。

『ゼロ』のルイズ十八番の失敗魔法だ。
なるほど、どうせ失敗するとわかっているなら、どんな魔法だろうとかまわない、詠唱が短いに越したことはなかったということか。
あの状況で最適な選択をしたルイズに、キュルケは素直に感心した。
それと同時に、いつも遠くで見ているだけだったが、今回初めて間近でルイズの『失敗魔法』を受けてみて、その凄まじさにキュルケは舌を巻いた。
あんな、いかにも魔力をバカ喰いしそうな魔法(?)を、ルイズは日常茶飯事に連発していたというのか……
無駄に魔力だけは有り余っているルイズならではの攻撃だった。
しかし、間近で爆発を受けたせいで、どうやら聴覚が麻痺してしまったようだ。
無音の世界に突如放り込まれたキュルケは、自分よりもさらに間近で爆発を受けたはずのルイズを見やった。

体重が軽いせいもあり、地面に倒れてしまっていたルイズは、ムクリと顔をあげ、ペッペッと口の中の砂利を吐き出していた。
爆発の時、ちゃっかり口を開けて鼓膜を保護していたようだ。
手慣れた様子のルイズに、キュルケは経験の差を感じた。
そんなことで悔しがっても意味がないのだが、生憎キュルケは負けず嫌いだった。
……ルイズ程ではないが。


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