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Watcher Demon


Watcher Demon“Lucifer”

審判』の後、彼は唐突に姿を現した。
天使とも悪魔ともつかないその姿は、見る者に『神』を連想させた。

彼はその幻想的な静寂の中で静かに羽ばたき、黒雲の切れ間から射し込む光の中へと消えた。

――教会が創立された時代、悪魔は明確に定義されているわけではなかった。
『ゲート』や『魔界』という概念が確立されたのももっと後になってからの話である。

この悪魔はそのような時代、遡れば旧人類が繁栄していた時代にも『悪魔』と畏怖された、
いわば『原初の悪魔』のひとつであるとされている。
教会では古代の書物と、ジャッジメントデイ直後の資料に記載のあった名前のないこの悪魔に、
通常の名称とは別の、神に叛逆せし傲慢なる堕天使“Lucifer”という通称を与えた。

その涜神的な姿はまさに、“堕ちた天使”そのものであったからだ。

遥か後の時代に、この名を持つ組織が出現するが関係性は不明である。
またロクタス大聖堂には、この悪魔と酷似している像が安置されている。

そして時は流れ、第二次文明戦争と呼ばれた大戦において、名を失いし天使は再び、その姿を現す。

有りっ丈の破滅と絶望、そして闇を、引き連れて。


久平領のこの廃都市に入ってから、虫けら一匹すら見ていない。
 廃墟の中でもこのように、屋根と窓がある場所が見つかったのは幸いだった。

 私が今朝この廃墟から出た時、急に寒気と眩暈を覚えた。

 次の瞬間、朦朧とする私の目に飛び込んできたのは、禍々しくも神々しい天使だった。
 しかし私は、すぐにそれが天使でない事を知った。

 私を見下ろす奴の眼が、悪魔そのものであったのだ。

 私はすぐに逃げ出した。
 あと数秒見られ続けたら心臓が止まってしまうのではないかという恐怖が、
 ひたすら私を突き動かしていた。

 そうして振り返った時、奴の姿はもう、何処にも無かった』


―――探検家ゴッヘルザッホの手記より

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最終更新:2014年06月12日 22:46
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