『喪失』
住人の影だけが彷徨う黄昏の町を舞台に、一人だけ実体をもった少女がどこかへ行こうとするのを
語り手(それが誰なのか、という説明は最後まで無い)が必死に呼び止めようとする、というストーリー。
特徴的な手法として文章に一切の固有名詞が用いられておらず、主語の使用も極端に少なくなっている。
結果、文章全体が不安定なものとなっており、その為に読者は一種異様な読後感を受けることとなる。
この手法は作者の同時期の作品の特徴でもあり、彼の小説の幻想的な雰囲気を高める働きをし、
彼の後期作品の人気を高める一つの要因ともなっている。
ちなみにこの手法については作者が狙って行ったもの、つまりは
技術に過ぎないという意見と、
このような文体となったのは、作者である
レオナルドの執筆時の不安定な心理状態に原因があるとする意見の2つがあり、
未だに結論は出ていない。
最終更新:2014年07月03日 05:19