次元魔法


次元魔法

空間を裂き、次元を開く魔法
それは現行の魔法文明圏において神秘とされる領域。
モンモラスが探求してきた悪魔開発の副産物にして、マイスナーが手に入れた新たな力。

術の発動には鍵と、鍵の力を呼び起こすための呪文詠唱が必要。
その能力は『空間の自在開閉』。開いた次元には物質の収容も可能で、自在に取り出すことができる。
呪文により真の姿を現した鍵があれば、空間の座標を術者の視覚情報から任意で設定することができ、
視認さえすれば遥か先の空間にも作用させられる。

これだけでは何のことはないが、マイスナーは空間内に収容した武具に加速の魔術を施しており、
開いた空間からそれが顔を覗かせ魔力が流れた瞬間に発動する、という術式を組み込むことで
攻撃手段として用いている。

現在では緘口令が敷かれている黄金の20年のある年、辺境の町で起きた大量の悪魔出没事件で確認された
見開かれた目/Enlightenment gate》をユグドラシル政府が調査・研究した結果、
悪魔の多くを占める生体構成物質《デビルマテリアル》(=11次元物質)と、
《目》内部から採取された成分が同一のものであることが判明した。

政府が魔術研究院メイガスで更なる研究を続ける内に
『《魔界》と《此方の世界》に存在する同一物質が世界を挟んで共鳴し合い、
 世界の境界が内と外から圧迫され限界を迎えた時、次元の穴、すなわち《ゲート》が開く』
との仮説を立てたモンモラスは、これを『次元魔法』と名付ける。
そして彼は、この技術の確立に没頭し続け、遂に完成へと至った。

魔界側にはデビルマテリアルが充満しており、此方側には悪魔の死骸から採取したものを使って
悪魔の生命エネルギーを魔力で代替することで内と外の共鳴を再現した。

科学の廃れた魔法文明圏ユグドラシルにおいて、
独学で11次元空間の存在と次元科学理論に到達したモンモラスの頭脳は、手放しでの称賛に値する。
ここで得られた技術は、大戦後にソレグレイユの次元科学との類似性が確認され、
後年に共同研究が行われる運びとなった。

最終更新:2016年01月16日 01:10