三五式航空機兵 連刃
機兵師団構想に基づき、戦部工業で製作された航空機兵。
所謂GGMの一種であり、その草創期、設計の基本思想を色濃く反映した好例として知られる。
諸連戦において、機動突撃型の役割を担う機体として設計された。
元来、
久平国内で生産された
機兵には、長時間空を飛翔する能力を有する「航空機兵」と呼べる代物は長らく存在しなかった。
久平国防軍の主目的である
悪魔の無力化にあたって、重量バランスの関係から装甲を薄くせざるを得ず、
悪魔からの強力な一撃に耐えられない上に稼働時間も短い航空機兵は、その戦術的価値が小さいと見做されており、開発の必要性が認められていなかった。
しかし、
第一次文明戦争において、
ソレグレイユの航空戦力によって一方的に国防軍の航空機が撃墜されたこと、
また、通常の機兵の機動性が、航空機の攻撃に対して高い生存性を発揮することが明らかになってからは
主に制空戦闘に資するものとして航空機兵の本格的な研究が開始した。
その第一弾として軍に制式採用されたのが当機である。
特長としては、風の
マナの利用によって出力の底上げに成功した背部魔導スラスターと
出力調整で即席の火炎放射器にもなる両手足のバーニアにより、機動性と高速性を兼ね備えていることが挙げられる。
また、主武装に戦部の得意とする実体近接武装が採用されていることは、特筆すべき点と言える。
ユグドラシルの職人を招聘して獲得した
魔武装の技術によって、材質の限界以上の強固さを備えた霊晶合金刀の斬撃は
兵器に施された装甲を、その上から強引に破壊する。
これにより、機体自体の機動性と組み合わせ、鈍重な重量級兵器などに肉薄して一挙に痛撃を与えることが可能となっている。
その他、試験的に導入された武装として、機兵用に巨大化・再設計された
魔銃である魔導銃と
魔導銃と同様の機構を併設した多規格機関銃システムを装備。
対魔力効果措置が未熟であった
ソレグレイユ軍の多くの兵器に対して安定的に一定の火力を発揮出来た。
他方、最大火力自体は控えめであり、装甲も薄めであることから、物量の鬩ぎ合う殲滅戦では相手に一方的に食い潰されてしまう。
また、発動機にはマナと、従来の燃料の同時利用を主眼に置いて試験的に開発された「混燃式魔導発動機」を導入しているが
初期型機体については、マナ燃料の圧縮技術の未発達により燃料搭載量が少なめであり、作戦行動半径が短いという弱点を持っている。
画像に示されたのは最初期の機体で、脚部に追加増槽等を取り付けられるアタッチメントが増設された「連刃一二型」。
尚、久平国防軍に於いては、航空機や機兵などについて陸海空で共通の機体を用いる場合が多い為、
機体名やエンジン等には判別の利便性の観点から、制式名称とペットネームが必ずセットでつけられている。
―性能諸元―
制式名称:戦部 へ27 三五式航空機兵「連刃」
機体コード:MT-FW-027
兵器区分:戦闘航空機兵(Machinary Trooper-Fighter Winged)
生産形態:量産機
製造元:戦部工業機兵部門
動力源:巻鄭/蒼翼09-1-2 混燃式魔導発動機ハマ1「巌」×1基
固定武装:戦部07-1 強化鋼製腕部内蔵刃×2本
:嵯廼/クァルン01-1 頭部埋込型多規格機関銃システム×2基
携行武装:戦部02-2 霊晶合金製高硬度軍用刀×2本
:那須18-4 一二.七粍口径三三式自動小銃四型×1挺
:テストラ・マギア01-1 「オーロラ」風・光式魔導突撃銃×1挺
:戦部03-2 三二式携行用軽量防御盾×1枚
特殊装備:四肢部機動制御用バーニアスラスター×4基
最終更新:2025年01月01日 13:25