漁師が海から陸へ帰る道標となる巨大な塔――灯台。
その灯台も外部と内部共に狭いが、殺し合いの場とされる。
そして灯台の天辺の先端部に人間が刺さっていた。
下に垂れ下がっている黒い長髪と黒に近い蒼を強調するコートを着た男。
遙か未来の皇帝――剣龍帝は灯台の先端部に腹部を刺されながら考える。

本来ならば過去の自分と戦いが終わって消えるはずだった。
しかし、気がつけば怪我したままの状態で別の場所にいた。
あろうことに反抗すれば爆発する首輪を付けられて、殺し合いをさせられるという笑えない状況。
現に反抗した赤髪の女は反抗して首輪を爆発された、自分の目の前で。

「胸糞悪いな……」

剣龍帝はそう呟き、刺さっている先端部を手で粉砕し、無理やり身体を引っこ抜いた。
常人ならば激痛を感じるのだが、生憎、彼の身体に痛覚は既にない。
とある理由で自分の力をさらに強力なものとするために『人間の身体』という対価を払って人間ではない身体となったのだ。
尤も、そうなった時の記憶は忘れてしまったが……。

「ふむ……、多少身体が悲鳴を上げているが移動する分に問題ないだろう。どこか傷を癒す場所を探すか」

剣龍帝はとりあえず自分の身なりをチェックした。
と言っても、過去へ行くときに自分が元々持っていた武器は未来に置いて来たから、首輪以外ないものはない。
ふと近くにあった袋を見つけてとってみると主催者側の支給品一式らしきものがあった。
中身を調べ、ある程度把握する。武器らしきものは見当たらないが、今はそれどころではない。

「……食料の確保も必要だな。丁度良い、付近に身を潜める森と魚が取れる川と海の境がある、ここを陣取るか」

地図を見て最初の目的を定める。
その後、傷を癒したら支給品の整理と情報収集をしよう。自分が知っている世界じゃない故に、勝手が分からないのだから。
そして肝心な部分、殺し合いはというと、剣龍帝の選択は『傍観』。

「主催者側の思惑を知らない限り、下手に殺し合う訳には行かない。何より奴らが気に入らん」

剣龍帝は数刻前に見た主催者らしき人物の顔を思い出して殺意を抱いた。
ああいう輩には必ず裏がある。優勝したら願いを1つだけ何でも叶えるというのが何とも胡散臭い。
必ず叶える保障なんてどこにもない、長年生きた勘がそう告げる。
が、下手に反抗して首を吹っ飛ばされるわけには行かない、何らかの方法で解除できたら、その時は主催者達を壊滅しよう。
が、今は灯台から離れることが先だ。他の参加者に見つかる前に、剣龍帝は灯台から森の中へと跳躍した。

【南西 住宅街―灯台 天辺/1日目/深夜】

【剣龍帝@理由の無い日記】
[状態]:かなりの負傷(本人から見れば多少程度)
[装備]:不明
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
(基本):終盤まで傍観。隙あらば主催側を壊滅する。
1:傷を癒せる場所と他の食料の確保のためダイブ。
2:癒えた後はこの世界に関する情報収集
3:他の参加者に見つからないようにする。

(備考)過去の自分である皇帝とタイマンやった後の負傷状態から。


<提供能力>
縁となるモノ:黄色いリボン
能力:殺意の龍眼(+人龍化)
詳細:
相手に殺意を持てば持つほど身体能力及び肉体が強化される、ある意味では誰でも使える能力。
しかし、精神的に強くなければ簡単に発狂してしまうので、意志の弱い者にとっては毒。
また、殺意の龍眼をフル活用した『人龍化』は灰サバの場合、龍角、竜翼のうちどれか1つだけ生える。
因みに龍角の場合は頭部から取り外して武器として使用可能、さらに螺旋状の形をしていてドリルにもなる。


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最終更新:2009年08月24日 22:54