薄暗い森。森の中を、ひたすらにしてひたむきに、走る。泥がはねるのも意に介さず、草木が足に絡むのも気に留めず、狙いを定めて、ぬかるみの疾走を続ける。きっと、きっと、このゲームに参加しているであろう、あの男を追って。
 何故、このゲームが始まったのか。何故、自分がここにいるのか。そんなことはきっとどうでもいいことだろう。問題なのは、奴がどこにいるか、どうやって突き止めるか。それが全てだった。
 男は、盲目であった。物理的な意味ではない。現に、男はこのゲームの違和感に気づいた。彼の性質上、こういう事態にはあまり疎遠ではない。男は、冷静で、明晰で、だが、致命的なまでに、愚かだった。
 男は疾走する。ひどくぬかるむ筈の泥道でさえ、バジリスクトカゲが水面を渡るように、それが当然であるかのごとく、長い黒髪を、獅子のたてがみのごとくたなびかせ、駆けぬけていく。愚かで滑稽。されど誰より純粋に。月を背後に斜面を下り、目的のみを求め、盲目的に。その狂気は、男の賢明さゆえ。その殺意は、男の情熱ゆえ。
「ここは“殺してもいい”世界。そうなんだろう、センライとやら。」
 その胸に抱かれるのは、想いではない。その腕が振るわれるのは、正義ではない。

 森があける。広がる光景は、暗い夜空。だが男の目前に広がるのは、夜空よりももっと深く暗いもの。
そのコートが白さを保っていられるのがいつまでだろうか。
 最大の不幸にして、最悪の前提。
正義の代弁者と謳われた男が呼び出されたのは、数年前の12月。幾重にも、重なりあって“しまった”がゆえ、タガがはずれた。


男―――――リッター=シュナイドは、病んでいた。


彼に常識は。

もう。

ない。







【北東 森の南側出口/一日目/深夜】
【リット@Vulneris draco equitis・basii virginis】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考・状況]
(基本):目的の男を狙って走り回り、神出鬼没
1:目的の男を見つけ、正面から力を持って殺す
2:理性的思考力低下、ひどく感情的
3:邪魔者には容赦なし、売られた喧嘩は買う
4:情報収集のために他人を襲撃する場合有り

(備考)参戦時期:ドッペル発現後の12月
    目的の男は皆さんの想像にお任せ。
    誰も触れないようならあとで書く。


<提供能力>
道具:グラム、ガルム
能力:魔術知識及び魔力
詳細:
 魔法・魔術が使える。ただし持ち主の素質の影響が強く、手にする人物によっては最弱の能力にもなりうる。
 精神力に優れ、莫大な知識を理解し扱い切れる者が持てば、あらゆる事象を起こせるだろう。忍耐力のなく、緻密な作業のできない、理解力の無い者では、蝋燭ほどの火を灯すのも難しいかもしれない。しかし、ひょっとしたら気合いで思わぬ魔法を発動させることができるかもしれない。

 魔銃についてはその限りではなく、術者の魔術を自動的に搾取し発動するため、引き金を引けば弾は出る。また、これらは魔法陣として身体に携帯可能。


※詳しい事は灰楼杯前のキャラの能力設定に関する更新にてお願いします。


<ヨミ能力提供>
道具:筆箱
能力:デンダインフィールド
詳細:
 TCUウドバニ項参照。
 描く速度や精度によって優劣が出るのは言うまでもない。


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年08月24日 22:56